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フィアースxクラリッサコミュの[ネタバレ]フィアクラ小説

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エンディング後です。
あまりにもせつなかったので書いてみました。
ネタバレ有りです。































 再会〜荒野の果て〜




 
 フィアースのいない日常に慣れてどれくらい経っただろうか

 あの日、無理矢理にでも連れ戻せばよかったと後悔しなかったと言えばそれは嘘になる。

 脱出ポットの中でかすかに聞こえた彼の最期の言葉

『……して…る……ラリッサ』

 私も……

 私も……!!

 伝えられなかった。

 あんなにも長い間一緒にいたのに。

 ずっと一緒にいたのに、伝えられなかった。

 守られてばかりで。いつもいつも、守られてばかりで。

 『当たり前』の日常が消えるのはこんなに一瞬のことなんだ。

 大切なモノはいつもなくしてからその大切さに気づくと誰かが言っていたが、本当にその言葉どおりだとわかった。

 それでも、前を向いて歩けと彼は言う。

 それならば、涙を拭いて前に進もうと思う。

 そして、彼との『約束』をいつか果たせるために生きて、生きて、精一杯生き抜いてやろう。

 いつかーーーーーーーーーー会えるよね、フィアース




***


 ほほに暖かい感触を感じて、私は目を覚ました。

「トニー…」

 寝ている間にいつの間にか泣いていたらしい、トニーが私の頬を舐めていた。

(フィアース、元気かな)

 豊穣の地を探してトニーと旅を続けて、もう11年になる。

 私も28歳になり、十分大人になってしまった。

(そういえばフィアースよりお姉さんになっちゃったな)

 時間というものは便利なもので、あんなに悲しかった気持ちを少しづつやわらげてくれた。

 それでも、心の奥に突き刺さったような胸の痛みは取れる事はない。

 きっとこれは永遠に取れる事はないだろう。

 でも、それでいい。

(これは、フィアースが確かにここにいたという証になるから)

 悲しみを忘れるのと同時に、フィアースのことも忘れそうになる。

 日常を生きるのに精一杯で過去の記憶はすこしづつ私の中から消えていくのだ。

 それはまるで海の泡がひとつづつ消えてしまうように。

 けれど、心の奥がちくりと痛む度にフィアースの事を思い出す。

 だから、この痛みはフィアースを忘れないための痛みなのだ。

(私の……大切な痛み)

 そうして、たまに大切な人のことを思い出しながら私は今日も前に進む。

 あの人のために。



 起き上がり、髪をまとめようとすると突然トニーが吠えだした。

「何? どうしたの、トニー?」

 私が聞くより早くトニーが全力で走り出し、慌ててその後を追った。

「待っ……てっ……はぁっ……」

 細い渓谷の間を走り抜け、ぱっと開けた場所に出る。

 と、突然トニーが立ち止まる。

 刹那__________________

「うわあ……」

 私は思わずその景色に見とれてしまう。

 こんな荒野の中に一面のタンポポが咲いていた。

 それは黄金色の絨毯にも似て、太陽の光を受けてキラキラと光輝く。

「きれい……」

 なんて幻想的なのだろう。

 こんな世界がファルガイアいっぱいに広がったらいいのに。

 そしたらきっと素敵な世界にな……

 ………

「……え」

 一瞬、心臓が止まりそうになった。

 私の影のよこに、大きな影がもう一つ。

 それは突然現れ、背後から私を思い切り抱きすくめた。

「……遅くなって、ごめん」

「え…」

「背、伸びたな」

「……」

「……待ったか?」

 大きな手。

 大きな腕。

 懐かしい声。

 その人は……

 ………

「___フィアースッ!!!!」

 ずっとこらえていた涙が溢れ出す。

 体中が震えて、嬉しいのか悲しいのかよくわからなくなった。

 フィアースに背中から抱きしめられ、体が動かない。

「フィアース…フィアース…フィアースッ!!!」

 そんな私を、フィアースは強く抱きしめ続ける。

 フィアースの胸の鼓動が聞こえる。

 フィアースの匂いがする。

 ……本物だ。

「……約束を守りに来た」

「うんっ……」

「クラリッサ、がんばったな」

「うんっ……」

「もう、頑張らなくていい……俺が守るから、ずっと」

「フィアース……!!!」

 体中の水がなくなるんじゃないかと思う程、私は泣いた。

 泣いても泣いても、フィアースは静かに抱きしめつづけてくれた。

 もう、帰ってこないんじゃないかと。

 あのとき死んでしまったんじゃないかと。

 そう思ったときもあった。

「……っ……おかえり……おかえりっ、フィアース…」

 あたし、フィアースよりお姉さんになっちゃったよ…?

 嬉しくて、何度も何度も彼の名を呼んだ。

 今度こそ言おう。

 あのとき伝えられなかった言葉。

 たったひとつの______________




***


 
 そう、それは小さな一つの奇跡。

 荒野の果てで起こった、少女と、少女を守り抜いた青年の奇跡。

 悲しみを乗り越えて一生懸命に生きた少女への神様からのプレゼントかもしれない。

 そして、少女と青年は

 本当の『家族』になった________







Happy End

 

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