科学的根拠のあるダイエットとはコミュの桑の葉にダイエット効果はない

桑の葉にダイエット効果はない

□クワ　[英]Ｍulberry　[学名]Morus bombycis Koidz.(M.alba、M.nigra)　クワ科[クワ属]
クワは温暖地方のクワ科の植物で、俗に「血糖値の上昇を抑える」、「コレステロールを下げる」などといわれているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。安全性については、アレルギーを誘発する可能性があるとされている。妊娠中・授乳中の安全性については信頼できるデータがないため使用は避けるべきである。

□法規・制度
別名としてソウジン/ソウヨウ/マグワがある。葉、花、実(集合果)は「非医薬品」に区分される(30)。根皮は「医薬品」に区分される。抽出物は「既存添加物」で、品質保持剤。マルベリー色素は着色料。
□主な成分・性質
葉はビタミンB1、A様物質を含む。その他カロテン、エルゴステロールの含有が報告されている。フラボン成分も含有される。果実にはビタミンC、ルチン、ペクチンなどを含む。血糖値のコントロールに効果があると示唆される1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin)を含む。
分析法
フラボノイド類としてのルチン(rutin)は、紫外可視(UV)検出器(255nm)を装着した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により分析されている(PMID: 12236672)。
有効性及びヒトでの評価
循環器・呼吸器
調べた文献の中で見当らない。
消化系・肝臓
調べた文献の中で見当らない。
糖尿病・内分泌
調べた文献の中で見当らない。
生殖・泌尿器
調べた文献の中で見当らない。
脳・神経・感覚器
調べた文献の中で見当らない。
免疫・がん・炎症
調べた文献の中で見当らない。
骨・筋肉
調べた文献の中で見当らない。
発育・成長
調べた文献の中で見当らない。
肥満
調べた文献の中で見当らない。
□その他参考情報
試験管内・ 動物他での評価
・根皮の煎出およびエタノールエキスを、ウサギに対し経口投与した後に一過性の血糖上昇を経て著明な血糖降下作用を現すという報告がある(24)。
安全性・危険情報
・マグワ(ホワイトマルベリー)は適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブ(22)。
・クワ(ブラックマルベリー)の安全性に関しては十分な情報が得られていない(66)。
・妊娠中および授乳中のサプリメント使用の安全性については十分な情報が無いため、避けるべきである(66)。
・桑椹(ソウジン)5gを他の漢方薬に加えて煎じ、その湯薬を摂取した30分後に全身に皮疹が発し、顔、目蓋、鼻腔、咽喉部も腫れて痒くなるという一例のケースレポートがあった(101)。そして、その桑椹を除いた湯薬を摂取した場合は、上記のアレルギー症状が現れず、桑椹をまた加えると同様な症状が発生した。
・25歳女性がデオキシノジリマイシン(桑の葉成分)とキトサンを含む健康食品を不定期に約2週間摂取後、急性好酸球性肺炎を発症したとの報告がある(2006130396)。
□禁忌対象者
調べた文献の中で見当らない。
□医薬品等との 相互作用
・クワ(ブラックマルベリー)の葉には血糖降下作用があるため、糖尿病の治療を受けている人では注意する必要がある(66)。
・他のハーブやサプリメントとの相互作用については十分なデータがない(66)。
・他の食品との相互作用は知られていない。また、疾病などの健康状態や臨床検査に対する影響は知られていない(66)。
□動物他での 毒性試験
桑白皮(ソウハクヒ)の抽出物をマウスに静脈注射投与したとき50%致死量(LD50)は32.7mg/kg体重である(102)。
□AHPAクラス分類 及び勧告
マグワ(ホワイトマルベリー)はクラス1。注釈は危険の項目を参照。
総合評価安全性
・マグワ(ホワイトマルベリー)は適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブである。
・クワ(ブラックマルベリー)の安全性に関しては十分な情報が得られていない。
・妊娠中および授乳中のサプリメント使用の安全性については十分な情報が無いため、避けるべきである。
・アレルギーを誘発する可能性がある。
有効性
血糖値の降下作用が期待されているが、有効性に関する科学的実証は十分でない。

□国立健康・栄養研究所のサイトを参照
http://www.nih.go.jp/eiken/