監督はニューポート・フォーク・フェスティバルを記録した『 Festival 』( 67 年)、 70 年のワイト島フェスティバルを捉えた『 Wight 』( 95 年)、マイルス・デイヴィスを題材にした『 Miles Electric 』などの優れたドキュメンタリーを生み出したマレー・ラーナー。この映画は彼がザ・フーの2人、ピート・タウンゼンドとロジャー・ダルトリーの承認のもと、数多くの関係者の証言や現存する映像によりザ・フーの実像に迫った迫真の記録であり、初めて観る者はザ・フーの爆発的でありながらも知性溢れる演奏に心揺さぶられ、長年ザ・フーを愛し続けていたコアなファンは、初めて目の当たりにする貴重な映像に驚かされること間違いなしだ。さすがにラーナーが3年にも及ぶ綿密なリサーチを敢行、映像発掘はファンの持つプライベート・フィルムにまで及んだというだけある充実ぶりだといえよう。