handy libraryコミュの『a pack of lies』

●「なぁなぁ、どっか行かへん？」

○「なんで？」

●「だって何か退屈やねんもん」

○「ええから手を動かしてくれって。ちなみにどこに行きたいん？」

●「ここではないどこか」

○「はいはい」

●「うそやってば、冗談冗談」

○「で、どこなん？」

●「ここ以外の場所」

○「さっきと言うてる内容一緒やんけ…ていうか今仕事中やねんぞ！静かにせんと起こられるじゃすまんねんからんな！まぁ要するに退屈やからどっか遊びに行きたいってことやな？」

●「おっ！やっと分かってくれたか相棒！以心伝心っていうんか、人間やっぱ意思の疎通が大切やんな。通じ合えるって素敵な事やと思わへん？」

○「思う。お前となら特に思う」

●「やろ！やっぱ相棒としてそれは必要やんな！」

○「もし通じ合ってたなら、俺がお前を大嫌いって思ってることをお前は感じ取って、こんなふうに話しかけてこうへんようにしてくれるやろうからな」

●「…………」

○「悪い悪い、冗談冗談」

●「なんだよー脅かすなよー俺半泣きなっちゃったじゃねぇかよー。
まぁ嘘やけどな。
なにはともあれ俺はお前の素直なとこ好きやで」

○「あっそうなん？なら素直に言うけど、さっきの冗談ってやつ冗談やから」

●「んっ？」

○「だから、俺は、お前が、大嫌い、ってこと」

●「…………」

○「どうせ傷ついてないんやろ？」

●「当たり前やん」

○「やろうな、俺はお前のそういう所が一番嫌いやねん」

●「…………」

○「それはもうええねん」

●「…………」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「諦めんなや！俺が黙ってるから丁度ええわ思ってたんか！」

○「すごいやん意思の疎通できてるやん」

●「俺が思ってんのはこんな廃れた感じじゃないねん！もっとさぁ…こう…なんていうか…、そうや！手を繋いでるじいちゃんばあちゃんをみた時のような気持ちになるもんなんやって！」

○「ハートフルなってこと？」

●「そうそれ！そんな感じ！分かってるやん！
でもハートフルって具体的にどんな意味なん？」

○「知るわけないやん」

●「じゃあさっきのただの適当？」

○「うん適当。ていうかなんでお前そんな元気やねん…」

●「だって…それは…今君とい」

○「あっなんか肌寒くなってきたな」

●「最後まで聞けや！」

○「だってそれはお前がめん」

●「あっほんとだ、なんか肌寒い」

○「お前こそ最後まで聞けや…」

●「だって肌寒いやん」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「すいませんでした…」

○「土下座しろ、５回土下座しろ」

●「２回じゃあかんの？」

○「２回やったらするんかい」

●「そんなことよりさぁ、１０回ゲームせえへん？」

○「なにそれ」

●「俺がなんかの言葉を１０回言ってって言うからお前はそれを１０回言うねん、言い終わったら俺が問題を出すからお前はそれにすぐ答えてっ」

○「それなら知ってたわ」

●「ならなに俺に最後まで説明させてんねん！途中でそれ知ってるから説明もうええよ的な発言したらよかったやん！」

○「はいはいわかったって、じゃあお前から言うていってな、ピザっていっぱい言うて」

●「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ…いっぱいってなんやねん！」

○「いっぱいゲーム」

●「ゲーム変わってるやんけ！俺１０回言うたよな！終わらへんやん！俺こんなピザ言うたん初めてやわ！何回言わせてんねん！」

○「３０回」

●「数えてる方がめんどくさいんちゃうんか！」

○「数えてる訳ないやん」

●「あぁもうすっげえむかつく！お前とはもう口聞かへんからな！」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「…………」

○「…………」

●「諦めんな言うてるやろ！えっ俺悪いことしちゃった…なオーラを少しくらい出せ！」

○「もう頼むから声張らずに静かに話してくれよ…俺頭痛いねん…」

●「じゃあどうやったら頭痛治るか教えたろっか？」

○「お前が黙れば治る」

●「あっはい…じゃあ静かになら話てもいい？」

○「あかん」

●「あんさぁ」

○「結局話すんかい…聞いた意味ないやんけ…」

●「あんさぁ、お前頭痛いってうそやろ」

○「うん、そうやけど？」

●「まぁいいや、何か俺この仕打ちに慣れてきたわ。むしろ快感に変わ」

○「のど渇いたな」

●「最後まで言わせろや！」

○「じゃあ言うたらええやん」

●「むしろかい」

○「空が綺麗やな…」

●「さっきより言えてへん！しかもここから空見えへんし！」

○「ごめんやってば、ほらっ。もう邪魔せえへんから」

●「もうええわ…今更言うん恥ずかしいし…何か話題変えようや。
あっそうや、ずっと気になってたことあるねんけど聞いていい？」

○「どうせ嫌言うても聞くんやろ」

●「うん、そんでな、気になることっていうのは、嘘は泥棒の始まりって言うやろ？じゃあ泥棒が嘘ついたら何が始まるん？」

○「とりあえずもう泥棒やねんから嘘はつき放題やな」

●「お前すげえな！そんなに頭よかったっけ！」

○「そうか？」

●「ごめん、やっぱそんなことないわ。そんなん聞きたいんちゃうねん」

○「別になんでもええけど…
まぁお前みたいな泥棒が嘘ついたってなんも始まらんのやろうけどな」

●「何言うてるねん俺泥棒ちゃうし」

○「じゃあなんでこの家の主がコツコツ貯めたお金を今握ってんねん」

●「それはこの家の主がコツコツ貯めたお金をいただく為に決まってるやろ」

○「ほら泥棒やん」

●「違うし、だって俺今まで一回も嘘ついたことないねんもん、だから俺の泥棒はまだ始まってへんねん」

○「お前今日で何回嘘ついた思ってんねん…じゃこの前返すって言うとった漫画早く返せ！」

●「何言うてるねん！今それどころちゃうやろ！泥棒に入ってんのになにのんきに話してんねん！ええから早く手を動かせや！」




○「………………やっぱ俺お前のこと大嫌いやわ……」