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ネバラン学園!!コミュのオーストラリア ワーホリ体験記

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「外国へ行きたい!」

そんな事を想い出したのは21歳の頃だったか・・
当時俺は朝から夕方迄物流の倉庫で、夕方からはフードBARで1時ぐらい迄働く・・てな生活を繰り返してた。

結構外人が来る店だったので外人の人生の楽しみ方に興味が湧いたんかなぁ?
いつしか俺は外国に行きたいって想いだしてた。

でも一人暮しの貯金無し、英語なんか20点以上取った事がない俺が外国で生活するなんて雲を掴むように思えた俺はそのまま1年程ダラダラと生きてたと思う。

そんなある日、お客の人が「ワーホリしっとお?」と言い出した。

・・ワーキングホリデー 当時25歳(現在30歳)迄取得可能な 1年間 住む、働く、学校に行く が出来る一生に一回のみ発行されるスーパービザ・・

「そんなんあったんかぁ!!」

目標が出来た!早速ワーホリについて調べる。
・・行ける国わぁ・・カナダ・・ニュージーランド・・オーストラリア・・かぁ。

う〜ん・・・正直どれもシックリ来ない。
元々アメリカに行きたかった俺は他国について勝手にダサイとか思ってた(今考えるとアホやったなぁ・・)まぁ、どれかっちゅーと・・オーストラリア・・・かな?

取りあえずやってみっか!!
そーいう訳でその日から日本脱出計画がスタートした・・・・


・・・・まて次回!

コメント(33)

行くのはいーけど金をどーすっかな?
一体いくら位要るんだろ?
いや、その前にビザってなんだ??

・・・当時(今も)俺はバカだった。
「ワーホリの本出てるよ」とお客が言った。
早速昼休みに本屋へダッシュ!ワーホリの本をGETした。本なんて読んだ事無い俺が取りつかれたよーに情報を貪る。

なになに・・!!25歳迄しか行かれへんの!?(当時22歳)
50万円以上の残高証明・・残高証明ってなんだ?
・・申請書の申し込み、等など・・・
「めんどくせぇ〜」が素直な感想だった。

当時の俺はポカポカ(フェレット)と貧乏暮らし、給料の殆どがバイクの修理代に飛んで行くという日々だった。
50万かぁ〜(普通は100万は持って行くらしい)とにかく貯めてみっか!

・・・・・時は一年程流れ、俺の通帳には60万円以上金が貯まっていた。
その間の食生活は悲惨なものだった・・・
・・パスタ湯がいてマヨネーズのみで喰ったり、店からピラフや肉をパクってきたり、空腹のあまりポカポカのフェレットフードかじったり(その後吐く)財布の中は常に2000円以上無かった。
やっとの思いで貯めた金(泣)
・・・さぁ、申請書を申し込もう!!
・・・2.3日でそれは来た・・・

!!!!!全部英語ぢゃん!!
やべぇ、全くわかんねぇ・・大丈夫か、俺?


・・・・・・待て次回!!
申請書は全て英語の質問に対し英語で答えなければならない。
「やべぇ、わかんねぇ・・・」己のアホさを恨む・・
手が付けられないまま数日が過ぎた。

・・と、ある日お客にオーストラリアにワーホリ行っていた女性が居た。
「申請書ならコピーとっとるよ?あげよか?」
ジーザス!!ちょっと不細工(ゴメンナサイ)だった彼女の顔が女神に見えた!

・・そうして数日後にコピーと申請書の書き方を教えてもらい何とか欄を埋めることができた!
次は健康診断結果を医者に書いてもらい、パスポートと15000円分の郵便為替を申請書と同封し結果を待つのみとなった。

・・・・2週間程経って俺のポストにエロチラシと共に分厚い封筒が入ってた。
中を開けると俺のパスポートのみ・・
「不合格?」と思ったが中を開けると何か貼ってる・・・

「AUSTLARIA  W/H VISA」だけ読めた。

!!!やった!!ビザGET!!ワーホリビザは取得から1年間出国有効で出国後1年豪州に滞在可能となる。
ビザを7月に取った俺は翌年4月に出国を決める。

・・・金貯めて英語勉強せな・・・そのまま年末を迎える。

「ん〜、家の荷物どーすっかな・・」

無邪気に俺の上着の袖の中で遊び顔を出すポカポカを見つめ呟く

「お前も何とかせななぁ・・」

事情が有り親は頼れない(頼りたく無い)、帰国の事を考えると生活用品の保管場所が無い。

考えた挙句荷物は10人近い友人の家へバラバラに預かってもらう事にした(有難う御座いました)。

ポカは友人の女の子が1年間面倒見てくれると言ってくれた。そうして準備は着々と進み出国の年を迎える。

だが、残り3ヶ月、ギリギリ迄働いても資金に余裕が出ない・・
そして考えた答えが・・・

「家いらねぇ」だ。

3ヶ月分の家賃が浮けば飛行機代ぐらいにはなる。
「名付けて居候作戦!!ナイス!」

・・・しかし、この時俺は後の人生で最大の苦汁を知るよしも無かった・・・・


・・・・・・まて次回!!
「居候」・・・
厚かましい俺はあまりにも軽く考えてた・・・

幼馴染の男「H」彼は俺の紹介によって友人の女性「M]と結婚。

数年して垂水にマンションを購入、子供1人居るが部屋はまだ余っていたんでHに居候を相談してみた。

「ん〜、俺はええけど、Mがなぁ・・・」

「そこを何とか頼むよ!」

「分かった、言ってみるわ」

「ありがとう!頼むわな!」

・・翌日Mから電話がある・・

「別にええけど1ヶ月だけやでー」

この家庭の実権はMに有るようだ・・・

「ありがとう、十分です!」

この時Mのお腹には2人目の子供がいた。
友人だった頃いつも優しかったM、俺は勝手に団欒の楽しい夕飯とかをイメージしてニヤニヤしていた。

早速退去の手続きを済ませ、気付けば一人暮し最後の日、部屋は布団と最低限の服とポカポカだけになっていた。

「風呂でも入るか、ポカ」

ポカは風呂が大好きだ。
浴槽の中にオケを浮かべてお湯を張るとオケの中に入って淵に顔だけ出し、気持ちよさそうにうたた寝する。

「お前ともお別れだなぁ・・」

走馬灯の様に須磨での3年間を振り返る・・・
・・・色々あったなぁ・・・内容はここでは伏せておく(詳しくはお店で・・・)

「明日から楽しみだな」

「#$%&’☆〜」ポカが訳の分からない寝言を言う。

風呂から上がりポカを乾かして就寝した・・
・・翌日ポカを友人宅に預けていざ垂水へ!

Hは仕事に出ておりMの出迎えとなった。

「今日からよろしくねー」

そう言うと部屋に案内される。

「汚いけど我慢してね」

・・・部屋は5畳程のいわゆる「物置部屋」だ。
エアコンなど無論付いては無かった。
部屋に布団と荷物を置くと俺も仕事の時間になる。

合鍵を貰い

「ぢゃ、また夜にねー」

・・・・・数時間して帰宅、電気は消えている・・

「そりゃそーか・・」

もう夜中の2時、挨拶は明日だな、寝るか。

「・・・・・・・寒い!!!!」

垂水の山の方、真冬の北部屋、窓には結露!ガタガタ震えながら夜を過ごす・・

「セックス無しでいーから女と抱き合いてぇ」

イメージは雪山の遭難だ。
気付けば朝、リビングにてMとHに改めて挨拶し、朝食を取り、仕事に向う。

今日は夜に仕事が無い日だ。

18時頃帰宅、部屋に戻ると張り紙がされていた・・・

「居候10カ条」

なる決まりだ。内容はよく憶えていないが、かなり肩身の狭い思いをしたのを憶えている。
更に・・・・

・・・・「布団がねぇ・・・」

そこにMが部屋に入って来た

「アンタ居候やねんからこれぐらい守ってね」

「・・はい・・・あの・・俺の布団わ?」

「ああ、臭いから捨てたよ?あんなん家置けんわ」

こんな攻撃的な女では無かった・・・・

・・マタニティブルー・・・

それはオーストラリア迄の最後の試練だった・・・


・・・・・まて次号!!
毎日肩身が狭い・・・元々一人っ子で自由に育った俺にはかなりキツかった。

「お風呂ちゃんと洗っておいてね」
   とか
「布団干しといて!」
とか言われながら気を使い過ごすのは我ままな俺には苦痛だった・・

「世話になるって中々辛いなぁ」

まぁ、家も無いし、勉強と思って頑張んべ!そんな想いで3週間程流れ・・・

深夜、皆でビデオを観てたら(確かリング)「M」が

「・・・ちょっと・・う・まれ・・る・・かも?」
!!マジカヨ!?急いでHと病院に運ぶ!

それから5時間後・・・

「おぎゃぁ!おぎゃぁ!!」
産まれた!元気な女の子だ!

他人の嫁、子とはいえ、凄く感動したのを今でも憶えてる。

「命ってスゲー・・」

数日後Mは退院、新しい家族との生活が始まった。

Mにイライラが無くなり生活も快適になった頃「期限」が来た。

「もうちょっと居ていいよ?」

とMが言ってくれたがこの時にはさすがに俺も「遠慮」というものが解ってた。

「有難う、でも次行くトコ決まってるから・・・」

実際ポカを預けてる「Eちゃん」の実家が借家を持っていて、そこを使える話になっていた。

「何か居らんよーになると寂しくなるなぁ」

「俺も寂しいよ、ありがとね、本当にお世話になりました!」

「共同生活」・・・この時の経験は後にオーストラリアで生きる事になる・・

場所は変わり「西宮」静かな住宅街の一角にあるかなり古めのアパート・・

ここで出国までの1ヶ月半を過ごす。6畳1間、風呂無し、まぁ寝るだけなら充分だ。

出国迄残り1ヶ月を切り、仕事も辞め、手続きも全て終わり、あとはその日を待つだけになった・・・・

「俺・・外国行くんやなぁ・・・」

銭湯帰りの夜空を見上げあまり実感が湧かない自分に戸惑いを憶えた・・

「まっ、何とかなるでしょ!」

星がとても綺麗だったのが記憶に残ってる。

そしていよいよ出国日・・・・

仲間に関空まで送ってもらい慣れない手続きに苦戦するも、気付けば俺を乗せた飛行機は滑走路を凄い速度で走ってる・・・

「皆、ホンマに有難う・・」

ここに来る為にどれだけの人の協力があったか・・

色々な事を想い出している俺を乗せた飛行機は滑走路を飛び発ち日本を離れた。


・・・行き先は・・・・・・・


     「マレーシア」


どーいう事だ??  ふふふ・・・まて次号!
行き先は「マレーシア」・・・その理由は・・・・

「ある人物」に逢う為だった。

俺に海外の素晴らしさや、考え方を教えてくれた女性

「みかさん」

初めての海外はこの人に連れて行ってもらった「バリ島」

今の俺の価値観の原型はこの人が作ってくれたようなものだ。

一言でこの人を言うなら・・「自由人」だ。

頭が良く、何でもソツ無く出来てしまう。
お金を貯める為には何でもして、そのお金を自分のかけがいの無い時間に全て投資する。

そういや一緒にソープランドの屋上の掃除したなぁ・・・

そんなカッコイイ「みかさん」は夢の為マレーシアに渡り働いていた。

「みかさん、俺もいつか自分で海外にいけるかな?」

「一歩だけ前に出る勇気があれば大丈夫!頑張りな!」

・・・数年前の会話を思い出しながら俺を乗せた飛行機はマレーシアのクアラルンプールに到着した。

・・・日本語がねぇ!!空港に着き荷物を回収するにも案内は全て英語・・・シドロモドロしながら何とか回収。慣れない外国の電話でみかさんに連絡し、小一時間で迎えに来てくれた。

「よう!元気だった?」満面の笑みでみかさん。

「やっと来れたよ、みかさん!」少し照れながら言った。

「偉い、偉い、ようこそマレーシアへ!・・・で、お腹へってないの?」

「・・・・へった!!」

「よし、ぢゃあご飯喰いに行くかぁ!」

車でマーケットまで行って屋台で焼き鳥?を食べた。そして、みかさん宅へ・・・・

のどかな住宅街のマンション、広さは4LDKだ。

「物価安いからねぇ〜」

結局日本にいるよりも良い生活が出来て、お金も貯まるらしい。その日の晩はみかさんの手料理だった。
相変わらず美味い!

「・・で、どこ行くの?」

「取りあえずシドニー」

「泊まり先わ?」

「決まってない」

「英語わ?」

「・・・できません・・・」

「・・・・ハァ、我が弟子ながら立派だよ・・・」

「へへへ、みかさんが言ったんやん、一歩出ろって!」

「そうだったね、頑張ってきな。アンタなら大丈夫・・・かなぁ?」

結局3日お世話になって、いよいよオーストラリアに向け出発だ!

「何かあったら連絡するんだよ!」

「あい!!」

そのまま俺を乗せた飛行機は8時間後シドニーに到着。生憎の雨模様だったが興奮してた俺は

「やっと来たぞー!!」と叫んでしまった。

入国審査を軽々抜けて、荷物を回収し、ロビーを抜け、いざシドニーへ!!


・・・・・あれっ?街がねぇ・・・・

馬鹿な俺はシドニーの真中に空港があると思ってた・・・

どうやら街にはバスを使用しなければいけないらしい。

早速乗り物デビューだ!ワーイ!

・・・しかしこの後とんでもない事になる事をこの時は知る由も無かった・・・・・



・・・・・・まて、次回!!
「バスに乗る」っても10種類以上の種類が並んでる・・・

「仕方ない・・聞くか・・・」

通りすがりのおっさんを捕まえる。

「ハーイ!!アイ ウォント ゴオ トゥ エキサイトシティ!」

を3回程繰り返して・・

「You have to go KINGSCROSS」(キングスクロスにいきなよ)と言ってバスを指差した。

「サンキュー、サンキュー!!」

初めての会話で俺は興奮気味だった。
早速バスに乗り込みキンクロを目指す。

・・段々街が見えてきた・・シドニーだ・・

初めての一人きりの海外・・荷物はアルパインのバックパック1個、バスに乗る俺、周りは外人のみ・・・

「俺、かっこいい〜」

などと自分に酔いしれている間にキングスクロスに到着。時間は午後の4時ぐらいだった。

周りを見回す・・・・何だココ?!

怪しいネオン街、街のビルの角には娼婦達、公園の端では腕に直接シュートしてる黒人さん・・・

後に知った事だがココはシドニーの中でも一番ガラが悪い地域らしい。

「ヤバイ・・」直感でそう判断した。

「とにかく宿を探そう」
・・そう俺は宿さえも決めてなかった。

オーストラリアにはバックパッカーという「旅人の宿」がある。
とにかくそこを探すしかない!
ビビリながらキョロキョロして歩きまくる・・・2件程目ぼしい宿を見つけた。

「一晩8ドル」これにしよう!

中に入りエントランスのデブなおばちゃんに声を掛ける・・

「$18、with depodit prease.」

あん?表には8ドルって書いてあったぞ?!なめんじゃねーぞ、コノヤロー!!

「アウトサイド 8ダラー オッケー?!!」訳の分からない英語で応戦する。

「$10 is Just depodit!ok?」(10ドルは保証金だよ、わかった?)

「舐めんじゃねぇ!8ダラーだよ、オッケー?!」

おばちゃんはため息をつきながら首を横に振る・・・

初日からトラブル起こしてもしょうがねぇか・・・

「OK,OK 払ってやるよ!」といい18ドル払った。

後に返金された時に俺がこのおばちゃんに謝ったのは言うまでも無い・・・

ボロ宿の2階の部屋に入る・・・

8人部屋には何とも言えない汗臭さとワキガ臭が充満していた。

そんな部屋には無論日本人など居ない・・・・。

黒人が俺を見て声を掛けてきた。

「Are you japanese?」

「イエス アイ ドゥ!!」(Doはいらない・・・)

「ベラベラベラ〜」

「???????」

・・・・会話終了・・・・

気を使いながら2段ベットの2階に上がり少し横になる・・・。

「・・・・」少し不安になる。

「・・・・・・・・」だいぶ寂しくなる。

「電話・・しよかな・・・」一階のペイフォンにて日本の友人に電話した。

「あっ、モシモシ俺・・」

「お〜!着いたんですか?!さすが神田さんですよねぇ〜」

「・・・まぁーな!!」(やってしまった・・・)

「頑張ってくださいね!信じてますから!」

「まかせろよ!!」(あぁ・・・俺のヴァカ・・・)

電話を切り、ため息をつく。

『グゥぅう』腹へった・・・。

緊急ミッション発生!!



・・・次回『食料をゲットしろ!!』乞、ご期待!!
はらへった・・・・

そう、俺は着いてから飯を一回も食べていなかった。

「そーいや、ネオン街にピザが売ってあったな・・」

オーストラリアはピザが安い!日本の3/1程の値段で旨さは段違いだ。

「よし、行くぞ!!」

財布、パスポートをしっかり持って、いざ出陣!外はもう真っ暗だ。
ダッシュに近い速さで大通りまで出て、周りを見回す・・・娼婦と目が合う・・・うわっ、こっちに来た!

「Are you japanese?」

「い、イエス、アイ、ドウ!!」(I am)

「ぺらぺらぺら〜」

「???????」どうやら体を買って欲しいらしいが・・・

「アイム、ハングリー!バーイ!!」

またもダッシュ!ひたすらピザ屋を目指す。

・・・やっと着いた・・・どれも旨そうだ・・

「えっと・・でぃす、アンド、ディス、プリーズ」(Can I haveなんて知らない)

ピザは一切れ2〜3ドルぐらい。
日本円で250円ぐらいだ。

やっと飯に有り付ける・・・さぁ、帰ろう!

そして、コーラを買ってホテルに戻る途中の事だ・・・

目の前を歩いている老婆が酔っ払った大男にぶつかった!

「Fuck!!」と叫び老婆を壁に叩きつけた!!

「ドクン!!」鼓動が一気に加速する!

「助けなきゃ、助けなきゃ・・・何の為に空手やってきたんだよ!」しかし・・・・・

素通りしてしまった・・・でも、気になり振り向くと一人の女性が

「She is ok」

どうやら無事らしい・・・よかった・・。

自分の意気地なさに失望し、うな垂れた状態でホテルへ帰還。

泣きそうな顔でピザをかぶり、コーラで流し込む・・・TVルームがありテレビを点ける。

何と「エヴァンゲリオン」がやっていた!

既に日本語が恋しくなっていた俺にとっては有難かった!

しかし放送が始まると・・・・

「シンージ!!」

「アヤナーミ!!」

全部英語だ・・・当たり前か。

本当に英語の勉強をしとけば良かったと心から思った。

その日は取りあえず寝る事にした。
次の日、俺は街を探索する事にした。

とにかく情報が欲しい。
目指すは「日豪ワーキングホリデー事務所」
地理も土地勘も無い、頑張れ俺!負けるな俺!!



・・・・・・・待て、次号!!
シドニーにある「日豪ワーホリ事務所」ここで色々な情報が手に入る・・・

シェアメイトの募集や仕事の求人、旅行の手続きなど30ドルぐらいの年会費を支払う事になるが仕方ない。
街に出て地図を片手に闊歩する・・・

テレビとかで見た「オペラハウス」や「ダーリングハーバー」
カフェでのんびり新聞見てる人、パブで楽しそうに酒を飲む人・・・

「外国やぁ〜」
綺麗な町並みに感動しつつ、3時間程で事務所に到着。情報を集める・・・

「えっ!?キンクロにいるの?あそこヤバイから離れた方がいいよ!」

「じゃあ、どこがいいんですかね?」

「ん〜・・・取り敢えずセントラルのYHA(ユースホステル)がいいと思うよ?」

ホームステイではない俺は、まず家を決めなければならない、大概は家が決まるまではYHAで滞在するものだ。

セントラルのYHAは綺麗な事で有名らしい。

「分かりました、取り敢えず移動します!」

キンクロに戻り早速チェックアウトしていざセントラルへ!!
地下鉄に乗り込みセントラルに到着。

「でっけぇ〜・・・」

ユースホステルっつーかシティホテルだな、こりゃ・・・
とにかくチェックインだ。

受け付けに行き手続きをするがやはりシドロモドロだ・・・そこに・・・・

「あ〜・・それぢゃだめだよ!」

っと、サングラスを掛けた背の高い女性が声をかけてきた。

「アタシもチェックインするから一緒にやったげるよ!名前は?」

彼女は流暢な英語で難なく2人のチェックを終わらせた。

「ありがとう・・・あの・・」

「あぁ、アタシ、ユリカ!!宜しくね、神田君!」

そう言うと彼女は俺に部屋番を告げキーを渡し自分の荷物を纏め「ぢゃね☆」とウインクして自分の部屋に向かう。

・・・かっちょいい〜・・・素直にそう思った。

俺もエレベーターに乗り自分の部屋に入る。
キンクロとは雲泥の差がある室内に感動した。

荷物を置き、ベットで横になると疲れが一気に出て意識が無くなった・・・・


夕方ぐらいに目が覚めて当然ながら・・

「腹へった・・・・」

YHAには大きな調理場があり自由に使用いい。

「自炊すっか!!」

聞けば近くにウールワース(ダイエーみたいなモン)があるらしい。
着替えてエレベーターに乗り込むと・・・・

「アレッ、神田くん!」

・・・ユリカだ・・・

「どこ行くの?」

「自炊しようと思って、買い物にね・・」

「そうなの?じゃ、シェア飯しようよ!」

「シェア飯?」

「そ!お金出し合って食材買ってコストをへらすの!・・嫌?」

「いやいや!お願いします!」

「じゃあ、行こう!神田・・・・何かあだ名無いの?」

「そういや昨日キンクロのホテルで色々話した外人が神田の神で JIN って事になってたけど・・」

「じゃあ、ジンだね!いこっジン!!」

かなりしっかりした娘だ・・同い年ぐらいかな・・・?

「ユリカちゃん、何歳?」

「アタシ?21だよ?」


!!!!!驚いた。この後数日この21の小娘にかなりお世話になる事になる・・・・・・


恋か?恋したのか?JIN?




・・・・まて次回!!
ウールワースに着いた。

「ジンは何が好きなの?」

「ん〜・・・肉かな?」

「じゃ、ステーキにしよーよ!!」

「でも、あまり金ねーし・・・」

「大丈夫だって!二人で16ドル(当時1300円ぐらい)もあれば沢山食べれるよ!決定〜☆」

ユリカの言われるがままに買い物を進める・・・

結局、野菜やソース、パン、飲み物も買って二人で25ドル位だった。

「贅沢しちゃったね!」

とはいえ、一人1000円程度だ・・恐るべし、シェア飯。

YHAに戻りキッチンへ入る。
電気コンロ、フライパン、包丁、冷蔵庫と何でも揃っている。

「ジンは料理は?」

「んー・・・できるよーな、できんよーな・・」

「ふーん・・・じゃ、今日はアタシが造るね!」

・・・今日は・・・てことは明日も?等と思いつつユリカの手際に感心する。

30分程で完成。サラダとかあってスゲェ旨そうだ・・

「イタダキマース!!」×2

「あむっ!はぁふっ!んぐ!うま・・うま!」
ステーキ最高・・・

食べながらユリカが聞いてくる。

「ジンはこれからどうすんの?」

「・・・取り敢えず家探して、仕事だな。ユリカは?」

「アタシは残り半年だからラウンド(旅)する予定よ。」

「そっか・・」

「ジン、明日は?」

「家探し」

「じゃ、探しがてらデートしよーよ!アタシも長距離バスの予定とか調べたいし。」

「別にいいよ」

色々な話をして、二人が食べ終わる頃、明日の予定も決まり何だか気分は(リゾラバ)だ。

「ぢゃ、明日ね、おやすみ☆」

シャワーを浴び、ベットに入りふと考える・・・・

「コレデイイノカ?」

まっ、いいか。時間は一年もあんだから・・・


・・・翌日・・・

「おはよー!!ジン!」

「おはよー」

二人は街を観光しながらワーホリ事務所に向かう。

「ねぇ、ジン・・・」

「どしたの?」

「シドニーにどの位いるの?」

「わかんねーけど半年ぐらいかな?」

「じゃ、アタシもしばらく居ようかな?」

「・・・・」

「ダメ?」

・・・・・・・・
どーするんだ(したんだ)ジン!お前は恋愛しにオーストラリア迄きたのか?!



・・・・待て次回!!
ワーホリ事務所にての会話・・・

「ジンはどんなトコに住みたいんの?」

「ん〜・・海が見えるトコかなぁ?」

「じゃ、ボンダイかマンリーだね!」

「そだな・・・」

・・・15分経過・・・

「ジン!ここは?」

「何々・・シェアメイト募集!ボンダイビーチから徒歩5分、RENTが$120P/Wで、BONDが$400か・・・どう思う?」

「シドニーって感じ・・高いよ。」

(RENT=家賃でP/Wは1週間、BONDは保証金。家を出る時に返って来る)

「とにかく電話してみよう。」

電話でアポを取り、その日の内に現地を見に行った。
セントラルからバスで30分位で綺麗なビーチが見えて来た。

「スゲェ、ナイスロケーション!!」

ビーチの前にはお洒落なカフェやフィッシュ&チップス屋とかフリーマーケットまであった。

「う〜〜住みてぇなぁ。」

電話で聞いた住所を道行く人々に聞き、やっと辿り着いた・・・
古めの一軒家のベルを鳴らすと中から何と「ゴングロギャル」が出て来た・・・

そう、この時は日本では「超厚底ブーツ」とかが流行ったころだ・・・

「コンチワ〜、てか電話の人〜?」

「あっ・・・・ハイ、神田です。」

「そっちの娘わ〜?」

「あっ・・・付き添いです!」

「ふ〜ん・・部屋みるぅ?」

「・・・・お願いします・・」

2階に上がると4畳位の部屋に案内される。

とにかく汚い家だ。
喰いカスや洗物、着替え、6人で住んでるらしいが誰も掃除しないのか?更に驚きがその4畳の部屋に2人で住んで一人$120だ。

「ジン・・・・」

「うん・・・」

「お邪魔しましたぁー!!」×2

気晴らしに2人でボンダイを散歩してみる。

「場所はいいのになぁ・・・」

「メゲナイ、メゲナイ!まだ1軒目でしょ?次探しましょう!」

事務所に帰り、物価を調べるとやはりマンリーやボンダイは人気が高く家賃も高い・・・

「ビーチは諦めるか・・・」

「ジン、これは?」

「何々・・・セントラルから2駅、1人部屋でRENT$90、BOND$300、日本人好きなアイリスお婆ちゃんとのシェアです!・・・か。」

「1人部屋で90なら安いな・・」

「でも男限定って書いてるよ?」

「きっとガードを兼ねての事だろ?電話しよっと!」

電話をしてユリカに通訳してもらい現地に向かう・・
静かな住宅街だ・・・目の前の老婆に話掛けると・・・

「Are you JIN?」

!!何とアイリスだった!到着が遅いので俺達を探してたらしい。

物腰が柔らかく、優しそうだ。

早速家に案内され、中を見ると・・・

「日本っぽいなぁ・・・」

中々気に入った!ココにしよう!

アイリスに意思を告げ、部屋を見せてもらう。中々上等だ。

2階には部屋が2室あったのでユリカが・・・

「アタシも暫らく無理かな?」

アイリスと話合っている・・・

俺からもアイリスにお願いしてみると・・

「・・・OK!」

やった!アイリス最高!!次の日荷物を持ち込み部屋を整理する。




「あっ、ジン!ラジカセはっけ〜ん!!」

「電源入るかぁ?」


「・・・・・・」

「ユリカ?」

「・・・・ジ・・ン・・」

ユリカの声が震えている・・・

「どうした?!」


「・・・・これ・・・・」

ラジカセの中から1枚の紙切れが出てきた・・・






『ここのひとはあたまおかしいよ』





ゾッとした・・・アイリスの事なのか?あんなに優しいアイリスの事なのか?!

「何かの悪戯だよ。」

ユリカの顔色が悪い・・・

「そうだね・・・」


しかし、その時俺達は狂気の館に足を踏み入れていた事に気づいていなかった・・・・・・・




・・・・・待て、次回!!
「ここのひとはあたまおかしいよ」


紙切れにひらがなでそう書かれた文字は何を意味するのか・・・

「ジン、これって・・・アイリ・・・」

言葉を征して俺が、

「んな訳ねーだろ!あんなに優しいバーさんなんだぞ?」

「・・・・そうだよね・・・何かの悪戯よね・・」

実際アイリスはとても優しかった。
いつも笑顔で過ごしているように見えていた。

しかし・・・・

アイリスは1階、俺達は2階が寝室だったが、テレビやら冷蔵庫やらは全て1階だ。

夜の11頃俺は部屋で手紙を書いてて、ユリカは1階でテレビを見ていた。

「〜〜〜〜〜〜!!」

1階で何か話している。

ユリカが上がってきた・・

「じん〜〜〜!!」

「どした?ユリカ?」

「アイリスにテレビ見るなって怒られたよぉ」

「夜遅いからじゃねーの?バーさんだから寝るの早いんだよ。」

「でも、シェアなら何しても平等のはずだよ?」

「まぁ、まぁ・・」

「・・・あの人やっぱり何かオカシイよ!」

「コラッ!ユリカ!!」

「・・・ジン嫌い!!」

バンッ!!
ユリカは自分の部屋に帰っていった。


それから2日程して・・・

アイリスが俺に何か話してきた。
キツイ剣幕で部分部分にユリカという単語が含まれていたが、会話力の低い俺にはその時理解する事は難しかった・・・


その夜・・

「ユリカ、お前何かした?」

「してないよ!!信じてよジン!!あの人がおかしいんだって!!」

確かにユリカはとても礼儀はしっかりしてる・・

「最近アタシ、アイリスが部屋でビッチ!ビッチ!って叫んでるの聞いたよ・・恐いよぉ、ジン・・・・」

「・・・・・・」

意を決した俺はアイリスの部屋に行って話してみることにした。


「ユリカはココにいてくれ」

アイリスの部屋の前に立ち、ノックする。
コン、コンッ「アイリス?」

「Come in jin」

ドアを開けると中は真っ暗だった・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・眼を凝らして見ると暗闇に光る目が6ツ・・

「!!!」

「Look Jin・・・My Famirys・・・」

3匹の猫(全て黒猫)と供にベッドに入ってこっちを見るアイリスの見た事も無い狂気じみた笑顔に恐怖し、俺は言葉を失った・・・



・・・・・待て次回!!
「う・・・・あ・・・・」

緊張と恐怖で言葉が出ない・・・

「What? Jin?」

優しい顔でアイリスが聞いてくる。何か言わなきゃ・・

「あ・・ユリカ・・シィイズ・・アングリイ(怒る)・・じゃない!ノー、ノーアングリィ!・・・」

言葉になって無い・・・・

「Yurika・・・・」

「イ、イエス・・・シーイズ・・・えっと・・・」

「She is fuck`n bitch!!」

ヤバイ!!何か凄い勢いで怒り出したぞ?!

気が付けばアイリスはベットから出て来て俺を突き飛ばして部屋を出て、二階への階段の前に立ち・・・・

「YuuRikaaaaaaaaaaaAA!!!」

物凄い形相で二階に向け叫んだ!

最悪だ・・・どうしていいか頭が上手く回らない!!

・・・恐る、恐るユリカが降りて来る・・・

「じん〜〜・・」

泣きそうな顔で俺を見る。次の瞬間・・・

「Yurika!!you are !"#$%&&''%(()))=~|{`**+`*+?!!!」

アイリスが何を言っているのか解からないが、ユリカへの文句だという事は解かった・・

「But!!・・・・」

何やらユリカも話だした・・・

激しい口調のアイリスに今にも泣き出しそうなユリカ・・

そこに割って入る・・

「何て言ってんだ?!」

「・・・・アタシが気に入らないって・・・今から出て行けって言ってる・・・・」

「理由は?」

「日本人の女に恨みがあるみたいな事言ってるよ・・」

「んな無茶な!!」

横からまたアイリスが罵詈雑言をユリカに浴びせる・・

遂に泣き出すユリカ・・・段々腹が立ってきた・・・

「STOP IT!!!!!」

大声でありったけの知っている悪口をアイリスに叩きつける!!

「・・・・・・・」

アイリスは沈黙しながら電話に手を伸ばして電話の向こうと会話を始めた。

「Yes.japanese karate boy is・・・・・」

直感で相手は警察だと解かった!!

「ユリカ、荷物纏めろ!!」

「・・・えっ?・・・」

「出て行くぞ!!早く荷物纏めろ!!」

「今1時(午前)だよぉ・・・」

「いいから!!!」

泣きながら荷物を纏めるユリカ・・俺の荷物は殆どバックパックから出していなかった為、直ぐに纏まった。

一階に下り、アイリスに向かい

「ボンド(保証金)返せよ!!」

と言って手を突き出したら、放り投げるようにボンドが返って来た。

何やらブツブツ言っているが無視して俺はユリカの手を引きアイ
リスの家を後にした・・・・・

外は深夜の郊外・・・電車ももう走って無い・・・

「ジン・・・アレ・・」

ユリカの指差す方向にはパトカーのランプがアイリスの家に向かっていた・・・

「とにかく駅まで行こう」

現実を受け入る間も無く、泣きじゃくるユリカの肩を抱き駅を目指す・・・・

「大丈夫だよ・・何とかするから!」

根拠の無い言葉だったが、その時のユリカには効いたみたいで・・

「うん・・・・」

取り合えず泣き止んでくれた。


・・・さて・・どうする?

ポケットに手を入れ考える・・・・


「カサッ」


何かがポッケの中にある・・

「あっ!!」

「??」

「ユリカ!何とかなるかも!!!」



・・・・待て次回!!
「カサッ」

俺のポケットに入っていたのは1枚の紙切れだった。
・・・話は3週間程さかのぼる・・・・

「ジン!俺シェア決まったぜ!」

YHAに居るときに知り合った東京出身の「太郎」。
歳は俺の3ツぐらい下だったろうか・・

生意気だがいい奴だった。
その太郎がイスラエル人とシェアを決めてきた。

「イスラエル〜?あやしーなぁ?大丈夫かぁ?」

「ジン、何かあったら助けてくれよな!これ番号だよ!」

「わかった、わかった」

・・・・面倒くさかった俺はそのままポケットに突っ込んだままだった。

駅に着き電話を探す・・・あった!!

「ユリカ、ちょっと待ってろよ!」

時間は午前2時・・・しかし遠慮している場合ではなかった・・

チャリン

電話にコインを投げ込む・・・この時点で思っている事は「電話生きててくれ!」だ。

オーストラリアの公衆電話ははっきり言って使えないモノが多い!!
理由の大半はガキンちょによる悪戯だ。

「頼むぞ・・」

ツゥーーーーー

「よしっ!!」
番号をプッシュする・・・

ルルルル・・・ルルルル・・・

「出てくれ〜〜・・」

ルルルル・・・ガチャ!!

「・・・Hellow?」

気だるそうに電話に誰か出た・・

「あ・・ディスイズ ジン スピーキング ナウ・・キャナアイ スピーク トゥ タロウ プリーズ!!」

追いつめられた人間は凄い。どこで覚えたかかってに英語を喋っていた。

「・・・・・・・・」

「ヤバい・・かな・・・」


「・・・Wait・・・」

「やった!!」

「・・う〜ん・・・もしもしぃ・・・」

「太郎!!俺だ!ジンだよ?!」

「・・・あっ、ジン?どしたの、こんな時間に?」

ホッと胸を撫で下ろし理由を話した・・・

「・・・わかった!家の人が車出してくれるって言ってるから待ってな!!」

「有り難う太郎・・・助かったよ。」
場所を告げ、電話を切るとユリカの元へ戻った。

「もう大丈夫だよ、ユリカ。」

「うん・・」

「?どした?」

「・・・ゴールドコーストに帰りたいよぉ・・」

「・・どんな場所なんだ?」

それから1時間程、ユリカの話に耳を傾けた・・


・・そして・・・

「ジーーーン!!!」

太郎だ!!

「大変だったなぁ、まっ、今日はウチに泊まっていいって!」

一緒に来てくれたイスラエル人に感謝を伝え、車に乗せてもらった。


・・・さて、明日からどうしようか・・・

泣き疲れたユリカが隣で寝息をたててる・・

とにかく今は俺も寝よう・・・


「悪い夢ならいいのになぁ・・・」



皮肉にも月がとても奇麗な夜だった・・・・・・・





・・・・・待て次回!!

    ー予告ー
襲いかかる空手外人マイク!!

ユリカとの別れ!!

シドニーからの旅立ち!!

新キャラ ヨシコ登場!!



もう貴方は待ちきれない・・・・・・
「・・・・ジン・・・ジン・・・」

誰かが呼んでる・・・

「ジン!!起きて!!!」

目を開けるとそこにはユリカがいた。

見覚えのない部屋・・・

昨日の記憶が次第に戻って来る・・・

「・・・あっ・・・・」

「もうっ!!目がさめました?」

「うん・・・。」

「でっ、どうするの?」

「・・・・取り敢えずYHAにもどるか。」

「そうだね・・・」

部屋を出て、リビングにいた太郎とイスラエル人にお礼を言って、その家を後にした。


YHAに向かう電車の中の会話。

「ユリカはラウンドどーすんだ?」

「・・うん。行くよ・・。」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・ジン・・?」

「どした?」

「一緒に行かない?」

「・・・・・・」

「・・・いや?」

「・・・・嫌じゃない。 でもユリカが居てくれるといつも甘えてしまう。・・・・・それに俺は恋愛しに来たんじゃない。自分を変えに来たのに甘えてたら駄目だよな、ヤッパ。」

「そっか・・・。ジンらしいね。」

「ユリカはどこに行くんだ?」

「じゃあ、このままパースかな?」

「このままって、このまま行くの?」

「うん。アタシのワーホリも残り少ないし・・・」

「そっか・・・・急で寂しくなるなぁ。」

「はぁ・・・シドニーはシンドカッタなぁ・・・でも・・・」

「でも?」

「いい出会いがあった!!」

「・・・そだな。」

「ジンのワーホリは始まったばかり!!これから色々あんだろうね〜。」

「そーだね。その前に英語覚えなきゃね。」

「・・・・じん・・・」

「ん?」

ユリカが俺の肩に頭をあづけてきた・・・


「・・・・ありがとう・・・・」



暫くして二人を乗せた電車はセントラルの駅に到着した。

「じゃ、ちゃんと連絡ちょうだいね!メールの使い方覚えた?」

「うん、大丈夫!!」

「一人でチェックインできる?」

「大丈夫だって!!」

「デポジットは保証金だからね!」

「解ってるよ!!」

「・・・・・」

駅の中なのにサングラスを掛けるユリカ・・彼女の頬に伝う涙が胸を締め付けた。

「ジン、見つかるといいね?新しい自分。」

「見つけたら一番に報告するよ!」

「うん・・・・うん・・・」


次の瞬間二人はほぼ同時に口を開いた。

「じゃあ、またね!」


・・・一期一会・・・
ワーホリには星の数程の出会いと別れがある。


「・・・さて、どーすっかな?」

YHAのチェックインを終わらせた後にベットに寝転びながら考える。

「そーいや、オーストラリアは空手が盛んなんだよな・・・」

幼少の頃から空手をやっていた俺の空手は外人に通用するのか?
単純な疑問と好奇心が湧いて来た。

「よし!!試してみるか!!」


翌日ワーホリ事務所にて空手道場を探す。

「あった!・・・何々?極真空手シドニー同好会・・・か。」

場所もそう遠くない。詳細をメモして事務所を後にした。


次の日、道場を訪れた俺に師範みたいな人が聞いてきた。

「What your karate style?」

「アシハラ」

「!!OH!!Ashihara, SABAKI!!!」

どーやら関心を持たれたみたいだ。

早速練習しようとの事だ。

道着は持って行ってなかったのでジャージにて練習に参加。
周りは30人くらいの練習生がいた。

練習の感想は

「力任せが多い」だ。

テクニックもクソもない、只、思いっきり突き、思いっきり蹴る、だ。 

しかし、身長180センチ以上から繰り出されるそれは破壊力抜群だ。

「当たんなきゃ意味ないけどね〜」

等と心の中で笑っていたら、師範の掛け声。

「KUMITE!!!」

組み手すんのか?まぁ、どんな組み手するのか楽しみだな。拝見、拝見♪

道場の脇に練習生を座らせ、師範が試合する者を呼び出す。日本と同じだ。

「MIKE!!!」

でかい・・・185はあるな。相手は誰だ?

「AND・・・・・・」


「JIN!!!」


ハァ?!俺?!普通やらせるか?!

周りから歓声が上がる。

「SABAKI!!!SABAKI!!!」

「サバキ」というのは芦原空手独特のテクニックでかなり関心があるみたいだ。

「この、空手オタクどもがぁ・・・」

渋々開始線に立つ・・・・


「COME〜〜〜ON!!!ASHIHARA!!SABAKI!!!BASUTERDE!!!!」

オイオイ・・・・目ぇ逝ってんぞマイクくん・・・・怖ぇ〜よぉ〜!!!





・・・・・・・待て次回!!!
オイオイ、目が逝ってるぞマイク・・・

「カマエテ!!」
師範の掛け声がかかる!

「カマ〜ン!!アシハラ〜〜!!」
マイクは今にも飛び掛かって来そうだ。


「ハジメェイ!!!!!!」

始まった!!試合は3分、延長は無しだ。

「デカイな・・・飛び込むか?」
などと考えていたらマイクの左足が上がる!!

「バァチィィン!!!」

いっってぇええ!!

マイクの左ハイの射程距離の長さに戸惑い、スウェーが間に合わなかった。
とっさにガードはしたが痛すぎる!!

まいったな・・・・こりゃ・・

構え直し距離を取る。案の定マイクは鎌の様に蹴りを乱打してきた。

「バチン!!ドカッ!!ガスッ!!」

こ・・・の、調子に乗んなよ!!!

右ミドルを狙いすましキャッチ!!すかさず左の軸足をカット(足払い)した!!

「ズデェエエン!!」

オラアァアアアァアアア!!!!

倒れるマイクに吠える俺、道場からは歓声が上がる!

「FUCK!!!!!」

怒るマイク!再び開始線に立ち・・・

「ハジメェエエイ!!!」

さすがにキャッチを警戒したのか、今度は殴りに来た!

怒りで攻撃が単調になっている・・・・チャンスだ!!

ド真っすぐなマイクの正拳を横に捌きながら、ローを叩き込む。

「バチン!!バチン!!!」

マイクの顔が苦痛に歪む!

全ての意識を下に振ったところで・・・・

「ドガッッッ!!!」

俺の右膝がマイクの顔面を捉えた!!・・・が、倒れない!!

「フッ!!フゥ〜〜〜〜!!!!カマン!!カアマァン!!」


うそぉぉぉん????このコンビネーションには結構自信あったのに・・・・

鬼のよーなラッシュが来た!!!ヤバい!!

サバキを使いながら反撃を繰り返す!!

オラオラオラッッ!!!!!

頭が白くなってきた・・・痛みもない、いつもの事だがアドレナリンって凄い。

道場内は俺のサバキが決まる度に歓声を上げた。


「ヤメェエェエイ!!!」

師範の終了の掛け声・・・引き分けだ。

互いに礼をして試合終了。・・・っと、マイクがよって来る。

「ナイス テクニック!!!」
「ナイス サバーキ!!」

あどけない少年のような笑顔で握手してきた。

道場からは拍手と「サバキ!!」の掛け声。

「スゲぇ・・・言葉いらねーんだ・・」

「空手やってて良かった。」

心底思ったのを今でも覚えている。

何人か組手を行い、ストレッチをして練習終了。

と、同時に何人かに囲まれる。

「Prease teach SABAKI!!」

サバキを教えて欲しいらしい。

「OK,OK!!」
心地よく皆に教える。勿論英語なんて話さずにだ。

そして閉館。

帰り道マイクが言って来た。

「When you come next day?」

もう充分堪能した俺は次に来る気は無かったが、何か悪いので

「Next week」

と答えてしまった。(結局行ってない)

「OK,see you next week, JIN!」


・・・・・外人の感想は何と言っても

「タフ」
  である。

マイク・・・・今何してんだろ?

帰りの電車で自分の腕やスネがアザだらけな事に気づく。

でも心地よい痛みだ。

と同時にユリカの事を思い出していた。

「ゴールドコースト最高だよ!!」

ユリカがしきりに言ってた言葉だ。


「・・・・行ってみっか・・・」

明日はゴールドコーストへの情報収集だ!!

YHAに帰還するころには歩行困難になるほど足が痛かった・・・・



・・・・・まて次回!!!
ゴールドコーストまでは確かシドニーから3000キロ以上離れてたと思う。

「どうやって行こうか・・・」

普通は「グレイハウンド」なる長距離バスに乗って旅をするのがワーホリの定石となっている。

「う〜〜〜〜ん・・・普通は嫌だなぁ・・・」

取り敢えずワーホリ事務所に向かう。

壁の張り紙が随分更新されている。

「・・・・あっ・・・・」

ー求む!!ラウンドメイト!!ー

☆ラウンドメイトとは個人購入した車(大体10万ぐらい)で主要都市を回り旅をする間の費用を(主に宿泊、ガソリン代)を割り勘する仲間である。

「何々?シドニー発で北回りでオーストラリアを一周します!途中の都市で降りるのもOKです!連絡お待ちしています・・・・・・     YOSHIKO 」

「ヨシコかぁ・・・」

取り敢えず書いてある携帯番号に連絡してみる。

ルルルルルルルルルルル・・・・・・

「ハロゥ?」

出た。可愛い声だな。

「あっ、モシモシ?初めまして、ジンと申します。あの・・ラウンドの張り紙見たんですけど・・・まだ人数行けますか?」

「あぁ、行けますけど・・・男の人ですよね?」

「??はい。」

「取り敢えず面接したいんで空いた日あります?」

「僕は、いつでもいいですよ」

「ぢゃ、明日とかいけますか?」

「はい、お願いします。」

「では#@$%%%%^$#@@!に19時で・・・」

「分かりました。えっと、ヨシコさんの特徴とかは・・・」

「背は150くらいでビラボンのパーカー着て行きます!」


暫し、互いの特徴のやり取りをして電話を切った。


そして翌日・・・・

待ち合わせはマンリービーチ。セントラルからは船に乗って行かなければならない。こっちで船に乗るのは初めてだった。

30分程してマンリーに到着。約束の場所へと向かう。

予定より15分程早く着いたので安心していたら、彼女は既に待っていた!

「あの・・・ヨシコさん?ですか?」

振り向いた彼女は子供と見間違える程幼い顔立ちだった。

「あっ、ジンさんですか?初めまして、ヨシコです!」

小さい、幼い、細い、元気が良い、礼儀正しい・・・初印象はそんな感じだ。

「取り敢えず飯喰いました?」

「食べてないんです、ジンさんは?」

「腹ぺこです(笑)」

「じゃ、決まりですね☆」

二人は近くのバーガーショップに入って、注文後、話を始めた。

「ジンさんは何でワーホリに来たんですか?」

気さくそうな娘だったので距離を近づけようと思い

「ジンでいいよ!」

「あっ、じゃあアタシもヨシコで☆」


「う〜〜〜ん・・・自分探しかなぁ・・ヨシコわ?」

「ブギ(ボディーボード)がしたくて!!」

・・・段々話が弾んで来た

「あははははは、ジンって変な人!」

「君も変だよ!」


「・・・で、俺は合格ですか?」

「モチ、合格だよ!・・・でも問題が・・・」

「何?」

「う〜〜〜ん・・・アタシとあと二人居るんだけど、二人共女なんだよね〜」

何!!女3人、男1人!!!・・・・・・・






・・・イイジャナイカ・・・・・・

  Ψ(`∀´)Ψ


「あっ、マズいかなぁ」

「ううん、アタシから言っておくよ!ジン’面白いし、大丈夫だよ!」

「では、お願いします。」

「じゃ、明日連絡するね!」

その後、二人でマンリービーチを散歩して俺はYHAに帰った。


・・・そして翌日OKの連絡を受け、あっという間に出発の日・・・



「ヨシコ結構可愛かったからなぁ、残りの二人も・・・うへへへへ・・・」

等と考えていたらマンリーに到着!!暫く待っているとヨシコが来た!

「おはよ〜ジン!いい天気だね!!」

う〜ん、可愛い。

「おはよう、ヨシコ!宜しくお願いしまっす!!・・で、残りの二人わ?」

「あそこの車に居るよ!」

挨拶(視察)をしに車に近寄る・・期待が加速する!!

「こんにちは!!!ジンです、宜しくお願いします!!!」


「よろしく〜」×2




・・・あだ名を付けるなら一人は


「イザベラ」


もう一人は


「スロース(グーニーズ)」

だ・・・・・・・。



「・・・・甘くねぇ・・・・」

素直にそう思い、バカな期待をした自分を叱咤した・・・・


何はともあれ、ゴールドコーストへの旅が始まった!!予定は一週間!女3人、俺1人!!!何かが起こる!!!(はず・・)




待て、次回!!!!!
いよいよ出発だ!

全員免許持ちだったので、運転は300キロ交代でする事になった。

目的地はゴールドコーストだが、途中の観光スポットにも寄りながらの旅となる。

因みに英語はイライザ以外出来ないに等しい。


車内の雰囲気も大分和んできたところで昼飯だ。

シドニーを出てから初めて違う街のパン屋さんに入った。

イライザは流暢な英語で注文するが、俺とヨシコは欲しいパンを指差して

「THIS,THIS!!」

とか言って注文。

「ジン、アホやなぁ。」

打ち解けたヨシコは関西弁になっていた。

「いやいや、キミもそーとーアホだよ!!」

キャッキャとハシャグ俺達を横目にスロースが注文。

路肩に車を止め、道に座って皆で食べる。


「シドニー出たら、こんなに田舎なんやなぁ・・」

のどかな田舎街。人の良さそうなパン屋さん。何か幸せだ。


「ジン、そのパンちょーだい!」


ヨシコが言ってきた。


「じゃあ、ジャンプして食べてみなさい」


そう言うと俺は手に持ったパンを高く挙げてヨシコの頭上へと持っていった。


「おりゃ!!おりゃ!!!」


必死にジャンプするヨシコが可愛い。

しかし、初印象とは裏腹にかなりのオテンバ娘である。


「届かんわ!!ケチッ!!」


「わかった、わかった、ホラ・・・」


とパンを差し出した瞬間・・・・


「ガブリッ!!!」

俺の手まで噛みつきやがった!!


「イデデデデ!!!!」


パンを奪い取り勝ち誇ったように俺を見て


「イヂワルするからぢゃ!!!」

そう言うと、俺に向かいべーってするヨシコ。


「こ、子供か、お前!!」

「ジンのが子供やわー!!」


・・戯れ合う俺達を横目にイライザが


「あと250キロぐらいに街があるからそこで今日は泊まろうよ」


泊まり・・・・・イイヂャナイカ・・・・・。

Ψ(`∀´)Ψ



「あの、俺は?」


「ジンなんか外ぢゃ、外!!」


「黙れ、チンチクリン!!」


「シェアした方が安くなるから一緒の部屋の方がいいわね。」


イ、イライザ〜〜〜〜〜!!(嬉)


「変な事しなや〜!?」


「お前みたいなガキには興味ナシ!!!」

ギャーギャー騒ぐ俺達にスロースが一言・・・


「仲いいね・・・そろそろ行かない?」


「あ・・・・はい」×2


運転を俺が変わり、ヨシコが助手席、イライザ達は後ろで寝ている。


日が落ちた頃に街に到着。


「あそこにしよう!」


大きな「モーターイン」(車を部屋の真ん前に停めるアメリカンなやつ)は一晩、98ドルだった。(4ベットルーム)

バックパッカーよりかなり高いが設備がいい。

チェックインを済ませて、部屋に荷物を運び込む。

自炊道具まであった。


「ご飯どうしよっか?」

と、イライザ。

「シェア飯しよ!」

と、ヨシコ。  うん、節約が一番である。


近くのスーパーで買い出し、簡単なパスタを作って皆で食べた。


皆疲れていた為、その日は直ぐに寝てしまった。



そして次の日・・・・

一日車飛ばして、観光して、またモーターインへ。

ヨシコがシャワーを浴びている時、イライザが



「ジンはヨシコどーなん??」



何ともいきなりだが、そう言われても仕方ないぐらい仲が良くなっていた。


「俺は・・・」


そう言いかけた時、ヨシコが出てきた。


「こっち見んな、ボケッ!!!(;`皿´)」


バスタオルに身を包んだヨシコが言う。


「お前みたいなガキの体見ても何も感じんわ!!」


そこにベットで横になり読書していたスロースが、


「ヨシコの体、凄いんだよ?」


・・・・何?!そう言われてみれば・・・・体は小さいが確かに・・・(昔のキョンキョンみたい)・・・・



イイヂャナイカ・・・


Ψ(`∀´)Ψ



「ジン、また聞かせてね、オヤスミ。」

そう言うとイライザは寝てしまった。



「何?何?なんやねん??」


キョトキョトするヨシコ。




・・・・何か俺、オーストラリアに恋愛しにきたのか〜?


と心の中で自問自答しながら、目の前の小さな女を見ながらため息をついた・・・・。




待て、次回!!!
どこまでも真直ぐなハイウェイ

4人を乗せた車はひたすら北に向かい進んで行く・・・。



この旅で驚いた事の一つに


「カンガルーの死体の多さ」がある。


夜になると車のライトの光に依って来るのだ。


場所によるが下手すりゃ、100メートルに50匹は死んでいた。


そんな事にも慣れた頃、俺は助手席でボーっと外を眺めていた。



「どないしたん、ジン?」


運転しているヨシコが聞いてきた。


「いやぁ・・・・もうすぐ着くなぁ・・・と思ってね。」



「うん。明日にはゴールドコーストやね!!」



「ヨシコはどーすんの?」



「しばらくバッパー(バックパッカー)泊まって、ブギぢゃ、ブギ!!(ボディーボード)」



「そっか、ボードやるんやったなぁ。」



「ジンわ?」




「・・・・わかんねぇ・・・・」




「・・・サーフィンやりなよ、サーフィン!!」



「・・・・・・・」



ハッキリとした目的が無かった俺は返答ができなかった。




「・・・まぁ、何かあるやろ!大丈夫、大丈夫!!」




  優しい子だ。



そして、最後のモーターインでの夜。




眠れない俺は外でコーラ片手に星を見ていた。


「じ〜ん!!」



ヨシコだ。




「ヨシコ・・・お前なんで生きてんの?」




「何でって・・・・楽しむ為!!・・・かな?」




「そか・・・。」




「ジンは何の為に生きとんの?」




「・・・それを探しに来たんよ、ココまで。」




あまりの俺の真剣な顔にヨシコも真面目に向き合い





「ジンならきっと見つかるって!!」




優しい笑顔で俺の肩を抱いてくれた。




「・・・ハッ!!そだな、何かあるよな!!」



「うん、うん!」



「おーーーーしっ!!頑張るぞー!!!」




ガバッとヨシコを抱え上げ、振り回す。




「ありがとな、俺、お前に逢えてよかったわ!」




「へへん!今更気付いたかね?!シシシシ!」




「ぢゃ、もう寝るか。」




「うん。明日も早いからなぁ。」





「・・・・ヨシコ・・・俺・・お前に言いたい事があんねんよ・・・」




「な、何?改まって・・・・」



急にヨシコの顔が赤くなる・・









「・・・お前、チチでかいよな・・・・」





「ア、アホ〜〜!!!か、金よこせ!!金!!てか、下ろせ〜〜〜〜!!!!」



結局最後の夜も騒がしく終わってしまった。



「まっ、恋愛しに来たんじゃねーからね」



俺は自分にそう言い聞かせた。





そして次の日・・・・・・。



「うおーーーーーー!!!アレ、サーファーズじゃねーか?!」


立ち並ぶハイライズ(高層住宅)はゴールドコースト、サーファーズパラダイスの象徴だ。



「きゃーーーー!!!来た来た!!」




何十キロも続く美しい海岸に狂喜する一行。



本当に美しい街


「ゴールドコースト サーファーズパラダイス」






この街が俺の人生を変える事になる。





・・・・・待て次回!!!
遂に到着した!!


「ゴールドコースト サーファーズパラダイス」



サーファーズはその名の通りサーファー達にとって天国みたいな場所だ。


何十キロもある海岸にはコンスタンスに波が入り、ポイントに行けば充分死ねる波にも出会える。


街も奇麗で活気があり楽しくなる。



立ち並ぶハイライズは日本で言う


「億ション」


並の設備だ。





「うおーーーーー!!何て奇麗な街なんだ!!」



そう、シドニーは都会だが何だか冷たかった。


青い空に青い海、ここは何だか全てが暖かい感じがした。



「そりゃ、ユリカが言う事も解るわ・・・。」



そう思っているとヨシコが



「バッパー探そう!!」



「そこでいいんじゃない?」


と、イライザ。



一晩12ドル まぁ、普通の値段だが、部屋は比較的奇麗。


部屋に付いたココナッツの匂い(ワックス)がサーファーを連想させる。



ヨシコはイソイソと海に行く用意をしている。



イライザとスロースは街を見物するとの事だ。



「ジンはどうするの?」


ヨシコが聞いて来た。




長期滞在予定は俺一人だ。



「とにかく部屋探して来るよ」



「そか、頑張ってな!また夜にねー!!」



そう言うとダッシュで出掛けて行った。よっぽど海が好きなのだろう。



「じゃあ私達も出掛けるね」


続いてイライザ達も出掛ける。





・・・・さぁ、俺も行くか!!



バッパーは街の中心に有り、とても便利な場所だ。


そしてサーファーズは街と言ってもそんなに大きな訳でもない。



3時間もあれば全部観光できる大きさだ。



「まずは情報だな」


ここにもワーホリ事務所があるので、そこに向かってみる。




それにしても日本人が多い・・・・少し外人が多い日本みたいな錯覚に落ちる。



20分ぐらいで到着、もう汗だくだ・・(気温は35℃ぐらい)




シェアメイト募集の張り紙を探す・・・・・




「シェアメイト募集!! 屋内外プール、ジャグジー、サウナ、BBQ施設、ジム、ビリヤード、エアコン、地下駐車場付きで夜景もとても奇麗ですよ!! ボンドは300$ レントは週65$ です。連絡先は・・・・・・・・・・・・・GEN」



!!!何だこの設備と安さわ!!!!



早速電話だ!!


「ハロゥ?」


女の子が出た。日本人っぽい。



「もしもし、ジンと申します。張り紙見たんですけど、GENさんはいらっしゃいますか?」



「あっ、お待ちくださいね〜・・・・・ゲンちゃーん!」



「・・・もしもし!ゲンです!!!」


何かテンション高い人っぽい。



「あの、張り紙見たんですけど、まだ募集していますか?」



「してますよ!!見に来られますか?」



「ハイ!!今からでもいいですか?!」



「オッケー、オッケー、場所は・・・・・」




そう遠くない場所だ、10分で着くな・・・。





・・・・到着。



センターポイントというハイライズの一つだ。



エントランスの呼び出しを押す



「すいませーん!!ジンですけど・・」



「あがってくださーい! 11階の1101ですよ!」




エントランスの自動ドアが開いて中に入った。



「すげぇ・・・・」


まるで高級ホテルのエントランスだ。



エレベーターに乗って11階へ・・・。



「1101・・・ここだ・・・」




勇気を出してノックする




「コンコン! すいませーん!!」



「はーい!!」


女の子の声がして直ぐに扉が開く



ガチャ




「はじめまして!マリです、まぁ、あがって♪・・・ゲンちゃーん!」




おおおぉ!かなり可愛いぞ?愛想もいい!


部屋に上がるとまず広いリビングだ。キッチンも広い。



壁にはサーフボードが幾つも立て掛けられており、今迄のこの部屋の歴史であろう写真達が壁一杯に貼られていた。どの写真もとても楽しそうだ。



大きな窓からはサーファーズの海を一望できる。



まるでリゾートの一室だ。




なんか暖かいリビングだ。家族の匂いがする。



・・と、男の人が来た。




「ハロー!!!俺、ゲン、キムラ!!よろしく、ブラザー!!!」



上半身裸で出て来た彼は異常なテンションで握手してきた。



「あ・・ジンです!!よろしく、ブラザー!!」


そうこうしてる内にマリちゃんが麦茶を入れてくれた。



「どうぞ・・ジンは何処から?」


「あ・・神戸です」



「あら、近いわね。私は門真(大阪)なんよ〜、宜しくね。」





そして、面接を始める・・・・と言っても人間性の見極めだけだ。



「・・・うん、いいんじゃない?ジン君おもしろいよ!!」


「私もいいと思うわ」




「じゃあ・・合格ですか?」





「あのね、最終決定はこの部屋のオーナーに会って貰わなきゃいけないの」



「いつ会えます?」



「今日の20時ぐらいにまた来れます?」





「来ます!!あの・・・・俺、ここスゲェ気に入りました!!」




そう言うと二人は笑顔で見送ってくれた。





今夜20時にオーナーの


「ニッチ」



に会って、合格なら入居が決まる・・・。



何か絶対あそこに住みたい、否、住まなければいけない!


そんな予感がしていた。





その予感が間違いでは無かったのは今の俺が保証する。




数時間後、俺の人生を大きく変える出会いが待っていたとはこの時気付いて無かった・・・・・・。





・・・・・・・待て、次回!!!




ー予告ー

死がチラつく!!地獄のサーフィン修行編スタート!!



仕事探し!!  〜無料でいいから働かせてくれ!〜



ヨシコとの意外な展開!! 〜えっ!!そーなの?!〜



サーファーズのキムタク「HIDE」との出会い!! 〜こんなに完璧な人未だに知りません〜



その他、満載!!!


もう貴方は待ちきれない・・・・・・・。
約束の時間まで俺は街を観光する事にした。


メインストリートから徒歩3分で40キロ近くのビーチに着く。


空はどこまでも青く、海はそれを映す鏡のごとく美しい。


砂の粒子は細かく、歩くと


「キュッキュッ」と鳴く。



「これが鳴き砂かぁ」



街にはシドニーみたく気取った感じは無く、どちらかと言えば皆楽天的に思えた。





「あぁ・・・住みてぇなぁ・・・」




シドニーの一件以来、住むのは日本人、働き先はオージーと決めてた俺はどうしてもあの1101に住みたかった。



「ニッチ・・・どんな人なんだろ・・?」



そんなこんなで腹が減ってきた・・・。



「ハングリージャック行こうっと!」



ハングリージャックとは日本で言う「バーガーキング」だ。


これがまた美味しいんだ!是非喰って頂きたい。



バーガー、ポテト、コーラを注文して夕方のビーチで海を見ながら食べた。



「あぁ・・何か贅沢やなぁ・・・。」



海にはサーファー達が楽しそうに波乗りしていた。




「一旦バッパー戻ってシャワー浴びるか」



歩き回って体中汗でベトベトだ。


シャワー浴びて一息ついたら丁度いい時間だろ。




・・・・・数時間後・・・・・


さぁ、いよいよ面接だ!!


インターホンを押す。




「ハロゥ?」



「あっ、ジンですけども!」



「ハイハイ〜、上がってください☆」




マリちゃんだな・・・。


そう思いながらエレベーターに乗り込み1101へ・・・。



コンコン


ドアをノックする。



「いらっしゃい、ジン君」


マリちゃんだった。



「こんばんは!・・宜しくお願いします!」



リビングを見れば丁度夕飯が終わったトコらしく、マリちゃんと女の子が片付け物をしていた。



奥から一人の男性が出て来て




「こんばんは〜!!」



黒く焼けた肌で身長は180前後、顔は・・・・まぁ特徴のある顔だ。



「ニッチです!!」


ニッチはそう言うと握手してきた。



「どうも、ジンです」


挨拶にお互いニックネームを使う・・日本ではあまり考えられないが、このライトさがいいのだ。



幾つか質問に答えて面接は終了した。



「どう・・・ですか?」



「・・・・・実は今ね、もう一人候補がいるんだ。」




「え・・?」




「もう一度その子に連絡を取って、改めてここの皆と相談して連絡するよ。今バッパー?」


「ハイ」



「じゃあ、明日の同じ時間に電話貰えるかな?」



「わかりました・・・あの!!」


「ん?」


「俺、ココ本当に気に入りました!!できればホントにお願いします!」



そう言うとニッチは優しく笑いまた握手してきた。





バッパーに戻るとヨシコ達も戻っていた。



「ジン!どないやったん?!」


久しぶりに海に行って満足したのだろう、ヨシコはニコニコしながら近づいて来た。


「う〜ん・・・実はよ・・・・」



事情を説明したら



「大丈夫やって!!!アカンかったらラウンド一緒にいこーや!」


「・・・ありがと。」


早ければ明日の今頃は結果が分かっている・・・・。



テラスでイライザ達ものんびり酒を飲んでいた。


「ジンもどう?」



普段なら断るところだが、今日はなんか酔いたい気分だった。



「あぁ、飲もうか!」



「!!!!」


横のヨシコが驚いた顔で



「ジン大丈夫か?」




「大丈夫だよ、サーファーズ到着記念だよ☆」




その夜は皆の今後の夢について語り明かした。


「このメンバーともここでお別れだ・・・」



夜も更けて酒も大分回って来た頃・・・・・



「ジィイイインンン!!!!!」



酔っぱらったヨシコが絡んで来た。



ヨシコは俺の肩を引き寄せ




「お別れか?ここでお別れか?」



「オイオイ・・・大丈夫か?」




「だいじょうぶぢゃなぁーーーーーーい!!!」



困った・・・酒乱とは聞いていたが・・・

「ジィンはさぁ・・・・」



「なんだよ?」



「・・・・・・」



「なんだよ?」



「うぅ〜・・・何でもないわボケ!!!」


そう言うとヨシコはふて寝してしまった。



「ジン、部屋まで運んであげて」



イライザが言ってきた。



「わかった」



俺は潰れたヨシコを抱えて部屋に向かった。


ベッドに寝かしつけ、月明かりに照らされるヨシコのあどけない寝顔に素直にカワイイと思った。


シーツを掛け部屋を出ようと思いドアに手をかけた時だった・・



「アタシ・・・・もうちょっとサーファーズいよっかな・・・・」



月を見ながらヨシコはそう呟いた・・・・・



サーファーズ到着初夜、



それは




それぞれの様々な想いが交差する夜だった。





・・・・・・待て、次回!!!!
「いてててて・・・・」


酷い頭痛で目が覚めた・・・


額に手を当て、昨日の記憶を探る・・




「・・・そっか・・・酒・・飲んだんだ。」



「・・・・・・・・・」




「・・・あっ!!ヨシコ!!」


昨日かなり酷い酔い方をしていたヨシコが心配になり、俺はベッドから飛び起きた。




ヨシコ達の部屋に向かう途中で歯を磨くスロース発見。




「おはよう、ジン」




「おはよう・・あの、ヨシコは?」



「ヨシコならさっき海行くって出ていったよ」




「そっか・・・」




「ジンは今日どうするの?」




「ん〜〜〜・・連絡待ちかな?っても、夜迄は暇だから街に出てみるよ」




「そう。夜皆でカジノ行かない?」



「カジノなんかあんの?」




「うん。コンラッドジュピターって有名なのがあるよ」



「よし、行こう!!」




「じゃ、また夜ね」




「おっけ〜☆」



時間はもう昼前の11時だ・・。




しかし・・・・・暑い!!!



「泳ぎてーな・・・」



と言っても、水着が無い俺は街で水着を買う事にした。



顔を洗い、歯を磨き、街に出てみると改めてリゾートな街並に感動した。



本当に青い空、白い雲、澄んだ海に陽気なオージー達。




めぼしいサーフショップを見付け、中に入る。



海パン(メーカー物)は大体5000円くらい。


日本よりは断然安い。





早速購入した海パンを履いてビーチに出てみた。



「キュ!キュ!!」


砂が面白い程「鳴く」。



海に入ると驚いた事があった。





「目が痛くない」





どういう訳か海中で目を開けても目が痛くないのだ!!




「スッゲー!」



後、ビーチとはいえ波の力が半端じゃない!



すぐ沖にはサーファー達がのんびり波待ちしてる・・・っと、そこに見慣れた顔が・・・






「ヨシコーーー!!!!」




何回か叫ぶとこっちに気付いたようだ。


サッと波に乗って岸迄上がって来た。見事なもんだ・・・。



「おはよ!!ジン!」



良い波をメイクして生き生きしてる。



「うめ〜なぁ、お前。」




「コレやりに来たんやもん!」




「そーやなぁ。立派、立派!」



「ジン、お腹すいた〜」



「あぁ、俺もだ。何か喰いに行こう」



車まで戻り、近くの公共シャワーで塩を落として着替える。



大きなバスタオルを体に巻き、堂々と外で着替えるヨシコ。



「!こっち見んな、ボケ!!」


「てか、車で着替えろよ、お前。」



「面倒くさいし、皆外で着替えるんやで?」



・・確かに、他の女性も同様、外でサッと着替えてる。




・・・・・・・・・・・・





イイジャナイカ・・・・
Ψ(`∀´)Ψ



そのまま、観光を兼ねてKIRRAビーチの方まで車で足を延ばしてみる。




「KIRRAバーガー・・・ここにしよう!」



注文を済ませ、待つ事4分・・・・



「なんだこりゃ!!!」


バーガーがデカイ!!デカ過ぎる!!!



ボテトやら飲み物やら付いて7ドルぐらいだ。(安い!!)



「モグモグ・・ぢん?」


「アムアム・・・・何や?」


「ゴクン・・・シェア決まらんかったらどーするん?」


「ゴクン・・・わかんねぇ・・また探すよ。」



「・・・そっか・・・」



「・・・・あっ!!ヨシコ、アレ!!」



指を指した方向をヨシコは凝視する。



「何々?!何もないで??」



そう言い、こっちを向くヨシコ。




「ああああぁああぁ!!!!!」




俺の口には大量のポテトがうごめいていた・・・



「モゴモゴ・・ホチホーハマレシラ・・モゴモゴ・・・(ごちそうさまでした)」
(;´д`)




「・・・・ジン・・・・・・殺す!!!!!!」
(`□´*)


急いで逃げるが外で捕まり、パンチ2発、キック5発ぐらい喰らった。


ゴメンチャイ・・・・



帰りの車内・・・


「今日判るん?」



「うん。8時ぐらいに連絡くれって。」



時間はもう6時を過ぎている。




バックパッカーに戻り、皆と合流。時計はもうすぐ8時だ。




「はぁ・・・いい気分でカジノ行きて〜なぁ」



「大丈夫やって!!」



「うむ。行ってきます。」



ペイフォン(電話)の前に立つ俺。



番号をプッシュする・・・






ルルルルルル・・・・ガチャ!



「あの!!!ジンですけど!!」


「あぁ、ジン!ちょっと待ってね♪」



マリちゃんだな。





「もしもし〜!ジンくん?」



ニッチだ!!



「あっ!!ハイ!!!コンバンハ!!!」




「皆で話し合った結果ね、」




「結果?!」











「ウチに来てくれるかな?」




!!!!!!!!!!!!





「やった!!!合格ですか?!!!」




「うん。宜しくね、ジンくん!」



「うわぁーーー!!有り難うございます!!」





「そんな、大袈裟な・・・とにかく明日にでも荷物持って来れるようにしとくから。」




「はい!!有り難うございます!!!」




「んじゃ、明日ねー!C-ya,Mate!!」




電話を切り、ダッシュで皆の所に戻る。



「やったーーーーーー!!決まったぞーーー!!」





「おーーーーー!!!おめでとう、ジン!!」



「おっしゃー!!!カジノ行こう、カジノ!!!」






やっと、腰を落ち着かせる場所が決まった。


オーストラリアに来て約2ヶ月、決まった寝場所も無かった俺にとっては本当に幸せな事だった。




さぁ、この勢いのままカジノで一儲けだ!!!!









・・・・・待て次回!!!
「コンラッドジュピター」


サーファーズのカジノがあるホテルの名前だ。


さすがに短パンにサンダルでは入れないとの事で全員オシャレして行く事になった。






「何や、ジン!短パンがGパンになって靴履いとるだけやん!」



と黒のワンピースでよそ行きの化粧をしたヨシコが言って来た。


「うるせーな・・正装なんざ持って来てねーよ!!・・・・・てかお前よぉ・・」



「何やねん?」


「孫にも衣装?みたいな。」


「ムカッ!なぁんで素直に褒めれんかなぁ?!」


「俺ぁ素直です!!!」




「まぁまぁ、今日ぐらいは喧嘩しないで」


イライザとスロースも待ち合わせのロビーに到着。


「でわ・・・・・」





「行きますか!!!」



宿からジュピター迄は車で約30分。



あっと言う間に到着。



地下の駐車場に車を止めて、いざ出陣!




「スッゲェええエェエッェエ」



目の前にはテレビや映画で見たような光景が広がっていた。



ポーカー、ビッグウィール、BJ、ダイス、スロット、ルーレット、キノ・・・・・



カジノは24時間営業。



取り敢えず皆バラバラに行動する事になった。



俺は100ドルをチップに交換してまずは・・・・・




「ルーレットだな!」


そしてルーレットのレッドオアブラック(1/2)のレッドに100ドルをいきなり賭けた!



ルーレットが回り玉が投入される!!



「カラカラ・・・・カラン・・・」




「レッド!!!!(数字は忘れた)」




「オッッッッラァアアアァアアぁ!!!!」



この調子で100万稼いぢゃる!!!



そーか!!俺は最高の運を味方にしてたのか!!!



ウハハハハハ!!!!






ー4時間後ー




結果・・・・・



ヨシコ

4ドル勝ち。


スロース

50ドルぐらい勝ち。


イザベラ

やってない。



俺・・・・・


300ドルマイナス・・・・





皆さん、カジノは感覚や価値観を狂わせます。



くれぐれもご注意ください・・・。






・・・帰りの車内・・・





「300ドル?!ジン、アホちゃうか?!」



「・・・あい・・・だってATMとかですぐ降ろせるよーになってんやもん・・・」



「ハァ・・・可哀想やからポテチ買ったるわ」


前の席でイザベラとスロースが笑っている。


「ヨシコ、可哀想やからポテチって・・クククッ・・・」




はぁ・・・やってしまった・・・・



元々金銭にゆとりなどある訳が無いのに・・・・




当時の俺の300ドル・・・・



今の感覚では50万ぐらいか・・・・




「もうギャンブルしねぇ・・・」


何ともありきたりな台詞を吐く俺がそこに居た。




宿に帰り、本当にポテチを買って来てくれたヨシコ。



「最後の夜やのにスマンなぁ・・・」



「別に最後ちゃうやん?」



「?」


「ウチまだサーファーズおるし。」


「そうなの?」



「うん。波ええからねぇ〜ココ!」



「そっか。」



「長期になるんやったらウチもシェア探さんとなぁ・・」



「まぁ、明日ニッチのトコ行ってから連絡するよ」



「うん! エエ人やたっらいいねぇ、ニッチさん!」











この時、俺達はあんな事になるとは夢にも思ってなかった・・・・・








・・・・待て、次回!!!

さぁ、いよいよヨシコ達との旅も終わりだ。



色々あったが、あっという間の1週間だった。




バッパーの前でヨシコに挨拶をする。



「ぢゃ、ラウンド気をつけてね!」



「まぁ、ウチ等ももうちょっとサーファーズにいるけどね☆」



「そっか。では、お世話になりました!」




イザベラとスロースにも挨拶してバックパックを背負い、いざニッチ宅へ!!!







「ピンポ〜ン」




ガチャ





「ヘイ!!ブラザー!ようこそ、ようこそ!」


源ちゃんだ。




ニッチは仕事、マリちゃんは学校で不在だった。



・・・・この「源ちゃん」はいつもテンションが高い・・・




聞けばサーフィンの為だけにワーホリに来ているらしい。



歳は俺の2つ上で、何やら「男になる為」にシドニー行きを決意して、自分の代わりのシェアメイトを募集したみたいだ。(それが俺)




「俺の荷物すぐ出すから部屋使って、使って!」



「え?でも源ちゃん、出発迄どこで寝るの?」



「あぁ、リビングでもどこでも寝れるよ!ブラザー。」




そう言うと源ちゃんは仕事らしく、出掛けてしまった。




ふとリビングを見たら見た事無い女の子が机で勉強していた。




「こんにちは。ジン君でしょ?ニッチから聞いてるよ!」




彼女の名前は「イズミちゃん」。



歳は俺の2〜3歳下だったかな?


まぁ、見かけは普通の女の子だ。マリちゃんのシェアメイトらしい。




「あ、ども。宜しくお願いします!」




ここのシェア状況を纏めると・・・・



ニッチ、ジン (相部屋)


マリ、イズミ (相部屋)


源   リビング



この5人が「一つ屋根の下」だ。




イズミちゃんからシェアの決まりや家の仕組み、皆の性格などを聞く。





「アタシももうすぐ出る予定なんだぁ〜。」




「へぇ〜」




「てか、ジンってさ」




「何?」




「何かニッチに似てるんだよね〜」



「どこが?」



「変なトコ。ジン血液型わ?」




「B」




「やっぱり・・・」




「って事はニッチも?」




「うん。ガッチリB!」




暫く雑談してるとマリちゃんが帰って来て、入れ違いにイズミちゃんは遊びに行ってしまった。





「いらっしゃい、ジン♪」




買い物袋を持ったマリちゃんは夕飯の仕度をしはじめた。



「この家は当番制でご飯作るんだよ〜」



何かホントに温かい家だなぁ。




オーストラリアに来てこの家に来る迄無かったモノ・・・




「安心」




これがあるだけで随分違うもんだ。





夜になり皆帰宅して食卓を囲む。





「じゃ、ジンの歓迎会を兼ねて!!」





「いただきまぁーす!!」




これこれ。




コレがいいよな。





その日はワイワイと夜がふけて行った。











・・・・・・待て、次回!!!
ニッチ達との生活が始まった。



内容は大体こんな感じである。




AM4時半
ニッチ、源ちゃんはサーフィンに行く。


AM7時半
ニッチ、源ちゃんが帰ってくる。
起きてる人は各自勝手に朝食を取る。


AM9時半
ニッチ仕事(サーフショップ)に行く。


ここから昼迄皆ゴロゴロしてる。


PM12時
ジン、砂浜をランニングに行く。(約5〜6キロ)


夕方迄にマリちゃんは英会話に行き、イヅミちゃんは遊びに行く。


PM5時
ニッチ、仕事が終わり再び海に行く。(源ちゃんも)


PM6時
メシ当番は晩飯を作り始める。


PM7時半
ニッチ、源ちゃん帰宅。


PM8時
晩ご飯。


PM9時
ニッチと源ちゃんのクダラナイやり取りが始まる。

マリちゃん、イヅミちゃんは漫画を読んだり、歌唄ったりしてる。

ニッチがゲームをやり始める。

皆強制参加。

負けた人がコンビニまでアイスを買いに行かされる。


PM10時
皆アクビ。


PM10時半
就寝。





・・・・・・・





・・・・・・・・






今書くと何て健康的なんだ!!



しかし、「一生で一番最高に贅沢な1年」と言われるだけあってワーホリの1年はゆっくり流れて行く。



俺はそんな生活を数日送っていた。




・・・・・そんなある日・・・・・




いつものように夕方ニッチがサーフィンに行く用意をしている。


「ねぇ、ニッチ・・」


「どした、ジン?」


「そんなに面白いの?サーフィン。」


「ん〜〜〜〜・・・そーだなー・・・例えばー・・」


「例えば?」


「最高の波に乗れるならセックスいらんね。」


「うっっそでぇええぇ!!」


「ホントだって。」


「ボカァ信じられんよ、西野入(ニッチ)さん」


「ジンもやれよ!」


「板ねーもん。」


「最初は俺の板貸してやるよ。」


水泳はある程度自信があった。サーフィンにも多少は興味があった。


「何かサーファーってチャライやん?」


「バーカ、そりゃ偽モンだよ、とにかくやってみろよ。」


「・・・・わかった、やってみるよ」



正直自信はあった。スノボもウエイクも人並み以上にはこなして来た。


「まぁ、今日中には立てるかな?」




・・・・・・・・





・・・・・・・・・











バカヤロー・・・・








この後、サーフィンを舐めきっていた俺はオーストラリアの強烈な洗礼を浴びる事になる・・・











・・・・まて次回!!!!










ーおまけー


いよいよ始まりました!!

「サーフィン修行編」

これを書きたかったんだよねー。

ニッチ達から教えてもらった「人生の宝」。

上手く伝わればいいなーー。


お楽しみに☆
俺達が住んでるハイライズから徒歩5分でサーフポイントの一つの通称




「正面」がある。





ビーチブレイクでポイントとしてはそんなに波は良く無いが日本のそれとは比べ物にならないパワーだ。





一人ビーチに着いた俺。




サーフィンの仕方なんか知らない。




ザブザブ海に入り、見よう見まねでパドリングを開始した。





波の高さは腰胸だったような気がする。





バランスがとれなくて、右に左に板先が取られ前に進まない・・・




そうこうしている間に波が来て押し戻される。



OZの波はスープでも破壊力抜群だ。



転覆、横転、ぶっ飛びを繰り返す俺。



大量の海水を飲み、また押し返される。




「ゲホッ!!ゲホッ!!・・グエエェエェ、何だコリャ・・・」



丘から見た波は大した事無いのに実際に面してみると凄く大きい・・・



ドルフィンスルーや波の仕組みを理解していない俺は只ただ自然の力に驚愕した。




体力を奪われ尽くした俺は丘に上がって仰向けに倒れた。





「ゼェ、ゼェ・・ゲッホッ! ・・・!!!!!」




「ナ・・・舐めてた・・・・」





テイクオフとかの次元では無い。




やっと呼吸ができるようになった俺は膝を抱え海で楽しそうに波に乗るサーファー達を見ていた。




「あんなに簡単そうなのに・・・」





そんな時間をすごしていたら遠くから





「ジーーーーーン!!」





ニッチだ。



マリちゃんも来た。





「どーした?!ショボクレてんな?」





「・・・・沖に出れねぇ・・・」





「ハハハ!!情けねーなぁ、さぁ、行こーぜ!!」






ニッチに背中を押されて再び海に入る。




マリちゃんはボディボードだ。




波は膝腰ぐらいまで落ちて来てる。




必死にニッチの後を付いて行くが・・・・・






「は、早い!!!」




鬼のよーに早いパドルのニッチ。





アッという間に沖に出てしまった・・・




遅れる事10分ぐらい




波も小さい事もあり、俺も沖に出れた。





「おーーーー、出てこれたじゃん♪」




「ゼェ、ゼェ・・・」




サーファーはいい波が来るまで波待ちをする。




板の上に座るアレだ。




コレも見よう見まねでやってみる・・・・が、







「ドプンッ」





敢えなく転覆・・・・





慌てて板にしがみつき、必死に板に上がる。





その姿を見て笑うニッチとマリちゃん。







・・・・・・・・・・






「サーフィン」




それは多分、世界で一番美しく




世界で一番難しいスポーツだ。







完敗のデビュー戦。





その夜、俺は緊張と疲れの為に泥のように眠りに落ちたのを今でも覚えている・・・・











待て、次回!!!!
サーファーズの生活も大分慣れてきた。





毎朝ニッチに海に連れて行かれ、溺れる日々・・・





楽しくも悔しい日々はあっと言う間に過ぎて行く。






そしていよいよ「ゲンちゃん」が旅立つ日が来た。







旅発ちの朝・・・・



「ゲンちゃん、後1200ドルでどーすんだよ?」



「大丈夫だよ!何とかなるって!!」



「シドニーは冷めてーよ?」



「大丈夫だって!!」



そこにニッチとマリちゃん、イヅミちゃんも来て



「ゲンちゃん、はい」


と言い、オニギリを渡すマリちゃん。



「ダーリン・・・寂しくなるわ・・・」


と嘘泣きするイヅミちゃん。




ニッチは何も言わずゲンちゃんと固い握手をしていた。




「ぢゃ、皆、元気で!!!」



オンボロの車に乗り込んでゲンちゃんはシドニーに向けて旅発った。




「ハァ、寂しくなるねー」


とマリちゃん。



ワーホリは出会いと別れの繰り返しだ。




「次はアタシだなー。」




そう、イヅミちゃんも近日中にサーファーズを出る予定なのだ。





部屋を出るには代わりのシェアメイトを見つけなければいけない。



しかもなるべく常識人をだ。



面接は来るが中々良い娘が来なかった。(マリちゃんの相部屋の為女性限定)







・・・・・何日かして・・・・・・




「明日面接来るから」



皆でご飯を食べている時にイヅミちゃんが言った。



「どんな感じ?」



「ん〜、明るくてハキハキしてたよ」



「可愛い娘を希望します!」



とニッチ。



「おっぱいデカイかな?」



「ジン、最低〜」



などと話は弾む。



「何せ性格がいい娘がいいなー。」







・・・翌日・・・

ニッチは仕事で遅くなる為に留守だ。



ピンポーン♪




「おい!来ましたよ!!おっぱいが!!」



「もー、ジンは座ってて!!」



そー言いながらマリちゃんが扉を開けに行った。




ガチャ




「はじめまして〜」



うむ。可愛い声だ。


「まぁ上がって、上がって」




素早く玄関に現れた女の子を凝視する!!







・・・・・・







・・・・・・・











「よ・・・しこ??」






「!!!!!!!ジン!!!!!!!!!」





「何でまだサーファーズ居るんだよ!?」




「何か、波があまりにもいいから・・・」






「何?ジンの知り合い??」





「えっ?!ってかここ住むのかヨシコ?!」





「うん。あと1ヶ月はいようと思って」





「あらら・・・知り合いなら話は早いわねー」




「じゃ、決まりで☆」




「ニッチも多分オッケーでしょ♪」





再び現れたヨシコ。




この後、このヨシコととんでもない冒険をするハメになるとは




この時思っても無かった・・・・・・・









まて次回!!!!!
新しい「家族」にヨシコを迎えた生活が始まって



間もなくして「イヅミちゃん」は旅発った。




行き先はバンダバーグというピッキング(農作業のバイト)が盛んな土地だ。




「ぢゃ、手紙かくねー」



別れの挨拶も手短かにバスに乗り込む彼女。




まぁ、タフそーな娘なので問題は無いだろう。





これで家には




ニッチ、俺、マリ、ヨシコの4人が残った。




しかしマリちゃんの帰国やヨシコの出発が残り1ヶ月を切っていたので引き続きシェアメイトの募集は続いていた。




そんなある日・・・・




俺達の部屋は1101号。




隣は1102号。




実は隣も日本人シェアの部屋だった。




住んでるのは女の子で名前はタマちゃん。



後はよく知らなかった。



で、ベランダ越しに顔が見れるんだが(ベランダが無茶苦茶広い!)ある日ニッチと夜景を見ていたら・・・




「こんばんは、ニッチ」



甘い男の声。



「おー!ヒデ君!!もう退院したの?」




「うん。もー、散々だったよ・・そっちのコは?」




「新しく入ったジンっていうんだ」



「へー、宜しくねジン君」



「あっ、宜しくです!!」


暗くてよく解らなかったが相当整った顔なのは解った。



聞けばタマちゃんの彼氏らしく、先日盲腸になり入院してたそーだ。




「ジン君、そっち行っていい?」



「どーぞ、どーぞ」



しばらくしてヒデ君とタマちゃんがリビングにやって来た。





改めて見ると本当にカッコイイ。




出身は東京、ワーホリでやって来てサーフィンをずっとしてるみたいだ。




たとえが「木村 拓哉」しか浮かばなかった。



ニッチ曰く、俺の1つ上の歳で英語も完璧らしく、欠点が無いらしい。




「はじめまして、ジン君。ジンでいいかな?」




「あっ、ハイ。」




隣をみたら何故かヨシコが赤くなってる。




「そっちの娘は?」



「あわわ・・ヨシコです!!」



ヨシコですら舞い上がる程の美形なのだ。



「今度タマとカレー作るんだ。 皆で食べにおいでよ。」



「あっ、ハイ!是非!!」



「ジンはサーフィンするの?」



「あの、最近始めました。」



「そっか。今度一緒に行こうね」



「お、お願いします!!」




何であんなに緊張したんだろ?



とにかくそれが


「サーファーズで一番イケてる男」とのファーストコンタクトだった。





その夜遅く、リビングにいるのは俺とヨシコだけになっていた・・・




「ハァ〜・・ヒデさんカッコエエわぁ〜・・」



「何だヨシコ、デレデレしやがって」



じっと俺を見るヨシコ・・・



「・・・ナンだよ?」



「・・・・ハァ〜〜〜〜 (´Д`)・・・・・」



「ナンだよ、その (´Д`) わよ!!」



「なんでも無いわ。ウチ寝るわな。オヤスミ。」





何か比べられたみたいでスゲェ嫌だった・・・




数日後・・・・





家で一人ゴロゴロしてると慌ただしくヨシコが帰ってきた。





「どしたんヨシコ?そんなに慌てて?」




俺をみて顔をクシャクシャにさせて半べそをかきながら





「・・・車パクられたぁ〜〜〜〜・・・」




オーストラリアは車の盗難が非常に多い・・・


特に日本人は車の中に貴重品やボード、ウェットなどを入れっぱなしにして駐車する為、被害に遭いやすい。


ヨシコの被害も相当大きそうだ。


「取りあえず警察へ届けを出しに行こう」


「・・・グズッ・・ウエエェエェン・・・」




・・・・・・







大好きなボディーボード一式と車を失ったヨシコ。




抜け殻のような日々は続いた・・・







そんなある朝・・・





「ジン!!ジーーーン!!」



警察からヨシコ宛に電話があったみたいだ。



「どした?」



「車あってんて!!」



「何処に?」



「ここから500キロぐらい離れた場所らしい・・・でも場所とかよー解らんくて・・・どうしよう・・・」



「・・・・・」




「よし!!今から取りに行くぞ!レンタカー借りて警察に大体の場所聞いて出発だ!!」




「・・・・ジン〜〜・・・」




土地勘など有る訳なく、場所もよくわからない。



それでもヨシコの希望を閉ざしたく無い想いは俺を行動させた。




この後、英語の使えない2人が大変な目に遭う事は言う迄もないが・・・・・









まて次回!!!!
まずは車の確保だな。」




「どないするん?」





「ニッチに迷惑かけれないし、レンタカー借りるぞ!」




何故か俺はニッチを頼りたくなかった。



俺が何とかしたかったんだ。





サーファーズのレンタカー屋に行って手続きを済ませ、大雑把な地図を片手に俺達は街を出た。




手がかりは地名と「道路脇にあった」という情報のみ・・・




運転をする俺の顔を見て、




「ジン・・・」




「なんだ?」





「ゴメンな・・・」




ショボくれるヨシコ。





「バカ。暇だったし、丁度良かったんだよ!」





「・・・・・」






「ぢゃ、無事に帰ったなら飯でも奢ってくれよ。」






「そんなんでいいなら幾らでも!」






「あと・・」



「あと?」











「おっぱい揉ませてくれ」










「・・・アホか・・・」






「・・・・・」





そんな会話をして俺達は4時間程全く知らない道を走った。








「ジン、このへんのはずやで?」





「うーん・・・何もねーな・・」





片田舎のハイウェイ。




ハイウェイと言っても信号が無い普通の道だ。







っと、そこに




「ジン!!」





「どした?」





「今の横道にあったような気がする!!」




ヨシコは車を飛び降り、走り出した!





「マジかよ?!」




俺はそう言うとハザードを出してバックした。





「あった!あったよ!!」





車を路肩の脇道へ入れるとその先の駐車スペースにヨシコの車があった。




後部座席のガラスが割られてる。




ここから鍵を開けたんだな。




無論、中は藻抜けの空だった。




悔しそうなヨシコ。







「ヨシコ、エンジン掛かるか?」





キーを入れて回してみるヨシコ。





・・・・・・





ウンともスンともいわない。





ボンネットを開けてみる。








「・・・・・バッテリーが無ぇ・・・・・」







「泥棒はバッテリーまで抜いて金に変えるんだな」





「・・・どないしょ、ジン?・・・・」






「取り敢えず警察に電話だろ?」




っと言っても二人共英語が喋れない。






やはり案の定、通じない。






「もーええわっ!!」




話が通じず、怒ってヨシコが電話を切ってしまった。






困り果ててたその時、オンボロな車が俺達の前に止まった。






「What`s happen mate?」
(どーしたんだい?)






中から怪しく汚い中年のオージーが出て来た。






しかし、藁をも掴みたい俺は事情をシドロモドロで伝える。





何とか大体の事情は分かってくれたみたいだ。





オージーはヨシコの車を見た後何やらブツブツ言って、




「Come on!」




と言って自分の車に乗るよう言って来た。





「ジン、なんて?」





「車に乗れって言ってる・・・ような気がする」





「エッ?・・・どないするん・・・」





不安げに俺を見るヨシコ。





かと言ってもう夕暮れなのでヨシコを置いて行く訳にもいかない。






「OK! Thank you!」






こうなりゃヤケだ。





「ヨシコ、何かあったら絶対守るから」




「ジン〜・・・」




「・・・大丈夫・・・」






自分に言い聞かせた言葉だった。






そして、






緊張で口から心臓が出そうな俺とヨシコを乗せたその車は走り出した・・・・












・・・・・待て、次回!!

ガタゴトと整備されてない悪路を走り続ける車・・・





俺とヨシコの緊張を他所に、ヘラヘラ笑ってるオージー。





名前は忘れてしまったが、前歯が無かったのと服が汚かったのはよく覚えている。





「ジン・・・大丈夫やろか・・・」





「大丈夫、何とかなるよ」





今考えるとレンタカーで後を着いて行けば良かったのに・・・







暫くすると映画とかに出てきそうなスクラップ現場に着いた。






そこには更に汚いオージーが居た。





どうやらこのスクラップ現場の主らしい。





車を出て何やら話している。






成り行きを見守ってると主がオンボロのバッテリーを持って来た。






「20ドルでいいよ」






どうやら盗まれたバッテリーの代わりを調達にここに来たみたいだ。






「サンキュー!サンキュー!」





人は見かけで判断しちゃダメだ・・・





オーストラリアは車の盗難が非常に多いから注意しろとも言ってくれた。





そしてヨシコの車が置かれてる現場に戻り、バッテリーを装着してくれた。





「エンジンかけて!」





オージーが言ったタイミングでキーを回した。








キュルルルル、ガォオン!!!






「かかった!!!」





エンジンがかかった!飛び跳ねて喜ぶヨシコ。





そのオージーにありったけのお礼を言う2人。





俺は感謝の気持ちで50ドルを渡そうとしたら






「NO,NO!」





「えっ?!要らねーの?」





笑顔で親指を立てるオージー。





カッコ良すぎるぜ・・・・





そしてオージーはエンジンの油でドロドロになった手を脇にあった泥の水たまりで洗うと手を拭う事無く俺に握手して来た・・・





流石だぜ・・・





そして日も暮れ、オージーは家に帰ると言い車に乗り込んだ。





「C-YA,MATE!」
(またな、ブラザー!)








「良かったな、ヨシコ」





「ジン・・・ホンマにありがとう!」





「うむ、ではお礼におっぱいを揉ませなさい」





「・・・・・帰るで?」







俺の言葉を無視気味にさっさと車に乗り込みハイウェイに出るヨシコ。






「オイ!ちょっと待てよー!!」








何とも締まりの無い話だが実話である。






数時間後、二人共サーファーズに無事帰還。







その日の話をニッチ達に話すヨシコ。





俺は少し自慢気だったかも知れない。








こうして「ヨシコの車騒動」は幕を閉じるのであった・・・・














・・・・待て、次回!!!
ヨシコの車騒動から約1ヶ月ノンビリ、マッタリした時間を過ごしていた。



そんなある日の晩の事だ。





ニッチ達は早々に寝てしまい、




リビングには俺とヨシコだけだった。






「なぁ、ジン?」



「ん?」



「ウチ、そろそろ次行こうか思うねんよ」



「あぁ。。もう1ヶ月だもんな」



「ジンは。。。どないするん?」



「俺?俺は。。。。。」




正直、漠然と「働きたい」とか「サーフィンしたい」しか無かった俺は返答に困った。




「俺はまだ居るよ。。。」



これが精一杯の言葉だった。



「そっか。。。。」



寝転がってる俺の横に腰を降ろし、大きな窓から外を見ながらヨシコは言う。




「ワーホリってなんで期限あるんやろね。。。」




「ヨシコ。。。」



「ジン、そういやジンは彼女って日本におるん?」



「いや、今は居ないよ」



「ヨシコは?」



「ん?ウチ?」



「。。。。。」




「おるよ。」




「置いて来たのかよ?」




「うん。」




「ワーホリ来るなら別れてから来るもんだろーがよ?」




「。。。。そやね。。」




「はぁ。。。」





「?どした。」





「ウチ、こんな娘ちゃうかったんやけどなぁ。。。」





「どーいう事だよ?」





「ジン。。。。」





そっと寝転がってる俺に近づいて来るヨシコ。。。





「お。。。お。。?」





「目ぇ閉じてーな。。。」





「お、、おう。。。」




心臓が高鳴る。俺の脳は期待全開だ。。。














ドスンッ!!!
(*`皿´)ノ









腹筋のあたりに凄まじい重みを感じ、たまらず目を開けた!







すると馬乗りになったヨシコが俺を見下しながら








「ジン、色々ありがとな。。。」





その顔は少しハニカミ照れている様だった。





「お、、お前、これが礼を言う態度かよ?!」





「キスすると思ったんやろ!スケベ!!」





「あ。。。アホ抜かせ!誰がお前なんぞ。。。。へっ?!」





言葉より先にヨシコは俺に抱きつく格好になっていた





「ウチ。。出るわな、サーファーズ。」





「あ。。。。あぁ。」




ギュっと抱きついて来るヨシコの背中に俺の手を当てて俺も抱きしめる形になっていた。





「じゃ。。。。」



のそりと体を上げながら続けてヨシコは言う




「寝るね!オヤスミ!!」







ドスンッ!!
(*`皿´)ノ





「グエッ!!」




再び腹筋に強烈な重みが。。。



ヨシコは俺を踏んで部屋へと走って行ってしまった。。。。






「。。テェメェ〜。。。いつか。。。犯す!!」




何とも不格好なやり取りだが今ならヨシコの可愛さが判るような気がする。






そのやり取りから2週間後、ヨシコはサーファーズを後にする事になった。






出発の朝。。。。




「ヨシコ気をつけてな」




「ジンもサーフィン上手くなりや〜」




「また日本でも逢おな、ジン!」




「おう。逢おう。」




「そん時にはよ。。。」




「なんや?」









「おっぱいを揉ませなさい。」





「。。。。ほな、行くわ(´_`)」






こうしてシドニーから一緒に旅をして来た『ヨシコ』は残りのワーホリを無駄にしない為に新たな場所へと旅を続けた。




ワーホリは1年しか無い。





どんな過ごし方をしても1年なんだ。







俺の足首には旅立ちの前日にヨシコが編んでくれたヘンプリングが巻かれていた。





「ジン、サーフィン上手くなりーな!」




これを貰う時にヨシコが言った言葉。





「。。。取り敢えずサーフィン頑張ってみっか!!」






今日もサーファーズはギラギラの太陽と真っ青な空だ。






「お〜〜〜しっ!!今日こそ乗ってやるぜ!見てろよ、ヨシコ!!!」







その時俺はヨシコとの日々を思い出しながら笑っていた。。。。





「次逢ったら揉む!!!(*`皿´)ノ」









ーヨシコ編 完ー






約1年ぶりの更新です、お待たせしました〜。。。。


頑張って書いて行きますんでヨロシクです!


ヨシコ編が終わったので次はサーフィン修行編と仕事探し編です。


さぁ、一気に書くぞ〜〜〜〜!!!(多分(´_`))



まて、次回!!!

さぁ、ヨシコも旅立ったし今度の目的はズバリ

『職探し』

である。

やっぱ、折角だからサーフショップとかバーで働きたいなぁー。

なーんて甘い事を考えていた。

ヨシコが旅立って数日後に俺は就職活動を開始した。

まずは情報収集から。


ここ、ゴールドコーストにも

『ワーホリ事務所』なる場所があり、色んな情報を摂取できる。

仕事の求人を見てみるとどこもジャパニーズレストランばっかりだった。。

俺には決めていた事があった。

『家、仕事のどちらかは完全にオージーと過ごす』


『ピッキング(農作業)はしない(誰でもできるから)』




そうしないと外国に来た意味が無いからだ。

既に家は日本人と住んでいるので必然的に職場はオージーと。

と言う事になる。

『むー。。。こりゃ、飛び込みしかねーな。。。』

意を決した俺は日本で友人が制作してくれた英語の履歴書を持って飛び込みをする事にした。


ここからが地獄である。。。。


まず1件目はサーファーズでも有名なクラブバー。



『I`m looking for job!』
(仕事探してます)


猿岩石がテレビで言ってた言葉を覚えてた俺はそのまま言ってみた。



まだオープン前のホールに居た責任者みたいな人に言ったんだがよっぽど俺の英語が酷かったんだろう。

『U have to go school!』
(学校行け)

なーんて言われてしまった。。。



トボトボと店を出る。



『。。。こんな事で挫けるかよ!!』


次はサーフショップ。


『今スタッフ一杯なんだ』


そりゃそーだよね。。。。。


次はケバップ屋さん

『来年の夏来い』

なんじゃそら。。。。


次はまたバー。

『帰れジャップ』

凹むんですけどー。。。。。


こんな感じの生活が1週間ほど続いた。



1日に10件は飛び込んだと思う。


が、全て駄目。。。


『英語。。。。もっと勉強しとけばよかった。。。』

そう。


当たり前の事だ。


最近よく街で日本語が使えない中国人をお店で見かけるが


『何で雇ってんだよ?』


っとか思ってしまうよね。


それと同じだ。


本当にワーホリを最高に楽しむつもりなら

ちゃんと英語は勉強した方が良い。

日に日に俺は自信を無くしていった。。。。

『ジャパレスでもいいか。。。。』

ふと過る甘い考え。。。


お金も大分減ってしまった。。

このままではあと2ヶ月保たない。




待て次回!
。。。。



『いや!妥協したら日本を出る時に協力してくれた皆に顔向けできん!!』

そんな妥協をするくらいなら。。。。

『無給でもいいから経験だけでもして帰国する!!!』


そう決心した俺は


『無給でもいいから経験させてください!』


を英語で言う練習をし始めた。。。


そして次の日。。。。


やはりそれでも駄目だった。。。


目には涙が溜まっていた。


悔しくて、情けなくて。。。。


もう夕方だ。。。。


トボトボと歩く俺の前に1軒の服屋さんが。


『服屋かぁ。。。そーいや行って無かったな。。。』


もうココで駄目なら日本に帰ろうとまで俺は思っていた。


『EX me, I`m lookinng....Without pay, all light!!! 』


俺のあまりの剣幕にスタッフの女の子はマネージャーに取り次いでくれた。



ニッキーという女性マネージャーが出て来てもう一度俺はさっきの言葉を伝える。


すると。。。。


『Are you shure??』
(アナタ本気?)


『I`m realy shure!!!!』
(大マジです!)



・・・・・・


『・・・・OK~♪』


『!!!!』


ニッキーは続けて言った(面倒なので日本語で書きますね)


『丁度今から観光シーズンだから日本人を相手に出来るスタッフが欲しかったの!』


『そーなんですか!よかった〜。。。』

『それにウチは女性のスタッフばかりだから夜のセキュリティに男手が欲しかったのよね。』


『はぁ。。男。。居ないんですか。。。』

『そーいう事!ジンは空手ブラックベルト(黒帯)なんでしょ?』

『あ、はい!こんな感じです』
(コンビネーションブローをシャドーする)

『OH! グレイト!!頼もしいわ☆』

『でも無給って訳にはいかないから。。。』

『ジンをこれで雇うわ!』

そう言うとニッキーは契約書を出して来た。


『それにサインして明日の10時に来て頂戴。明日から働ける?』


『ももも、勿論です!!』


『じゃ、また明日ね ジン♪』


『やっっっっったぁーーーー!!!』


やった、やった!


やっと仕事が決まった!!!

このニュースを俺は一番にニッチに伝えた。

色々心配かけていたからだ。


夕飯時。。。。


『やったよ、ニッチ!これ見てくれよ!』


『おー、オメデトウ!やっと働けるな。どれどれ。。。』


『ん?。。。』


『へ。。。。?どしたの??』


『スゲーぞコレ!!』


『何がだよ、ニッチ?』



『時給12ドル50、土日は2倍、さらに。。。』


『うぇ?!マヂ!?』

『祝日は5倍!!!』

『スゲーーーーーー!!!!』


今はどうなのかは知らないが当時はオージーは週末や祭日は殆ど働かずに家で家族と過ごすという形が根強いためこんな給料システムがあった。

成せば成る。


なんでも諦めずに挑戦する事が大切なんだと思い知った出来事であった。



待て、次回!!!

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