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ワンポイント英語塾コミュの69. 3種類の「責任」

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一昨日の日経新聞に、「責任」 という言葉の使い分けについて、
興味深い記事(※)が出ていたのでご紹介します。



記事の主題は情報セキュリティーでしたが、これに関連して、
国際標準化機構(ISO)の世界で使い分けられているという、
3つの 「責任」 の概念について書かれていました。


その3つとは、

法的責任 (Liability)
説明責任 (Accountability)
即応責任 (Responsibility)

です。



なるほど、なるほど。
非常にわかりやすい整理だと思いました。


ビジネスの世界では、確かに 「責任」 という意味で、
上の3つの単語が使われます。

以下、解説させていただきます。


liability は、上の通り、法的な責任を表します。
特にお金の支払いについて良く使われます。

法律用語としては 「債務」、
会計用語としては 「負債」 と
訳すこともできます。

法的な義務、債務という意味では、obligation という語が
使われることも少なくありませんが、お金の支払いについては、
liability という単語が良く使われます。

会計上の 「負債」 は、簿記や会計を学んだ方はご存知の通り、
バランスシートの右側 (貸方) に計上される勘定科目であり、
その内容となる支払債務などでもあります。

本来は不可算名詞ですが、勘定科目は数えられるので、
バランスシートの「負債の部」 という表題は、
"Liabilities" と複数形になります。


形容詞は、liable 。

He is liable for the auto loan.
(彼は車のローンを支払わなければならない。)



次に、accountability 。

ビジネスや政治に関する文章を読む方は良く目にすると思います。
逆にそういった文章をあまり読まない方にはなじみがないかもしれません。

特にビジネスの世界で、企業の経営者が株主や顧客に対して
その業績や経営方針、その他の意思決定の内容をきちんと
説明しなければならないという責任のことを accountability 、
日本語で 「説明責任」 といいますね。

account for 〜 で、「〜を説明する」 というイディオムです。
ここから、accountable (説明責任がある)、accountability
という言葉が派生していると理解すると覚えやすいでしょう。


なお、厳密に調べたわけではないのですが、おそらく、
accounting (会計)という言葉も、企業などが財務内容を
正しく記帳し説明する、というところから来ていると思われます。



さて、一般的に 「責任」 を表す単語として最も良く使われるのは
responsibility です。

良く、response (反応、対応)することができる力 (ability)
= responsibility なんて言い方もされますが、まさにその通り、
ビジネスで 「責任」 といえば、物事にきちんと対応することが
求められるのであって、それができない人は、「無責任」、
すなわち、response する力がないといわれても仕方ありません。

上の記事で、responsibility を 「即応責任」 と訳しているのは、
こういう 「責任」 の概念だと理解することができると思います。
(訳したのはこの記事の執筆者であるかどうかはわかりません。
なお、記事には、「即応責任=事故の早期回復」 とあります。)


ただし、英語の responsibility という単語自体は本来、
必ずしも 「何かに対応する」 という意味の責任だけでなく、
すでに起きた問題や事故などに対する事後的な 「責任」 や、
業務上・職務上やらなければならないという意味での 「責任」
といった意味も持つ一般的な言葉です。


しかしながら、一般的な単語だけに意味があいまいになりやすいので、
内容をより正確に表現するために、上で取り上げたような
別の単語を上手に使い分けることができれば、英語表現としては
より上級になっていくと思います。



なお、和英辞書で 「責任」 と引くと他の単語も出てきますので、
違いを簡単に説明しておきますね。

blame は、すでに起こった問題などに対する 「責任、非難」。
他者からの非難や追及を前提とする点が、responsibility と異なります。

duty は、責任というよりその内容、たとえば職務などを表します。

charge は、責任ある立場や役職を表す言葉。
in charge of 〜 で、「〜の責任者だ」 というイディオムは、
多くの皆さんがご存知のことと思います。



「責任」 という言葉1つ取っても、その概念は多様ですね。

言葉の中身や概念についても深く考えさせられるところが、
英語学習の奥深いところだといつも思います。



ではでは皆さん、良いお年を!



※ 2006年12月29日 「日本経済新聞」 p.23 、
  「ゼミナール 情報と安全の法制度?」。

コメント(4)

よぉく!わかりました^^
ありがとうございました。
>Penny Lane さん

コメントありがとうございます!

最近あまりコメントがつかないので
自分が管理人をしているコミュなのにあまりチェックせず・・・
レスが遅くなって申し訳ありませんでした。ごめんなさい。

このトピックなんかは少々難しい話も含めてやや長々と書き、
そのわりにコメントがなかったので、こういうのはあまり
メンバーの皆さんには受けが良くないかな、なんて思っていました。

なので、ちょっとしたコメントでも嬉しく思います。
ありがとうございました。

ところで、素敵なミクシィネームですね。
僕の大好きなビートルズのナンバーです。
(だけど由来はもしかして映画のほう?)
両方ですよ!
映画が好きでつけた名前ですが、その直後にビートルズも聞いて好きになりました。
なぜかあの女の子に弾かれるんですよね
ちょっと似てるところがあるのかなぁ
ぜひ見てくださいね

なかなか日常会話から一歩上にいけない私に、このコミュは貴重です。
もっと頻繁に足を運ぼうと想っているところです。
メッセージありがとうございました。
>Penny Lane さん
いえ、レスが遅れたことが気になったもので。
本当に失礼しました。

さて、両方なんですね。
最近プライベートな理由ですっかり忙しくなってしまい、
映画もなかなか観る時間がありません。
困ったものです。

でも、ちょっと気になっていた映画ではあります。
『あの頃ペニー・レインと』、今後観てみますね。

コミュへの貴重なご意見もありがとうございます。
日常会話も大事ですが、プラスアルファを身に付けると、
さらに英語の世界が広がり、楽しくなりますよ。
そのお手伝いが少しでもできれば幸いです。

これからも応援よろしくお願いいたします。

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