「うちの子」くらぶコミュの保護猫元太(げんた)の話③

玄関に向かって吠えているポッキーの声で
ゲージが開いていることに気がつきました。

(元太がガラス戸の向こう側にいる)と、直感しました。と、同時にこの子をさすらい猫にするわけにいかないと思いました。

(ガラス戸を閉めて、半畳ほどの玄関なら追い詰められる)なんて、簡単に考えていました。

とんでもなかったです。相手も必死です。ガラス戸のすき間から勢いよく部屋に逃げ込もうとしました。かろうじて、しっぽをつかまえて
首のうしろをつかみ、格闘の結果、ゲージに戻すことができました。

左手が震えてだらだらと血が流れていました。
噛まれていました。
太もも、内股、右手には、引っ掻き傷をおっていました。

鍵をかけ忘れたことを大反省しました。元太に罪はありません。鍵が開いていたから出てきただけなんです。

朝一番で近所の整形外科に行きました。
左手は二倍ほどに膨らんでズキンズキンと脈うっていました。猫の口の中の雑菌による感染でした。しばらく抗生物質と怪我の処置に通い四ヶ月程で治りました。ただ、親指は右手ほど曲がりませんが日常に支障はありません。

捕まえたことをうらんでいるかのように、あいかわらず食事やトイレの世話をしてるとシャーシャーと威嚇してきます。

保護してから半年ほどたったころ、少し落ち着いてきたようになりました。ゲージ越しにオモチャで遊んでくれるようになりました。

後ろ向きの腰のところを人差し指で触れるようになりました。

ーつづくー