とにかく怖い話。【厳選】コミュの都会の電車

【注意：
このトピックは「とにかく怖い話。」コミュニティからコピペしたものです(作者退会済み)】

上京して間もない頃やで、あれは、18か19歳の頃だと思います。

当時、八王子に住んでたあたしは、都会と名高い渋谷・新宿に初めて行くのに、ﾜｸﾜｸしながら電車に乗りました。

まずは、八王子から、中央線という電車に乗って新宿まで。

新宿に着いたら、あの、有名な、山手線とやらに乗り換え、渋谷へ。

田舎者のあたしにとって、乗り換え自体した事もなく、それはそれは全てが興奮な初体験でした。

八王子駅で友達二人と待ち合わせをし、ハシャギながら、電車に乗りました。

八王子駅が始発の電車だったので、車内は空席だらけ。

あたしと友達は、三人端から並んで座り、あたしは、端から三番目の位置に座っていました。

初めての都心に興奮してて、完全に舞い上がり、ｱﾄﾞﾚﾅﾘﾝ大放出σ(･ω･)

が、そんな、都心に興奮するような田舎者感を丸出しにするのが恥ずかしくて

「新宿？渋谷？別に普通じゃね？八王子と変わんなくね？」

みたいな感じで、ウキウキを隠し抑えながら、なんの気なしな態度をとっていました。

自分なりに。







しばらく電車が走り、都心に向かうにつれ、徐々に車内は混んできました。

当然、座る席は全くなくなり、つり革につかまり立つ人も、押して押されひしめき合うように。

が

一向にあたしの隣にだけは、誰も座らないんです。

こんだけ混んでたら、さすがに誰かは座るだろう。

しかし、いつまでもいつまでも、あたしの隣だけ、人１人分、席が空いている。





嫌がらせ？(´･ω･｀)

それとも、美人のあたしの隣には恥ずかしくて座れないとか？(*ﾟωﾟ*)

いや、むしろ逆か？Σ(￣□￣;)

あ

もしかして、あたし、実はすげぇﾜｷｶﾞ！？Σ(ﾟДﾟ;ﾉ)ﾉ






色々と、頭をよぎりました。

でも、それよりあたしは、都心に向かう初体験にドキドキワクワク。

大して気にしてませんでした。

新宿駅に着くまで、あたしの隣には、誰も座りませんでした。

若い女の隣だからって、遠慮しなくていいのに(*´艸')

痛々しいあたしは、そんな事も思っていた気がします。

新宿に着いて、電車を降り、乗り換えのホームに向かう時に、友達が言いました。

Ａ「じくいの隣に座ってた奴、○○（専門学校の同じサークルの人）に超似てなかった？ｗｗｗ(*´艸｀)」

Ｂ「え？
気づかなかったよぉΣ(´Д｀ )」

Ａ「リーマンになった○○っ感じで超ウケた(´,_ゝ｀)ﾌﾟｯ」

ちょっと待て。

あたしの隣は空席だった。

始発駅から終着駅までずっと。

じくい「あたしの隣？(((;ﾟдﾟ)))」

Ａ「そそ。
あのリーマン(σ´∀｀)σ」

Ｂ「サラリーマンっぽいってのしか気づかなかった(*'з')」

Ａ「だってよ、空席結構あるのに、すげぇ勢いで入ってきて、真っ直ぐじくいの隣に座ったろ？
一瞬、痴漢か変な奴かなんかかと思って気になってよぉｗｗｗ
見たら○○似てるしｗｗｗ
俺、超ガン見ってたかもヽ(ﾟ∀ﾟ*)ノ ｱﾋｬ」

Ｂ「マジかよｗｗｗ
てか、早く言えよそーゆーの(ﾉ∀`)ｱｨﾀｰ」

そんな奴、いなかったってば。

サラリーマンどころか、あたしの隣には、ずーっと、誰も座ってない。

あたしが気づかない訳がない。

満員電車で、隣が空席だったんだ。

不思議だったんだ。

気になってたんだ。

座ったら気づく。

終着駅まで空席だったんだ、あたしの隣は。







はい。

そうです。

あたしの隣に座ってたサラリーマン。

あたしにだけ、見えてなかったんです。

みんなには見えていた。

あたしの隣には、サラリーマンが座って見えていた。

だから、ずっと空席だったんです。








たまに、満員電車で、ﾎﾟｯｶﾘと１人分、席が空いてるのを見かけます。

それを見ると

「もしかして、座ってる『モノ』が見えないのはあたしだけなのかな」

って思い、それ以来、その空席には怖くて座れなくなりました。

山手線、中央線、総武線、他、都心に広がる地下鉄。

たまーに、見かけます。

ﾎﾟｯｶﾘ空いた、１人分の空席。

通勤時間でめっさ混んでるのに、なぜか、誰も座らない１人分。

本当にみんな、見えてるのかな。

満員電車なのに、なぜか空席が１人分。

誰も座らない１人分。

たまに、いまだ、見掛けます。

誰も座れない空席。

どんな人が座ってるのか、あたしには見えませんが、みんなには普通に見えてるんですかね。

あたしにも、見えてる時があるのかな？

隣に座ってる人は、実は、生きてる人ではないとか。

もしかしたら、そんな体験、気づかないうちに日常でしてるかもしれないな、って思いました。