ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

理系総合病院コミュのBR3『理解』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 「ではルール説明するぞー。簡単に言うと全員殺せば終了。なんてわかりやすいゲーム♪ ププ。」さきほどと変わって陽気な声で阿部は言い続ける。「ゲームの期限はなんと1週間。ただし24時間のうち誰か1人でも殺さなかった場合もしくは誰かが死ななかった場合はゲームオーバー。全員爆発して死亡。みんなしっかり殺しあってね。あと、随時禁止エリアを設けるから、その中に1分間でもいると首輪が爆発するから気をつけてなー。フフ・・・ハーッハッハッハーハーッハッハッハ。」気持ち悪い声が甲高い音を出して更に不気味さを増徴させた。「あ、そうそう。ちなみに君達にはとっておきのNAMEっていうのがある。それは各自覚えてもらいたいのだけど・・・簡単、簡単。高校時代の出席番号が各自のNAMEになるからな。」そして次に意味深な発言が飛ぶ。

 「37人で殺(や)ってもらうぞ」

 皆がふと不思議がった。確かに3年C組は当初37人いたが転校した子がいるため全員で36人なはず・・・。周りを見ても誰もC組以外いない。そんな中に一人だけ心中穏やかじゃない男がいた。彼の名前は石井雅人。彼は「まさか・・・」心の中でそう呟いた瞬間、阿部が兵士の一人に指示して連れてきた。その男は、眼鏡をかけた細身の体で顔が腫れていて、何回も殴られていた様子だった。「後藤!!」石井雅人は叫ぶ。次いで皆が後藤翔平を認識する。しかしなぜ・・・この疑問が解決しない。それを察したのか、石井雅人が「実は・・・後藤がどうしても行きたいって前から言っていて、でも今回オレ幹事じゃないからどうする事もできないし、予約の関係上もあるだろうから・・・だから荷物の中に入れて連れてきて皆にはサプライズにしようって二人で考えて・・・」説明を終えた石井雅人が周りを見渡すが、この誰も何か言える状況ではなく静寂が漂っていた。

 阿部が満足げに「さて、これで基本的な説明は終わりだが質問あるかー」と聞くが、もちろん誰も聞くことはない。続けて「地図、食料等は一つのリュックサックの中にあって武器もその中にあるぞ。何が入っているかは開けてからお楽しみというやつだ。スタートはこちらで決めた配置についてもらう。何回かに分けて運ぶから呼ばれるまでちゃんと良い子で待機しといてね。」
 さっきから皮肉を言われて腹をたっていたが、何かしてしまえば殺されてしまうという予測がつくため誰も行動できなかった。が、川上直輝は冷静にこの状況を判断、分析していてこの好機を逃さなかった。兵士が移動準備の為だろうか10名ほど大広間から出て行き、また5人くらい兵士が集まり生徒番号を呼ぼうとしていたその瞬間に動いた。一目散に阿部に向かって走り出す。兵士は慌てて銃を構えたが距離は、距離は10mもなくトップスピードになるまでもなく、阿部を捕まえて首を絞める。そして「動くな!!銃をおろせ!!」と川上直輝は叫んだ。阿部はやられたという顔を若干しているがどこか落ち着いていて、兵士に銃をおろさせ「お前、本当にこの状況から抜け出せると思っているのか」と聞いた。「あぁ、まずはこの部屋から移動させて貰う。だけどその前に兵士達を後方に集めろ。」と川上直輝は言い放つ。兵士は阿部の指示に従い後ろに集まり、それを確認した川上直輝は阿部を盾にしながら前方のドアから出て行った。全員がざわつき始めたが、兵士がいつでも打てるぞという構えをした途端、嵐が去った後の様に静けさに変わった。

 3分後、パーンと銃声が聞こえ、その後、拳銃片手に阿部だけが戻ってきた。その顔には怒りと快楽が入り混じっていた。そしてそれを見て全員が悟った。川上直輝は殺されてしまったと。

 その後は誰もが機械のように指示されたことを大人しく行動していた。目隠しをされヘリに乗り目的地まで向かう。手には大きめのリュックサックひとつだけを持って。

 プログラムスタートまであと30分。

続く。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

理系総合病院 更新情報

理系総合病院のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。