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ワンポイント英語塾コミュの30. $の由来

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「ワンポイント英語塾」もおかげ様で30回を数えるようになりました。

これも参加者の皆さんが盛り上げてくださったためです。
ありがとうございます。これからも頑張ります。


さて、今回はちょっと番外編です。

アメリカの通貨単位、「ドル」についてのトリビアを少々、
ご紹介したいと思います。


「ドル」は英語で dollar ですが、まずはこの単語の由来から。

現在の「ドル」がアメリカで正式に通貨として採用されるのは、
独立後の1792年貨幣鋳造法(the Coinage Act of 1792)が
制定された後であり、それまではヨーロッパで普及していた
銀貨を中心とした通貨制度で、通貨単位は「ペソ」が一般的に
使用されていたそうです。

この銀貨は主にメキシコで鋳造されたもので、特に中南米を
植民地化していたスペインが銀鉱山を発見し、現地で銀地金を
銀貨に鋳造して本国に大量輸送していました。

これによりヨーロッパでは銀貨の流通量が一気に増加したため、
「価格革命」と呼ばれた物価の高騰、すなわちインフレが
引き起こされてしまうのですが、ヨーロッパによるアメリカ開拓が
本格化した16世紀末から17世紀初頭はまさにそんな時期でした。


少々前置きが長くなりましたが、「ドル (dollar)」の語源はというと、
16世紀にボヘミア(南ドイツ)のヨアヒムスタールという銀鉱山
(現在のチェコ・ヤーヒモフ)で鋳造されたヨアヒムスターラー
(Joachimsthaler)という銀貨の名前が短縮されて、
「ターラー (Thaler)」と呼ばれたのが元になっているそうです。

「ターラー」は元は「谷」を意味する言葉だそうですが、
銀が谷間から産出されたことから銀を表す言葉になったということ。

この「ターラー」をまねて作ったのが前述のスペイン銀貨で、
中南米で鋳造されたものが「スペイン・ドル」、また、
特にメキシコで鋳造されたものが「メキシコ・ドル」と
呼ばれるようになったそうです。

このメキシコ・ドルは江戸時代末期の日本にも大量流入するほど、
広域な国際貿易に利用された通貨でもあったようですね。


そしてさらに、「$」というマークの由来。

なぜ「ドル」なのに、Sにタテ線なんだろう? と不思議では
ありませんでしたか?


これは諸説あるようですが、当時の「メキシコ・ドル」は
「ペソ」とも呼ばれており、この「ペソ (Peso(s))」のPと、
「銀 (Silver)」のSの組み合わせが現在の$マークの由来、
という説が有力なようです。

あるいは、ペソを略した P's からPとSを重ねて書くように
なったという説、2本のタテ線はスペイン・ジブラルタル海峡の
両端に立つヘラクレスの柱から来ているという説なども。


また、英語のダラー (dollar) が「ドル」になったのは、
明治時代初期に dollar をローマ字読みして「ドルラル」と呼び、
それを略してドルというようになったということのようです。


ちょっと歴史の勉強みたいになってしまいましたが、
いかがでしたでしょうか?

僕は歴史の話が大好きなんですが・・・たまにはいいでしょ?(笑)


あ、そうそう。

英語でドルを表記するときは、$ だけで十分ですが、
正式にはオーストラリアドルや香港ドルなども存在するため、
US$ と表記するのが一般的です。

ビジネス文書では USD とする場合もあります。
これは通貨をアルファベット3文字で表す慣習に則った表記で、
日本円は JPY と表記します。ご参考まで。


最後に・・・

イギリスのポンド(正式名称は Pound Sterling)については、
記号は£ですが、これはラテン語でポンドを表す libra から
来ています。

ポンド (pound) は元々重さの単位ですし、現在もアメリカや
イギリスではポンドを体重などの単位として用いていますが、
これもやはり古代ローマで純銀の重さを量って銀貨を作ったことに
よるものだそうです。

ポンドをアルファベット3文字で表記する際には、
Sterling の略で STG、または Great Britain Pound の略で GBP となります。

いずれも少しわかりにくいので、覚えておくと良いかもしれません。


次回からいつもどおり、英語表現を取り上げます (^ ^)/

でもたまにこういう番外編をやります。
管理人の趣味ですのでご了承ください(笑)


<参考資料>
倉都康行(くらつ・やすゆき)『金融史がわかれば世界がわかる』
(ちくま新書、2005年1月)、pp. 17, 71-74。
フリー百科事典 Wikipedia http://ja.wikipedia.org/

コメント(4)

へぇ、へぇ、へぇ、。。。

参考書みたいだぁ、この番外編!!!

「dollar」の歴史か、$マークは、確かに不思議だったのよねぇ。
アメリカ自体はそんなに歴史の深い国だとは思わなかったけど、こうしてみてみると、色々と奥深いのねぇ。。。

勉強になりますよぉ、センセ☆

(でも、多分すぐ忘れちゃう・・・、記憶力乏しいからなぁ、アタシ・・・ ^^;)

でもまた、管理人氏の趣味のページの、番外編やってくだされっ!
それもまた、楽しみにしますね〜〜〜♪
ドルの由来かぁ。ぜんぜん気にもとめてませんでした。ためになります。

ダイスケさんの知識は英語だけじゃないですね。これからもがんばってください
すごい!ダイスケさん、色んなことたくさん知ってはって、すごいおもしろいです!!

私も多分すぐに忘れちゃいそうだけど、
引き出しはたくさんある方がいいですもんね!

おもしろくて+勉強になる
って、これすばらしいですね!!
いや、皆さん。
僕はこれを知っていたわけではなく、最近本を読んで知ったのです(笑)

その本というのが、上の参考文献であげた新書です。
ひさびさにメチャクチャ面白くて、夢中で読んでしまいました。
(金融と世界史の基礎知識がないと少し難しいかもしれませんが、
そういった分野に興味のある方はぜひどうぞ!)

さて、

>すみえっちさん
ありがとうございます! またやらせていただきます (^ ^)/

>ボス
ありがとう! これからもがんばります!

>さにーちゃん
あっ関西弁だ(笑)
あ、すみません。方言大好きなもので(笑)

いやいや、「面白くてためになる」、このコミュニティの
いわばアイデンティティといっても過言ではありません!

というわけで、今後も(こんな内容でよろしければ)
おつきあいくださいませ。

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