ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

めさのマイミク拡張エリアコミュの悪魔ぶって被災地を襲撃してみた・準備編(後編)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
悪魔ぶって被災地を襲撃してみた・準備編(前編)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1729111026&owner_id=1137065

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ボランティアに行くのを断念しようかと、真剣な考えも浮かぶ始末だ。

 しかし、ここで思い出したことが。

 俺、福島県に友達いるじゃねえか!

 その女子は俺が人間ぶって飲み屋で働いているときも、ちょくちょく飲みに来てくれる、いわき市在中の、人間の細胞で構成された乙女である。

「もしもし、Yちゃん? 久しぶりー」
「お久しぶりです」
「今、電話いい?」
「はい、大丈夫ですよ」

 おっと、俺は悪魔だから、こっちが実際の話し方だ。
 やり直し。

「ふはははは! 下賎な下々の民よ! 久しぶりだな!」
「お久しぶりです」
「今から悪魔であるこの俺の、様々な質問に答える栄光を貴様に与えてやろうではないか! いい?」
「はい、大丈夫ですよ」

 いわき市はテント泊を認めておらず、ビジネスホテルの利用を勧めている。
 それは、言い方を変えれば「ボランティア参加者のためにテント用のスペースを用意していない」だけではないだろうか。

「ふはははは! Yよ! この俺様が下僕を2人連れ、貴様の町を襲撃してくれる! テントを張っても怒られないような空き地を探せるか!? ボランティアセンターから遠くない場所がいいなあ」
「たくさんありますよ」
「そうかそうか! ふはははは! では、その空き地が誰かの土地のようなら、管理者や近所の者に事情を話し、テントを張らせてもらうとしよう! 断られるかも知れんから、空き地はいくつか目をつけておくがいい!」
「解りました」
「では、よろしくお願いします」

 続けて、今度はいわき市のボランティアセンターに電話。

「はい。いわき市社会福祉協議会です」
「はっはっは! 愚かな人間よ! 俺様は悪魔だ!」

 ガチャン、ツー、ツー、ツー。

 なんてことにもなりかねん。
 ここは相手を油断させるために、人間のフリをして通話してやろう。

「もしもし? 恐れ入ります。そちらではテント泊を認めていないと聞いたのですけれど」
「ええ、そうなんですよ。すみません」
「いえいえ。ただ僕、現地の友人に空き地を見つけてもらっているんですよ。周囲の住民の方にも許可を得ます。そういった形でも、寝泊りしたら問題になりますかね?」
「いえ、それなら大丈夫と思いますよ」
「ホントですかー。じゃあ、『市の条例でテント泊は絶対に禁止!』っていうニュアンスではないんですね?」
「ああ、ええ。そういうのではないですよ」

 かくして、行き先がようやく決定!
 目指すは福島県、いわき市だ!

「Yよ! 喜ぶがいい! ボランティアを装って貴様の町行き、ボランティアと見せかけてボランティアをすることが正式に決まったぞ!」

 報告をしつつ、脳内で次の段取りを組み始める。

 食材は何を持って行こう。
 タマネギ、ジャガイモなら冷蔵せんでも大丈夫だから持参しよう。
 いや、2泊しかしないから、他の野菜もイケるかな?
 シーチキンやコンビーフも使い勝手がいいから多めに持って行くとするか。
 昼はキツい作業で大変だろうから、せめて夜はキャンプみたいな雰囲気で食事をし、自分たちをケアしてやろう。
 初日はカレーがいいけど、仲間たちは俺が甘口のカレーを勝手に作ったら怒るだろうか。
 辛いのは辛くて食べられないのだが。

「え? めささん、今なんて?」
「いや、ごめん。独り言。…じゃなかった! ふはははは! 俺様の獲物をどう料理するかを考えておったのだ! タマネギいくつぐらい持ってこうかなあ」
「こっち普通にスーパーありますよ?」
「ですよねー」

 やはり情報は大切である。

 食材は現地で調達し、経済的にも現地を支援…、もとい。
 食材は現地で調達し、俺様の荷物を少しでも軽くしてやろう。

 そんな折り、一緒に行く予定の仲間から連絡が。

「めささん、大変!」
「どうした!?」
「テント泊してたボランティアが警察に捕まったって!」
「え、なんで?」
「わかんない。友達から聞いた」

 要するに未確認情報じゃねえか。

 仲間は慌てたように続ける。

「せっかくボランティアに行ったのに、警察に捕まったせいで、何もできなかったら嫌だ!」

 それはそうだが、それを人に伝える前に情報の真偽や詳細を確かめるのが先じゃねえか。
 もし俺まで、たいした確認もせずにその情報を鵜呑みにしたとしよう。

「なんだって!? そりゃ大問題だ! 今すぐテント泊の段取りを白紙にし、計画を根底から練り直す!」

 そんな展開のあとで、「実はボランティア員がテント泊しただけで警察に捕まるとかってガセネタでした」って知ったら最悪な気持ちになるじゃねえか。
 勘違い情報ではなかったとしたら、今度は「テント泊をしていただけでどうしてボランティア員が警察の世話になったのか」といった理由が重要だ。
 人の敷地に勝手に入ったから?
 夜中に騒いで通報されたから?

「友達から聞いただけだから、解らないって言ったじゃん!」

 解ってから連絡してきやがれ。

 だいたい地震発生当時も、色んな偽情報が飛び交ってたじゃねえか。
 だから俺がツイッター(http://twitter.com/yumemityounoshi)で情報拡散するときは、個人サイト以外のホームページのURLを情報源として張ってから広め、見た奴が真偽確認を取りやすくした。
 逆に、ソースの提示がないつぶやきは「誤った情報かも知れねえぞ」と考えるようにしている。

 こういった考え方をしていると、なかなか便利だ。
 お前ら人間どもも癖として身につけておくと、俺みたいな悪魔に惑わされないで済むので、俺的には非常に困る。
 つまり、お前ら的には助かる。

 だから、えっと、つまりね?
 お前らばかだから、何か聞いても、すぐに信じるなよな!
 言う側も言う側で「親戚のおじさんが言ってたもん」とか「友達が言ってたもん」とか「学校の先生が言ってたもん」はたいして当てにならねえ。
 そいつらが勘違いしてるだけかも知れねえじゃねえか。
 だから、マジ情報扱いしてむやみに広めんな!
 芸能人なんかの噂もそうだからな!
 ばかちん!

 …なんで照れたんだ俺は。

 さて。
 仲間の口ぶりからすると、脳内では「テント泊=逮捕」みたいな図式が完成しているようだが、それが事実であるという根拠がまるでねえ。
 そこで、改めてツイッターで情報源を募る。
 ネットで調べても、何もヒットしなかったからだ。

「被災地で、ボランティアテントの人がテントで泊まってたら、お巡りさんに捕まっちゃったなんて噂が。誰かそんなニュース記事知ってる? ソース求む」

 お前らはおばかさんだから、一応教えておいてやろう。
 ここで言ったソースというのは、調味料のことじゃねえ。
 情報源という意味だ。
 解ったか。

 情報を募ると同時に、いわき中央警察署の電話番号を調べ、問い合わせる。
 ここでも俺は人間ぶって口調を変えた。

「恐れ入ります。ボランティア希望の者なんですけど、いわき市ではテント泊を禁止していますよね?」
「え? そうなんですか?」

 え?
 そうなんですか?

 このお巡りさんのリアクションには、なかなかびっくりさせられた。

 そういえば、ボランティアセンターへの問い合わせでも俺はしっかり「空き地でテント泊してもいいかどうか」を訊ねていたではないか。
 悪魔のうっかり者。

「えっとですね、まだ噂の段階なので確認したくてお電話させていただいたんですけども、ボランティア人員がテントで止まっていたところをお巡りさんに捕まっちゃった、なんて事例は報告がありますか?」
「私は聞いてないですねー」
「ですよねー」

 やはり情報は重要である。

 念のため、「地域の住民にきちんと挨拶をし、許可を得た上で友人が見つけてくれた空き地にテントを張る」との旨を伝える。
 警察からの回答は「問題ありません」とのことだった。

 いざ捕まったときに「オッケーって言われたもん!」と言い逃れができるよう、この電話のやり取りを録音しておこうかとも思ったが、あまりにも馬鹿馬鹿しいので思い留まる。

 かなり、いや。
 めちゃめちゃ疲れたが、これで一通りの論理武装は整った。

 今回の俺様のように、行くべき場所が決定しておらず、自分のスタンスが先にある者はさぞかし困るであろう。
 目的地の決める際は、俺と同じ苦労を避けるが良い。

 俺は自分のささやかな知名度を利用し、現地に住まう協力者を募集したりもしたが、それはあまりに一般的な手段じゃねえ。
 地元の人間に情報提供を望むなら、まず先に行き先を決め、宿泊方法を決め、その上で「Yahoo智恵袋(http://chiebukuro.yahoo.co.jp/)」や「教えて! goo(http://oshiete.goo.ne.jp/)」などで、どこの何が知りたいのか詳しく書いて現地の情報を得るのも手じゃねえか?

 あとは物質的な準備だ。

 テントや寝袋、登山などで使う調理器具などは俺が持っている。
 持ってない奴は誰かから借りるか、ホテルを手配するしかねえ。

 着替えやタオル、歯ブラシなどのお泊りセット、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、キッチンペーパー、ビニール袋、ゴミ袋はもちろん必要だ。
 ペットボトルが代わりになるので水筒はなくっても良かったが、昼は食料が買い込めない場所で作業していることも少なくねえ。
 弁当箱がなかったら、予めどこかで昼食を買っておくがいい。
 でも、俺はお金ないからお弁当箱を持ってった。

 保険証のコピーと懐中電灯、代えの電池は念のため、あったほうがいいだろう。

 他に、「これがあってよかったー!」と思ったのが、携帯電話の充電器。
 思わぬところで「コンセント」という名の充電のチャンスがあるもんだ。
 電池で充電できる小型の充電器もコンビニなどで売ってはいるが、あれらはそこまでフルパワーになるまで充電できる物じゃねえからな。
 俺は気休め程度に持っている。

 俺が行ったボランティアセンターでは軍手を無料で配布していやがったが、他でも同じように配っているかどうかは解らねえ。
 軍手も、汚れるのでたくさん持って行くがいい。
 腐った食料など、不衛生な物に触れることだってある。
 厚めのゴム手袋も合わせて必要だ。

 作業中は暑くてたまらんかも知れんが、そこはぐっと我慢をし、Tシャツやタンクトップではなく、長袖のロングTシャツやトレーナーの着用を勧めておこう。
 お前らは俺の獲物なんだから、尖った木片や突き出た釘、割れたガラスごときに傷つけられることは許さん。
 腕もしっかりと覆っておけ。
 汗でびしょびしょになるし、泥だらけ、埃だらけにもなる。
 作業用の服はたくさんあったほうがいいからな。

 俺は現地で何度も洗えるよう、上下に分かれたレインコートを持参したが、こいつァ普通に失敗だった。
 下半身だけならまだしも、上半身までこれを着ていた。
 1人ビニールハウスだ。
 個人サウナだ。
 通気性がまるでなく、さすがの悪魔も地獄の業火に焼かれるようで辛かった。
 ばかか俺は。

 現地はめちゃめちゃ埃っぽい場所だって少なくはねえ。
 目を保護するためのゴーグルも用意するべきだ。
 俺は「天空の城ラピュタ」の主人公「パズー」がつけていたような、バイク用のゴーグルを持っていった。
 仲間は何故かくすくす笑いながら「それじゃ駄目だ」と意味の解らんムカつく笑みを浮かべていたが、普通に使えたわ!
 ざまを見よ。
 要は視界を塞がずに目を守れれば問題ねえってこった。
 なんなら水泳用のゴーグルだっていいんじゃねえか?
 アリだと思うぜ。

 持参して最も助かったと思えるアイテムが、登山靴だ。
 割れたガラスや釘の上を平気で歩けるし、水も通さねえ。
 安全靴と長靴を兼ね揃えた、実に便利な靴だった。
 もう登山靴素敵すぎだ。
 結婚しても構わねえ。

 これらの必要な物を鞄に詰め込んでいくわけだが、リュックを使う奴は覚えておくがいい。
 知ってる奴には釈迦に説法になっちまうが、解説させてもらおうか。

 肩にかかるベルトは極限まで短くしておくと、背負い続けていても疲れにくいぞ。
 また、衣類やタオルなど、軽い物ほど下に。
 水や食材など、重たい物ほど上に収納するのも、楽に背負うための工夫だ。

「はい。はい。では、よろしくお願いしますー。…じゃなかった! ふはははは! この俺様の到着を、待ちわびているがいい!」

 ようし。
 高速バスの予約も人数分済ませたし、これで準備完了だ!

 それにしても、福島県よ。
 ただでさえ地震や津波の被害に遭ったってのに、さらにこの悪魔様から襲撃を受けることになるとはな。
 くっくっく。
 なんとも気の毒なことだ。

 ここ最近、福島の野菜をたくさん注文し、それらを使ってたっぷり料理をしてやった。
 何度ウェブ上の生放送(http://com.nicovideo.jp/community/co325035)でその様子を配信してやったことか。
 様々な野菜を八つ裂きに切り刻み、火あぶりにしたり、釜茹での刑にしたりと、じっくり味わってやったわ。

 あんな野菜、食べるんじゃなかった!
 おかげで、もう99ショップの野菜が喰えぬではないか!
 美味すぎだ!
 ばかちん!
 
 そんな野菜どもを送りつけてきやがった、いわき市。
 何かと縁があることよ。
 こいつはお礼だ!
 ゴミどもめ!
 片付けてくれる!
 ふはははは!
 待っているがいい!

 前日編に続く。




 募金先まとめサイト
http://nanos.jp/innocentsense/page/15/

 クリック募金
http://hp.xxpocketxx.jp/clicklink/click/

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

めさのマイミク拡張エリア 更新情報

めさのマイミク拡張エリアのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング