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フトシです・・・コミュのPart7☆フトシとkussyのコラボ連載

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フトシです・・・
僕が行き倒れのとき
獣医を呼んだのは誰なんですか!


救急車で病院に行き、容態が悪化した、死亡した"ということが頻繁にあるということをあなたは信じられるだろうか。以下はある支援者が病院側に申し入れたものである。実際にこのようなことがあるのだ。

以下をぜひ読んで欲しい。
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                            平成17年9月xx日
医療法人XXXX会
XXX病院院長
XXX 様
                        東京都荒川区南千住X−XX−X
                              ボランティア団体
                              ほしのいえ
                           いまさん(申入者の氏名)
                           (他賛同xx団体一同)



拝啓

立秋の候を迎え、皆様にはますますご多忙のことお喜び申し上げます。

さて、突然ですが先日貴院へ救急搬送された、Xさん(57歳)への対応につき申し上げたいことがあり、筆を取りました。XX先生にはご多忙のことと存じますが、是非最後までお読みください。

平成17年7月26日(火)は、私にとって忘れられない日となりました。

この日、私が参加している「ほしのいえ」の炊き出しがありました。

「ほしのいえ」では毎週火曜日夜に、山谷地区で野宿者への炊き出しを十数年も続けています。

この日は台風が直撃したため、どの程度の人数が私達の行う炊き出しを待ってくださっているのか、予測ができませんでした。そこで私と仲間のYさんとが、配食を待つ人々の数を確認するため、19時頃玉姫公園へ向かいました。

台風は過ぎ去りつつありましたが、この時間はまだ雨が降っていました。

公園の中を見渡していると、80人ほどの人々が行列を作っている横で、びしょ濡れになって座り込んでいる人がいます。

銀色のシートを敷いていましたが、その上はすっかり水溜りとなっていて、地面に直接座っている状態と何ら変わりがありません。

ジャンパーを着ていましたが、水をたっぷり吸い込んでしまい、重たいだけで保温効果はなさそうです。皮膚は紫色に変色し、全身をがたがたと震わせ、とても寒そうでした。

すぐ近くに置いてあった傘をさす元気すらありません。水溜りに寝転がるわけにもいかなかったのでしょう。あぐらに近い格好で座ったまま、上半身を支えることが困難で、45度ほど前に傾いています。

胸が激しく動き、とても呼吸が苦しそうでした。手を触っただけで、熱があることもわかります。一見して、相当危険な状態にあることがわかりました。

「どうしたのですか。大丈夫ですか。」とお声かけしましたが、すでに会話をする余力がありません。

それでも救急車を呼んでいいか、ご本人の意思を確認しなければなりません。心が痛みましたが、しつこく何度もお聞きしたところ、首を少し縦に振っていただけたので、持っていたPHSですぐに119番通報しました。

救急車が到着する前に、なんとかお名前と生年月日をお聞きしようとしました。明らかに呼吸が苦しそうなのですが、聞いておかないと病院への搬送が遅くなってしまいます。一刻を争う状況であることは、素人目にもわかりました。

呼吸困難な状況で話していただきましたので、とても聞き取りづらく、何度も聞き返してしまいました。(ようやく聞き出した名前と生年月日は、救急隊員にお知らせしました。)

救急車は、待つほどもなく数分で到着しました。早速、血圧測定や酸素吸入など、必要な処置を手早く行っていただきました。

その一方で救急隊員さんたちは、病院探しも一生懸命にしてくれます。私も救急車の中で、息を詰めるような気持ちで見守っていました。そのとき、私は耳を疑うような情報を耳にしたのです。

Xさんは貴院に前日救急搬送され、肺炎だと診断を受けていたというのです。

ということは肺炎であることを知りながら、貴院はXさんを路上へ戻したということになります。

肺炎の状態で病院を出されれば、お金を持たない野宿者は元いた場所まで歩いて戻らなければなりません。数キロの距離を歩くだけで、病状が救急搬送前より悪化してしまいます。

おまけに、翌日は台風が首都圏を直撃しそうだということも、新聞やテレビ、ラジオなどで盛んに警告を発していました。

ただの風邪などではなく、肺炎だとわかっていて路上へ戻せば、この人が命に関わるような状態に陥る可能性が高いであろうことは、素人の私にさえ予見できます。まして、命を助ける専門家である医師が、判断を誤るなどということがあり得るものでしょうか。

翌朝、搬送先の病院(貴院ではありません)へその後の病状を尋ねようと考えていた矢先に、警察から電話をいただき、Xさんの死亡を知らされました。救急搬送後まもなく意識を完全に失い、そのまま永眠されたそうです。日付をまたいだ直後、7月27日午前0時3分に死亡が確認されました。

搬送先の病院でも、警察の検視結果でも、死因は肺炎だったそうです。

Xさんの死に様は、最期の数時間だけは病院にいましたが、文字通りの野垂れ死にでした。誰にも助けてもらえずに、公園で雨の中苦しみ抜いて死んでいったのです。

7月28日午後に、私はまた玉姫公園へと向かいました。

この公園にいらっしゃる野宿者仲間の方々に、Xさんの死を伝えると共に、これまでのいきさつを聞いておきたかったのです。

Xさんは、前週から本格的に体調を崩したそうです。下痢が続き飲酒もできなくなり、週が明けるまで我慢したものの、限界が来て7月25日(月)に119番通報したようです。結局貴院からは出されてしまい、なんとか公園まで戻ってきた後完全に動けなくなってしまいました。雨が降り出し、他の仲間が雨宿りで移動したのに、Xさんだけが取り残され、衰弱しきってしまったのでした。

このような悲劇を、2度と繰り返してはなりません。

多くの野宿者が、重篤な状態でも救急車を呼ぶことを拒否します。

先日もいろは商店会で、搬送先から追い返されここまで戻るのはしんどいから、救急車には乗りたくない、とおっしゃる人に出会いました。熱帯夜なのに体中を震わせていました。

また別の日に出会った人は、体調がとても悪く救急搬送してもらいたいのだけれど、貴院へ搬送されるのなら、救急車には乗りたくないのだと、おっしゃっていました。

私は、貴院にお願いしたいのです。2度と、同じ悲劇を繰り返さないでください。

受入が人的問題で難しいとか、他にも様々な理由があるのかもしれません。ただ、人命に優るものは世の中にないはずです。この点で、病院と我々ボランティアとは、本来目的と使命を同じくするものです。

ぜひこの原点に立ち返り、野宿者であれば入院させない、という運用を早急に改めてください。

野宿者が外来や救急で訪れたときに、路上へ戻せば病状が悪化します。病院を出された後の病状悪化まで予測した結果重篤に陥る可能性が見込まれる場合には、とりあえず入院させ経過を見届ける対応をしてください。

病院を出された後に、野宿者は暖かな家に帰るわけではありません。「自宅で静養」できない患者の予後について、命を守るために必要な処置をとっていただくようにしてください。

Xさんの死を無駄にしないために、貴院が今後どのような対応をされるのか、ぜひ早急にご教示ください。ご多忙の折恐縮ではございますが、趣旨をご理解いただき、対応方よろしくお願いいたします。

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"具合が悪ければ病院に行く"、"病院に行けば良くなる"というのを前提に生活している私たちにとっては信じられないようなことが、ホームレスの世界では日常的に起こっているのである。



※この申入れは、ホームレスの支援をされている「いまさん」のご了解を得てHPからお借りしました。
いまさんは、ご自身の支援活動に関して、「初心者です」「ひよっこです」とおっしゃいますが、「いまさんを知らないホームレス支援者は“モグリ”なのではないかと思わせる」ほど、熱心にさまざまなところで活動されています。HP(http://www.geocities.jp/nojukusha/)、ブログ(http://nojukusha.exblog.jp/)はとても勉強になります。


つぶやき(大石太)
ちょっとした文(櫛田佳代)

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