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バトル仮面舞踏会コミュの25.「キラークラブ」 ミステリアスパートナー

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 ヒビ割れが目立つ机の上にはランタンが置かれている。そのぼんやりとした光りは、卓上の中央に置かれた分厚い本と共に、苦悩に満ちた老爺の顔を照らし出していた。
 少し前までなら老人はただ彼らに脅え、彼らがこんな大陸の端の山奥にまで流れてくるという神の悪戯を嘆いているだけだった。
 だが彼の孫のアルフィーが彼らによって無残に殴り殺されたその日から、老人は連中に対して一切の恐れを感じなくなり、変わりにその空っぽの器には、はち切れんばかりの憎悪と憤怒が君臨し、四六時中老人の全身を流れる血を黒く染め上げ、連中に対する深い恨みを忘れさせようとはしなかった。
 アルはまだ5歳だった。
 うさぎの様に野山を駆け回り、春の日差しのようなキラキラした笑顔を浮かべ自分を見上げる孫。自分で見つけてきた様々な不思議について、両親や姉弟よりも真っ先に自分の下に足を運び、その不思議について尋ねてくる孫。「おじいちゃん、この鳥何ていう名前なの?」「それはカケスだな。まだ雛鳥のようだが」「おっきな木の下にいたよ」「もしかしたらその木の上にこいつの家があったのかもしれんな」「そうだったの!?探してみる!」
 ああ、アル……。
 おじいちゃん、キノコ採りに行こうよ!
 ああ、アル坊……。
 やべぇな。このガキ動かなくなったぞ。
 邪悪な声音が割り込み、それが孫との思い出まで粉々に打ち消したように思え、老人は憤怒し、灼熱のように熱くなった血に促されるまま両手の握り拳を机に叩き付けた。
 その時、開け放っていた窓の外から緩やかな風が舞い込み、それは老人の身体に優しく触れながら卓上に置いてあった本の皮製の表紙を開き、ページをパラパラと捲った。
「愛の蟹」皺の目立つ古めかしい羊皮紙のページにはそう記され、内容を説明する小さな文字に囲まれるようにして、破壊的なほど巨大なハサミを持った大きな蟹が描かれている。汝の血が黒く染まりし時に神は審判を下す。汝の破滅的な愛情を神が認めた時に汝は望むに相応しい強大な力を手に入れるであろう。命と引き換えに……。光魔事典273ページ愛の章第4目。
 アル……。ワシは……。

 彼らがようやく寝入ろうとした時に扉が叩かれ、1人の老いた男が尋ねて来た。
 彼らは天国のようなパーティーを終えてクタクタだったので、誰もがこの気の違った時間の訪問者を適当にあしらおうと思っていた。
 長身のアレックスが来客に向かってランプを突き出すと、老人の不気味な風貌が照らし出され、彼らはそれを見て一瞬だけ戦いた。
 老人の目は満月のように見開かれ、全身のいたるところを絶え間なく見えない針の類で突き回されているかのように、忙しなく身をよじらせていた。
 こいつは酔ってる。と決め付けると、このならず者集団のリーダー格に納まっているジョバンニはいち早く恐れの底から這い出した。そうなると老人の痙攣をするような姿もまるで下手なダンスを踊っているようにも見え、滑稽でありむしろ愉快にも感じた。
 アレックス達も笑った。強面のブレッドは、自慢の2つの鉈の刃を擦り合わせながら笑っている。これはブレッドの癖だった。彼の容貌と分厚い鉈を見れば並大抵の連中は怯えて逃げて行った。
 老人は目をギョロギョロさせると、まるで腹の奥底から上がってくる反吐をぶちまけるかのように突然身を揺らす。
「どけアレックス」
 ブレッドが進み出る。
「良い子はとっくに寝る時間だ。なあ、じいさんよ?」
 老人の身がまるで跳躍するかのように大きく揺らいだ。すると木の板が拉げる様な音が立て続けに響き渡り、それが終わると老人の両腕が地面に転がった。
 誰もが声を出せずにいると、腕の無い両肩から血の煙を噴き出しながら、老人がまた大きく身体をよろめかせる。
 血が大きな塊のようになって両方の傷口から飛び出た。
 すると、両肩の先から太い蛇の身体を思わせる影が、目にも止まらぬ速さで飛び出し、その2つは激しく身を捩じらせながら飛翔し、それぞれ同時に鋭利に尖った顎を開いて滑空し襲い掛かってくる。
 影が太い鞭のようにブレッドとアレックスの首を横から打ち付けた。
 2人は直立したままだが、首から上が無くそこからは血の噴水が上がっていた。
 尚もアレックスの手に握られているランタンが、宙を漂うように伸びている巨大な2本のハサミを照らし出していた。ハサミ部分の付け根から根元にかけては大きな瘤のようなものが長く連なり、それは間違い無く老人の肩に繋がっていた。
 アレックスの身体がよろめいて前に倒れ、ランプの砕ける繊細な音がし、周囲が真っ暗闇になる。
 ジョバンニは後退したが、首の後ろと前にゴツゴツした冷たいものが触れるのを感じ、身を震わせながら足を止め、前方の闇に向かっておずおずと口を開いた。
「ア、アンタに恨まれる覚えは無いぜ……」
「アァルゥ!」

コメント(22)

ありがちなお話ですね。


ホラーで叫びがおおいなぁ
投稿者:はる☆ - 11/18 06:21

確かに!あるー!ですね。
投稿者:ひねもすのたり- 11/18 18:44

老人の哀しみと凶行。
心の痛い話ですね。
復讐の為に悪魔に魂を売った爺さんの気持ちはいかばかりかと思うと、オチも笑えなかったので、はる☆さんのコメントがなければ気付きませんでした。
ある……!(-_-;)
投稿者:ちまみぃ - 11/18 19:17

うわぁぁぁΣ( ̄□ ̄;)
投稿者:鳥新-11/20 20:03

 悪役の説明が詳しいけど、その割には単なるやられ役なので、ジョバンニ以外はその他大勢の扱いにしたほうがすっきりすると感じた。
 爺さんは迫力あったです〜。
投稿者:巳年のサンソン - 11/21 00:12

 悪魔爺さん見参!
 恨みらはらさでおくべきか。これも孫パワーですね。バトカメって、意外にもグロテスクな作品が幾つかありますね。
 えーと。
 うーん。
「ないぜ!」にたいして「あるぅ」なのか。
 笑うところなのか。
 作者の書きっぷりを見ると、笑いどころを入れたかったようには見える。
 じゃあ、笑うか。
 あっはっは。

……。
 また単純に陰惨なだけかとも思ったんですが、グロっていうのんは薄めると「笑い」になるもので、その辺の感覚はあるのかなぁということで。
 いや、もっと明確にギャグだとありがたかったんですが。個人的には。
モンスターパニックとしては半端ですし、復讐あるいは愛する者を失った絶望を描くにも足りないような。
いずれかに絞った方が良かったのではないでしょうか。
前半の綿密な憎悪感情の描写で読者の気を引き締めさせ、「アァルゥ!」で弛緩させて笑わせるのを狙った……と解釈させていただきます。

全体的に少し、描写がくどく感じます。ピッタリ2000字ではなく、2000字以内だったので、もう少しスッキリさせられたのではないかと思いました。
上の批評をみて初めて、「ないぜ?」 → 「ある」 の流れになっているんだな、とわかりました。
わかったと同時にコーヒーフイタw

ですがもう少し小説としての面白みが欲しいかなぁ。
実はよく分かりませんでした。読解力不足です。
ラストの「アァルゥ!」は何のために誰がどうゆうつもりでおっしゃっているのでしょうか。
他の感想観て、なし→あるっていうこと書いてあったけど、だからなに? としか思えませんでした。
なんか後半でワラワラ人が出てきて、前半ラストで魔術っぽいものを示唆して、さらにカニ。バラバラすぎて、ここに出ていない設定とか人物説明とかを知らないとついていけそうにない作品なのか、それとも考えなしにできているのか、どういう作品なのかよく分かりませんでした。大作の一部でもパロディーでも何でもいいのですが、「提出した一作品」を、何の前提も無く楽しめるレベルでできていることが大前提で、バックなり背景なり裏設定なりを知ると「より」楽しめる構造にしていただきたいです。それはおまけであってメインではない。
これは背景があるのか分かりませんが、これ一作で「楽しめる」といわれると、少々困る。あくまで私見ですが。
投稿者:萩鵜-11/23 14:43

かなり粘っこい作品です。

「よう」が連発しているため、全体像がぼけてしまっていますし、文章が不快なほど重く粘っこくなります。
一文中に比喩表現は1つ以上使わない事。一つ使ったら最低でも2文は比喩表現使用は控えた方が賢明です。

 一つの文が長い事も粘っこさのポイントです。もっと「。」で文を切ってしまいましょう。
 あと、文中に同じ表現が多用されているのも問題です。どうも同じ文節を読まされている気分にさせられます。

「憤怒」を使ったなら次は「憤激」や「憤慨」「震怒」「悲憤」「切歯扼腕」まあいろいろあるので、試しに類義語辞典を使ってみてください。それだけで文の粘っこさは消えると思います。

 あと、『憤怒』と『憎悪』は意味が同じです。『墓前の前に立つ』や『はっきりと名言した』などと同じで、二重表現には意味がありません。
 現在では『山田悠』さんのように、あえてこれを使っている人もいますが、使わない方が心象は良いと思います。
投稿者: D・J・koby(man nan life) - 11/24 22:35

わからない……ギャグなのか?

「緩やかな風」で「皮製の表紙を開」いちゃってるし、「破壊的なほど巨大」というのも、なぁ……ギャグ、なのかなあ……うーん。中途半端すぎる。ただ拙いだけに思えてしょうがない。


だめだ。これ以上なにも出てきません。
正直よく分らないです。

いや、話の内容は理解できますよ。

でもなんて言うか、文章がクドイと言うか、描写がまどろっこしいというか、表現が意味不明と言うか…。それでいてなんか肝心なところが抜けているような。

それが何かと言われると、おそらくこの物語の背景なのかなあ?

大枠では読み解くことはできるんだけれど、細かいとこが実に大味。
孫が殺された理由とか、爺さんはどうやって光魔辞典を手に入れたのかとか、そもそも光魔辞典ってなんだとか、肝心なところが何一つ説明されていない。
そのため感情移入ができないまま話が展開して、挙句の果てに「アァルゥ」って終わるって事はこれはコメディーなの? だとしたらどこから? 最初から?

そうか、爺さんは蟹の着ぐるみを着ているのか。

投稿者: ゆきのしん - 11/30 23:33

 けっこう大味な文章で力強くゴリゴリ押してきて、さぁ、どうオチが来る?と待っていたら……ダジャレ!?ちょっと苦しいんじゃない……?(苦笑)
 どっちつかずな感じがなんか惜しい!

投稿者: シャケ弁 - 12/01 22:51


異形な感じがとっても素敵でした。

殺された孫を想う老人の叫びがたまたま駄洒落になっちゃったってのは上手いと思いました。
ファンタジーを少ない字数で描くのは大変だと思う。
この作品は更に、登場人物が多く、そのためにキャラの存在が薄い。
書けてるんだけどね。
惜しい。
投稿者:竜胆 - 12/05 10:34

そうか、駄洒落か。気付かなかったうえに笑えないとは。
アレックス、ジョバンニ、ブレッド。死ぬ為に登場した名前ある三役。
ちょいちょい、それっぽさを出す漢字。あまり格好よくはない。
書きたいもの、好きなものを書きました。それがよく分かります。
投稿者: ガミ - 12/07 18:48

狙いすぎたなー。狙いすぎた。そこをギャグとして落とすにしては前置きに力入れすぎた。個人的に笑えない領域まで調子が高まってきちゃった。そんな印象です。

表現に使用される言葉が心象に訴えかけて結ぶ像が非常に多彩。かわいらしい孫アルフィーを意味もなく無残に奪われた老人の、その狂気にも似た憎悪。これを醜悪に、かつ妖しく描写しきっている点は見事です。

構成は「悪魔に魂を売る型の仇討ちもの」の典型。話運び、登場人物造形ともに良し。ブラックジョーク然としたオチが難点でしょうか。普通の感性じゃこれに共感するのは難しいと思います。また、多彩な表現を使った描写が少々くどすぎるきらいもあります。強調したい部分に表現を詰め込むようにして、あまり重要でない部分はもっと簡素に表現して、強弱緩急をつけると読み手がお腹一杯になるのを防ぐ事ができそう。ちょっと飢えさせて「それで次は?早く次を!」という読ませ方を意識してみると良いかもしれません。
投稿者:やえこ - 12/12 02:04

ん?ん?
なんか最初にある彼らについての説明と何故アル君が殺されたかの説明がなくてちょっとわかりずらかったです。話の雰囲気は好きなんですが。
おじいちゃんの孫に対する愛情はよく伝わってきました。

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