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カウンターテナーズ&・・・コミュの大地の声

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大地の声


メゾソプラノ
波多野睦美

ピアノ
寺嶋陸也


2008年7月10日19:00
王子ホール


プログラム


日本民謡

宮崎県民謡/寺嶋陸也:稗搗節

間宮芳生:「日本民謡集」より
とのさ(第2集)山形県民謡
まいまい(第4集)富山県民謡
ちらん節(第5集)鹿児島県民謡
さんさい踊り(第4集)富山県民謡
子守唄(第1集)秋田県民謡
米搗まだら(第5集)長崎県民謡

宮崎県民謡/寺嶋陸也:刈干切唄


オーヴェルニュの歌

カントルーブ:「オーヴェルニュの歌」より
泉の水[3つのブーレ](第1集)より
紡ぎ女(第3集)
オイ・アヤイ(第4集)
子守歌(第3集)


休憩(20分)


イギリス民謡

ブリテン:「イギリス民謡集 第1集」より サリー・ガーデン
ヴォーン=ウィリアムズ:リンデン・リー
ブリテン:「イギリス民謡集 第1集」より 木は高く育ち
スコットランド民謡/寺嶋陸也:ラグル・タグル
イギリス民謡/ヴォーン=ウィリアムズ:グリーン・スリーヴズ
ブリテン:「イギリス民謡集 第3集」より 流れは広く


ハンガリー民謡

バルトーク:「20のハンガリー民謡集」Sz92より
縁結びの歌1(第3集 様々な歌)
縁結びの歌2(第3集 様々な歌)
古い哀歌(第1集 悲しい歌)
セーケイの穏やかな踊り(第2集 踊りの歌)
セーケイの速い踊り(第2集 踊りの歌)


アンコール
岡山県民謡/山田耕筰:中国地方の子守唄
富山県民謡/間宮芳生:こきりこ(「日本民謡集」第4集より)


私は、波多野は「器用な」歌手ではないと思っている。
それは、自分のスタイルを貫くという意味である。
今回のプログラムをみて、これは難しいだろうと漠然と思っていた。
民謡は土着の生活から生まれたもので、異なる「地方」(あえて「国」という言葉は使わない)のものを歌い分けるというのは至難である。
しかし、果たしてそのような心配は、やはり波多野に関しては杞憂なのであった。

プログラム前半は日本民謡とフランスのオーヴェルニュ地方の歌。
ピアノの寺嶋自身が編曲した、波多野の出身地である宮崎県の民謡2曲に挟む形で間宮芳生の「日本民謡集」から6曲。
やはり、何を歌っても波多野は自分のスタイルを崩さないのであった。
私が驚いたのは、この「日本民謡集」のピアノパートである。これはただの「伴奏」ではなく、むしろピアノの方に本質があるのではないかと思った。昨日ようやく楽譜を入手し確信に変わった。
楽譜をみると、ピアノは歌の添え物ではなく、むしろ歌をリードするような形で歌を導き、同時に厳密なリズムを構成していることがわかる。これは単なる編曲ではなく民謡に名を借りた再創造ともいうべきものだ。

次いで、オーヴェルニュの歌。標準的なフランス語とは異なる地方語。いずれも小曲であるが、いずれも微笑ましくなってしまうような内容だ。
「紡ぎ女」
“私の羊の番をする代わりに 羊飼いはキスをひとつせがむ”
“で私は恩知らずじゃないから ひつつどころかふたつあげる!”

休息後の前半はイギリス民謡。これらの曲をすべて「イギリス」でくくることには無理があるが、波多野の本来の真価が発揮されるおなじみの曲である。
「サリー・ガーデン」は最も生で聴きたかった曲である。アイルランドの「国歌」ともいえるほどの曲で、泥臭く歌われることが多いのだが、これを波多野が歌うとその独特のメランコリックなメロディーが際立つ。
「アルフォンシーナと海」に収録されている「リンデン・リー」はつのだによるギター伴奏だが、この郷愁を誘うメロディーのピアノ版を初めて聴く。

バルトークはコダーイとともに、ハンガリーの民族音楽を収集したことで知られる。
「20のハンガリー民謡」はその膨大な成果の1つに過ぎないが、そのメロディーはみなどこかで聴いたような懐かしい感じをたたえている。

これらをすべて破綻なく歌いきった波多野は、やはり何を歌っても「波多野睦美」なのであった。

コメント(6)

「波多野睦美」さんのコンサートに行ってみたくなりました。

>宮崎県民謡/寺嶋陸也:刈干切唄
これはピアノだけですか?だとしたらどんな演奏でしょう!想像できません。
ピアノだけではありません。
歌とピアノです。
一、二、三、四、五、六、七、八、九

舞台の袖から中央まで大股に歩んで九歩目、
立ち止まった瞬間、もうそこは波田野睦美の世界だった。
何の気負いもなくごくごく自然体で、音は彼女の
唇から次から次に溢れ出て豊かな大地の「絵」を
空間に描く。

日本・フランス・イギリス・ハンガリー、
季候、風土、文化の伝統、生活習慣、食、言葉、
それぞれ全く異なる各国の(Marchさんに習って“地方”と
言うべきかも)『大地の声』を描き出す作業は、多分
私などでは全く想像も及ばないような至難の業であったに
違いない。

でも、そんな『至難の業』であったと、まるで感じさせない
日本の大地、フランス オーヴェルニュの大地、イギリスの大地、
ハンガリーの大地の声を豊かな声と感性で見事に描いて
みせた波多野さん、「民謡作品を演奏することは
『うた』の力を確認する作業」と言い切っているが、
きっと十二分に“『うた』のちから”を再確認出来たことだろう。

非常に深みのある声、決して汲み干すことなどできない
潤い豊かな、大地の女神の歌声がそこにはあった。

*********

オーヴェルニュの歌のあと20分の休憩。

ここ王子ホール二階ホワイエ、ドリンクカウンターで。
スパークリングワイン(スペイン フレシネ社製カヴァ400円)、
ビゴのサンドイッチ500円を。

この2点は是非お勧め。




間宮芳生の「日本民謡集」のCDを楽譜と首引きで聴いてみました。
難しい。「こきりこ」ぐらいしか一般には知られてないわけだ。なぜならば「こきりこ」が一番易しいから。それにしても原曲は途中で転調するから「転調を無視すれば」という条件が付くが。
少し練習すればなんとか歌えそうな曲は24曲中数曲しかない。
「子守歌」はいい曲だが、音域的に低くてカウンターテナーで歌うのはきつい。
このCD、24曲中波多野は12曲、残りの12曲は森一夫が歌っている。できれば波多野が全曲を再録音してくれないかな。
上述のCD
https://www.fontec.co.jp/bin/cdd3.cgi?numb=FOCD3481&action=search&list=on&pass=

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