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高齢者情報資料室コミュのクルマ高齢社会:第4部・優しい道路環境へ/1 表示見落とし逆走

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クルマ高齢社会:第4部・優しい道路環境へ/1 表示見落とし逆走

◇薄暗い高架下、路面に「左折禁止」−−バイクの72歳、道迷って焦り
前から来る車が、巨大な怪物に見えた−−。北九州市八幡西区に住む無職の男性(72)は2年前、バイクで帰宅途中、一方通行の国道に誤って進入し、逆走した時の恐怖を、こう表現する。
事故には至らなかったが、そのヒヤッとした体験を毎日新聞に寄せてくれた男性と、現場を訪れた。

06年2月。寒い晴れた日の午後だった。防寒具を着込んだ男性は、愛用の原付きバイクで自宅から約12キロ離れた孫の中学校を訪ね、午後2時ごろ帰路についた。
「いつもと同じ道を通るのは、つまらないな」。ほんの少しの冒険のつもりで普段とは別の道をたどるうち、道に迷ってしまった。
迷うこと約30分。目の前の信号が青になり、左右を見て車の影がないのを確認して左折した。片側2車線で幅7・5メートルの国道を30メートルほど走行すると、前方から突然、車列が姿を現した。頭が真っ白になり、とっさに道路の左脇に寄り、フェンスに密着。鳴り響く対向車のクラクション。数十台の車が通り過ぎるのを待ち、初めて自分が逆走していることに気づいた。

Uターンして、何とか無事に家にたどり着いたが、その時の恐怖は鮮明に記憶している。「楽しいドライブのつもりだった。仕事を辞めた今は、気持ちが緩んでいるのか……。信号しか見ていませんでした」

   *

男性のバイク運転歴は40年以上。20代のころからクリーニング店を経営し、仕事で使っていた。今は店を閉めたが、主に趣味のグラウンドゴルフに行く時にバイクに乗る。
バイクは自分の「足」であり、免許返納は考えていないという。

男性と現場付近を歩いたのは、北九州が雪に見舞われた2月中旬。北九州都市高速4号線が頭上を通り、その両脇を国道200号の上下線がそれぞれ走る。高架下には国道と交わる市道があり、男性はこの市道から国道に入って逆走した。

「こんなに近場だったとは……」。男性はため息をついた。出発点の中学校と逆走した場所は、交差点一つ分しか離れておらず、しかも自宅とは逆方向。帰り道を探すのに必死になり、「ここを左折すれば自宅に帰れる」と思い込んでしまったようだ。交差点手前の路面には、「直進」と「右折」を指示する白い矢印があるが、高架下のため薄暗く、見落としたという。

逆走した国道200号は、北九州市の都市部と福岡県南部を縦断する幹線道路。市内には工業地帯が広がっているため、産業道路としても使われ、大型車の姿も目立つ。男性が逆走に気付いて停止した地点に立った。すぐ横を通り過ぎる大型トラックにクラクションを鳴らされ、震え上がる。風圧で巻き上げられる水しぶき。「逆走したのがバイクではなく車だったら」と考えると、記者も背筋が寒くなった。

   *

福岡県警八幡西署によると、過去2年間この場所での物損・人身事故は起きていないという。田原信孝副署長は「さらに分かりやすくするため、新たに一方通行を示す標識の設置を検討している」と話す。道路管理者である国土交通省北九州国道事務所の柳田誠二副所長も「誤進入しやすい場所という認識はなかった。県警と連携しながら、案内の看板を詳しくするなど何らかの改善をしていきたい」と話す。【小山内恵美子】

   *

運転に必要な能力は加齢とともに衰えていく。しかし、道路の標識や構造を変えることで、事故を減らすことはできる。「クルマ高齢社会」第4部では、免許保有者のさらなる高齢化に備えるための、安全な道路環境づくりについて考えたい。

◇加齢で機能低下、視野狭まり判断遅れ
加齢とともに、視力や認知判断機能が衰えるため、高齢者は事故の危険性が高くなる。

高齢ドライバー問題に詳しい溝端光雄・東京都老人総合研究所研究副部長によると、高齢者の視野は、左右30度の範囲までは若者と変わらないが、左右60度以上になると見えなくなる人が出てくる。
黒の背景に赤っぽい字が表示される道路案内などの電光掲示板も、高齢者にとっては見にくい。夜間になるとほとんど見えない人もいる。
いずれも目のレンズである水晶体が濁り、明るさを感じる視細胞が減るのが主な要因だ。

動体視力も低下するため、標識の判読が遅くなり、標識を見落としたり、車線変更が遅れがちになる。溝端副部長の研究では、時速60キロで走行した場合、道路案内標識を判読できる距離は、20、30代が120メートル程度なのに対し、60代は100メートル、70、80代は70メートル。

認知判断機能も衰えてくる。交差点では、対向車のスピードにかかわらず、対向車との距離だけで判断して右折する傾向があり、事故に至りやすい。

溝端副部長は「高齢者の特性に対応した道路環境の整備が必要。標識のコントラストをはっきりさせたり、右折矢印付きの信号交差点を増やすなどの対策を進めるべきだ」と指摘する。【板垣博之】

毎日新聞 
2008/3/11
毎日jp ライフスタイル  健康
http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20080311ddm013100095000c.html

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