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東京大学 経済学部コミュの東大経済学部卒の学者・政治家・官僚などの行動を記録するトピック

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京都大教授の佐伯啓思(さえきけいし)さん(東京大学経済学部卒)が朝日新聞のインタビューに答えていらっしゃったので紹介します。

49年生まれ。専門は社会経済学・経済思想史。「隠された思考」(サントリー学芸賞)、「自由と民主主義をもうやめる」など著書多数。

「橋下現象は必然」「民意の過剰な反映」「政治の劣化を招く」

 大阪市長・大阪府知事のダブル選は大阪維新の会の橋下徹氏と松井一郎氏の圧勝に終わった。「独裁」とも批判されながら、「民意」の圧倒的な支持を受ける橋下氏の存在は、日本の民主主義に何を突きつけているのか。保守の立場から民主主義のあり方を問い続けてきた京都大教授の佐伯啓思さんに聞いた。

 ――橋下さんと松井さんの圧勝をどう見ますか
 「今の日本政治には、二つの潮流があると思います。一つは閉塞感を打破するために既得権益を壊し、すべてを一新しようという流れ。小泉純一郎さんがそうでしたし、橋下さんもその延長線上にある。ただ小泉さんから急に始まった話ではなく、90年代の政治改革からそうした流れがずっと続いてきていた」
 「もう一つは、構造改革や政権交代が成果を出せなかった反省から、急激な変化を警戒し、少しずつ地道に変えていこうとする流れ。野田佳彦さんが首相になったのはその表れでしょう。この二つがせめぎあっているが、急激に変えようとする流れの方が強い。維新の会の圧勝はそれを示すものでしょう」
 −−橋下現象はポピュリズム(大衆迎合政治)なのでしょうか。
 「小泉さんや橋下さんは、ポピュリストとは少し違うと思います。ポピュリズムは、大衆の求めているものを与えることで支持を集める。名古屋の河村たかしさんは、減税という大衆が喜ぶものを提供した点で、ポピュリスト的です。しかし、小泉さんの郵政民営化にしても、橋下さんの大阪都構想にしても、別に大衆が求めていたことではない」
 「小泉さんも橋下さんも、まず自分が人気を獲得して、大衆をうまく乗せ、自分のやりたいことを実現させてしまう。大衆を喜ばせるんじゃなく、大衆を扇動するデマゴーグに近い。ただ、小泉さんの場合、郵政民営化という目的がはっきりしていた。橋下さんは、何をやりたいのかが見えない」
 −−大阪都構想が目的なのでは。
 「大阪都構想は、目的ではなく手段の話です。市議会が反対するから、役人が動かないから大阪はダメなんだというだけで、府と市を再編して将来の大阪をどうするのかという具体的なビジョンがない。橋下さんは権力そのものが自己目的化しているんじゃないか。同じデマゴーグ的な政治家でも、橋下さんのほうが危険かもしれません」
 −−それでも大阪の人たちは橋下さんを支持しています。
 「いま大阪府民の間には強い閉塞感がある。何かショックを与えて騒々しく事態を変えたいという意識が強く、『維新』という言葉に飛びついてしまう。しかし、ものごとはそう簡単に変わるものではないし、逆に簡単に変えるといろいろなものが壊れてしまいかねない。実際に小泉改革の結果、格差が拡大し、社会的なインフラがかなり崩れてしまった」
 ■ ■
 −−「独裁が必要」とも語る橋下さんは、民主主義から逸脱しているという批判も受けています。
 「いや、むしろ民主主義が橋下さんを生み出したのです」
 −−民主主義が、ですか?
 「もともと民主主義には非常に不安定な要素が埋め込まれている。民意といっても、一人一人の意見や利害は違う。選挙や多数決で集約しても、必ず不満が出てくる。その不満にもまた応えようとするので、結果的に政治は迷走する。民主主義が進み、より民意を反映させようとすればするほど、政治は不安定になってしまう。その場合、人々の不満を解消するためには、何か敵を作って、叩くのが一番早い。小泉さんや橋下さんのような政治家を生み出してしまう可能性が高いんです。橋下現象は、極端にいえば、民主主義の半ば必然的な結果でもあるんです。日本人は、民意がストレートに政治に反映すればするほどいい民主主義だと思ってきた。その理解そのものが間違っていたんじゃないか」
 −−民意を政治に直接反映させることに問題があるのでしょうか。
 「古代ギリシャの時代から、民主主義は放っておけば衆愚政治に行き着く、その危険をいかに防ぐか、というのが政治の中心的なテーマでした。だから近代の民主政治は、民意を直接反映させない仕組みを組み込んできた。政党がさまざまな利害をすくい上げ、練り上げてから内閣に持っていくことで、民意は直接反映しないのです。二院制もそうで、下院は比較的民意を反映させるが、上院はそうではないことが多い。実際の行政を、選挙で選ばれるのではない官僚が中心になって行うのも、その時の民意に左右されず、行政の継続性、一貫性を担保するためです。そういう非民主的な仕組みを入れ込んむことによって、実は民主政治は成り立っていました」
 「その仕組みが働かなくなってきたのも事実ですが、日本では公務員バッシングといった薄っぺらい形で官僚システムを攻撃してきた。政治が民意に極端に左右されないようにする仕組みが失われ、平板な民主主義ができあがってしまった」
 ■ ■

ここまでで、記事全文の約3/5です。

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