詩の朗読会　「ぱろーる」コミュの2010年　今年の「ぱろーる」　はじまりました

14日　ちょっと長い冬休みでしたが、参加メンバーの初顔合わせ。
今年もよろしくお願いいたします。

本年最初は　先生のご提案で谷川俊太郎さんの新しい詩をよみこむことにしました。谷川さんの詩は　年齢問わず、文体（詩体とはいわないですよね、詩の形かな？）問わず　哲学的なもの、ことばあそびのもの、怖いもの、優しいもの、温かいものさまざま、読み込むリズム、間、イメージの自在変化　面白いけれど難しい。

「ひらがなばかり」の詩は文字をおうのが大変。ちょっと眼がつかれます。

昨日は　38編ほど　よみました。

そのうちの１篇
　　
　「今年」　　　　谷川俊太郎
　
　涙があるだろう
　今年も
　涙ながらの詩があるだろう
　固めたこぶしがあるだろう
　大笑いがあるだろう今年も
　あくびをするだろう
　今年も
　短い旅に出るだろう
　そして帰ってくるだろう
　農夫は野に
　数学者は書斎に
　眠れぬ夜があるだろう
　だが愛するだろう
　今年も
　自分より小さなものを
　自分を越えておおきなものを

　くだらぬことに喜ぶだろう
　今年も
　ささやかな幸せがあり
　それは大きな不幸を
　忘れさせることはできぬだろう
　けれど娘は背がのびるだろう
　そして樹も
　御飯のおいしい日があるだろう
　新しい服を一足買うだろう
　決心はにぶるだろう今年も
　しかし去年とはちがうだろうほんの少し
　今年は

　地平は遠く果てないだろう
　宇宙へと大きいロケットはのぼり
　子等は駆けてゆくだろう
　今年も歓びがあるだろう
　生きてゆくかぎり
　いなむことのできぬ希望が