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阿部夏丸コミュの三河名作紀行

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阿部夏丸さんの記事がありましたので
1月7日の中日新聞の地方版から引用し転載します。


三河名作紀行・その舞台を歩く? 「泣けない魚たち」

豊田市の南端、矢作川を越え岡崎市と結ぶ天神橋が舞台となった。子どもたちが川面を見下ろした鋼の橋は、今はない。
1978(昭和53年)に架け替えられた橋は、堅固なコンクリートの護岸と一体化。広い河川敷には草木がうっそうと生い茂り、川辺まで容易にたどりつけない。

作者の阿部夏丸さんは「僕が子どものころは一面が白い砂地だった。川まで一気に駆け下りたんだけど・・・」とつぶやく。
今、護岸工事の横を通り抜け、草をかきわける。川に近づくとやっと、底に砂が見えた。水は思った以上に澄んでいた。
阿部さんは、川で遊んだ実体験を字にした。が執筆当時、矢作川自体に、そんなに魅力があるとは思っていなかった。ただ地元の川と思っていた。
以来十五年、日本各地の川を見た。「四万十川は美しい。けど大きすぎて、子どもには遊びにくいね」。手の届くところに魚がいる矢作川は、なんて面白い川なんだと気付いたという。
作品の舞台となった昭和四十年代に比べ、川底は6メートルも下がり、なだらかな土手もなくなった。当然、魚の種類も減っている。環境は変わった。
それでも、川で遊ぶ子どもたちの心は「昔と同じ」という。
「空き缶を見つければ、ザリガニの巣だって騒ぐんだよ。」子どもたちにだけに許される発想の豊かさは、阿部さんの中では健在だ。
ここ十年、矢作川を守ろうとする人たちが頑張っている。川をきれいにしようと地域の盛り上がりもある。それでも気がかりは「水質がよくなっているけど、水量がどんどん減っていること」。水量が少ないと魚の産卵に影響が出るという。
人の善意は、川をある程度、昔の姿に戻すことができる。けれど地域で絶滅した「生き物は二度と生き返らない」。
阿部さんが今一番したいことは、今いる魚たちと、川遊びを次の世代にきちんと伝えることだ。「ネクタイ姿で橋の上から環境を語っても、何も見えてこないよ」。川を見つめるやさしい瞳の奥は笑っていなかった。

引用以上。


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