マジシャンのすべらない話コミュのちょっと心温まる話８

私の「マジシャンのすべらない話」のコミュのなかの
ちょっと心温まる話その?に紹介した施設でマジックを
したＮ君の本当の話です。
彼が施設で出会った子供たちの中で一番印象に残った子供の
お話をしましょう。
彼女の名前はＹ子ちゃん。いつも明るく頑張り屋さんでした。
でも、時々見せるさびしげな顔に
時々遊びに遊びに来ていたＮ君はとても気になっておりました。

なにげなく園長先生に尋ねてみると
「Ｙ子ちゃんは、かわいそうなのよ。お父さんは長距離のダンプ運転手をしてい
たんだけど、おととし人をはねて交通刑務所に入ったのよ、被害者は亡くなってしまって、賠償金と生活費のためにを残されたお母さんが朝から晩まで働きすぎて
結局入院してしまったの。

そして

残された小学生2年生のＹ子ちゃんと3歳の弟のＨちゃんはそれぞれ別々の
施設に預けられて
。。。。。

あの子は言わないけど
小学校では施設の貧乏な子だとか
殺人者の子供とか
言われて

なんとか
してあげたいけど
お母さんも肉体的にも精神的にも
参っていて
何度か被害者のお宅にもお父さんの代わりに謝罪に
足を運んだけど会ってもくれないそうよ
せめてお母さんが立ち直ってくれればいいけど。。。

Ｎ君は思いました
せめてお母さんの病状を良くするためにも
被害者のお宅を訪ねよう

赤の他人でありながら
何でそこまでと言われましたが
Ｙ子ちゃんのために

そして

被害者宅の今は亡きＴさんの奥さんに会って事情を話したところ
Ｔさんの奥さんが静かに話し始めました。
「実はもう許しているんですというか
かえって申し訳ないと思って。。。。」
「え？どういうことですか？
Ｎ君は不思議に思って尋ねました
「実は亡くなった主人の最近日記がでてきて
経営難の工場のことを考えてノイローゼみたいになって
今回の事故も主人から飛び込んだみたいなんです
でも
加害者のご主人は一切言い訳しなさらなかったみたいで。。。。
おかげで保険金もおりましたし工場も息を吹き返しました
従業員も解雇せずに済みましたし
実は送っていただいたお金はすべて貯金しておりました
いつかお返ししようと思って
そのような事情であればなおさら貰うわけにいきません
この通帳と印鑑をお持ちください。そしてこのことを
お話しください」
さっそくＮ君は病院にＹ子ちゃんと行って
事の事情を詳細に報告して印鑑と通帳をおかあさんに
お渡ししました
お母さんはうれし涙をポロポロと流しなんども
うなずいていました
見ればＹ子ちゃんと一緒に手をつないでる同じくらいの
かわいい男の子が一緒にいるではないですか
「こちらは、同じ施設のお子さんですか？」
と聞くお母さん
するとＮ君が「いいえ今日はＴさんの奥さんも
お見舞いに来たかったそうですが
忙しいので代わりにお子さんのＵ君を
お連れしたのです」
とＮ君は答えました
お母さんは一瞬びっくりしましたが
すぐにＵ君にすがりついて
泣きだしました
「本当にごめんなさい、本当にごめんなさい。。。。」
Ｕ君はびっくりしていましたが
すぐにＹ子ちゃんと遊びだしました

そして数か月ご
お母さんは無事に退院することができました
でもＹ子ちゃんは施設のままでした。
そしてクリスマスの夜

Ｎ君は例年のとおり施設でマジックとサンタクロースの恰好で
施設を訪れて
みんなでゲームをしたり歌を歌ったり

そしてプレゼントを渡す
時、なんとお母さんが施設にやってきたのです
「お母さんだ！！あＨちゃんもいる！！うれしいよ〜」
とＹ子ちゃんは叫びました

Ｎ君はサンタの袋から一枚の葉書をとりだして
「Ｙ子ちゃん！本当のプレゼントはこれからだよ
といって
手紙を読みだしました
それは
刑務所にいるお父さんからでした
「Ｙ子ちゃん！Ｈちゃんそしてお母さんお元気ですか？
お父さんは遠いところでお仕事していましたが
来年の三月に帰ることが決まりました。
ようやく待ちに待ったあなたたちに会うことができそうです
そしたらもう一度みんなで一緒に暮らせることができそうです
待っててください！お父さんより！！」

Ｙ子ちゃんは、うれしくって泣き出しました
お母さんも溢れる涙をこらえることができませんでした
「サンタのお兄ちゃん！ありがとう！わたしの本当に欲しかったのは
家族でみんなと一緒に暮せることなんだけど
願いをかなえてくれてありがとう！！一番のクリスマスプレゼントうれしいよ〜」
なんでも事情を確認すると
被害者のＴさんの奥さんが嘆願書をだして刑期が短くなったそうです

そして

今では被害者のＴさんの家族とＹ子ちゃんの家族は家族ぐるみで
仲良くしているそうです

Ｎ君は言いました
「本当のマジック
は
人を思いやる心が奇蹟を生み出すんだと」。。。。