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魔術薬学コミュのケシを魔術的に考える

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ケシ見学オフ会に先立ちまして、少々ケシおよびアヘンアルカロイドについて考察してみようと思います。

ケシの花は非常に鮮やかで、衛星写真からでも判断できるほど見事なものです。(このようにして違法栽培を取り締まっているようです)
しかしながら魔術を行う者にとって、植物としてのケシをイメージ化して用いるということはまず無いでしょう。
すなわち、魔術に用いるのは「モルヒネの薬理作用」がメインであると言えましょう。

コメント(3)

『アヘン』とは、「Papaver somniferum等の未熟果皮の乳汁を乾燥したもの」である。
そのため、『アヘン』には様々な「アヘンアルカロイド」が混在していることになるので、効能を聞かれた場合にはその主な化学物質の効能を答えるのが正解だろう。
(しかしモルヒネの作用が1番強力なため、『アヘン末』として販売されている物の効能・効果はモルヒネの効果と同じである)

アヘンアルカロイドは化学構造の違いから、モルヒナン骨格を持つ『モルヒネ型』と、イソキノリン骨格を持つ『パパベリン型』に大別される。
効果は側鎖構造によって微妙に差異が生じるが、この2つの枠から大きくベクトルが外れることは無い。(マイナスの効果になることはあります。麻薬拮抗薬がそれに相当します)
『モルヒネ型』に分類されるのは、モルヒネの他にコデイン、ジヒドロコデイン、ヘロイン(ジアセチルモルヒネ)あたりが有名である。

薬理作用は中枢抑制(一部は興奮作用あり)と平滑筋収縮作用である。
痛覚抑制は脊髄において行われるため速やかに発現する。
中枢抑制は大脳皮質→延髄→脊髄と進行するため、延髄の段階で呼吸抑制が起こってしまうので麻酔薬として使えない。
大脳皮質の抑制によって睡眠や酩酊と同様のことが起こるため、魔術では「眠りの深度を調節して、夢で自己の内面を探る」ために用いられるのであろう。
しかし延髄にまで影響が出ると、呼吸抑制のほか、嘔吐中枢を刺激するために非常に苦しい思いをすることになるので、クロウリーの著作を読むだけにとどめておくのが賢い選択だろう。

また、平滑筋収縮作用は主に消化管に発現し、括約筋が締まり、蠕動運動が停止するために便秘になる。
別の作用機序だが、ヒスタミン遊離作用によって間接的に気管支平滑筋を収縮させ、なおかつ気道粘液分泌を亢進させるため、喘息患者にコデインなど継続投与するのはあまり好ましくない。

総合して魔術的に見ると、呼吸をひそめて夢に埋没し、自己を探索するために使用する薬と言えよう。
朝松氏の『高等魔術実践マニュアル』の資料からみると、ケシおよびアヘンはビナーのセフィラに分類されている。ここに照応するイメージとして土星、黒、鉛などがあることから、「死」と関連付けて見るのが『モルヒネ型』アヘンアルカロイドに関する解釈として丁度よいだろう。
『パパベリン型』ではパパベリンの他にノスカピンがよく使われる。
パパベリンは『モルヒネ型』のように中枢作用は無く、平滑筋弛緩作用を持つ。平滑筋に関して、『モルヒネ型』とは全く逆の効果を持つと言っていい。
胃痙攣や尿路結石・胆石による内臓痙攣による痛みを緩和し、喘息では気管支平滑筋を弛緩させて呼吸を楽にする。また、血管平滑筋に作用して、狭心症や血栓などに使ったりもする。
降圧薬や虚血性心疾患で使われるカルシウム拮抗薬にも『パパベリン型』の物が存在する。低血圧には注意である。

ノスカピンは鎮咳薬として、よく市販の風邪薬などに入っているメジャーな物だ。

さて、『アヘン』として『モルヒネ型』と『パパベリン型』の混合で用いるということは、平滑筋の有害作用を緩和するという意味で有効なことではあります。
でも、含有率から『モルヒネ型』の方が優位なんで、気休め程度でしょうね。

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