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歯周病コミュのおそるべき誤解

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 人から聞いた話ですが、「歯医者が歯周病患者に抗生剤を使わないのは抗生剤で治ってしまうと治療費がとれなくなるからだ」なる話を本気で信じ込んでいる人がいると聞きました。(このコミュにも近い考えの方がいらっしゃったようですが、、、、)。おそるべき誤解です。この考えが広まったら地道に正しい治療をしている歯科医師が風評被害を被り、安易に効きもしない抗生剤を処方して雑に治療を終わらせてしまう歯科医師が信用されてしまうかもしれない。
 以前になぜ抗生剤が歯周病に効かない場合が多いか、詳細に書き込んだことがありますが、前述の考えに近い方が怒りだしてしまったので一度は削除いたしましたが、やはり黙っているわけにはいきません。(自分が信じていた事を否定されたからといって単純に怒りだすような幼稚な態度をとる方を気にしても仕方がありませんので)
 
 まず歯周病は基本的には常在菌が原因となると考えられます。例えば結核や梅毒のように、普段は身体にいない菌が外から感染して病気となり、その菌がいなくなれば病気が治る種類の感染症とは異なります。要するに身体(歯茎の組織)と菌のバランスが崩れる事によって時間をかけて慢性的に進行していく病気。これが歯周病です。なのでまずは歯周病にたいして細菌検査を行ってもあまり意味がありません。健康な人からも検出される菌が原因と考えられるからです。そして歯についている菌は「バイオフィルム」という状態で付着しています。すなわち多種多様の細菌群がネバネバした基質の中に集まってそれがくっついている状態です。その状態になると薬に対して何百倍も抵抗するようになります。また、バイオフィルム内の細菌はとても代謝が低くなっています。抗菌薬は細菌の代謝を抑えるというメカニズムで菌を叩くので、代謝が低い場合にはあまり効果がないのです。(一時的に歯茎が急激にはれる急性症状のときには菌の代謝はあがっているので抗菌剤が効きます)。そして仮に抗菌剤で一時的に菌を減少させる事ができても、常在菌ですから薬を飲むのをやめればまた復活します。これが抗生剤がが歯周病に効きにくい理由です。
 必要なことはやはり毎日のブラッシングです。歯医者はブラッシングで届かない歯茎の深い部分の歯石やバイオフィルムを除去します。(スケーリングという治療です。スケーリングはただ歯茎をいじくっているのはありません)。また時には手術的に歯茎を切り開いて汚れをとる場合もあります。フラップ手術という方法です。
 これらが終わって治癒が怒ったならば次はメインテナンスといってブラッシングの強化やクリーニングを2〜3ヶ月に一度続ける治療が始まります。この治療には終わりはありません。これをしないとせっかくよくなった歯周病がまた再発します。
 前に書いたように抗生剤はバイオフィルムには効きにくく、また使用をやめれば効果はなくなります。なので私自身は急性の場合を除いては安易に処方する事はありません。今、無知な歯科医師の間ではやっているジスロマックも自分では処方した事がありません。そもそもジスロマックのような強い薬を良く説明もせずに安易に処方する歯科医師の神経が私にはわかりません。

ジスロマックの副作用について
http://blog.iryou-zatugak.lomo.jp/?eid=243636

「でも以前に歯ブラシやらスケーリングをされたけど良くならず、薬を使ったらよくなた」とおっしゃるかたもいらっしゃるかもしれません。しかし僕自身は薬を使わずに「以前に治療を受けた」患者を劇的に改善させた事を何度も経験しています。同じ治療でも質の違いがある事も理解されてください。そしてスケーリングや歯ブラシ等で払った費用はいくら位だったでしょうか?対して高くなかったのではないでしょうか。歯医者としてはあまり金にならないスケーリング等の治療に時間をかけたくないというのが本音なのです。薬で一発で治れば、どんどん使って治した方が、次のお金になる補綴治療等にも進めますし、かえって得なのです。どうか根拠のない話を信用しないように、誤解しないようにしていただきたいと思います。

コメント(15)

>まりも さん

当たっていると思います。
歯周病の場合よほど進行しなければ症状があまりないのでごまかせてしまうんです。原発事故もそうですが、散乱する情報の中でいかに正しい情報を見分けられるか、それにかかっています。
> まりも さん

情報を流す方も正しい知識がない場合が多いのです。学会ですらも、、、
投稿は1年ぶりです。極めて本質的な記事があったので、黙っていられなくなり投稿です。
「恐るべき誤解」と題された記事を読みました。この先生のご意見は全くの正論で、全面的に同意です。私の信頼し、通っている先生は、症状によってごく稀に風邪などのときと同じ抗生剤を使うだけです。常在菌なのでこれでよいのです。しかし金とか名声のために医者の魂を売り渡す、抗生剤を多用するような医者も少数ながら存在します。私のブログ記事第166、「歯周病は感染するか」を見て下さい。
また予防を軽視する歯科医もいます。同じくブログ第157を見て下さい。正しい情報だけが流れると言うことは今後もありえません。ともに戦い続けましょう。
ちょっと誤解を招く内容だったので11は削除させていただきました。
伝わる人には伝わったと思います。
まりもさん
少数です。魂を売り渡す、政治家、役人、財界人、医者いずれも少数です。焼肉店主、考古学者、検事、学校の先生、警官、自衛官などなど、魂を売り渡すのは少数です。60年の人生の経験から言っています。少なくともそう信じています。そうしないと絶望が先立ってしまい生きるのが辛くなります。希望を持ちましょう。ただし、見分けるのは自分、自己責任です。抜くのは最後の手段、削るのは最小限、これなら大丈夫です。予防に手間をかけてくれる(除石は15分以上かかる)なら大丈夫です。見分けるヒントにもなればとブログを書いています。ご参考までに。

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