東海道本線沿線観光コミュの青地城跡

　近江守護佐々木六角氏の一族青地氏の居城。
　鎌倉時代前期、佐々木定綱の孫基綱が志津庄の荘官青地氏の養子となり、その子忠綱が青地城を築いた。忠綱の子冬綱は近江守護代も務め、六角一族の中でも最大の勢力をふるっていた。
　青地氏は南北朝時代には南朝方と激戦を展開して地歩を固め、志津庄領主の小槻氏からその地位を奪ったため、志津庄は青地庄と呼ばれるようになった。
　戦国時代には管領細川澄元が京都の兵乱を避けて青地城に逃れて来た事もある。
　戦国時代末期、蒲生氏から入って青地氏を継いだ茂綱は、尾張の織田信長に通じて伊勢北畠氏攻略等に参戦したりしていたため、信長が六角氏を撃滅して入洛した後も本領を安堵されたが、元亀元(1570)年、浅井長政・朝倉義景との合戦で戦死してしまった。
　茂綱の嫡男元珍(ﾓﾄﾖｼ)は佐久間信盛の与力となり石山本願寺攻めなどに従軍、信盛の追放後は信長直属武将として活躍した。
　天正10(1582)年の本能寺の変の後、元珍は織田信孝に仕えたが、翌年、信孝が滅亡すると改易され、青地城も廃城となった。
　その後、元珍は蒲生氏郷のもとに寄食し、蒲生家断絶後は加賀前田氏に身を寄せて2000石を給され、子孫は代々加賀藩士として続き明治維新に至った。
　城跡は、志津小学校背後の本丸に城跡碑と、青地氏の子孫が建立した歴代城主墓が建ち、堀や土塁が残されている。二の丸跡に建つ小槻神社境内にも土塁跡が見られる。
　草津駅からバス志津小学校前下車。