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ウキクサコミュのウキクサの本 #004 旅の心得

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自分を取り巻くヒトやモノゴトから
ひととき絶縁して

名も知らぬ町や国へ逃亡する

知らない場所へ期間限定のタイムトリップ



そういう旅の仕方、憧れるけれど、
わたしはただの一度もしたことはありません。

わたしが旅する理由は、
いつも逢いたい人に逢うためであるばかり。

逃げたい場所は、いつも
ここにはいないあの人の元でした。


だからこそ、衝動のままに荒野を行くような物語には
時に少しの飢えと乾きをもって、誘われてしまうけど、

だからこそ、同じように恋しい場所や人を目指す物語には
いつも少しの期待と不安を手に、
夢中になってしてしまうのでしょう。




『わたしのマトカ』 著)片桐はいり


真っ赤なタクシーで、雨の田舎道を走る。
イスケルマを聴きながら。

垂れこめた空には、フィンランド語の演歌がよく似合った。
きっと、そういう土壌から生まれた歌なのだろう。
最も輝く季節しかしらないわたしには、
太陽の昇らない冬のことなど想像もできない。
フィンランドの冬でつらいのは、
厳しい寒さよりむしろ、その暗さなのだそうだ。

わたしはまたひとつ、
フィンランドの魂にふれた気がして、
今度こそこう確信した。

やっぱり雨も悪くない。


(『わたしのマトカ』幻冬舎刊 「ファーム・ステイ? 雨女と音楽より抜粋)




『グアテマラの弟』 著)片桐はいり

もしコロンブスがこの大陸からたばこの葉をヨーロッパに持ち帰り、
各国に喫煙の習慣が広まらなかったら、
現在わたしの右手には、この心憎いナンパの小道具は
存在しなかったのかもしれない。

神様の恩恵にあずかって、わたしは今とても幸せに酒に酔い、
たばこを片手に世界の人たちと話を弾ませている。

ありがたい。ほんとうにありがたい話だ。


(『グアテマラの弟』幻冬舎刊 「たばこと神様」より抜粋)




たぶん、四角い顔したはいりちゃんが、
その大きな図体通り、何に臆することもなく、
ぐいぐい国や人に溶け込んでしまうタイプだったら、

わたしはこの2作のエッセイを、
そんなに好きにはならなかったでしょう。

迷い、戸惑いながら、
でも興味に背中を押されて、
時にたばこという小道具で誘惑しながら、
少しずつその場所に惹かれていく、

そういうかんじが、
少し自分とも近しいかな、とおもいます。


はいりちゃんが日本の裏側に住む弟に会いに行くように、

わたしも日本の南端やおへその辺りに住む彼女たちに
性懲りもなく、幾度と無く、逢いに行く。


これからも、そうするはずです。




『わたしのマトカ』
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%88%E3%82%AB-%E7%89%87%E6%A1%90-%E3%81%AF%E3%81%84%E3%82%8A/dp/434401135X/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1229101641&sr=1-2


『グアテマラの弟』
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%86%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%81%AE%E5%BC%9F-%E7%89%87%E6%A1%90-%E3%81%AF%E3%81%84%E3%82%8A/dp/4344013409/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1229101707&sr=1-1

コメント(4)

今しがた、そして今更
『かもめ食堂』を観ました。

いい映画だね。

四角い顔した大きなはいりちゃんを見ながら
このトピックのことを思い出したよ。

私も、旅は逢いたいひとに逢いに行くので精一杯。
もう一度、商店すらないような海しかないような島で
厭になるくらいボケーッとしたいなと思う、今宵今日この頃。

この本たちは装丁がとてもいいですね。
ときどきわたしがジャケ買いする本はこんな本かもしれん。





コメントに気付かなくて。
遅くなりました。


あっきぃ
あの映画は色彩がやわらかですごい好き。
小道具もいちいち可愛いしね。
(器に詳しい友人によれば、メチャメチャ
高価な食器ばかりらしい。。。)
ああいう生活、すごい憧れる。
たぶん現実にはできないから。
でもいつかフィンランドには行ってみたいな。
ゆみちゃん
中国から?どうもありがとう。

本のジャケ買い、わたしもよくします。
その逆もしかりで、すごい好きな作家でも
デザインがよくないと買う気が失せたり。
本に対する所有欲が強いので、
ビジュアルはいつも大切な要素です。

この2冊はたしかにすごく可愛い装丁やんね。
まさに北欧のキッチンツールにありそうな。
2冊ならべておきたくなります。

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