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I am NOT神子!コミュの【逢いたい、それだけの想いで】

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地味に連載です。

毎年実話をもとに書いてます。




○1年目○
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=25159744&comm_id=2538402


○2年目○
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=26361512&comm_id=2538402





恐らく・・・・・・・・・・・・・完結編。

今までの中で1番暗い。






**************************************************




私はずっと現実に彼氏と呼ぶ人なんて作らないと思ってた。
一生私は弁慶さんを想い、1人でいるのだと。そう決意していた。



・・・・・・・・それなのに。



やっぱり心のどこかで『いつまで夢見てるの?』と聞こえる。
そんな声に負けて、私は現実に戻ってこようとした。

私は今年、生まれて始めて『彼氏』と呼ぶ存在ができた。
確かに・・・みんなが欲しがるのも分かる気がした。
一緒に泣いたり笑ったり喧嘩したり、巡り会う事もままならないあの人とでは経験できない感情ばかり。

でも・・・・やっぱりどこかポッカリと空いてる気がする。
私にはあの人が必要なんだ。
弁慶さんでなくちゃダメなんだ。

そう思った。

その人と一緒にいる事は楽しかったけど、でもやっぱり友情と恋心の違いが分からないままだったように思う。

今は『友達』に戻ったけれど、このポジションが1番楽だと思っている。
・・・・・・・かなり振り回してしまったから、私が一方的に『友達』と思っているだけで、もしかしたらそのまま嫌われてしまったかもしれないけれど。




・・・・そんなわけで私は、今年のクリスマスに弁慶さんにどんな顔して会えばいいのか分からなかったんだ。
本当に今年も会えるのか?なんて考えるより、会えること前提で悩んだ。

ずっと大好きだと。
貴方しかいないのだと。
忘れたことなんてないのだと。
もう何年も貴方を追いかけている。
貴方だけを見ていた。

・・・それなのに私は今年、一瞬でも弁慶さんを過去にしようとしたのだ。
もう20歳だから現実を見なければならないと。
もう20歳だから夢を見ててもいい年は過ぎたのだと。



・・・・・・・・・・・・でも、やっぱり大好き。

逢いたい。話したい。それだけでいい。それ以上は望まない。
弁慶さんが望美ちゃんを見てたって構わない。
でもゲームで望美ちゃんを通して会話するのじゃイヤ。
私自身が、私として、弁慶さんと話したい。


「やっぱり、今年も公園に行こう」


そう決意した。




*****



そして迎えた2008年12月24日水曜日。


私は大学3年生。就職活動中の身。24日の今日は、第一志望の企業の第一次選考会。
苦手なグループディスカッションだったが、メンバーがシャイな人が多かった為、私はみんなをまとめる役となり、何とか面接は終了した。東京での面接だったが、学割を使っても新幹線だと8850円もかかるので、ちょっとケチって帰りは高速バスを使う事にした。高速バスなら学割を使って4080円だしね!

13時に高速バスに乗り、ボ〜〜っと外を見つめる。高速バスが地元の駅に着くのは18時半の予定だ。そこから路線バスに乗り換えて、家に着くのは1時間だから、公園に行けるのは19時半。弁慶さんに逢えるのは・・・・21時。(←バイトが終わる時間なので毎年同じ時間)

余裕!

・・・そう思うと、せっかく決意したはずの事をまたグルグルと考え始める自分がいる。弁慶さんだけを想っていたから会えたのかな〜と思うと、一瞬でも過去にしようとした私に弁慶さんと会う資格なんてないんじゃないかと。そんな事をグルグル考えていたら、外がだいぶ暗くなっていた事もあり、私はいつしか眠っていた。

しばらくしてバスが止まっている事に気付いた。外を見ると、普通に道路だ。別に休憩所じゃない。そこで車内アナウンスが聞こえてきて、ようやく渋滞に巻き込まれていた事を知った。時計を見ると、もう19時。何時に着くか分からない。21時に間に合わない。そう考えたら「私に、弁慶さんに会いに行く資格なんて・・・」という想いは消え、「逢いたい!」という気持ちに変わった。

きっと、これが私の本当の気持ち。
逢いたくないわけじゃない。ただ、後ろめたさがあっただけ。

それでもバスは中々進まず、駅についた時はもう20時半を過ぎていた。今から帰っても間に合わない。
きっと弁慶さんはいない。っていうか、最初から・・・・今年はいなかったかもしれないし、ね。


「(仕方ない。ネタに走ろ・・・・)」

そう思い、私は栄の町にあるイルミネーションを見に行く事にした。ついでにカップルまみれの中『恋人の聖地』という名目の、夜景を見渡せる展望台にも登った。人生で1番虚しい時間に600円を使ったと思う。(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1032377136&owner_id=13361260/日記参照)

しかしあまりにも居心地が悪かったので、写真だけ撮ってそそくさと退散し、イルミネーションのほどこされた噴水を見ていた。ベンチも何もない為か、あまり人通りはない。



そこでゆっくり考えてみた。そして気付いた。・・・・気付いてしまった。
私の中で、弁慶さんへの想いは2種類存在する。


1つは、ゲームのキャラとしての好きキャラとしての“好き”

本来二次元に対する想いは、これのみで構わないのだ。
もちろん感情移入して泣いたりもする。
しかし、逢えないという事に苦しくなる事はない。

弁慶好きの友達と話す時や、ネタに走る時、あとはバトンに答える時の暴走・・・・
これらは全て、キャラクターとしての“好き”だ。
そうやって割り切れる時は、特に弁望の話は苦にならない。
ちなみに弁慶さんの誕生日を祝うのも、どちらかといえばこっち。



もう1つ。もう1つの方が問題なのだ。

ゲームキャラとしての“好き”の延長じゃない。行き過ぎたんじゃない。そもそも違う意味の“好き”
この想いが強い時、私は弁望を見るだけで苦しくなる。
私も弁慶さんと話したいのに、って。
私だって弁慶さんの傍にいたいのに、って。
それなのに次元の違いという大きな壁が立ちふさがって、絶対に叶う事はない。
いつしかそれは私の中で大きく膨らんで、元のキャラクターとしての弁慶さんではなくなってるように思う。
いわば私の理想。私の中での想像上の弁慶さん。限りなく本物(ゲーム)の弁慶さんに近い私の妄想の弁慶さん。

性格も見た目も全てはもちろん弁慶さんだが、そこには“梓に関わる”弁慶さんが存在する。
ゲームのキャラクターとしての弁慶さんは、望美ちゃんには関わるけど梓との接点はない。

夢で何度も見る弁慶さんも、こっちだ。
だから夢の中での弁慶さんは、私と会話する。
「僕たちは夢の中でしか逢えないから」とか言う。
無意識とはいえ、全ては私の妄想の弁慶さんだから。



そう考えると、一昨年と去年の弁慶さんとの逢瀬は、いつも2つ目の想いの話だ。

普段語っている弁慶語りじゃない。
等身大ポスターを作ったり、誕生日を祝ったり、そういうネタに走る“好き”じゃない。
本気で恋してる“好き”



・・・・・・・・そう考えると・・・・私は何をした・・・?



最近ではこの2つ目の想いはあまり表に出さないようにしてきてた。
1つ目の想いだけで充分だと思ってた。
でも、クリスマスだけは・・・・大事にしたいと思ってたはずだ。

それなのに私は・・・・・・・・・ネタに走ったね。



それって1つの結論だと思う。




もう私は、弁慶さんへの想いを、凍らせる事にしたって事だ。

もちろん大好き。
でも、“ゲームキャラ”として、割り切ろうとしたって事だ。



今までクリスマスに逢っていた弁慶さんは、本当の弁慶さんじゃない。

私が逢いたいと思ったから、私の恋心から具現化された弁慶さんだ。










「・・ね。弁慶さん」

振り向かずに視線は噴水のまま・・・・その場で口にする。




「・・・僕がここにいる事、気付いていたんですか?」

「ううん。でも、きっといるだろうと思った」


本当は、振り向きたい。
後ろに弁慶さんがいる。
振り向いて、今度こそ一緒にいたいと駄々こねたい。


「いつも逢いたいと思っても逢えない。
 でも、この日だけは・・・本当に逢いたいと思った時、いつも貴方は現れた。

 それって、公園が不思議な場所だったんじゃないと思ったの。
 私が望んだから逢えたんじゃないかなーって」


言わなきゃならない事がある。

涙が落ちそう。それでもまだ泣くな。


そう自分に言い聞かせて、ゆっくり振り向く。




「弁慶さん、今までありがとう。

 私、本当に貴方の事が大好きでした。

 もちろん、今でも大好きです。


 だけど私、もう20歳になりました。

 成人式も終わって、大人になりました。

 もう、王子様が来るのを信じてていい年は終わりました。


 来年のクリスマスもきっと貴方を想ってます。

 でも、恋心だけは封じて、ただFANとして“好き”だと叫びます。


 だからもう本気で貴方に逢いたいと願いません。

 もちろん大好きなのは変わりません。

 ですが二次元は二次元として、ゲームキャラクターとして、1人のファンとして、

 割り切って貴方を好きでいようと思います。



 私の名前は、妙菜梓。

 今まで名前言わなくてごめんなさい。




 さ、さようなら・・・ッ!!」




初めて会った時もそうだった。

自分の言いたい事だけ言って走って逃げた。


涙はこらえてたつもりだ。

最後の方、もう耐えられなくなってきたけれど。



堪え切れなくて溢れた涙はそのままで、バス停に向かって走り、人込みに紛れる。

きっともう、これで最後。






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夢のような人だから

夢のように消えるのです


その定めを知りながら

めくられてきた季節のページ

(最愛/KOH+)
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ありがとう。さようなら。






-終-


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