マジシャンのすべらない話コミュのちょっと心温まる話１３

この話は最近マイミクさんになったあるお方の（今はかなりのベテランのマジシャンさんです）
大学生の頃のお話です。
Ｗさんは東京に上京してきた大学生で、当時からマジックの魅力に取りつかれていろんな人の集まる場所で、仲間を組んでストリートマジックをしておりました。仲間はマジシャンだけじゃなくってジャグリングや
ピエロなど大道芸をするメンバーで貧乏ながらも楽しくお互い助け合いながら生活しておりました。
ある日、仲間の数人でバイトでまとまったお金が手に入ったので新宿
に遊びに行きかけたところ、「お兄さん！」と後ろから声をかけられました。ふりむくとまだ幼い感じの女のひとがこちらに向かって声を
かけてきたのです。
どう見ても中学生くらいの女の子は口紅をつけていかにも慣れない化粧
して笑顔を向けてきたのです。でも、緊張していたのでしょう
声は震えていて、慣れない感じがありありでした。

「あの〜〜私を買ってくれませんか？私何でもします
お願いします！」

「え？君はまだ中学生でしょ？何でこんなことしているの？
家出してきたんでしょ？だめだよ！！」
Ｗさんは怒って言いました。
「でも、私どうしてもお金がいるんです
お願いします」
彼女はかなり必死な様子でした
「だめだよ！家出してきたんでしょ？警察に行こうか？」
と腕を引っ張っていこうとすると
「お願いします！！警察だけはやめてください」
とうとう彼女は泣き出してしましました
聞けば彼女の名前はＹ子ちゃんで中学一年生になったところだそうです。
青森から片道切符だけ買ってきたとのこと
なぜ金がいるかといえば、お父さんが倒れて入院しているんだけど
心臓の手術にお金がかかるのでどうしても必要だとのこと
お母さんもお父さんが倒れてから昼も夜も働きずくめで
いまにも倒れそうで
自分ができることは
東京で身売ってお金を稼ぐしか方法がないと。。。。。
「わかるけど、そんなことでお金を稼いでもお父さんは
喜ばないよ！しかも中学生でそんなことしたら警察に捕まって
しまってお父さんもお母さんも長き悲しむよ！！！」
「だって〜〜」
「そうだ！すぐにお金にならないけれど、僕たちのお手伝いして
くれたらちょっとはお父さんの手術代の足しにはなると
思うんだけど。。。。手伝ってくれる？
「いいの？」
「でもそんなにお金にはならないけど一生懸命汗したお金は
きっとお父さんも喜んでくれるよ！！
その前にお母さんに連絡入れなさい「
Ｗ君はＹ子ちゃんのお母さんに事情を電話で説明し
しばらく自分の下宿先に居候させることを説明しました
そして、仲間に事情説明してストリートの大道芸の
お手伝いをさせたり。仲間にカンパを募って
Ｙ子ちゃんのためにみんなで一所懸命お金を稼ぎました
そしてそのお金を郵送していきましたが

しかし

やはり、手術代にはほど遠かったようで
結局

お父さんの容態は待ってくれず、、、、

とうとうお父さんは亡くなってしましました

亡くなった当日、Ｙ子ちゃんは「私のせいだ！！
私がみんなの優しさに甘えてしまって
自分の身を売らなかったために
とうとうお父さんを助けられなかったんだあ〜〜」
Ｙ子ちゃんは号泣していました
Ｗ君たちはなにも声をかけられなかったようでした
そして
お葬式のお手伝いのためＷ君は、Ｙ子ちゃんとＹ子ちゃんの実家に向かいました
駅に着くとＹ子ちゃんのお母さんは、Ｙ子とＷ君を見て
一目散に走ってきました

Ｙ子お帰り！
「お母さんごめんね
お金あまり稼げなくって
私のせいだよね
ごめんね！ごめんね！
でもＷさんたちが一生懸命お金を一緒に稼いでくれたの
でも
・・・・・」
お母さんは「Ｙ子！あんたはよくやったよ！
お父さんはＹ子のことを心配してたよ
いいの！お前が無事で元気なことが
しんだお父さんが一番してほしかったことなんだよ！」

実はお父さんからお前に手紙を渡してくれって
他のまれたんだよ」
と言って

懐からお母さんは手紙を取り出して渡しました

それには
このようなことが書かれていました

「Ｙ子へ
今どこにいるんですか？元気にしていますか？
お母さんは心配しないでと言っていましたが
お父さんは心配です
東京で親切な人に出会えたと報告を聞いて
安心しました。
そして、お金を一緒に稼いでくれているって聞いて。。
お父さん！本当にうれしかった
でも、そんなお金使えません。。。もったいなくって
実は一円も使わずお母さんに言ってお前の名前で貯金しています
お父さんのことは心配しなくっていいからね
お父さんはＹ子と一緒に暮らせて本当に幸せでした
お前が小さい時から本当にお父さん子で、一人立ちできるかなあ
と心配しましたが
東京で人の優しさに触れて本当に立派になったんだなあと
とてもうれしく思います
今回、もらった人の優しさをどんな型でもいいから
返していきなさい

そして
今度は、他に困った人がいたら救いの手をさしのべてあげなさい

お父さんは

お前が自分の子供として産まれてくれて本当によかった

お母さんを大事にな。。。。


お父さんより


「お父さん〜〜」
Ｙ子ちゃんはもう涙で
読めませんでした。

そして

Ｗ君に言いました

「Ｗさん！あの時私を止めてくれてありがとう！！
もし、私が身を売っていたらお父さんはもっと
悲しんでいたと思う。
私がんばるね！！
お父さんの分も！
そして
困った人がいたら
助けてあげるんだ！！

私が、そうしてもらったように。。。。

Ｗ君はとてもうれしくて
本当に良かったと思いました

あれから１０年以上たって

Ｙ子ちゃんは看護婦さんになって頑張っているそうです

もちろん

Ｗさんは

マジシャンで頑張っておられます！！（*^_^*）

いまでも

昔の仲間と年に一回は集まっているそうです