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コメント(2)
職人の教え方の中で、「仕事はぬすむもの」と良く耳にしますが、私も仏師を志して１３年、最近その本当の意味が分かりかけてきました。たんに見て覚えるという意味しか考えていませんでしたが、それは、先生（親方）の下を出て独立してみますとはっきり自分は無知で無力で、とても世の中に通用しないと分かった時から感じはじめたのです。世の中は広く大きく、しかしクールで時にはとても残酷です。就業中は年期とは何と辛いものかと思っておりましたが、ひとたび世の中にでますと本当に厳しさ辛さを経験することになります。そんな時に生き抜く手段として、人様の技や工夫を勉強する方法として、この「本当の意味での仕事をぬすむ（学ぶ）」癖が生きてくるのではないでしょうか？親方の所にいた時のようには他人様はそう簡単に技術を見せたり教えてくれたりしてくれません。それは当然ですが、その様なことから、また一つ親方のありがたさがわかりました。良く怒られましたが、今になれば裏表なく本当のわが子のように育てて頂いたのだと感謝しています。職人の世界とは、人と人が腹の底から付き合える今の日本に残る数少ない世界なのかもしれません。
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