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tomomix製作所コミュの新聞のコラム

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日本海新聞の「手鏡」というコラム欄に1年間掲載させてもらうことになりました。
月イチで来年の3月までだそうです。
月イチということしか決まっていないので何日ですとはいえませんが。。。笑

ここにも記録として残していこうと思います。
よかったら読んでってやってください。

コメント(11)

●4月8日掲載分

「花よ幹よ根よ」

すっかり春だなあと感じることが多くなった。
先日テレビを見ていたら浜田市の海老谷桜がとり上げられていた。
樹齢三百五十年。
今年も花を咲かせたそうだ。
実は昨年倒木し、移植延命工事など施して、樹医を含め住民のサポートによって回復した。
倒木したことについて、「花や幹ばかりを見て苦しんだ根に気づかなかった」と住民らは嘆き悲しんでおられた。
 
まだ予断は許さないと、今期も根の負担を考え満開後、結実を避けるため、花は摘花するそうだ。
開花というのは相当なエネルギーなのだそうだ。
ふと人間の人生にも重ねてしまった。
温かい春の数日、桜は裏切ることなく素直に咲き、心弾ませる私たちを楽しませてくれる。
そして、それを見届けるかのように素直に花びらを散らし、葉桜になった幹を私たちはあっさり素通りしてゆく。
 
桜は次の春を目指し、また素直にコツコツとエネルギーを蓄えてゆく。
そんな実直な桜の儚さが美しさになるのか、心奪われてしまう。
 
有限な美しさは無限な芯の強さのもとに咲いていて、毎年、桜を見ると謙虚な気持ちを思い出させてくれるのはそのせいではないか、と思う。
同じ場所で同じように。いのちをただただ繰り返す。
 
今年もまた桜が見ごろを迎える。
懸命に命が咲くさまを今年もじっくり見上げたい。


●5月9日掲載

 「弁当」

 人は一生で何回、食事をするのでしょうね。

 不景気の影響で弁当男子が増えたとか。
 どんな事情であれ、一食に手間をかけることはよいことだと思う。

 私は「弁当」が好きだ。他の食事に無い魔法のような面白さがある。

 弁当には「時差」が働く。
 おかずの種類だとか味だとかは置いといて。
 誰かがあなたのためにそれを詰め込んでくれる時間があっての素晴らしい結果なのだ。
 しかも蓋を開けるまでは中身は秘密。
 開けた時の「わーい」や「えっ?」の素直な一瞬の反応も
 肝心の作った本人には見えないというあたりもにくいと思う。

 だから弁当って面白い。

 私も今では自分で作って自分で食べる。
 だからひっくり返っているだとか、美味しくないなどそれ以外の魔法にかかることはない。
 たまに、母親が作ってくれた弁当を思い出す。
 ワンパターンな弁当だったけど、今思えば美味しかったとしか覚えてないもので、
 今では毎日魔法を準備してもらっていたあの頃の私をうらやましく思う。


 もし、今日のあなたの昼食が誰かが作ってくれた弁当なら、
 そんな魔法を感じてみては?


 うん、やっぱり弁当って面白い。
●6月9日掲載

「プロ」

私の後輩の話。
彼女は貴重な新人時代を「私」というろくでもない人間をともにした。
それなのに見事にしっかりと成長し、
「エステティシャンになります」といって退職した姿は晴れ晴れしていて
なんだか嬉しいような寂しいような気持ちになったのを思い出す。

つい先日、昔の後輩の職場へ行った。
老廃物がこり固まっていたのでお肌のお手入れしてもらった。

久しぶりの彼女は髪を1つにくくり、シンプルな制服もきこなし、お姉さんらしくなっていた。
「変な感じですねえ」と笑いながら、超音波を当ててくれ私の砂漠のような肌をぷりぷりに仕上げてくれた。
人の肌を触る仕事だからだろう、爪はとても短くし、あれだけ好きだったネイルもしてなかった。

共に働いた頃もプロだったが、今はこの道のプロなのだなあとしみじみ思った。
プロって言葉が重々しいが、それぞれその意識やキャリアは違うにせよ、お金を頂いて、暮らしを営む、誰もがプロなのだろうと思う。
よくプロ野球選手がエラーをすると球場中からえらく怒鳴られる。
本当はそれほどの気持ちも持つべきなのかもしれない。

後輩のおかげで
失いかけていたお肌の保湿を取り戻して。
薄れ掛けていた何かを取り戻した今日このごろだ。
●7月8日掲載


「もやし」

最近もやしをよく買う。

もやしって美味しくてカサもあって何より経済的。

ただ、実は最近飽きてきた。
味噌汁に入れたり、炒めたり、どう食べてもピンとこなくなった。
そんな時、ふと料理本を見ていたら
「もやしのシュウマイ」を見つけた。

皮のかわりにもやしの細かくしたものをまぶし蒸すというもので斬新で実に美味しそう。
これだ!と言って、スーパーに走った。

シュウマイには豚挽き肉。
その日の特売の合挽き肉に心奪われてしまう。豚の半額だ。
ここは経済的にハンバーグにしようかとも思ったが、
新たなもやし料理に出会いたかったので豚挽き肉を買い帰宅。

支度にかかった私。タネをこねあげた時気がついてしまった。

もやしがない。もやしを忘れたのだ。うっかりだ。

節約料理レパートリーが増えると意気込んで、目の前の安いひき肉に手を出さず挑戦しようとした結果がこれだ。

仕方がないのでそのタネを白菜で包みロールキャベツ風にした。
親も彼もそんな事情は知らなかったのだが
皮肉にも気合いゼロのロール白菜はたいそう評判がよかった。
適当が絶賛されると複雑だ。

安くて早くてうまい。
どこかの飲食店のキャッチコピーみたいだがそんな奥さんになりたいものである。
●8月掲載

「円形脱毛症」

私の体質なのだろうか
円形脱毛症になりやすい。
初めて10円玉くらいの真っ白な地肌が見えた時は愕然として、
ショックでたくさん泣いた。
その後も発見するたびに毎回泣いた。
病院に行っては薬を塗ったり、漢方を飲んだり、電気をあてたり。

しばらくして通院はやめた。
病院は嫌いじゃなかったけど、友達と通院代くらいのパスタランチを食べたほうが楽しかったし、
ハゲているところをみえないようにヘアアレンジするものいいかと思えてきた。
意識しすぎるほうがどうも落ち込んでしまうことに気がついたのだ。

しばらくして、気がついたら毛が生えてきた。

いわゆる「ストレス」なのだろうと思うし、お医者さんもそう言う。
ストレスでハゲたというと大変なことに聞こえてしまうが、
誰しも何が本当の負担になっているのかなんてわかりゃしない。
溜めないようにと言われてコントロールできる単純なものでもない。
うまくつきあっていくのがなによりだ。

実は最近、ちいさいのがまた1つできてしまった。
ハッピーな日々にも関わらずでビックリした。
でもなぜだか今回は大丈夫。泣かなかった。
悩んでいないか?重く抱え込んではいないか?
そうして自分と向き合うよいきっかけをくれる私の体のサインだから。
大事にしていこう。
●9月掲載

「アウトドア」

最近の私といえば、アウトドア三昧。
派手なBBQパーティーとは少し違うのだが、多い時は週2、3回。虫さされの跡の治る暇もない。
休みの前なら近場のキャンプ場へ、平日でも家の裏でカセットコンロでササッと肉を焼いて、お酒を飲む。

アウトドアはお金がかかると友達は言うがそうでもない。
確かにブランドのものならそうだろうが、初心者の私なら見合うものが案外安く揃うのだ。
テントは2980円、コンロは家の鍋用、ランタンは昔々のものだ。
小物は100円SHOPを最大活用。
より良いものを吟味するのがこれまた楽しい。

また、めんどくさいだろうと友達は言うがそうでもない。
片付けもみんなでやればいい。家のほうが1人でやることが多い気がする。
食材も家にあるものでいい。安い肉も、野菜室に転がってたピーマンも、ワンカップも、ご馳走だ。
外で食べる。ただ、それが楽しいのだ。

そして先日気づいたのだが、共同作業が多いからか、よく喋り、よく頼り、頼られる。
身近な人ほど頼り合いをしないからだろうか。
ちょっと尊敬したりもする。いつもより新鮮に思える気がした。
肉も3割増しで美味しいし、大事な人とは仲良くなれるし、いいものだ。

夏もあと少し。
アウトドアいかがでしょう。
●10月掲載

「まくら」

新婚旅行でタイに行ってきた。
タイに三角枕というものがある。
枕の部分が三角柱の形で、昼寝枕マット付きとでもいおうか。
飲食店の座敷にあり、とても気持ちがよかった。
夫はとても感動し、欲しがった。
それまでほとんど買い物しなかった夫が「三角枕がほしい」というのだ。
いろいろ買い物を済ませた私だったので、
三角だろうが四角だろうがひとつでもふたつでも!と言わんばかりに枕を買いに行くことにした。
ところが、三角枕をなんといえばいいのだろう。
現地のやさしそうな人を見つけてはトライアングルピローという直訳と「おやすみ」のジェスチャーで訴えた。
その人は「ホテル?」という。どうやら眠たいと伝わったようだ。
なんとか私達の英語とは呼べない英語でなんとか枕屋についた。
ただの枕。と思いきや、案外高い。
そして大きい。大きさに躊躇したが、結局夫は自分用と祖母へのお土産と2つ買うことを決めた。
一気に大荷物になった私達は、自宅まで送ろうと試みるが、またしても言葉の壁をこえられず断念。
タイから鳥取まで持って帰ってきた。
その大きな三角形は税関にあやしまれたものの、無事帰国。
夫が祖母に渡すとたいそう喜んだ。
残念ながら傾斜のきつい枕だったようで祖母は今までどおりそば枕を使い、三角枕は飾ってある。
それもたのしい旅の思い出の1つ。

またタイに行きタイな。
●11月掲載

「電気オーブン」

もういい加減、オーブンを買おうと思う。
今使っているのは、中学生の時に買ってもらったもので、かれこれ17年使っている。
そろそろ寿命か、引退したそうにしている。
ボタンが不調なのだ。
普通に押してもダメ。爪で垂直に刺すようにするのだ。
そんな押し方をするからヒビも入ってきた。
最近では、180度に予熱しながらこれは本当に180度なのだろうかと不安になってしまう。
というわけで、買い換えようと探し回っている。
省エネだったり、スチームだったり、昔とは比べられないほど素晴らしいものばかり。
結局、3〜4万あたりか、7〜8万あたりか。
どちらにせよ高価な買い物だということでこの3年ほど悩んでいる。
ある日、友達に話した。
バカだねという顔をされた。
買い物中、私が手にしたワンピースを指さしながら
「あんた、そのお悩み中の3年間のこういう買い物を我慢すればどれでも好きなオーブンがあっという間に買えてるよ。
何台もね。」と言われた。
「しかもオーブンなら多彩な料理ができるよ。家族が喜ぶよ。服はあんたしか着ないよ。」と言われた。
私は賢い友達を持ったものだよ。
この冬、新しいオーブンでグラタンやふかふかのパンを焼きたくなった。
新しく買おうと決めたら、初代オーブンが一層可愛く思えてきたよ。

17年間ありがとう!
●12月掲載

「あなたは料理が好きですか?」

最近、料理の時間が好きだ。
安売りの肉も、もらったキャベツも幾通りにも変身できるのだ。
その数まさに無限。
献立がバランスよく決まったなら勝手に料理研究家のような気がしてくる。
調理手順もひと工夫でフライパン1つで何種類か順に調理して
洗い物を減らせらばカリスマ主婦な気分。

豆乳や豆腐を取り入れたなら、夫の健康を考えるデキる女風で勝手にちょっといい気になる。
温かい料理を温かく、おまたせしないように出来れば飲食店顔負けでしょ?とアピールもしたくなる。

料理にも起承転結があって、1つ1つの素材がカットされ、変化して、熱や味が加わって最終的には食すことになる。
その最後の反応がおもしろいもので「美味しい!」といってもらえればラブストーリーのハッピーエンドのようだし、
不味い顔をされたとしてもなんだかお笑いのオチのようでそれはそれで楽しいのだ。

食べながら1人前の単価計算をして「あー!今日は1人150円ディナーだで!」と夫に発表するのだ。

浮いたお金は低燃費の軽自動車購入費にあてることとなる。はよ貯まれ・・・

そういえば私のグラタンの作り方は昔、小学校の家庭科で習ったものが基本。
料理は体の記憶に残るのだ。

料理にあるそういったここに書ききれないすべての可能性が好きなんだろうと思う。


さて、今夜は何にしよう。
●1月掲載

「生きる」

こうしてただ毎日を生きていると、なぜ生きているのか、どう生きていきたいかと考えることはあまりないですね。

先日、夫の祖母が亡くなりました。

お葬式というものをこんなにもじっくりとかみ締めた事はなかったように思います。
村中での炊き出しも、あれが足りないこれが足りないをみんなで補い合って、
そしてみんなで暖をとって、
たくさん会話もして、悲しいけれどあたたかい式でした。

途絶えることの無い人の列を見ていると、人ひとりの人生にこれだけの人たちがつながっていると思いました。
今、私がこうして立っているのもどれだけの人のおかげかと足先から全身まで熱くなりました。

普段そんな感謝を思うことだったり、
深くは知ろうとしないことだったりでしたが、
この日私の中で大事なものが明確になったように思います。

祖母が産声をあげてからこの日までの歴史にほんの少しの時間だったけれども家族として加われたことを嬉しく思います。

祖母は心優しいあたたかい人でその人柄はみんなに愛されていました。
腰をまんまるにしながら、姿見えなくなるまで私たちの帰り道を見送ってくれたのが印象的で、

結局私たちにとってはそれが最期でした。

後で知りましたが誰に対しても心のこもったお見送りを欠かしたことは無かったそうです。
そんな祖母の孫であったということ、
恥じないように生きていこうって思っています。

死を感じて生を感じた、生き方を考えた、私にとってはそんな日でありました。
●2月掲載

 私の母はパーキンソン病で発症から14年ほどたちます。
 難病に指定されて近年ふえてきているのでしょうか、よく耳にするようになりました。

 母は昔、理容師でした。
 ずっと母に髪を切ってもらっていた私は、その時間が楽しみでした。
 母は病気になってから、働くこともできず、家に居て週に1度デイサービスに行きます。
 まだ58歳なのに、好きな時に好きな場所にいくことができません。
 シルバーカーを押して歩きます。
 そんな母は幸せなのだろうか、と思うのです。
 昨日、よく伸びた母の髪を私が散髪することになりました。
 美容院にお願いしたこともありましたが、病気の症状を思って私がやってみることにしました。
 年の割りに白髪で真っ白な髪。
 まさか私が母の髪を切るようになるとは昔は想像つかなかったなあと複雑な気持ちになりました。
 元・理容師の言うように切りすすめるとかわいらしいショートカットにできあがりました。
 夫も父も「かわいい」といい、母はすごくうれしそうで風呂上りも朝方も私にとても楽だ、気に入ったと喜んで話してきました。

 母の人生は幸せなのだろうか。
 これからもその思いは消えないけど、幸せそうな母の顔を見ていたら母の髪は私が切ろうと強く思いました。
 病気は治せないけど、できることは山ほどあるんだろうと思います。

 できることやってみます。

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