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小説を書いて読んで楽しもうッ!コミュの怒れ!ハート・オブ・レディ!

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タッタッタッタッタッタ…ザッ!


三人が中庭に着くと確かにヒューマの言葉通り、右には塔が立っていた。
窓らしき物は一切見えないのだが奇妙な事に、石の隙間から微かに明かりが洩れてる。


「にゅッ!アソコなりッ!」


何かを感じ取ったサラが突如上空を指差すと、何者かが空より降ってきた。


クケーーーーーッ!ギャアギャァッ!


「あッ!ガーゴイルなりッ!気をつけ――」


「ファイエルッ!」


ズッドムッ!ズッガァァーーーンッ…パラ…パラ…


叫んだサラが言い終わるよりも先に、イヴの手から発射されたミサイルがガーゴイルを粉々にする。


「…む、無茶するなりねぇ〜。」


「スイマセン、先ニ照合ヲ終ワラセテシマイ、大丈夫ダト判断シマシタノデ…。」


「ふむ…戦闘を重ねる度に反応が良くなっている様な…?」


「恐ラク私ハ学習型ナノデショウ。」


「ふぇ〜流石はハイテクなりね〜。」


「はいてく?草履でも履くのか?」


「イエ…ハイテクトハ、高度ナ技術ノ事ヲ指シマス。」


毎度の事ながら言葉の説明をされるが、タカの脳裏には思うようにイメージが浮かばない。


「………………解らん。」


「どーでもいいなりッそんな事より早く塔に登るなりよッ!」


「おおッ!そうでござったな。」


すると勇み足気味な二人を制し、冷静なイヴが注意を促す。


「待ッテ下サイ、中ニハ罠ガアルカモシレマセン、ココハ私ガ先行シマショウ。」


「うにッ!任せたなりッ!」


「ハイ、デハ行キマショウ。」


疲れを知らぬ一行は高く聳え【そびえ】立つ塔に近づいた…。


パチパチパチパチパチパチパチパチッ!


丁度ソノ頃。
事の一部始終を水晶球で見ていたハッチーが、彼等を拍手喝采で褒め称えていた。


「凄いっスゴイッすっごぉーーーーーーーいッ!
 あの子達、ウハクちゃんをヤッつけちゃったよッ!」


「フフッ……でも次はどうかしらね………。」


意味ありげな言葉…そしてその状況を楽しむ微笑み…彼女の思惑は一体…?


さて塔まで辿り着いたは良かったが、肝心の入り口が何処を探しても見つからない。
困り果てた三人は作戦を立てる事にした。


「ふむ…何やら仕掛けがありそうだのぅ…。」


「ソノ様デスネ…調ベマスノデ少シ下ガッテ頂ケマスカ?」


この塔を調べる為、彼女に組み込まれた様々な端末が動き出す。
両指を絡めるように握り、やや上方を向き、祈る様な姿勢で磁場の乱れを探るイヴ。
周囲の情報を一手に集め、正確に分析する様はまさに彼女ならではと言えよう。


カシューィン…ピッピピピ…ピィーン


やがて顔を上げ、不可解な部分を発見するとソノ場所を指差し、
隣で待機しているサラに魔法解除を求めた。


「サラさん、向カッテ左方斜メ23度、高サ3mノ所ニ、
 通常デハ考エラレナイ磁場ヲ発見シマシタ。
 恐ラクソコニ何ラカノ仕掛ケガアルト思ワレマス。」


「うに!解ったなり、ソコなりねぇ〜!」


「アッ!待ッテ下サイ、ソノ他ノ場所ヲ刺激スルト、
 周囲ノ磁場マデ乱レガ生ジルト予測サレマス。
 狙イハ正確ニオ願イシマスネ?」


「ふぇッ!?サラ、分度器なんか持って無いなりよ〜。」


「…解リマシタ、私ガサラさんノ杖ヲ補足致シマス。」


そう言うとイヴは機動修正を施し、サラの杖を握りしめて動かない様に固定した。


「…コノ位置デス、私ガ杖ヲ支エテマスノデ、コノママ魔法ヲ発動サセテ下サイ。」


「OK〜いっくなりよ〜ッ!ディスペルッ!」


バシューーーーーッ!


サラの杖から薄紫色の光が放出されると、イヴが言った場所まで寸分違わず飛んでいく。


ピッ…ピキッパキッパキッ…パァンッ!


すると何も無い空間にヒビが入り、小さく音を立てて弾けると同時に、
隠されていた扉が出現したではないか。


「さぁ入るとするか…。」


タカが徐にドアノブへ手を掛けようとした瞬間、イヴに襟首を持たれ引っ張られた。


「うおッ!何をするのでござるッ!」


「迂闊ニ入ラナイデ下サイ、コウナリマスヨ?」


彼女は足元にあった小石を拾い、扉に向かって放った…すると…。


ヒュン……ガツッ!バリバリバリバリバリバリッ!!


「…集計シタ結果、推定1000万ボルトト計測サレマシタ…。
 簡単ニ言エバ人間デシタラ真ッ黒焦ゲニナリ、即死シマスネ。」


「なんとッ!?」


「アメコミなら骨が見えてる所なりね〜うぷぷぷ♪
 さ〜て解除するから、ソコを退くなり。」


「ソレナラ必要アリマセン……ファイエルッ!」


カッッッ!チュッドーーーーーーーンッ!


何の前触れも無くイヴから発射されたミサイルは、真っ直ぐ扉に当たり、
ソノ対象物を容赦無く粉々にする。


「むおッ!いきなり大筒とは……。」


「……ひょっとしてイヴ、ムチャクチャ怒ってるなりか?」


当のイヴは扉の方を向いている為、サラの方からは彼女の表情は見えないが、
その背中が多くを語らずとも、雄弁に彼女の感情を伝えていた。


「ハイ…大変怒ッテマス、初メテ出来タ友人ガコンナ目ニアッテマスカラ…。
 因ニ補足トシテ申シ上ゲマス、タカさんヤ、サラさんガ誘拐サレテモ、
 同ジ位ニ怒リマス…オ間違エ無ク…。」


「穏やかな顔して実は怒っていたのか…。」


「本当に人間みたなりねぇ〜。」


すると『人間』と言う言葉に反応してイヴが振りかえり、
人間ならば心臓がある部分に手を宛てる。


「ハイ、私ノ心臓部分ニハ『ハート・オブ・レディ』ト言ウ回路ガ入ッテマスノデ、
 人間ト同ジデ様々ナ感情ノ起伏ガアリマス。」


「ふぇぇ〜簡単に言えば乙女の心なりね…解ったタカ?」


「うむ、非常に解りやすかった。」


「サァ入リマショウ邪魔者ハ排除シテオキマシタ。
 …ト、言ッテモ殺シタ訳デハアリマセン。
 チョット気絶サセタダケデスカラ…。」


「ん?何の事…むッ!」


暫くしてタカが中を覗くと、砂煙が晴れた塔の内部では4〜5人の兵士が白目を剥いて倒れていた。


「先程調ベタ時ニ、複数ノ人ラシキ体温反応ガアリマシタノデ、
 サラさんニ解除ノ魔法ヲ使ワセナカッタノデス。
 ソレニ口頭デ言ウ訳ニモイキマセンデシタカラ。」


「うぅむ…中々、思慮が深いでござるなぁ…。」


「うにうに♪この調子でお願いするなり〜♪」


「ハイ♪…右手ニ階段ラシキ物がアリマス、ソコカラ登ッテ イキマショウ。」


部屋に入り右を見ると、上に続く螺旋階段が何処までも続いている。


「今ノ所、階段ニ罠ラシキ反応ハアリマセン。
 私ノ後ロヲ ユックリト ツイテキテ下サイ。」


「うに♪」


「うむ。」


イヴ・サラ・タカの順番で階段を登って行く…。
何処までも続くかの様に思えた螺旋階段だったが、程なくして行き止まりになってしまう。


「オカシイデスネ…構造上カラ考エテモ、コンナニ小サイ筈ガアリマセン…。
 何処カニ仕掛ケガアルト思イマス。」


「ふむ…からくりか…この天井が怪しいと思うがのぅ…。」


コンコン…


何も考えずに行き止まりを叩いた筈であったが――


ガッッコン…ガガガガガガガガ…ガッシャン……


タカが天井を叩いた瞬間二つに割れ、更に上へと続く階段が現れた。


「ハッハッハッ!たまには拙者も役に立つのぅ…どれ…。」


「待ッテ下サイ、安易ニ行動シテハ危険デス。
 少シ私ニ調ベサセテ頂ケマセンカ?」


「心配しすぎだと思うがなぁ…ほらこの通り――」


タカが足を一歩踏み入れた途端、両端に引っ込んだ筈の壁が一瞬にして戻った。


グィッ!


「うぉッ!!!」


シャッ!ガッシャーーーーーーーンッ!!


イヴの有無を言わさぬ腕力で無理ヤリ引き戻され、タカは情けなく尻餅をつくが、
ソノ姿勢の侭 上を見上げ、もし彼女が引いてくれなかった時の事を思うと…冷や汗が出た。


「迂闊ニ進ンデハ命取リニナリマス、コノ塔ヲ甘ク見テハ駄目デス。」


「にゃははは♪アメコミなら紙みたいにペッタンコなり。」


「うぬぬぬぬ…何の事かは知らんが、あまり良く無い事なのであろうな…。
 スマン、イヴ殿、拙者の見識が甘かった…これからは少し大人しくしてるでござる。」


「イエ…仕方ノ無イ事デス通常デシタラ一ツ罠ヲ解除シタラ、次ハ無イト思ウ筈デス。
 ココノ『ブービートラップ』ハ結構、手ガ込ンデマス。」


「ぶ〜――」


「ブービートラップ、『愚カ者ノ罠』ト言ウ意味デス。
 主ニ コノ様ナ罠ノ事ヲ総称シテ言イマス。」


またしても最後まで言葉を言わせて貰えず、不承不承タカが礼を述べる。


「講釈、悼みいる…。」


「オ気ニナサラズ…ソンナ事ヨリモ、コノ罠ヲ解除スル方ガ先決デス…。
 チョット実験シテミマスノデ、二人共下ガッテテ下サイ。」


シャキン…


イヴの指先より細長い針の様な物が突出し、二人に解る様に見せると実験の説明する。


「コレデ瞬間時速ト、瞬間重量ヲ計リマス。」


イブは用心しながらソッと針を穴の方へと入れる…すると――


シャッ!ガッシャーーーーーーンッ!


イヴの指先から出た針の部分だけが、迫り出す壁に挟まれた。


「……………出マシタ。
 瞬間時速400km、瞬間重量ハ凡ソ10tニ達シマシタ…通常ナラ即死デスネ…。」

血の気も凍る事をサラッと言いのけるイヴ。
この言葉には流石のタカも思い溜息を吐く。


「…ふぅ……成す術無しか…。」


すると『待ってました♪』とばかりに、サラが真ッ平らな胸を張って前に出て来た。


「にっふふふ♪ サラのテレポートがあるなりよ〜♪テツに解る様に言えば瞬間移動なり。」


「おおッ!そんな優れ業があったのかッ!それなら早速――」


「イケマセン、モシ空間ヲ移動シテイル最中ニ、
 魔法ヲ突キ破ッテ壁ガ出現シタラ如何ナルト思イマスカ?」


「にゅ〜…そんな事は無――」


「無イト言イ切レマスカ?」


執拗なイヴの確認に流石のサラもソレ以上強気に出れず、ガックリと俯いてしまう。


「うにぃ〜…。」


「迫って来た瞬間に壁を壊すのは如何だろう?」


タカが次なる案を提案するが、やはり彼女に一蹴されてしまう。


「恐ラク瞬時ニ復活シテ駄目デショウ…ナニセ相手ハ魔法ガ掛カッタ壁デスカラ…。」


「ならどうするなりか?」


「少シ危険デスガ私ニ良イ考エガアリマス…。
 私ノ両腕ハ瞬間重量12tマデ耐エラレマスノデ、
 ソノ隙ニ二人ハ私ノ腕ノ横ヲ通リ過ギテ下サイ。
 罠ヲ抜ケタラ何処カニ解除装置ガアル筈デスカラ、ソレヲ探シテ下サイ…。
 因ミニ私ガ耐エラレル時間ハ『1分間』ダケデス。」


然も冷静に言うイヴに対し、逆に二人の方が青褪める。


「き、危険過ぎるなりッ!もし解除出来なかったらどうするなりかッ!」


「拙者も同意見でござる…もう少し良い方法はないのか?」


「…残念デスガ、コレガ今取レル最良ノ手段デス…。
 大丈夫ッ!私ハ二人ヲ信ジマス…
 必ズ見ツケテクレル事ヲ…サァ始メマショウ…。」


決して揺るがぬイヴの覚悟にサラとタカも撃たれ、決意も新たにポッカリと口と開けている上を睨む。


「………解ったなり、意地でも見つけるなりよッ!」


「風真二刀流の名に賭けて…必ずや見つけ出そうぞッ!」


「ハイ♪宜シクオ願イシマスネ……デハ……行キマスッ!」


今まさに『Dead or Alive』とも言える作戦が始まろうとしていた。


そ〜して一方、我らが主人公はというと……


「……ふんごーーーー……ぐがーーーー……」


部屋一面に広がる空き瓶の数々…食い散らかしたツマミ…。
飲み潰れて爆睡カッ飛んでるトコだった…。

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