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専修大学政治学研究会SCOPコミュの政策分科会 第7回勉強会報告

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9月29日 16:30〜18:30

▼テーマ
貧困と教育格差

▼参考文献
阿部彩『子どもの貧困』岩波新書 1157
橘木俊詔『格差社会』岩波新書 1033

▼参加者(敬称略)
赤星、内田、江尻、佐藤、佐野、鈴木(祥)、鈴木(悠)、鈴木(陽)、中橋、二瓶、花田、福田、矢部、山根木

▼まとめ
【1】担当者
鈴木(陽)
・担当者はレジュメ持参。


【2】議論の流れ

鈴木(陽):裕福な家庭が高校無償化を受ければ、その分塾などにお金を費やすことになる。一方貧困世帯は無償化をもってようやくスタートラインに立てる。格差は広がるかもしれないが、スタート地点に立てる子供が増えるところを見ると、高校無償化は有効ではないか。

中橋:格差が問題ではない。スタートラインに立てるかが問題。

鈴木(祥):所得制限をやる場合、市民税のように前年度の所得から算定する手法でやれば、前の年に失業した場合に給付されなくなる可能性がある。所得制限はなしでもいい。格差是正のための高校無償化は賛成だが、お金がかかるのはむしろ大学の方で、教育格差のことを考えるなら、大学のことまで視野に入れないといけない。

江尻:貧困の最低ラインとして、高校までは卒業させるようにはした方がいい。高校を義務教育のようにする。

鈴木(祥):今は事実上、誰でも大学に入れる。高校卒業者と大学卒業者との所得格差は4、5千万もある。大学へ行く意思があるが、親の所得の低さが理由で入れない人たちを支援することが大事。

江尻:"新卒"という枠を撤廃して、18歳から働ける土壌が整えばいい。

福田:高校無償化にするのはいいが、現状、高い学費のかかる大学まで卒業しないと、ある程度の水準の生活が保障されない、構造上の問題がある。

佐野:無償化は賛成。ただ、高校生活で起きる学力の二極化という問題がある。それを是正するためにNPO等を用いて学力水準を全体的に底上げさせるのがいい。

花田:高校無償化は授業料の話。田舎の学校とかでも、所得が低い家庭の子には授業料を無償にするが、それ以外にかかる費用があるのでそこも考えてほしい。もし大学にいけなければ将来なれる職種が狭まる。大学に行きたくても行けない現状こそが教育格差。

佐藤:教育は日本の未来を左右する問題。無償化には賛成だが、やる気のない人まで税金使って醸成するのはいかがなものかという疑問はある。

内田:スタート地点というならば、幼児教育に公的支出を増やしてほしい。フランスやフィンランドでは、30%も支出しているが、日本では7%。

矢部:機会均等という意味では、高校無償化はいい。私立で設備が立派なところを見ると、どのレベルで無償化していいのかという議論がある。(補助金が)施設費の方へまわってしまうのであれば、それは違うと思う。また、教員のレベルが学校で要求されているものに伴っているのかという問題もある。塾へ行かなくてもいい教育がどこまでできるのかという議論はあってもいいと思う。無償化で、経済的に機会均等が担保されたとして、中身は伴っているのかということについて、どうしたらいいのか、と思う。

福田:単純だと思うが、所得の57%を学費に回している現状から、国からの助成によってその学費がかからなくなるわけだから、たとえ(その助成のために)増税があったとしても、帳尻が合うという発想にはならないか。増税によって財源を賄うとすれば、どこまで増税するのか。

鈴木(祥):増税の手法について。生活必需品には税をかけず、ぜいたく品に税をかける。イギリスのように。

佐藤:消費税を上げると、国の税収は本当に増えるのか。逆に消費が冷え込み、逆に減る気がする。法人税を上げれば、企業が法人税の安い地域に逃げることも考えられる。

赤星:消費税が効率的で一番有効。

中橋:消費税は少しずつ、学費等は一気に大量に負担するイメージがある。家計にとってはどちらが負担なのか。

矢部:家計にとってつらいのは決まって出ていくもの(固定費)だから負担は減らしたい。消費税は物を買う時期をずらすことによって調整できる。全体として税金は下げた方がいいと思う。消費税は1%上げると約2兆4000億。だから1%上げれば1兆3000億(※)はカバーできる。だからこそ、10%増税と言われるが、ホントにそこまで増税する必要があるのか疑問。何のために増税するのかも分かりにくくなってしまう。

※「教育安心社会懇談会」での試算。詳しくは⇒http://www.asahi.com/edu/tokuho/TKY200907130122.html

福田:増税するのであれば、その目的は明確にしなくては理解を得られない。かといって低所得者の支援のための消費税増税、あるいはぜいたく品への課税をしたとして富裕層から反発を受けることも考えられる。

矢部:昔は、ゴルフクラブを買うと20%税がかかる時代があった(物品税)。それをなくして一律に課税するようにしたのが消費税。(ぜいたく品への課税というのは)それを前に戻すという話。消費税は公平だとして取り入れられた。

山根木:格差の是正だけで言うなら、消費税増税はいいと思う。増税で子供への負担を軽くして、税負担よりも助成によって浮くお金の方が多ければいい。しかし、これはあくまで子供がいる家庭だけの話なので、それ以外の貧困層に対しては別に対策を立てる必要がある。

福田:増税はするとして、「何のための何の増税か」で判断する時に来ている。

赤星:家庭以外に情報を供給するアクターが乏しい。貧困層支援体制についての情報発信に関しても議論していかなくてはならない。

佐野:増税などの経済政策に行く前に、国民という資本を使う。優秀な人がいるのだから、情報網等を利用して無償で勉強ができる場を作る。

江尻:日本には、税をもっていかれているという感情がある。対して、スウェーデンなど大量の税を払っているにもかかわらず不満が起きない国もある。それは、多額の税金を払ってもサービス等で還元されているという実感があるから。日本には、政治不信があるから、国民は増税に対して納得しない。

内田:所得再分配について、日本は、所得再分配をした後に所得格差が広がっているという逆転現象、社会保障制度や税制度で日本の子供の貧困が悪化している現状がある。まずはこの構造を改善するべき。

二瓶:増税するにあたって、その使い道を国民に示す必要はある。そして、ふさわしい使い方をすれば、納税へのイメージもポジティヴなものになると思う。政府の働きかけの部分が重要になってくる。

鈴木(悠):教育は日本全体を発展させるのに必要なこと。国民が教育の重要性を認識しなくては。いい機会になった。

福田:参加された皆さん、お疲れさまでした。

(敬称略)

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