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BLISSDOM "STARDANCE"コミュのSVEN本人手記!! ターン・テーブルでの30年 ―DJの精神とは―(和訳)

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SVEN VATH 本人の手記による "DJ活動30週年エッセイ(和訳)"を掲載させて頂きます。

DJを志す方々そして愛すべき「パーティーアニマル」達には、是非教えてあげて下さいね!

2011年1月


以下本文
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30 Years on the Decks!
...from a DJ's mind
ターン テーブルでの30年 ―DJの精神とは―


"Hey Mr DJ play that song - keep doin' it, doin' it - all night long"...(Tony Touch)
「おい!ミスターDJ、あの曲をかけてくれ―一晩中それをひたすら続けて•••」

•••この言葉は全てについて正確に説明している。そこには、ファンタジーとアイディアに溢れた曲、騒ぎたくなって恋におちる曲、一緒に合わせて歌いたくなる曲、心と魂の曲がある。でも、それは歌が入っていないインストルメンタルの曲についてもいえる。コンピュータで作曲されようが、「手」で作られようが、それは関係ない。ここでいう曲とは、切望され、溢れ出る自由を与える音像をもった曲たちのことであるから。私にとってそういった曲とは、もの語り希望を与える輝く力をもったトラックのことだ。それは鳴動し、君を聴取へと誘う―時にそれは抽象的で遥か遠い宇宙の物のように響き、時にそれは良く知られていて親しみ易いものである。 そして、そのトラックとは、一つ一つの瞬間を捉えて決して立ち止まらず、それがかけられたら(それは爆音でかけられなければならない!)正にその瞬間に、私達を宇宙の中心へと進路を向けるものなのだ。トラックを選ぶDJ達についてだけ言っているのでは無いよ。音楽を聴いている人やフロアで踊っている人、そういった人たち全員が探し求めているものを与えてくれる音楽のことを言っているんだ。あるトラックは私達自身の隠された、あるいは狂っている面を表わしている。あるトラックは笑顔をもたらし、また泣かせる。音楽は心に触れ、そして心を動かす。曲は私達の身体を動かす。そこにはディスコのスタイルで踊ること、ブレイクダンス、クールにグルーヴに身を 委ねること、そして究極までレイヴすることまである。必要としているのは、私をただ踊らせ続け、そして二つのとても大切な要素「自分が生きている世界を感じ、けれど同時にそれをほんの短い間だけだが忘れさせること」を結合する曲だ。本当に良い曲だけがそう出来るんだよ。



"This House Is Mine"– Discover and impart...(The Hypnotist)
「この場は私のもの」― 発見と分け与えること

大量の中から質的に際立った音楽を見つけること、それが私の使命だ。
人を掴んで決して離さない幻視的な曲。人の好奇心をそそる曲。何か新しいものを生み出し、人の間に一体感を与える曲。DJにとってダンスフロアで力を発揮する曲、でも保守的でなくアレンジにおいて自由度があり新しいアイディアにオープン「特に、古いものと新しいものコンビネーションにおいてオープンであること」な曲。それはラウドで強力でなければならないが、他方で繊細で潜在的で、魂に満ちていて、静かな曲もある。また実験的な奇抜さがあって、まったくこの世のものと思えない曲。本物でなきゃダメだよ。何かのコピーだったり真似ごとではダメだ。何か新しいものを生み出す革新的な音楽。それが私を突き動かす。音楽はそうでないと。私は常にそれ探していて、そこに達したいと思っている。探求と創造の30年、ノンストップだ!


"The Sound Of Music" – Techno, House and...(Falco)
「サウンド•オブ•ミュージック」― テクノとハウス、そして•••

クラブ•ミュージック―これはダンスフロアのために、特別にあつらわれたサウンドのことだ。エレクトロニックなサウンドがどんどん現れてきてクラブでかけられるようになってきた時代、それは本当に興奮する出来事だった。1981年にドリアン•グレイでクラフトワークを初めて聴いたことを、今でも鮮明に思い出すことができる。それは本当に私自身の頭蓋骨をぶっ飛ばしたよ。ドリアン•グレイには当時のドイツで最高のサウンドシステムがあった。まるで自分がUFOの中にいるような気分だったよ。レーザー光線やスモークが音楽(そのときクラフトワークの「コンピュータ•ワールド」がプレイされていた)と一体になってね。これが自分の必要としている全てだって解わかったよ!その日以来、エレクトロニック•ミュージックは自分にとって常に、もっとも面白くて自らを解放してくれる音楽であり続けている。音楽の進化は、特にダンスフロアの革新においては、エレクトロニックなものだよ!もちろん「音」がものごとを決定づけるのだけれど、例えば、909や808、101、303といった有名な魔法の番号がつけられたローランド社の機材、ミニモーグ、MS20や Monopolyといったコルグのシンセサイザーによる荒々しいアナログなサウンドがテクノやハウス•ミュージックのサウンドを最も形作ってきたとおそらく言えるんじゃないかな。
最近の過去数年の間、アナログ•レコードのサウンドに関するたくさんのコメントや議論があった。しかしどう見ても、良いプリアンプ/ミキシング• コンソールにある良いピック•アップのシステムでプレイされたレコードは(もちろんそのレコード自体良質でなければならないけれど)、その他のどんなデジタルのライバルよりも良い音がする。アナログ•レコードこそが、良い音に価値を置く人にとっての表現手段なんだ。
わたしは音楽を探す為に常に多くの時間をかけてきた。以前は最新のレコードをチェックしたり、他のDJやプロデューサー達(※作曲者の意)と情報交換してテクノやハウスといった音楽について議論する為にしょっちゅうレコード店に足を運んだもんだよ。残念なことに、今はあまり自由な時間が無いから、ひと月に2回くらいしかそういった贅沢な時間に当てることができない。殆どツアーに出ているからね。でも、フランクフルトのフリー•ベースの連中が親切にもいくらかのレコードを自宅に送ってくれる。はっきり言って、レコード店での社交的な雰囲気だったりその場で他のDJたちと情報交換したりすることが無くなって寂しく思ってるよ。レコードを送ってもらう以外では、定期的にたくさんのプロモ盤が送られてくる。でも音楽を聴くときの自分の「儀式」は何も変わってない。今も多くの時間をアナログ•レコードを聴くこと自体に捧げている。私の信条は、新しい音楽を見つけて選び出し、それらを繋げて、そこから何度も何度も完全に新しい音楽の旅を創り出すことにある。これこそが、これまで30年間やってきたスタイルなんだ。
音楽がメロディックである、あるいは抽象的であるといったことに関わらず、音楽の本質、それが常に大事なんだ。わたしの目と耳は常にダンスフロアに向けられてきた。なぜなら私自身、ダンスフロアで生まれ、実際にフランクフルトとイビサのダンスフロアで育ったから。それが、今だにパフォーマンスを続けている理由だよ。音楽の物語はそこで展開されなければならないんだ。



Technology & development: the famous turntables, my working tool – I was never interested in the development of playback possibilities...
テクノロジーとその発展:とびきりのターンテーブルが仕事の道具、プレイバックの可能性の発展に興味を持ったことは一度も無い

長い間、DJはプレイバック(※録音されたものをただ再生するという意)の技術に興味を持ってこなかった。というのは、いずれにしても与えられた道具はターンテーブルだけだからだ。曲をミックスすることこそが、これまでそして今も私にとって最も重要なことだ。途切れないようにセットをミックスすることが挑戦なんだ。特に何時間も続く場合はね。自分の強みは即興性にある。思いついたことを「じゃあ、やってみるかな」ってね。またDJに大事なことは「自分が一歩後ろに下がって、物事があたかもそれ自体で進んでいるような状況にまですること」でそれはとても情熱のいる仕事だよ。いつも、自分が楽器を演奏するかのようにDJを始めるんだ。2枚のレコードの間に生じる摩擦が(それは時に微弱にまたときには素早く)次の遁走を知らせてくれる。音楽は結び付きミックスの中とダンスフロアの上で全く新しい力学が生まれる。エネルギーと言うより魔法かな、それがクラブの中に広がり、まさにその瞬間に個々の物や人が溶け合って、私達は、真に一つの「私達」に成るんだ!
私は自分が「同期ボタン」を使って自分が仕事している姿を想像できない。だって、摩擦からくる緊張がなくなっちまうし、とても大事なこと(ミックスすることの楽しさ)が失われてしまう。エフェクトの機材をいじったり、 作為的にブレイクをいれたりすることは好きじゃないな。もちろん細かいEQが付いているやつでそれによって良いサウンドが生み出されることもあるけど、私は自分がプレイしている音楽が「エフェクトとか後からの加工とか編集が必要無い。」ということを強調したいんだ。選んだ曲には既に確かなオリジナリティがあるんだからさ。だからそれを保持するだけで十分だし、さらにそこから何かを発展させるなんてね。仮に自分が作者やプロデューサーだったら、自分の曲がバラバラにぶった切られてエフェクト漬けにされたら嬉しくないよ。そんなことしたら、その曲には何が残ってるんだい?現在とても大きな変化がある。それは「DJがプロデューサーのように振る舞い、プロデューサーがDJのように振る舞っている」ということ。テクノロジーの責任にしてくれ!

私はDJだ。曲を選び媒介する。パフォーマンスと注意は全て、自分が選んだ音楽と観衆=その場の瞬間に捧げられるんだ!曲の選択とセットの質に全てを捧げる情熱を持ったDJへの重圧は大きいよ。今DJに成るのにレコードをリリースしたことが求められているけれど、それはDJの質について何をどう説明しているんだい?

技術の進歩の中でそういったことはプロデューサーとDJによって始められたのだけれど、DJは選曲者と媒介者としての自分の立場を維持するのが難しくなってきている。業界の規模が大きくなり、いまではアナログレコードでDJをすることの芸術性や技術というものが破壊されている。新しいソフトウェアや様々なデジタルの方法のせいでね。さっき言ったようなエフェクトやDJの機材の技術がどんどん発展して、音楽はいま本当に危機に瀕していると思う。「曲の個々の魅力が損なわれて、魔法の様な瞬間がコンピュータ化された時間によって置き換えられてしまっているんだ。」

「こんな状況の中で誰がカッコいい野心に満ちた曲を書くことが出来るのだろう?取り替え可能なビートが支配的する中で誰が、メッセージやムードを持つ曲を必要とするのだろう?」確かにコンピュータを使うことに卓越したプロデューサーやループから色々生み出すプロデューサー、エフェクトを多用するラップトップDJは新しい扉を開いた。しかし今、産み出されているたくさんの曲は現在発展しているそういった方法によって、逆に多くを失っている。最もそういった曲はクォリティを第一に考えていないんだけど。少なくともこういった新しいやり方がダンスフロアでは重要視されてきているな。

どうあろうと、意見が一致することは、曲がシーンを結びつけたかどうかだよ。 始めと終わりが在りストーリ性と具体的なムードが存在する曲。 “Knights of Jaguar”(DJローランドのアズテック•ミスティックによる大ヒット作)が最も良い例だよ。でも、こういう曲にはそれが披露されるべき機材と場所が必要だ。テクニックス1200というターンテーブルの製造が終わりになる今、そういった気分を作り出すのはますます難しくなってきているし今後更にそうなっていくだろうな。もしピアニストがもうグランドピアノは製造されないという事実に直面したら、どう言うだろう?まあ、仕方なく電子ピアノで続けるんだろうね、そっちのほうがもっと可能性があるだろうし!本当に悲しいニュースだよ、今まであった文化が徐々に消えているんだから。



"Put the needle on the record..."(Criminal Element Orchestra / M/A/R/R/S)
「レコードに針を降ろして•••」

アナログレコードでDJをする自分にとって自らの音楽を見つけるのはどんどん難しくなってきているけど、みんなの前でDJするのを楽しみしているよ。もしCDをプレイしたとしても許してほしい。もう過去にそうしてしまったし、これからそうすることが増えるかもしれない。 でも、アナログ•レコードが依然自分にとって一番だしこれからもアナログ•レコードを支持しリリースしていくよ。二つのターンテーブルとミキサーが自分の楽器だ。これまでの30年間そうだったし、これからもそうだ。もし若い世代の多くが、完璧なサウンドと曲、ムードの魅力をわたしと分ちあってくれて、そしてついて来てくれたら、それ以上に嬉しいことはないよ。

過去30年間にみんながくれた信頼、愛、好奇心、そして汗に感謝します。そこには常に愛があった、これからもずっとそうだよ!
ありがたいことに、踊ることと音楽に対する自分の情熱は変わらなかった。だから、これからもみんなの前でターンテーブルを使ってパフォーマンスするのが自分にとっての最大の快楽なんだ。
ダンスフロアで会おう、そして踊ろう!

愛をこめて
Sven

追伸:もちろん、これまでの30年間に対する考えと経験について語りたい。それにつ いては後ほど。多分、2011年の終わりにはそうできるかな。

再追伸:私が運営しているコクーンと契約している80%のDJはアナログ•レコードを使っているよ。

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