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バトル仮面舞踏会コミュの27.「二騎」沈黙の妖精

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 薄く雲を纏う空。
 遙か下方に白銀の雪冠を頂く山々。その向こうに緑の大地と、蒼い海原。彼方に丸みを帯びた水平線。
 蒼天を、大翼を広げて駆け抜ける。赤い翼の巨体を追って飛翔する。
 奴を倒せば、全てが終わる。この戦争が終結する。
 蒼く輝く鎧を纏い、白竜の背に跨って空を駆ける。敵は赤竜。その背に跨るのは、紅の鎧に身を包む騎士。


 銀嶺を国境線に、東西に広がる二つの大国。
 多くの火山を頂く火の国、ラズ国。
 季節の大半が雪景色の中にある氷の国、リズ国。
 五十年前、相対する二つの竜組織に引きずられる形で勃発した辺境の小競り合いは、やがて大陸全土を巻き込む竜騎士戦争へと発展した。
 激戦、膠着、そして激戦、その繰り返し。長引く消耗戦の中、竜も人も次第にその数を減らした。
 そして半年前。或る平原での大戦を経て、残されたのはたった二騎。
 けれど戦争は、どちらかが滅び去るまで終わらない。


 鞍の右側に括り付けた幾つものジャベリン(投げ槍)、その一つを手にし、奴目掛けて投げ放つ。魔法の力で強化されたそれは、凄まじい勢いで弧を描きながら飛翔する。奴は空中で体をひねってそれをかわした。
 右足を蹴って手綱を引くと、大きく翼を羽ばたかせて右へロールし、速力を上げて奴へと肉薄する。赤竜の上から被せる様に、アイスブレス。しかし動きは読まれていた。難なくそれをかわされる。今度は紅の騎士の手からジャベリンが放たれる。背中の大剣を抜き放ち、それをはじき飛ばす。
 竜の背に立つ。紅の騎士も剣を手に立ち上がる。互いに相手を睨み据え、同時に竜の背を蹴って大きくジャンプ。

 ギンッ!

 空中で大剣が交差し、激しい火花を散らす。弾かれた反動で後ろへ飛び、体勢を立て直しながら竜の背に着地、再びジャンプ。右に大剣を構え、赤い騎士の胴目掛けて大きくなぎ払う。再び大剣が交差し、竜の背中へと落とされる。
 再度赤い騎士がジャンプした。俺はそれを白竜の背で待ち構え、大剣を薙いだ。奴は器用に身をひねってそれをかわし、白竜の背に降り立った。着地の瞬間を狙って再び大剣を振るう。奴は大剣でそれを受け、弾き、白刃を袈裟に繰り出してくる。受け、弾き、横に薙ぐ。弾かれ、切っ先が打ち込まれる。受け、振るい、打つ。弾かれ、再び打つ。更に打ち、薙ぎ、受け、打つ! 更に打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ! 打つ!
 彼の体が離れ、空中へ投げ出されて赤竜の背中に吸い込まれる。
 奴は右腕を大きくこちらへと突き出した。五指の先端から無数の光球が打ち出される。咄嗟に鞍に取り付けたジャベリンを手にすると、秒間数十発と打ち出される光球を、槍を振るって跳ね返す。手にした槍を、赤竜の背目掛けて投げ放つ。奴は大剣でそれを弾くと、赤竜の鞍に跨った。赤竜が大きく翼を羽ばたかせ、加速する。
 白竜の鞍に跨り、それを追う。背面飛行で白竜を寄せ、赤竜の背に向けて回転しながら白竜の尾を打ち込んだ。が、赤竜が横にロールし、尾は空しく宙を切る。赤竜が更に加速する。
 高速で飛翔する二体の竜。その速度は更に増す。風の壁が凄まじい圧力で襲いかかる。背中合わせに竜を寄せ、大剣を打ち合う。二合、三合、四合。互いに離れ、更に加速。
 そして更に加速、加速、加速、更に加速。


 ドオォォォォン!


 魔法で防護されている兜さえも貫き、凄まじい轟音が耳を打つと、世界から音が消えた。音速を越えたのだ。
 再び背中合わせになり、大剣を振るう。静寂の中で火花が乱舞し、奴の剣は中央から、俺の剣は根本から折れ飛んだ。
 互いに離れ、残った剣の残骸を投げ捨てて、前方に立ち籠める黒雲に同時に突っ込む。
 手綱を駆り、嵐の中を真上へ飛んで、雲の上を目指す。重力と雨雲の圧力で、速度が見る間に落ちていく。
 出し抜けに視界が開けた。頭上に、黄金色の満月。輝く雲海の遙か向こうに、奴の姿。
 進路を奴の方へと向け、鞍の左側からロングスピアを抜いて立ち上がる。竜の背に仁王立ちになり、ただ真っ直ぐに奴へ向けて加速する。
 奴も同じだ。赤竜の背に立ち、長槍を手にして俺を睨んでいる。その距離が瞬く間に狭まっていく。
 槍を構える。
 奴も構える。
 互いに互いを睨み据え、一撃必殺の構え。
 凄まじい勢いで奴の姿が目前に迫る。
 長槍の切っ先が見え、兜の奥に光る眼が見えた。
 奴は笑っていた。
 確かに、笑っていた。


 ああ、そうか。



 お前もそうなのだな。






 お前も、楽しくて仕方が無いのだな。












 俺もまた、笑っていた。












 だが、これで最後だ。






 終わりにしようぜ。



 互いの長槍の先端が触れ合い、
 力と力がぶつかり合い、









 俺達は、









 吠えた。



「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

コメント(26)

内容が無いよう……


やたらとカラフルなお話。
正直、無駄な描写が多い。

臨場感も無い。
ただお題をクリアするだけの作品でした
投稿者:はる☆- 11/18 06:26

最後の長い叫びは違和感。なくても伝わるかな?と思いました。お題に忠実に叫んだ!的な感じがしました。
投稿者:ひねもすのたり- 11/18 19:13

この文字数の制限を逆手に取って、最後のシーンに余白を巧く使ったところに作者の技量を感じます。小説をデザイン的に捉えるセンスは他にない才能だと思います。
この字数でファンタジーを書ききった事に称賛を贈りたいと思います。
起承転結が無い。
ストーリーに起伏が無いので、興味が薄くなってしまった。
投稿者: 久遠 - 11/19 23:20

ファンタジーアニメっつか、RPG的な世界観。好きな人は好きなのでしょう。
もう少し感じるものを期待したい。
 よくもこの壮大な世界観をこの字数で説明しきったな、という点。
 あと、竜騎兵同士の斗いをここでテーマに持ってくるかー! という驚き。
 単純に「斗いに血が滾る」んです。で。描写してェる。

 気に入りました。いいものです。

 
投稿者:鳥新-11/20 20:11

戦闘シーンの華やかさと激しさ!
 いいですね〜。
 動画を読んでいるような印象でした。
投稿者: 巳年のサンソン - 11/21 00:23

 ドラゴンファンタジーですね。きましたね、サーベルチャンバラ。この字数制限で、書き切っているのに素晴らしいと感じました。羨ましいなあーとか、云ってみたりして(笑
ファンタジー世界の一場面を切り出したような感。
単に戦闘シーンだけといえばそれまでですが、戦いを楽しんでしまう救い難い人種を、よく描けていると思います。
文字数も限られているんだからもう少し削るところを削ってもいいと思う。
描写も絵が頭に浮かんでこなかったです。
戦争って、そうじゃないだろうと。
戦争の説明にものすごい違和感を受けた。ファンタジーでも(ファンタジーだからこそ?)、戦争の意味がそれではまずかろう。何で「けれど戦争は、どちらかが滅び去るまで終わらない。」んだ。それは戦争ではなく殲滅だ。半年間ずーっとドンパチできないからこそ、日常戦争世界ってのは、直接の武力衝突が戦争なんではないっていうのが根底にある私には、この世界観とかは受け入れがたかったです。戦場の風景なら、世界観の前提とすべき表現が間違っていると思いました。
一騎打ちを描写したいならはっきりいえば世界観の部分なんて背景や説明は端折って、色以外の景色が浮かぶような迫力ある動きなり何なりを書き込んでほしかった。人を書きたいなら人を生き生きと。
ただわめき散らしているだけで緊迫感が行間の空白以外なく、そこらに蔓延っているゲームの世界のようなファンタジーを背景にのっぺり書き散らしたようにしか見えなかった。
今回、良く見掛ける「2000字」の制限に窮屈な思いをしてそうな作品のひとつ。作者さんの中には、この世界観での長編がすでにある程度出来上がっているのではないでしょうか。その一部分を切り取ってきて2000文字数に整えたという印象です。

背後に感じさせる世界観などは良質、しかしこの作品のみで判断した場合、詰め込み過ぎの感を拭えません。
投稿者:萩鵜-11/23 13:55

物語が非常に軽いです。音がない、臨場感がない、危機感がない。七人の侍を音なし2倍速で見ているような気分でした。

それで、文章中の体言止めが非常に多い。これが文章を軽くしている原因です。
『残されたのはたった二騎』
今までは5万も6万もいましたという記載が
ないと、「たった」という言葉が非常に滑稽に思えます。

自らの命を脅かす剣劇をしているのに、本人達は何も思っていない。槍が自らの脳を穿とうとしているのに、恐怖は感じませんか?
そこが臨場感がなくなる原因です。


あと、声を大にして言いたい。

生身で音速を超えると、空気によってバラバラに崩壊します。

例)ウルトラマンが飛翔すると空気抵抗によって切り裂かれ、頭が切れてなくなります。

等。宇宙の法則があって地球の物理法則が通報しないのだ! など記載があれば解りますが『魔法で守られた体』など把握できない以上、物語の嘘が見えて一気にしらけてしまいます。

既存のファンタジー作品も、現実世界の物理法則はある程度守ってます。それはリアリティが欠如して白けない為にです。

もう一度、どこが魔法で、どこまでが魔法じゃないのかを考え、世界を作り込んでみてください。
投稿者: D・J・koby(man nan life) - 11/24 23:26

ちょっとアレです、かっこいい漢字を使いすぎて読みづらくなってる。また行間に頼りすぎた感もあります。さらに、
打つ! 打つ! 打つ!
加速加速加速――ときて「ドオォォォォン!」で一行。擬音もいかがなものか。スピード感を出すのにこのようなやりかたでは、技量を疑わざるを得ません。

また最後の叫びも「お」で34文字(括弧・感嘆符含む)ときて、さらに「あ」で倍。計68文字です。「2000文字以内」のうちの68文字といえばかなり貴重ですよ。日本も豊かになったなぁ、と。

で、気になった部分をまとめてみたわけですが、あとはいい。この条件でなんでこんなでっかい話を書こうと思い立ったのか、ほとんどの参加者が畏縮したであろうこのお題に果敢に挑んだ。という向う見ずなチャレンジ精神でいえば参加者随一ではないでしょうか。また読みづらいながらも大空を描こうという気迫も十分。いいところはいい。

少し冷静になって読み直しができたらよかったなと思います。この作者さん、たぶんこういうこと多いですね。
まず果敢である。
そこは評価する。
でも表現に見るべきものがない。
カッコイイと思わせられなければ負け。そういう題材だ。で、あまりカッコイイとは思えなかった。

ただカッコ悪くもないです。
そうだなあ……距離感とかスピード感とか、そうスケール感かな。そういうのが伝わらない。ドラゴンの大きさがどのくらいなのか、どの程度の距離を保って戦っているのか。
安定した足場から離れて接近戦てか肉弾戦やる意味も分からない。
盛り上げのためか?
読み手がそう思ったら、それはもうシラケちゃってるってこと。

あと戦争についてとか国家についてとか、あまり深く調べたり考察したことないんだろうなあと。
どちらかが滅びるまで戦わなくてはならないなら、それは「決して共存できない関係」でなくてはならない。なら人間同士の「戦争」よりも、ベタにアニメやゲームの世界観そのまま、異世界からの侵略者とか魔界との戦いとか、そういう単純なモノのほうが説得力がある。

この文字数で世界観を説明しきったところはスゴイが、綻びがどうしても出てきてしまう。2000字の限界である。ならやはり、綻びようのない設定を用意すべきじゃないかしら。

場面の選択は良かったと思う。
戦いのみの一場面、好き嫌いは別れるかもしれないけど、私は好きです。
元来こういった世界観は苦手なのですが、それでも最初は引きつけられたんですけれどねえ。
無駄に長い。
話が単調で、作者さんが何を表現したかったのかって、結局戦闘シーンを書きたかっただけなのかなあ。

背景や設定はそれなりにできていただけに、もっとストーリー性が欲しかったです。
投稿者: JACK - 11/26 20:43

自然に魔法が出てくる辺りで、ある程度ファンタジーを理解してないと楽しめないだろうなと思う。
戦闘シーンの激しさはよくわかった、いやよくわかりすぎた、書きすぎな感がいなめない、もっと難しい漢字より、字数より、表現できないかな?とか思ったりする。
あと余白、コレはうまく使ってるかどうかわからないが、私には斬新だった。

私はアドバイスなどできる立場(レベル)ではないと思うのですが、スピード感を出すなら、一つの方法として、話の一部に時間がゆっくり流れるシーンを書いたら際立つかもしれないと思うのだが……どうかしら?

作品としてはファンタジー好きなら元気になる作品かと思います。
投稿者:ゆきのしん - 12/01 00:21

 竜による空中戦と人間同士の戦い、これらの雰囲気はアリです。ただ取りこぼしてきたものが多すぎる気がします。ファンタジーだよ、ドラゴンだよ、戦争やってんだよ、それでどこまで読者を呼び込めるか?好きなもの書いてます、というのは伝わりましたが。
 ラストの空白行で「間」を作りたかったのかな、と思うんですがここまでテンポ良く来たのなら終わりまで行ってしまっても良かったかもしれない。まぁこれは読み手側の好みでしょう。
投稿者: シャケ弁 - 12/01 19:24

これは苦手なジャンルです。

辛かった。

投稿者: ちまみぃ - 12/04 15:58

打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!
ツボるわ(笑)笑えるわー。どんだけ〜って言いたくなる。どうかなぁ。作者さんがこれで良いんだ!と言うならこのまま笑っておきます。
打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!打つ!
わはははははは!

私は肉体的な戦闘シーンはあまり書けないのですが、せっかくの小説ですから、言葉でもっと頑張れるような気がしますよ。
漫画で言ったら「打つ!など台詞での説明は避けて絵で表現しましょうね」って言われちゃうあの感じ。
打つ、とはどういうものなのかを言葉で書かなきゃならないんじゃないかしらぁ、と日頃絵で分かるようにと言われている自分は思うのでした。
投稿者:竜胆 - 12/05 11:06

俺はこういう話が好きです。作者さんもそうでしょう。
でも、この小説が好きかと言うと、また別の話。

全体的に平面でしか見れません。説明過多な中の擬音はどことなく陳腐な感じ。
最後の余白は良いと思います。
作者の脳内映像を見れたら、さぞかし面白いでしょう。

余談。あくまでイメージですが、普段もこういう書き方をしてる方でしょう。
投稿者: ガミ - 12/08 12:49

そうかぁ…2000字の壁なのかぁ。勢いはあるけど。うーん。でも、もっと研げたと思います。

赤と青だろー?特徴は?違いは無いの?色だけ?獲物も同じ?竜騎士ってみんな同じ戦闘形式で戦うの?竜は只の乗り物?連携取ったり独立して動いたりはしないの?攻防に駆け引きが無い。調子が一律。どっちもかすり傷一つ負わない。そういうのはどうも苦手です。もっとボロボロになりなさいよ。プラモデル用語的に言う、ウェザリング(汚れ塗装)が足りない。臨場感、現実感が足りない。

繰り返しは迫力を生みます。でも、書き手の頭の中の心象は、描写に特徴をもたせなければ伝わりにくい。打つ。と言っても上、中、下段、縦、横、斜め、振り下ろし、薙ぎ払い、振り上げ、強打、牽制と様々ある訳で。どの打つなのか想像出来ないと、状況が把握しづらい。それに、繰り返しだけではどうしても飽きが来る。ここを突破するのに、打ち込み方や受け方の描写を使い分けたり、意表を突いた攻撃をしてみたり。もっと文の勢いを生かすための仕掛けが欲しかったかと思います。

空想科学読本の音速越えの話は先取りされちゃったので割愛(笑)。

色を使った流麗な描写はなかなかすっきりしているし、文体の一貫性は取れている。あとは、戦闘場面ならいかに読者の頭に心象・状況を的確に叩き込むか。そのためには自分の心象をどう言葉として取り出すのが正しいのか。というところだと思います。繰り返しになりますが、きっと、もっとイケたはず。
投稿者:やえこ - 12/12 02:17

2000字でこんな壮大な話がよめるとおもわんかった。
戦闘シーンちょっとだれましたが、最初の光景の描写はとってもわかりやすかったです。

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