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シークレットゲームコミュのシークレットゲーム 〜エピソード6〜 第15話[血塗られた殺戮]

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第15話[血塗られた殺戮]                              〈作・桐島成実〉

【残りの生存者数・・・6/13人】

〈現在の状態〉

             PDA      状態    手塚との関係

 手塚 義光     (10)       健康         
 
[グループA]
 姫萩 咲実     (Q)      足を負傷     普通
 葉月 克己     (4)      腕を負傷     普通
 
 高山 浩太     (2)       健康       敵対
 
 矢幡 麗佳     (?)       健康       敵対

 郷田 真弓     (5)        ??       敵対

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 御剣 総一     (A)        死亡       普通

 長沢 勇治     (?)       死亡       敵対

 綺堂 渚       (J)       死亡       敵対

 色条 優希     (?)       死亡       敵対

 漆山 権造     (7)        死亡       敵対

 陸島 文香     (?)       死亡       敵対

 北条 かりん    (?)        死亡      知らない







いまだ煙が充満する中で、通路の角を間に挟む形で、高山と麗佳は対峙していた。

高山「まさか、あらかじめ逃げ道を塞いでいるとは、ずいぶんと手際がいいな」

高山が逃げ込んだ通路には、高山達がPDAを使って下ろした防火シャッターとは別のシャッターが降りており、高山の退路を完全に断っていた。

恐らく麗佳も、ドアコントローラーのソフトを持っているのだろう。

麗佳とは以前引き分けたとはいえ、やはり素人だと甘くみたことを高山は後悔していた。

麗佳「あなたが、その通路に逃げ込むことぐらい、見抜いていたわ」

麗佳は、隙を狙って単に高山達に奇襲をかけただけではない。

高山達が居る位置関係を計算して、シャッターをあらかじめ下ろしていたのだ。

しかも、狙いを定める必要のない手榴弾を使用したことも同様だ。

高山「戦略の組み立てに関しては、目を見張るものがあるな」

これらをとっさに行ったことに、高山は素直に感服していた。

高山「このシャッターを開けることは無理か・・・」

ドアコントローラーのソフトを持っていたのは、高山ではなく長沢の方だった。

そして、その長沢は麗佳の手によって葬り去られてしまった。

高山「そういえば、まだ名前を聞いていなかったな」

高山と麗佳は、以前に戦ったことはあるものの、会話をするのはこれが初めてだった。

高山「俺は高山、お前は?」

通路の角の向こう側に居る麗佳に向かって、そう名乗る。

麗佳「・・・麗佳、矢幡麗佳」

しばらく考慮した後、麗佳もそれに答える。

高山「では矢幡、一つ提案があるのだが」

麗佳「・・・・・」

高山「俺と手を組む気はないか?俺は手塚という男を始末するつもりだ。それ以外には興味がない」

通路の角に隠れていても、麗佳の表情がこわばっていくのが読める。

麗佳「そんな誘いに乗ると思って?私は誰も信じない。こんな状況で、誰も信じられるものですか!」

高山の誘いに、麗佳は突っぱねる。

高山「敵は少ないに越したことはないと思うんだがな。そうだろう?」

麗佳「命乞いのつもり?残念ね。私は勝ってみせる。たとえ誰を犠牲にしようとも!」

麗佳の意志は堅い。それを裏付けるかのように、矢継ぎ早に麗佳の銃声が飛ぶ。

ガァーン!ガァーン!!

高山「・・・そうか、残念だ!」

高山は麗佳の狙い打つ箇所を見切り、素早く身をかわす。

麗佳の撃った2発の弾は、高山には当たらずそのままシャッターに食い込む。

高山は身をかわしつつ、まだ手元にあった煙幕弾を、通路の角に向けて放り投げる。

それは、更なる追い討ちをかけようと狙いを定める麗佳の前に落ち、瞬く間に煙を吐き出し、あたりを覆いつくす。

麗佳「くっ、小賢しい真似をっ!」

麗佳は、煙に視界を奪われた隙を狙われる事を嫌い、通路の角から少し身を引いて距離を取る。

麗佳「どうせ、逃げられはしないんだから・・・」

私を倒さない限り、この袋小路からは逃げられない。

持っている手榴弾は、さっき使った1発のみ。

なら下手に攻めるよりも、持久戦に持ち込めばいずれあの男の煙幕弾も底をつく。

撃つのはそれからでも遅くはない!

ウイィィィン

その時、モーターが回るような音が背後から聞こえてきた。

麗佳「!」

麗佳は顔だけ背後を振り向く。

だが煙の影響でよく見えない。これは―

ガガガガガッ!!

麗佳「なっ―!?」

煙に隠れているそれは、突如銃撃を放ち、麗佳の身体を横一線に貫く。

その正体に気付いたのは、その時だった。

麗佳「こ、こんなものまでっ・・・!」

煙が薄まっていく中、姿を見せたのは、銃を装備した自走ロボットだった。

これは、高山があらかじめ用意していたもの。

長沢と共に襲撃する前にこしらえたもので、長沢の狙撃だけでは攻めが不十分だと感じて用意していた保険だっだ。

麗佳「ご、ごふっ・・・」

弾丸を3発貫いた身体から、勢いよく血が拭き出す。

瞬く間に白いワンピースを赤く染めていった。

高山「周りは常に警戒せよ。俺が言えた台詞ではないが、その通りになったな」

何時の間にそこに来たのか。麗佳の身体に銃を突きつける高山の姿があった。

高山「悪く思うな」

高山は、それを最後に銃の引き金を引く。

麗佳「くぅっ、こんな・・・・ところ、で・・・」

ガァーン!!

無情にも、その銃から弾が放たれたのであった。



・・・
・・・・・


手塚「ここらへんで間違いはないはずだが」

手塚は周りを警戒しつつ、PDAを地図を確認する。

彼が向かっているのは、葉月達と合流する為に指定した区画だった。

通路を慎重に進むつつ、部屋を一つ一つ調べていく。

そして、通路の曲がり角の所に来たところで、呼び止める声が聞こえた。

葉月「!手塚くん、無事か!?」

手塚は、その声が聞こえた方を振り向く。

手塚「おう、なんとかな」

手塚の顔から笑みがこぼれる。

葉月「君だけでも無事でよかった。・・・ともかく、何があったのか聞かせてもらえるかな?」

葉月も周りを警戒していたのだろう。両手に持っていたサブマシンガンを下ろし、手塚に近づく。

手塚「ん?そう言や、嬢ちゃんの姿が見えないようだが?」

今この場に居るのは、手塚と葉月の2人だけだ。

すると、葉月の表情が悲しげな表情に変わる。

葉月「・・・総一くんが亡くなったと聞いた時から、ずっと塞ぎこんでいてね。なんとかここまで引っ張ってきて、そこの部屋に連れてきたんだが」

手塚「なるほどねぇ。気持ちは分かんでもないが、こんな状況で塞ぎこんでいる場合じゃねえとは思うんだがな」

手塚はやれやれといった表情を浮かべる。

これは偽りではなく本心だった。手塚も人の気持ちが分からないわけではない。ただ、それを踏まえた上で、非情な振る舞いをしているのだが。

葉月「そうかもしれないね。・・・恐らく彼女にとって、総一くんは無くてはならない人だったんだろうね」

手塚「ふうん、そんなもんかね」

葉月「ともかく、君が無事な姿を見れば、少しは励みになるかもしれない」

葉月はそう言って、咲実が居るであろう部屋へと足を向ける。

手塚「いや、そうはならないだろうぜ」

手塚はキッパリとそう言いきる。

そして、ごく自然な動作で拳銃を引き抜き、葉月へと向ける。

手塚「励みになる前に、死ぬことになるからさ」

ガァーン!!

葉月「な!!?」

葉月は突然の出来事に、何が起こったのか理解できなかった。

手塚が自身を撃った。それを知ったのは、手塚が構えている銃が視界に飛び込んだ時だった。

葉月「て、手塚くん。なっ、なんてことをっ・・・!」

撃たれた事に気がついた時既に、葉月はまるで無抵抗なまま、その場に倒れこむ。

手塚「嬢ちゃんは部屋の前だったな」

手塚は葉月の身体を乗り越え、その部屋のドアノブの手をかける。

葉月「ぐ、ま・・・まて・・・!」

葉月はなんとか食い止めようと、手に持っていたサブマシンガンを構えようとする。

手塚「無理するもんじゃねえよ。銃弾は心臓のすぐ近くを貫いたんだ。ジッとしてりゃあ、いずれお迎えがくる」

手塚はあざ笑いつつ、銃を持つ葉月の手を足で思い切り踏む。

すると、その手から銃が零れ落ちる。

葉月「ぐおっ!?・・・」

呻く葉月を無視して、部屋のドアを開ける。

部屋の中は、木箱やダンボールやらが大量に置かれた雑多な部屋だった。

その奥の壁際に、ひっそりと座り込んでいる咲実の姿があった。

咲実「・・・・・」

咲実は手塚が入ってきたことに、まるで反応しなかった。

手塚「やれやれ、ここまで人は変わるもんかねぇ?」

その姿にはまるで生気が感じられず、一刻前に見た彼女の姿とはまるで別人だった。

手塚はゆっくりと近づいていく。

手塚「ったく、しっかりしろよ。嬢ちゃん」

まるで無反応の咲実に対して、そっと肩に手を添える。

ガッ!!

咲実「・・・!」

肩に添えたはずのその手は、口を塞ぐ形で顔を得さえつけていた。

わずかに反応を見せた咲実だったが、壁と手塚の手に阻まれ、身動きが出来ない。

手塚「じゃあな」

それが別れの挨拶だった。

左手で咲実の動きを封じ、右手にはナイフを持っていた。

手塚「ナイフの方が、より確実にあの世にいけるぜ」

そして、まるで躊躇もせず、ナイフを軽く振りかぶった後、そのまま振り下ろす。

ザシュッ!!

ナイフの刃先は、咲実の首輪の上の喉の部分を、真横に突き刺した。

その勢いのまま抵抗もなく、ナイフが刺さったまま、身体は真横に倒れていく。

死んでゆくその表情には苦しさは浮かんでいなかった。恐らく何が起こったのかを理解せぬまま、事切れてしまったのだろう。

その様子を確認した手塚は、ふっと口元を緩める。

手塚「おい、御剣よぉ」

それはもはや死んでいるであろう、総一の名を呼んだ。

手塚「てめえが必死で守った『クィーン』は、ちゃんとお前の元へ送り届けてやったぜ。クックック」

もはや絶命しているであろう咲実の死体を前にして、手塚は喉の奥から笑っていた。

当初の自分の狙いが、今ここで達成したことを愉快に感じていたのだ。

手塚「さてと、首輪は無事だな。じゃあ、さっそく」

咲実の身体を動かし、首輪の端子部分が見えるようにする。

そして、自身のPDAをそこに差し込む。

【あなたは解除条件を満たすことが出来ませんでした。15秒後にペナルティが開始されます】

手塚「これで4人、あとは葉月のオッサンで終わり、か」

そして未練もなく、その部屋を後にする。

部屋を出たところに、葉月は先ほどと変わりなく、床にうつぶせの状態で倒れていた。

葉月「う・・・く・・・」

どうやら、まだ息はあるらしく、かすかに呻いているのが耳に入ってくる。

手塚「なんだ、まだ生きてたのか。もっと楽に殺してやればよかったなぁ?」

手塚は葉月の背中を足で踏みつけ、銃を心臓のある部分に密着させる。

手塚「今すぐ楽にしてやるぜ。感謝しろよ」

そのまま引き金を引こうとしたが、その手がふと止まる。

そしてなぜか銃口を葉月から外す。

手塚「やれやれ、そう簡単には逃がしてくれねえか」

さっさとケリをつけて、ゲームを抜けるつもりだったんだがな。

手塚はやりきれないという感じを、銃を持ったまま両手を挙げて表現した。

手塚「そこに居るんだろ、大将?」

通路の角に隠れているであろう、その人物に向けてそう言った。

高山「やはり貴様は、危険極まりないヤツだったようだな」

通路の角から姿を現したのは、麗佳との決着を終えた、高山の姿だった。



・・・
・・・・・


激戦を生き抜いた2人。いよいよ最後の決着をつける時が訪れたのでありました。

次回は第16話[頂上決戦]相対する2人。果たして生き残るのはどちらなのか・・・?乞うご期待★

コメント(9)

御剣がいないとさくみんは本当にアッサリ(汗
残り4名…葉月さんは致命傷だから3名と言っても良いけどまだ油断はできないか?
手塚VS高山 交渉の余地はあるとはいえまず成立しないだろうし、どちらが残るのかそれとも相う…
来週を楽しみにせねばw
今週もお疲れ様です手(パー)ついに物語も佳境ですねあせあせ(飛び散る汗)このままバトルしてほしい反面、手塚パパらしく交渉で安全に生き残る策を選んでほしくもあるexclamationうーん、難しー(>_<)
荒井熊さん、どうもこんにちわ♪

随一の戦闘能力を誇る高山さんと、頭の回転の早さと躊躇わない性格の手塚くん。本編でもこの2人が戦うシーンはありましたけれど、今回はそれに負けないぐらい熾烈な争いになりそうです。

いずれにせよ、どちらが勝っても不思議はないですね。

もりへいさん、こんに〜ちわぁ♪

一見すると交渉し易い条件ではあります。手塚くんがJOKERを明け渡せば済むことですから。

しかしそれですと、たとえ手塚くんが首輪を外して下の階に逃げ込んだとしても安心は出来ないでしょう。同じく首輪を外している高山さんが何処に居るかは分からないですから。

それに郷田さんが黙っていないでしょうし。あ、言い換えれば2人が争えば郷田さんが横槍を入れることはないとも言えますけれども。
主人公がいないから残りの連中もさっくりですね。
麗佳ややられ、残りは高山と郷田、次回で高山と決着だけど郷田がどうでるのかが気になりますね。
Joker渡せば終わりだけど、この状況でそれは難しいでしょうね。
カンピオーネ@CR−Zさん、こんばんわ♪

序盤と中盤で脱落者がいなかった分、最後は脱落者ばかりです(汗)

手塚くんもここで本性を完全に現してきました。これで心置きなく戦えるはずです♪

郷田さんの行方がいまだ不明ですけれど、郷田さんのことですから、上から指令がない限りは出てこないかと想われます。しかしこれから全く出番がないわけではありません。どうなるかはお楽しみ♪



なるみさん、どうもです〜♪

前回のように高山さんと麗佳さんのタッグが成立かと思いきや、まさかの高山さんのロボット攻撃あせあせ(飛び散る汗)シークレットゲーム本編とは逆の展開ですねゲーム
ゲームクリア目前の手塚さんとしては慎重にいきたいところです!
このまま2人が争うなら、郷田さんは横槍は入れずに終わりそうですね〜。ケガもしてますから(苦笑)

それにしても凄い勢いで人数が減っていきますね(汗たらーっ(汗)
咲実さん…やっぱり総一くんがいないと君はダメね…あせあせ(飛び散る汗)
しずくさん、ようこそです〜♪

手塚くんなら、他人を踏み台にすることを躊躇はしませんから(と言うよりそれを楽しんでいる節がありますけど)

生存者は残り4人。生き残るのは果たして何人か・・・?

レッドさん、こんにちわ☆

煙が充満する中、肉眼では見えなくてもロボットなら見る事が可能、という設定になっています。そこの所は軍用兵器に詳しい高山さんに軍配が上がる結果となりました。もう少し麗佳さんに粘りがあってもよかったかなぁ?と思う今日この頃^^

咲実さんは単独では非常に弱い感がありありですけれど、さて次回のエピソードではそれを覆せるのでしょうか?

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