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白濁マグマコミュの実話・「いいちこ女」

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一挙掲載




「あの〜?スミマセン。私を姫路か京都まで送っていただけませんか?」

小野市の南北を縦に貫くバイパス175号線の路肩に車を止めたのは、確か1時間前位だ。それまでオイラは小雨の中を運転しながら馴染の飲み屋の女からの営業電話を半分酔っ払った状態で取りとめも無く受け答えをしていた。

一段と雨が強くなってきた。

「だからぁ〜。ちょっとだけでいいから〜!来てぇ〜!」

「あかんて!もう家の近くやし。」

「あたし今日、12時上がりやしぃ〜、そのあとどっか遊びに行かへん?」

運転するのも疲れてきた。路肩に車を寄せて、ヘッドライトのスイッチを切る。規則的に動いていたワイパーも止める。途端に携帯からの女の声がヤケにはっきりと聞こえてくる。

「寂しいなぁ〜。メッチャ、会いたいネン!」

「悪い!今日はやめとくワ」

「え〜〜〜」

「ごめん」

「・・・・・・」

「来週、来週行くから」

「ホナ!来週!絶対やで!」

「わかった、わかった。」

「じゃあ!またね!」

駄目とわかれば切るのも早い。フロントガラスには結構大粒の雨が続いている。カーナビの画面には、さっきTSUTAYAでレンタルしてきた「フィールド・オブ・ドリームス」が映っている。ケビンコスナーがトラクターに乗り、せっかく育ったトウモロコシを涼しげな顔で刈り取って行く。膝の上に愛娘を乗せて、いかに「シューレス・ジョー・ジャクソン」が偉大なプレイヤーだったかを熱弁している。

大好きな映画を車のシートをリクライニングさせて、本気で観始めようとしていた。窓を少しだけ降ろしてタバコに火を点けて、オイラはここで映画鑑賞をする事に決めはじめていた。

コン!コン!

助手席側の窓を突然ノックされた!

コン!コン!

黒い人影が立っている。とっさに思ったのが、警官かな?こりゃぁ〜職務質問だな〜。酒は入っているが、運転中では無い!映画鑑賞中だ!こうなりゃ、文句の一つでも言って、追い返してやる!助手席の窓を下げる。

雨と風の音が急に大きくなり、その中でさらに聞き取りにくい声で

「あの〜?スミマセン。私を姫路か京都まで送っていただけませんか?」

女性だ!思わず「はっ?」と聞いてしまった。

「あの〜お金なら、お支払します、お願いです、私を姫路か京都まで乗せて行ってください!」

何の事を言っているのかサッパリわからない。暗がりで顔はよく見えない、オマケに傘もささず、ストールのような物を頭にすっぽりと被っている。全開に開いた助手席の窓から「ボトボト」と音を立てて雨が吹き込んでいる。
ビューと強い風が雨と一緒に車内に吹き込んできてオイラの顔にも飛沫をかける。それで決めたのかは分からないが、これ以上窓を開けておくのも得策では無い。

「ちょっと!とにかく、中に入り!車、ビショビショになってまうから!」

「スミマセン!お金は払います、スミマセン!」

「とりあえず!乗って!雨、すごいから!」

助手席の窓を閉めながら、ドアロックのボタンをオフにして、オイラが身を乗り出してノブを回してドアを開けてやった。

バスケットボール部の生徒が持つようなバックを彼女は抱えていた。それを足元に置こうとしているが、とてもじゃないがそれでは座れない。

「荷物はうしろの席に置いていいからぁ」

一旦外に出て彼女が後のドアを開けて荷物を置いた、後部座席の3分の2はバックに占領されてしまった。

「スミマセン。スミマセン。」

彼女が助手席に座った、肩から下げているショルダーバックもズブ濡れ状態、

「スミマセン、スミマセン」少し息が上がっている。「はぁ、はぁ、」と呼吸を整えながら、時折「スミマセン、スミマセン」と言っている。

ガサ、ガサ!

彼女は左手にコンビニの袋を持っていた、一見、牛乳1リットルの紙パックに見えた。がっ!パックの上部には緑色の丸いキャップがついている。彼女がキャップをクリクリとまわして外すと、口をつけて一気に「ごくごく」と飲み出し「フゥー」を息つく、アルコールの香りが車内に広がる。よく見てみると、紙パックには

「いいちこ」と書かれていた。

「スミマセン」とまた彼女が言った。



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「あんた!酔ってるん?」

頭をコクコクと動かし女はうなずく。ルームランプをつけてマジマジと女を見る。エエ歳の女だった。化粧はしていないがパッと見は30半ば位だろうか。

「あんた、気ぃは確かか? こんな見ず知らずの車に突然乗り込んで・・」

「・・・・いや、顔見て、大丈夫そうやったから・・・」

オイラの顔はイワユル「押し」が無い様だ。

「見かけで判断出来るの?悪もんやったらどないすんの?」

女はコクコク頭を振るだけだった。また一口グビリと紙パックを煽っている。
ナビ画面は「フィールド・オブ・・」が続いている。そうやって女に説教しながら、見ず知らずの女を乗せる方もどうかな?と反省しつつ、もう1本タバコに火を点ける。

「姫路か京都に送ってくれって、・・なんでナン?」

「・・・ここから、出たいんです・・」

「別に今からやなくて、・・まして、こんな形やなくて、明日になったら、バスか電車で好きな所へ行ったらエエやん。」

「・・・・・今すぐに出たいんです・・・」

「家出か?オイオイ!あんた幾つやねん。家族がおるんちゃうん?」

女が「キッ」とこちら向いた。一瞬にらみつけたかと思うと突然、女の両目からポロポロと涙が流れだした。嗚咽をこらえながら訴えるように、

「だから!だから、今すぐ出て行きたいんです!」

さすがに声を上げて泣く、まではいかないが震えながら女は泣き出した。噛み締めるように、ヒクヒクと小刻みに口から息を吸う音が車内に響く。

なんだか知らないが、家庭内でトラブルが発生して、気が動転。身の回りの物をとりあえずバックに詰め込んで家を飛び出したって感じが当たりだろうか。
なんだかエライもん拾ってしまった。

「まぁそんなに泣かんと!・・ハンカチかなにか無いの?」

女はショルダーバックから白いハンカチを取り出した。肩の振るえは小さくなっていた。気を取り直したのか、またもグビリとやっている。

「・・お願いしますぅ。お金は払いますから・・」

5分前は、映画鑑賞をしていたはずなのに。一連のやり取りでストーリが飛びとびになってしまった。車を止めたのがいけなかったのか、誘われるまま飲みに行っていた方が良かったのか、雨脚は変わらず車の屋根やボンネットで軽快な音を立てている。

(この雨の中に追い出すのもなぁ〜)

女は「お願いしますぅ」と言ったまま、うつむいていた。白いハンカチを両手で持ち膝の上でクシャクシャと丸めている。

・・・・・仕方ない!

「まぁ、行くか行かないかは、まだナンとも言えないけど・・なんで姫路か京都なん?あてが無いって事?今の時間から行っても夜中やで?」

「・・・住み込みで働く場所があるって聞いて・・・」

「姫路に?」

「・・・・」

「アテはあるの?」

横に首をふる。

「大阪とかじゃなくて?」

「・・はい。姫路か京都なら、あるって・・・」

誰に聞いたんだろう、どこで調べたんだろう、いやそれ以前になんてアサハカな考えだろう。今まで専業主婦だったのだろうか。
半ばあきれてしまってなんだか笑えてきた。

「京都なら旅館の仲居とか、姫路ならパチンコ屋の2階って感じ?」

「・・・まだ、何をするかは・・・」

酔っ払ってるし、慌てて出てきたのだろうけど無計画にも程がある。

「姫路なら行ってもエエけど、金いくら払う?」

「・・・いくらならいいですか?」

「5万」

「分かりました。」

ショルダーバックをゴソゴソしだした。

「チョット!チョット!待て!」

「・・・・」

「あんた、アホか?」

「・・・・・・・」

「昼間、電車やバスで姫路までやったら、ナンボで行ける?」

「・・・」

「タクシー使こても5万、いらんぞ!」

「・・・お願いしたのは、こちらですから・・・」

「あんた今から住み込みで働くんやろ?クサルほど金持ってるんか?アテも無いのに、知らん町で生活するつもりなんやろ!」

たたみ掛ける様に説教しはじめた。20分は喋っていたと思う。さんざん言うて家に帰る事を勧める。

「どっちにしても、今日は家に帰りぃ」

首を横に振る。

「帰った方がイイって!」

さらに激しく首を横に振る。

「なんでナン?家で何があったん?」

ピタリと彼女が動かなくなった。暫らくフロントガラスを真っすぐに見つめている。また涙が出ている。・・・小さい声で女が喋りだした、

「娘が。娘が旦那とデキテルンデス!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「高校に入る前から、らしいんです!」

「・・・・えっ、・・・それって、・・・」

「あの娘から、誘ったんです。あの娘に今日、聞かされました。」

「・・・・・・・・・・」

「私、自分の娘に旦那を寝取られたんです」

オイラ固まった。



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近親相姦


父親と娘

これを読まれている「あなた」だったら父親との、或いは娘との性的関係を想像出来ますか?

オイラには想像できない!

いや正確な表現では無いか・・古来から近親相姦が無かった訳では無い。日本神話史上最初の夫婦となりし「いざなみ・いざなぎ」の尊は兄妹だし、エジプト王朝のある女王は母であり息子の嫁であり義母でもあった。シェイクスピアのハムレットしかり、ローマ王朝でも・・・・

その昔オイラがブラジルのアマゾンに行った時、上流も上流の支流の支流のジャングルの奥深い所にある集落は近親相姦の村だった。(多くの子供が奇形児だった)。

映画「羊達の沈黙」のクラリスにレイプされた過去があったり。横溝正史の「悪魔が来たりて笛を吹く」の秋子は兄妹での関係だったり・・・

AVだったり、エロ漫画とか小説とかある意味フィクションの世界のだったり

最近では幼児虐待のニュース等はコレでもかって位、耳に入ってくるけど、

でもどちからと言えば、自分自身からある程度距離のある世界の話だと捉えていた。「世間にはナンチュー奴がおるんじゃ?」って感じだ。

ただ、今横に座ってビショビショの髪から雫を垂らし、充血した目をこちらに向け、眉間に厳しいシワを寄せてスゴイ形相でオイラを見据えている女が言うには、

{我の旦那と我の娘が、そのような関係で、その様な関係に陥ったのは我の旦那が無理やりでは無く、我の娘から誘った事であり、それを今日、我の娘から聞かされた!}

オイラの横に「リアル」が座っている。同じ市内の、もしかすればご近所の出来事としての証言者が今、横にすわっている。

「・・・ワタシ、・・もう・・わかんないんです・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・信じられなくて・・・考えが・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「考える事ができないんです・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・わたし・・・どうしたらいいんでしょう?・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

不謹慎だがその時オイラの頭の中は禁断の妄想の世界が広がってしまった。横に座っている女の旦那も娘も全然知らないのだが、勝手な想像の旦那と勝手な想像の娘が勝手な想像の中で抱き合い、声を上げ、汗だくになって絡みあう。互いの欲求が果てた後に勝手な想像の娘が息を荒くしながらポツリと言う、

「お と う さ ん」

その途端、勝手な想像だった娘の顔がオイラの娘「桃菜」の顔に変わる!

「!!!!!!!!!」

ギャー!!!と叫びそうになった。

「否定」だ!こんなの絶対オカシイ!そんな事許せん!イヤ許すとか、そんな話じゃ無い!ありえん!無い!無い!おかしーって!やっと声が出た、

「それっ、ホンマ?」

コクッと女がうなずいた。

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長い間、オイラも女も黙っていた。

どう反応すれば分からない。何を言えばイイか分からない。

思考は停止状態だった、女の突然の登場とか、女の異常な佇まいとか、考えても拒否しか出来ない衝撃の話とか、普通じゃ無い!

雨は相変わらずだった。時折長距離トラックがオイラの車の横を結構なスピードで走り去って行く。するとその勢いで車がブンッと揺り動かされる、その度に身体も一緒に揺すられる。まるで「オイっ!」「起きろ!」「早くっ!」と何かしら決断を迫られている様な感覚になる。

酒がいる!そう思った。酒が飲みたい!正常な状態の脳では考えられない。

あの時「出て行け!迷惑だ!」と言わなかったのは多分「好奇心」だと思う。本当にそんな事が起こったのか?ナゼそんな事になったのか?知りたくなった!

「わかった!姫路まで送るワ!」

「・・・・・・・・・・・・」

「そのかわり、ちゃんと話して、考えよう! 事情は分かったけどアンタの行動にも無茶がある・・・今スグどうこう出来ひんし」

「・・・・・・・・」

「とりあえず姫路の駅前まで行ったる!」

「・・・すみません・・・・」

オイラはシートを元に戻してヘッドライトを点けた。ウインカーを右に出して車を本線上の流れの中に戻した。

本来なら直進すれば我が家への帰路になる交差点を左折した。始めに西の青野ヶ原方面に向かう。そのまま行けば372号線にぶつかるから、それを南下すれば姫路城の東、駅の北側に出れるはず。

ナビゲーションのDVDは取り出した、心やさしい父親ケビンコスナーを観るのはツライと思った。今はKISS・FMが流れている。

「もう一度聞くけど、本当の話ナン?」

「・・ホントです・・・・」

「ごめんな、あんまり衝撃的は話やから、信じられへんネン」

「・・・・・・・」

「まあ、家出の口実としての作り話やったとしたら、あまりにもスゴすぎるけどなぁ」

「・・今から思えば あやしいと思ったのは去年のクリスマス・イブやったんです、・・・怒り方が変やったんです・・」

「えっ?どうゆう事?」

「イブの夜に娘が今から出かけるって言ったんです、・・・今夜は友達の家でパーティーがあるから泊まりになるって、・・・」

「ふん」

「そしたら、ものすごくあの人が怒りだしたんです。」

「でも普通ちゃうの、高校生やったら外泊禁止の家はあると思うし・・」

「あの娘、もう19です。」

「えっ!・・?」

「なぜか、その日のあの人の怒り方がおかしかったんです。あれは父親として怒ってるんじゃなくて、・・・・・・なんか・・・・俺というのが居るのにお前はどこに行く気だ・・・みたいな・・・・」

そんな話を聞きながら考えていたのは女は娘が父親と関係したのは高校に入る前からだと言った14・5歳からだ、で今その娘は19になると言う。
およそ4年から5年、父親と娘がただならぬ関係を続けてしかも一つ屋根の下この女も妻として、母として同じ時間の中に居たんだ!
女が寝静まるのを待ってからコッソリ抜け出して娘の部屋で情事を重ね、翌朝何食わぬ顔で夫と娘は妻が母が作る朝食を食べ、女は「いってらっしゃい!」と二人を送り出した後、二人の洗濯し、部屋の掃除をし、帰ってくれば二人にまた夕食を作る。その時父親と娘は目配せなどしたのだろうか?

身につまされる。

女の涙は納得出来る。

酒を飲んではいるが衝撃的な出来事であるにもかかわらずこの状態で居られる方が気丈な気がしてきた。

「まぁ 全部の事を分かるとは言わんけど、許せんよな!オイラも娘が二人おるけど、言っちゃ悪いがアンタの旦那みたいな考えにはならんし、娘から誘ったって言うたよなぁ〜そんなん大説教大会になると思う。」

「・・・・・・・」

「自分の娘やで、ちいさい頃から育ててる娘やで。・・・まぁオイラの娘はまだ小学生やから性的興味もカワイイモンやけど・・・いずれドコゾの誰かにヤラレテまうんやろなぁ〜とかは考えたりするけど・・興味の対象が自分になるなんて考えた事ないわ!」

「・・・・・・・」

「我の娘やろ〜!そんなん出来ひんワ〜」


「・・・・実の娘じゃないんです。・・・・」



コンビニの看板が見える、「酒・タバコ」の文字が見える、すぐさま車を止める。


酒だ!酒がいる!







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