宋哲元コミュの閻錫山

画像左：閻錫山
画像中：張学良、宋美齢、蒋介石、閻錫山
画像右：「対伯工作」　閻錫山(左)、岩松第１軍司令官(右)

山西軍閥

1883年10月08日
山西省五台県河邊村生まれ。字は伯川、号は龍池。
1902年
太原の山西武備学堂に入学。
1904年(明治37年)　
日本に留学。東京振武学校を経て陸軍士官学校に入学（11期）
1905年(明治38年)10月
孫文の中国革命同盟会に参加し、蒋介石と知り合っている。
1909年
弘前歩兵第31連隊勤務を経た後、帰国。
山西陸軍第二標の教官、標統に着任
1911年(明治44年)10月10日【辛亥革命】
1911年10月28日
太原で挙兵
1912年(大正元年)
袁世凱の命により山西都督に就任（北洋軍閥・山西派（晋系））
1927年(昭和元年)
国民革命軍北方総軍司令に就任、北伐に協力。
1930年05月11日【中原大戦】
1930年10月13日
張学良の和平通電に応じる
1930年10月15日
下野宣言
1930年11月04日（中原大戦終結）
1930年12月
大連に逃れる
1931年08月05日
飛行機で密かに「大同」に帰る
1931年09月18日【満洲事変】
1931年12月
国民党第四次全国代表大会で中央執行委員に復帰
1931年12月18日（太原で学生デモ）
1932年02月20日
「太原綏靖公署」に任命される
1936年9月【綏遠事件】
関東軍の支援を受けた内蒙軍を撃退
1936年12月12日【西安事件】
1937年07月07日　廬溝橋事件
1937年08月05日　
南京に赴き国防会議に参加。第二戦区司令長官を拝命
1937年08月09日　「察哈爾作戦」開始
1937年08月13日　第二次上海事変
1937年09月09日　【陽高事件】
1937年09月13日　関東軍、「大同」占領
1937年09月22日　第二次国共合作　
紅軍は国民革命軍第八路軍に改編されて第二戦区に編入
1937年10月14日　関東軍、「綏遠」占領
1937年10月17日　関東軍、「包頭」占領
1937年11月04日
「太原」から「臨汾」に避難
1937年11月08日　「太原」陥落
1938年02月16日　
「民族革命同志会」を結成、会長に就任
1939年09月25日　日本軍、晋察冀辺区に対する秋季掃討を開始
1939年12月03日　【晋西事件】
1941年09月
日本軍の対伯工作を利用して停戦。（対伯の「伯」は閻錫山の字に由来）
1945年08月09日　ソ連、対日参戦
1945年08月10日　ソ連軍、興安を爆撃
1945年08月12日　満洲國政府と関東軍司令部、「通化」に移転
1945年08月12日　麻山事件
1945年08月14日　葛根廟事件
1945年08月17日　ソ連軍、張家口を爆撃
1945年08月18日　国民政府軍、「北平」進駐
1945年08月18日　満洲國皇帝溥儀、退位を宣言
1945年08月19日　ソ連軍、チチハル・ハルビンを占領
1945年08月19日　国民政府軍、「開封」「太原」に進駐
1945年08月20日　満洲國解体
1945年08月22日　ソ連軍、「旅順」「大連」を占領
1945年08月23日　関東軍第124師団、満洲・敦化でソ連軍と停戦
1945年08月25日　関東軍第107師団、内モンゴル音徳爾西方でソ連軍を撃退
1945年08月29日　関東軍第107師団、ソ連軍と停戦
1945年09月05日　ソ連軍、関東軍司令部を武装解除

1946年07月12日　国共内戦、全面戦争化
1948年09月12日　東北人民解放軍、遼瀋戦役を発動（11月2日まで）
1948年09月14日　人民解放軍華北軍区、察綏戦役を発動（10月31日まで）
1948年09月16日　華東野戦軍、済南戦役を発動
1948年09月24日　華東野戦軍、「済南」占領
1948年10月05日　華北野戦軍第8縦隊（王新亭）、第13縦隊（韋傑）、
　　　　　　　　　　　　城南の閻錫山軍に進攻を開始
1948年10月10日　解放軍、太原飛行場と北営駅を占領
1948年10月15日　解放軍、石嘴子陣地、風閣梁などを制圧
1948年10月15日　東北人民解放軍、「錦州」占領
1948年10月18日　華北野戦軍、「太原」への攻撃開始
1948年10月19日　東北人民解放軍、「長春」占領
1948年10月21日　閻錫山軍、牛駱寨を奪回
1948年11月29日　東北野戦軍と華北野戦軍、平津戦役を発動
1949年01月21日　傅作義と共産党の和平協議が成立（平津戦役終結）
1949年03月　　　　人民解放軍、「太原」包囲
1949年04月20日　北平での和平交渉決裂
1949年04月23日　人民解放軍、「太原」を占領
飛行機で太原脱出、南京、広州を経て台湾に逃れる
1949年10月01日　中華人民共和国成立
1960年05月23日
台北で死去

オーラルヒストリー　インタビューリスト
http://www.ohproject.com/ivlist/index.html

【対伯工作】
陸軍中野学校出身の井崎喜代太氏の回顧録

日本軍の第一軍司令官若松義雄中将と、中国山西軍の閻錫山将軍が会談。
若松中将は山西軍にラッパで迎えられ、閻将軍とにこやかに握手、
和平協定が成立したかのように見えた。

当時、閻将軍は重慶の蒋介石国民党政府に協力していたが、旧知の若松中将の誘いに乗って、
日本軍の影響下にあった南京の汪兆銘政府と合作し、反蒋介石で連合することを約束していた。
歴史に「もしも」はないが、実現すれば日本軍・汪兆銘政権連合は中国の黄河以北（華北）を
取り込んで、戦況を一挙に有利に導き、蒋介石との和睦交渉の道を開いたかもしれない。

山西軍との和平条件は、資金援助である。村の入り口では、国民党政府の通貨「法幣」４０００万元の
札束を積んだ駄馬隊が待機。「会談成功」という合図を確認した駄馬隊の隊長が「ホウヘイ前へ」と
大きな声で号令。駄馬隊が一斉に動き出し、洞窟めざして前進する。
ところが洞窟警備の閻軍護衛隊長の報告を聞いた閻将軍は血相を変えて裏口から逃げ出した。
日本の陸軍士官学校を卒業した閻錫山やその配下の一部は日本語を理解できる。
そのせいで、「法幣（中国語の発音ではファピー）」を「砲兵（同パオピン）」と取り違え、
日本軍がだまし討ちしてきたとあわてたからである。
この「ホウヘイ前へ」事件で工作は失敗し、日本軍は中国大陸でいよいよ泥沼にはまった。

蟻の兵隊　日本兵2600人　山西省残留の真相　池谷薫著　新潮社

第一軍司令官岩松義雄中将