東海道本線沿線観光コミュの相国寺

　臨済宗相国寺派大本山。山号を萬年山。正式名称は相国承天禅寺(ｼｮｳｺｸｼｮｳﾃﾝｾﾞﾝｼﾞ)。
　永徳２(1382)年、室町幕府第３代将軍足利義満が、花の御所の隣接地に伽藍創建を発願し、10年後の明徳３(1392)年に竣工した。高さ109.1ｍの七重大塔は日本史上最も高かった仏塔であり、昭和４(1929)年の依佐美送信所鉄塔(250ｍ)竣工までの約530年間、高さ日本一の建造物であった。
　義満は、禅の師であった天龍寺の春屋妙葩(ｼｭﾝｵｸﾐｮｳﾊ)に開山となる事を要請したが、固辞されたため、30年以上前に死去していた夢窓疎石を開山とし、春屋妙葩は第２代住持とされた。
　京都五山の第二位に列せられ、五山文学の中心地として殷賑を極めた。画僧の周文や雪舟は相国寺の出身である。
　しかし、何度も火災に見舞われ、伽藍完成から２年後の応永元(1394)年に建設中の七重大塔を除く全伽藍が全焼、応永６(1399)年に完成した七重大塔も応永10(1403)年に落雷で焼失してしまった。
　七重大塔以外の伽藍は再建されたものの応永32(1425)年にも再度全焼、応仁元(1467)年の応仁の乱勃発の際には東軍細川方の本陣となったため、またもや焼失している。
　続いて、天文20(1551)年にも管領細川晴元と三好長慶の争いに巻き込まれて焼失し、天正12(1584)年、西笑承兌(ｾｲｼｮｳｼﾞｮｳﾀｲ)が住持となり、復興を進めた。現存する法堂(ﾊｯﾄｳ)〔重要文化財〕はこの時期の慶長10(1605)年、豊臣秀頼の寄進によって再建されたものである。法堂天井にある蟠龍図は狩野光信の手になり、特定の場所で手を打つと反響するため「鳴き龍」と呼ばれる。
　その後も元和６(1620)年にも火災があり、天明８(1788)年の天明の大火で法堂以外の殆どの堂宇を焼失した。現存の伽藍の大部分は文化年間(1804～18)の再建である。
　鹿苑寺金閣寺や慈照寺銀閣は、当寺の山外塔頭(ﾀｯﾁｭｳ)である。
　境内には、当寺と鹿苑寺・慈照寺等のの文化財を収蔵展示する承天閣美術館がある。

　京都駅から地下鉄今出川下車。