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整体的子育て&生活術コミュのブログより『通り抜ける』

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「ガイアシンフォニー第四番」に出てくる「ガイア仮説」で有名なジェームズ・ラブロック博士の作ったECD(電子捕獲検知器)は、レイチェル・カーソンが『沈黙の春』(レイチェル・カーソン、新潮社、 2001)を書くことになったきっかけを生み出したスーパー高感度毒物検出器であるが、その精度は、 イギリスにある博士の研究所で散布した1リットルの物質を、一週間後、日本で検出できるくらいの精度であるらしい。

その精度にもビックリだが、イギリスで撒かれた1リットルの物質が、わずか一週間で日本にまで飛来するという事実には、なお驚愕した。

地球って狭いんだなぁ。

しかし、もしホントにそうだとすると、私たちは予想以上に空気を介してお互い繋がりあっているということになる。

人間大人ひとりが一回に行なう呼吸の量は、平均でおよそ500ml。

一分間に平均18回の呼吸をしているとすると、一日におよそ2万6000回の呼吸をしている計算になり、それは体積に換算してみると、一日に1万3000リットルの空気を呼吸していることになる。

それだけの量をふだんから呼吸しているのであれば、一ヶ月もこの地球上で生活していれば、おそらく世界中の人間はおろかあらゆる動物、植物の吐いた息をお互い吸い合っていることだろう。

う〜ん。そうかぁ。すごいなぁ。


地球規模のスケールに圧倒されながら呆然としていると、呼吸以外はどうなのか、いろいろ調べてみたくなってきた。

するとおよそ次の通り。(汚くて失礼!)

人間ひとりの一日の糞尿の排泄量は約1,4リットル。
垢の量は一日約5gから15g。
涙の量は一日約0,6ccから1cc、あるいは2ccから3cc。

ふむふむ。なるほどねぇ。

空気の重さは1リットルでおよそ1,3gということだから、一日の呼吸量を重さで換算すると、だいたい17kg。

その他の排泄量も足してみると、私たちは一日18kg以上の物質を吐き出しているということになる。

体重はそう変わらないわけだから、それと同じくらい取り入れている、つまり、一日に実に18kgもの物質が私たちのからだを「出入り」しているのである!(大半は肺までだけど。)

う〜む。人体恐るべし。


私たちのからだは、いろんな物質がつねに通り抜けている。

私たちは日ごろ、あまり変化の少ないからだに見慣れているので、当たり前のようにそこにからだが存在しているかのように思っているが、からだ中の細胞はおよそ7年ですべて入れ替わると言われている。

全部の細胞が入れ替わるかどうかは諸説さまざまであるようだが、多かれ少なかれほとんどすべての細胞が入れ替わっていることは事実のようである。

もっともひんぱんに入れ替わっているのは、皮膚、胃、腸などで、3、4日ですべて新しい細胞に入れ替わり、目の角膜なども約1週間で入れ替わる。

赤血球は平均125日で入れ替わり、また肺、肝臓、すい臓、脾臓といった臓器の細胞は400〜500日で入れ替わるそうである。

比較的ゆっくりと入れ替わるのは、骨で約5年、筋肉は約7年かかると言われている。

銀河系の星の数より膨大な量の細胞をもつ人間のからだの中では、1分間に2億個の細胞が生まれ、また死んでいる。

私たちのからだは絶えず生まれ替わっている。

7年も経てば、私たちは物質的にはまったくの別人なのである。

先ほど述べた地球大循環の話も含めて考えてみれば、私という人間はいったいどこまで個人であると言えるのだろう?

私があなたで、あなたが君で、彼と彼女と、ボクと…、君?と?私は…、彼?と、あなた?

…え〜と、あなたは一体誰ですか? 私も一体誰でしょう?

たまたま「今」「ここ」に「私」として現象している、モノやコトたちの一瞬の出会いときらめきを、私は「私」と感じているけれど、つねにいろんなモノがやってきてはまた世界へと帰ってゆく、「通り抜けられるこのからだ」というものが、まるで「がらんどう」のようにも思えてくる。

「からだは波なんですよ」とは、私がつねづね講座でもくり返していることだけれども、それはからだも波も、ともにこのような「通り抜け」の現象だからである。


右にあるのは海の波の写真。

私たちが海岸に立ち、波打ち際に眼を向けてみれば、海の波が絶えず浜に打ち寄せ、繰り返し繰り返し波の形態が海の側からやってくるのを見ることができる。

その波打ち際に、空き缶がひとつ浮かんでいたとしよう。

その空き缶はどういう動きをとるだろうか。

やってきた波は空き缶を持ち上げるが、空き缶を押しやることなく、その下をくぐり抜けて波打ち際へとやってくるはずだ。

多少の動きはあるにしても、基本的に空き缶はその場で上下運動を繰り返すだけである。

なぜなら水が、上下運動するだけで横方向にはさほど動いていないからである。

サーファーもきちんと波の斜面を「滑り落ちなければ」、波に乗って移動することはできない。

海の波は「とどまる物質(水)と、通り抜ける形態(波)」からできている。


では、今度はその目を川の波へと向けてみよう。

川のほとりに立って川の流れを見てみると、川の表面が川底のカタチに沿ってデコボコしていることに気づく。

海の表面もたしかにデコボコはしているが、違うのは川のデコボコは基本的にその場にとどまっていることである。

川の波は動かない。

波は同じ場所で、ゆらぎながらも「あるカタチ」を保ち続けようとしている。

では、先ほどと同じ観察をするために、ちょっとそこに空き缶をひとつ投げ入れてみることにしよう。 (良い子はそんなことをしてはイケマセン!)

言うまでもなく、空き缶は川の流れの勢いに波を乗り越え、ドンブラコッコとたちまち下流へと消え去ってゆく。

水は波を置き去りにして、流れ去っていく。

川の波は「とどまる形態(波)と、通り抜ける物質(水)」からできている。

(ちなみに津波は「水」そのものが移動しているので、むしろ川の流れに近い。)


海の波は、波の「形」が移動してゆき、「水(物質)」は上下運動をしているだけでその場にとどまり続ける。

川の波は、「水(物質)」が移動してゆき、波の「形」はその場にとどまり続ける。

海の波は「物質はとどまり、形態は通り抜ける」。
川の波は「形態はとどまり、物質は通り抜ける」。

二つの波は一見違うものであるように見えるが、この二つの違いは相対的なものであって、観測者が波とともに移動すれば、どちらもまったく同じ現象であることが分かる。
(「川の波」は、川の流れと同じ速度で上流へと駆け上る「海の波」である。)

「物質が動いているか、形態が動いているかは、観測者の運動によって変わる」のであって、まさしく「相対性理論」である。


それを踏まえて、今一度私たちのからだに目を向けてみると、同じ構造をもっていることに気づく。

つまり、絶えず細胞が入れ替わりながら、7年ですべて入れ替わったとしても、「私」という人間のカタチを保ち続ける肉体。

「形態はとどまり、物質(細胞)は通り抜けている」。

私たちのからだは、つかのま物質同士が寄り添って形作っている「現象」であって、形作っている物質自体は形態だけを次世代(細胞)へと引き継ぎ、やがて再び物質循環の生態系へと帰ってゆく。

私が講座の合間に「からだは波なんですよ。」と繰り返し申し上げているのは、そういうことが(も?)言いたいのである。

そうして「からだが波と同じ構造をもっている」と考えてみると、「同じ形態に戻ろう」とする自然治癒力の恒常性(ホメオスタシス)なども、そういえば「波と一緒」であることに気づいたりもする。(波はどんなに形を崩しても、「流れを変えない限りは」再び元の形に戻ってゆく。)


物質をともなう肉体はあまりに「硬い」ので、「実在」であることをまったく疑うこともなく確信しきっているが、時間軸の流れをちょっと早くしてみれば、たちまち『絶えず生起し続ける「現象」』としての面が浮かび上がってくる。

それは固体であるかのように見えるガラスが、実は何千年もかけて重力に従ってゆるやかに「零れ落ちてゆく」液体であることにも似ている。

ガラスがあまりにも長大な時間軸を具えているので、私たちの目には零れ落ち続けるガラスが、まるで止まっているかのように見えるだけである。

(「ガラスの時間」で人を見れば、一夜で咲いて散る「月下美人」の花のようでありましょう。)


私たちは私たちが思っている以上に、ゆらぎ、生起し、交流し、交じり合い、引き継がれてゆく存在なのではなかろうか。

そんなことを思いながら、こんなことを私が考えるのも、いつかどこかで誰かが同じようなことを考えながらフトついたため息のそのカケラを、私が吸い込んだからなのかもしれない、などという思いに胸を馳せてみる。

…と、こんなことを私が思うのも、いつかどこかで誰かが…(以下リフレイン)


『からだは波だと私が思うのも…2006年07月24日』山上亮先生ブログより一部抜粋
----------文章およびイラスト『ブログ:雑念する「からだ」』より-------
 ⇒http://zatsunen-karada.seesaa.net/

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