ジュリーとの新しい思い出コミュの１９８６年・パート１（正月歌劇と吉川晃司）

　正月恒例のライブは『正月歌劇』と題されて開催された。『哀しみの
アダージョ』『恋のアランフェス』などの名曲で始まるライブで、この
ライブは２０周年の記念のアルバムに入っているのだけれど、ＭＣは完
全にカットされている。
　この頃のジュリーはかなり毒舌で、ＭＣでやり玉にあがったのは、吉
川晃司だった（と週刊誌に書いてあった。会場に行った方からの情報求
む）。前年の大晦日の紅白で、吉川晃司が演奏終了間際にギターに火を
つけるというパフォーマンスをし、次の歌手・河合奈保子をびびらすと
いう大失態をおかしていて、ジュリーはライブのＭＣで「白組が負けた
のは、吉川晃司のせいです」と言って笑いをとっていたそうだ。

　８４年当時の記事によれば、ジュリーと吉川晃司は同じ事務所の先輩後
輩関係ながら、ジュリーは吉川晃司のことをとても嫌っていて、半径数メ
ートル以内に絶対入れなかったという。ホンマかいな。吉川晃司の挨拶が
足りなかったんだろうか。ま、吉川がデビューした８４年はジュリーにと
って独立を前にしたナーバスな時期だったということもあるだろう。
　８４年、ナベプロの会長・渡辺晋さんは精鋭のプロデューサーを会長室
に集め、「この金で新人を売り出したい」と金庫を開けた。その中には１
億円しかなかったという。そんなにうちの会社はヤバいのかとそこにいた
人たちは内心かなり動揺したらしい。
　７８年にキャンディーズが解散してからナベプロには有力な新人が現れ
なかった。その間にもスターがどんどん独立していき、ジュリー一人だけ
で会社を支えた時期もあったようだ。会社の金庫の１億円をそんなジュリ
ーのプロモーションに使わず、吉川にかける。このことは多分ジュリーも
面白くなかったのでないだろうか、憶測だけれども。

　しかし、しかし、数年を経て、いつのまにかジュリーと吉川晃司はかな
り仲良くなっていた。間に佐野元春や大沢誉志幸が入り、少しずつ誤解が
とけていっただろうか。
　ジュリーと田中裕子との挙式に吉川晃司も出席し、二次会では一緒に『
勝手にしやがれ』を歌っている。
　ジュリーが『すべてはこの夜に』のアレンジを吉川版にすれば、吉川も
カバー曲の番組で『サムライ』を熱唱。とっても良好な先輩後輩関係になっ
ている。いや、もともとジュリーが吉川を嫌っていたというのはデマなの
かもしれないなあ。こんなに仲がいいとそんな風に思えてくる。

　その後、朝ドラ『はね駒』に出演。

　年の半ばに新曲『アリフ・ライラ・ウィ・ライラ』を発表。これはハウス
食品『ｉｔ’ｓ』のＣＭ曲で、「野性を呼び覚ませ～」とＴＶで流れまくっ
ていた。ドキュメント番組でもこの歌のレコーディング風景が流れ、ヒット
の予感があったが、あまりいい成績ではなかった。不倫騒動などが尾を引い
ていた頃だったからか。
　なお、この曲のジャケットには大きくバーコードの数字が書かれていて、
ジャケットの写真をけがしてる。初めて手にした時、まずそう思った。大量
消費時代もコンピューターの進化とともに全てをバーコードで管理するよう
になった。音楽までもこんなに管理されるのか。今では当たり前のことだけ
れど、当時はそんな風にも思っていた。

　http://www.youtube.com/watch?v=MwwRNiERY7Y
　　　夜ヒット『アリフ・ライラ・ウィ・ライラ』

　

　　　　　　　　　『アリフ～』が使用されたＣＭ

　