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FX&個別株の投資スクールコミュの戦争が近い?2

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▼反米反イスラエルに傾くアラブ

イスラエルがハマスやヒズボラとだけ戦っている間は、国家間の戦争ではな
い。従来から繰り返されてきたことでもあり、国際的な衝撃は比較的小さい。
しかし開戦後、ヒズボラはシリアやイランから武器供給を受け、ハマスはエジ
プト(シナイ半島)から武器を搬入し続けるだろうから、イスラエルはシリア
やイラン、シナイ半島を空爆する必要に迫られる。特にシリアとイランは従来
からイスラエルの敵なので、戦争が拡大する可能性が高い。イスラエルが、シ
リアやイランを攻撃したとたんに、この戦争は中東全域を巻き込む。

シリアはアラブ連盟の一つの国なので、アラブ諸国は全体としてイスラエル
敵視を強める。従来なら、アラブ諸国の中でも親米国であるサウジアラビアや
エジプトは、反米国であるシリアに冷淡だったが、ここ数年、米軍イラクの失
敗を機に、アラブ諸国は反米反イスラエルのイスラム主義の傾向を強めている。
アラブ諸国では、シリアやヒズボラ、ハマスを見殺しにするなという世論が高
まる。アラブはイランとも接近する。

アラブが反イスラエルになる半面、米議会はイスラエル支持決議をするだろ
うから、アメリカとアラブの敵対が強まる。状況は、1970年代の第4次中
東戦争時、アラブがアメリカなどへの石油輸出を禁じ、石油危機が起きた時に
似てくる。

中東産油国をめぐる政治状況の変化に合わせるかのように、経済状況も激変
している。以前の記事( http://tanakanews.com/071106dollar.htm )に書い
たように、サウジなどペルシャ湾岸産油国6カ国(GCC)の通貨は、為替が
ドルに連動(ペッグ)しているが、アメリカが不況に近づき米連銀(FRB)
が利下げを繰り返すほど、世界的なインフレが湾岸産油国を襲い、ペッグを維
持しにくい状況が加速している。GCCでは通貨のドルペッグをやめるべきだ
という議論が強まっている。
http://www.menafn.com/qn_news_story_s.asp?StoryId=1093184285

▼OPECのドル離脱という石油危機の可能性

加えて世界の産油国の集まりであるOPECでは、これまでドル建てだった
石油の国際価格を、ユーロもしくはドルペッグをやめた後のGCCの通貨で表
記する形式に変更すべきだという主張が強まっている。この主張は、昨年末の
OPECサミットで、イランとベネズエラという反米的な2カ国によって初め
て主張され、当初は反米主義に基づく非現実的な極論と思われていた。だがそ
の後、アメリカの金融危機の深化で、ドルの潜在的な信用不安が拡大するにつ
れ、急速に現実味を帯びてきた。
http://tanakanews.com/071120oildollar.htm

2月上旬には、OPECの事務局長(Abdullah al-Badri)が「10年以内」
という限定をつけつつも「ドルの下落が続いているので、石油価格をドル建て
からユーロ建てに変えざるを得なくなるかもしれない」と表明した。OPEC
では近く、各国の財務相が集まり、石油のドル建て表示をやめることについて
改めて会議を開く予定があるとも報じられている。
http://afp.google.com/article/ALeqM5hXQsXWGWNBPButK682o4AVjEn_yw
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=43221§ionid=3510213

アメリカではサブプライムの住宅ローン破綻が、高リスク債券市場全体の崩
壊を誘発し、先週は地方公共団体が発行する債券の売れ行きが急に落ち、各州
政府などがパニックに陥った。45兆ドルの高リスク債の債務保証を行ってき
たモノライン保険が業界ごと崩壊しそうにもなっている。金融危機を回避しよ
うと、米連銀はドルの大増刷と利下げを続けており、ドルの信用不安は今後さ
らにひどくなることは必至だ。
http://www.ft.com/cms/s/0/3b313712-db09-11dc-9fdd-0000779fd2ac.html

経済的な事態は、GCCは通貨のドルペッグをやめざるを得なくなり、
OPECは石油のドル建て表記をやめざるを得なくなる方向に進んでいる。
そして、イスラエルとイスラム諸国との戦争が起きたら、GCCやOPECは
政治的にもドル離れを画策するようになる。中東大戦争が今夏までに起きたら、
ドル危機のタイミングと合致するので、GCCとOPECによるドル離れとい
う「石油危機」が発生する可能性が高い。石油価格の高騰と、ドルの下落が起
きる。

▼イランの背後にプーチンのロシア

イランは2月17日、一昨年あたりから構想されつつ何度も延期されてきた、
石油製品取引所を、ペルシャ湾岸のキシュ島に開設した。この取引所の目的は、
ドル以外の通貨で石油製品を取引することで、イラン政府の反米戦略の一つで
ある。
http://ap.google.com/article/ALeqM5g6bgNRB1QOjRkOWoj3A619ANqDXAD8US9F8O0

イランは米イスラエルとの戦争と、アラブ諸国を親イラン的なイスラム主義
の方向に持っていく政治戦略に加え、アラブなど世界の産油国を巻き込んだド
ル潰しの経済戦争という、軍事・政治・経済の全面で、米英イスラエル中心体
制への挑戦を行っている。これまで何回も延期されてきたこの取引所の開設を、
イラン政府が今回のタイミングで行ったことの意味は、間もなく始まりそうな
中東大戦争と合わせ、イランが戦いに打って出る時が来たと考えているという
ことだ。イランの盟友であるベネズエラも、アメリカとの「経済戦争」に言及
している。
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2008/02/12/2003400947

これはイランだけで構想したものではなく、裏に黒幕としてプーチン政権の
ロシアがおり、中国なども巻き込んだ、世界的な覇権構造の転換戦略となって
いる。イランは、新設した石油製品取引所の中心的な取引通貨の一つにロシア
のルーブルを据え、ロシアと組んでドル本位制に挑戦する。
http://www2.irna.ir/en/news/view/menu-237/0802150324191831.htm
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=43254§ionid=351020103

従来は、イランとロシアが組んでも経済面でアメリカに勝てる見込みはなか
ったが、米金融とドルの危機が急拡大する今後は、どうなるかわからない。ブ
ッシュ政権など、米イスラエルの右派が、自陣営の自滅と敵陣の強化を推進す
る隠れ多極主義者であることが、イランやロシアにとって大きな有利となって
いる。

▼戦争になるかどうかの瀬戸際

イスラエルがイランを攻撃する場合、核兵器を使う恐れがある。イスラエル
は400発の核爆弾を持っている。イスラエル右派と米ネオコンは、イスラエ
ルがイランを核攻撃することを以前から扇動している。核兵器を使ったら、イ
スラエルは恒久的にイスラム諸国の敵となり、イスラエルが国家消滅するまで
戦争が続くだろう(だから使わないとも考えられる)。
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1167467784060&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull

イスラエルがイランを攻撃したら、イランは報復としてイラクの米軍を攻撃
する(イラクの親イランのシーア派武装勢力に米軍を攻撃させる)と表明して
おり、アメリカとイランの戦争に発展する可能性が出てくる。イラク駐留米軍
の唯一の地上補給路はインド洋からイラン正面のホルムズ海峡を通るルートな
ので、イランがホルムズ海峡を封鎖する可能性も高まる。

中東の米軍動向に詳しい、元CIA(国連査察官)で今は反戦運動家のスコ
ット・リッターは最近、中東地域での米軍の軍備増強は今春3−4月に一つの
頂点に達するので、その時にアメリカがイランを攻撃する可能性が80%ある
と述べている。
http://www.clevelandjewishnews.com/articles/2008/02/07/news/local/war0208.txt

ブッシュ政権自身は最近、イラン核開発疑惑やイラク情勢をめぐって、イラ
ンに対して譲歩したり緊張緩和したりする姿勢を続けている。だから今春、米
軍の方から戦いを仕掛けてイランを空爆する可能性は低いと考えられる。だが
半面、米政権は以前からイスラエルにイランを攻撃させようと様々な誘導行為
を行ってきた。そのことから考えて、イスラエルがイランを攻撃し、それにア
メリカが巻き込まれる形で米イラン間も戦争になる展開なら、米政権は乗って
いくと考えられる。その準備として、米軍が中東での軍備増強をしている可能
性はある。

イスラエルがヒズボラやハマスと戦争になり、それがシリアやイランとの戦
争に拡大したら、米軍も巻き込まれ、今春から今夏までの間に中東大戦争にな
るだろう。パキスタンのイスラム主義化、アフガニスタンのタリバン再台頭と
NATO撤退、トルコのイスラム化加速、ヨルダンとエジプトのイスラム主義
化(下手をすると政権崩壊)などがあり得る。

アメリカでは来年1月から次の政権になる。今の選挙戦の趨勢が続くと民主
党政権ができる可能性が高い。今政権中に中東大戦争が起こり、次期政権が民
主党になったら、大戦争を終わらせるためアメリカは、イラクからの撤退、イ
ランやシリアとの和解、ハマスやヒズボラの容認などをやり得る。アメリカは
中東での覇権を減退し、代わりにサウジとイランとエジプトとトルコあたりに
よる自律的・協調的な中東運営に移行するかもしれない。従来、これらのイス
ラム諸国どうしの対立を仕掛けてきたのは米英であり、米英が中東から出て行
くと、中東内部の対立は解消される。

中東大戦争が一段落した後、欧米は、イスラエルをアラブ側と和解させ、第
3次中東戦争前の国境線の国としてイスラエルを存続させる外交努力を行うか
もしれないが、いったん大戦争になったら、アラブとイスラエルの和解は非常
に難しくなる。アラブ側にとっては、イスラエルを存続させず、一気に潰して
しまった方が安心できるからだ。欧米諸国やロシアで、イスラエルから戻って
くるユダヤ人の受け入れ態勢を作る必要が出てくる。

今回、書いたことの多くは、従来の国際政治の常識からすると「とんでもな
いこと」「あり得ないこと」である。しかし、イスラエルがシリアやイランに
戦争を仕掛けたら、この通りにならないとしても、とんでもないことが起こり
うる。逆にこれまでのように、リブニ外相らイスラエル中枢の中道派が粘って、
シリアやイランとの戦争突入を抑止している限り、米イスラエルの右派が挑発
し続けても、大したことは起こらない。何が起きるか、今後の推移を見ながら、
その都度の分析記事を書き続けることにする。

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