真理学コミュの『知恵の力』

私達は、とにかく自分の未来について何が起こるかと心を煩わせがちである。

しかし最良の方法とはアレコレと自分の未来について心を煩わせないことなのだ。私達は目に見える財産や土地についてすら過剰なまでに神経をとがらせるのに、目に見えない未来について何かしらか見えたなら心を安定させることは難しいからである。

太陽の光によって木陰が庭に差込み、木立ちの高さをなんとなく感じるように、適切な時が近づいたならば、私達は未来の落とす影について、何となく感じるようになるものである。そして『ああ、何となくこうなりそうだな』と潜在意識から漠然とした導きに従って、『少し急いでみようかな』『そうだ、こうした分野に力を入れてみよう』とか『少し待ってみようか･･･そうだ！今はあれこれ動かず、人間性を磨こう』というように動けば十分である。

それ以上に、もし未来というものが映像のように見えたなら、人は現在やるべきことに十分身が入らない。そして今が充実していなければ未来も空虚なものとなる。

人はわからないからこそあこがれを抱くものであるし、わからないからこそ、それに対して情熱を燃やすことが出来る。

人は未来を知ることよりももっと大切なことがある。それは今を生きるに際して
正しい知恵をもつことである。ではどうすれば正しい知恵を発揮することができることだろうか。まず知恵とは何だろうか。知恵とは物事を明らかにする力である。故にそれはこの世を明るくする「火」のようなものである。「火」は明るいところ、暗いところをハッキリ二分してしまうように「火」の性質をもつ人は、物事をあまりにも『これか、あれか』と明分化してしまいがちである。

例えば仲良くしていた人が少しでもあなたの愚痴を言っていたことを耳にすると
たちまち『そうか！アの人も私をついに裏切ったか。アの人は今日から私の敵だ！』とアの人を敵対側に分類していまう。

しかし事実はたいていうすらボンヤリしている。アの人自身特にこちらを敵対視しておらず、また自分自身何を考えているのかハッキリとはわかっていないのに、こちらから勝手に敵対視して悪態をつき、ついにはアの人から敵対視されてしまう。愚かなことである。

おだやかな春の日和のような心になれば、正しい知恵があらわれてくるのである。