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猫熊子コミュの小さな映画祭

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貴方とよくきた映画館

貴方はいつも前の方の席に座りたがった

近くで見た方が迫力あるだろ?なんて言って

そのくせに最後には必ず首が痛いとつぶやいた

いいわ今日は1番前の席にしましょう

貴方と私の映画だから

私達が知り合った頃には、
もう貴方はカメラを回していた。
凄い映画を作るんだ!なんて言って、
やたらめったら撮りためていたっけ。

高校入学から一年経ち二年経ち、
完成しないと思ってたその映画は。
三年の時の文化祭で、
流す事になった。

一番前で見てくれよ!と、席まで指示された。

カタカタカタと、
映画が始まる。
スクリーンに女の子が写る。
「そんなのでほんとに映画作れるの?」
私だ、私が写ってる。
そしてスクリーンの中の彼は言う。
「当たり前だろ?凄いの作ってやるよ。」

1番前の席で
私は思い出していた
このシーンの彼を
とても楽しそうに笑うあの顔を
私しか知らないあのシーンを

いきなり自分が出てきてびっくりした、
黙って私を使うなんて。
と、思っても映画は続いていく。
まるで記憶をスクラップブックで見ているような、
そんな映画だった。
場面が変わるたび、季節も、思い出も、過ぎてゆく。
ほとんどの被写体は私だった。
私と彼とのくだらない話しや、
ちょっとだけ真面目な話が。
学校行事の記録と繋がっていく。
そして最後に、
誰もいない教室が映る。

日が暮れ西日が射す。
そして見馴れた顔が映る。
彼だ。

そして。
スクリーンの中の彼が、
私に告白したのだ。

その後、
私達は付き合った。
無断で私を映画に出したり、
全校生徒の前で恥ずかしい告白をするなど、
文句は沢山あったけど。

実際のところ嬉しかった。
こんなに私を見ていてくれたこと。
そしてとても綺麗に撮ってくれていたから。

映画はここでハッピーエンドになる

「知らない私」を見ながら

私はレッドカーペットを敷いてあげた。

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