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ペーター・ホフマン[MIXI出張所]コミュのちょっとおもしろい話[5] 金塊の積み上げ方

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 客演契約は、三、四年前までに結ばれるものと、代役の場合があるそうです。デビュー間もないころの場合は、当然、主として、後者です。これはまったく前触れもなく突然日程が決まるということがあるわけです。
 こういう客演では演出のことがほとんどわからないまま舞台に立つことも少なくないようです。

 ラインの黄金で、ローゲを歌うときは、黄金をどんな具合に積み重ねるのか知ることが不可欠だそうです。財宝が時間通りになくならなければ困るから。もうひとつ、ライン河はどこを流れているのか、そしてニーベルハイムはどこかということも。ローゲが『それなら硫黄の坑道をつたって勢いよく行きますか。一緒にあそこへ入りましょう!』とヴォータンに言うとき、戸惑ってしまうからです。
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「....ウィーンにローゲとして初めて客演したときは、ペーター・シュライヤーの代役だった。演出に関してはほとんど何も知らないのと同然で、黄金がどのように積み重ねられることになっているのかということさえ知らなかった。『手ほどき係り』の助手が、食堂で写真を見せてくれただけだった。多少問題があるようにみえた。

 助手は断言した。「問題ありません。各金塊には、ひっかける鈎がついていて、それぞれの割り当て分は一つの番号を持っていますし、フロー役が手伝ってくれます」

 当然ながら、私は神さまにお願いすることになる。フロー役はワルデマール・クメントだった。『手伝えよ、フロー』と私が歌うのだ。彼はやってきて、ささやく。「どうやるか、知ってるのか」「いや、君が知ってるだろ」と私。なんとクメントも代役だったのだ。

 恐ろしいことだが、私たちに他に何ができるというのか。私たちは黄金の仕分けをすることにする。舞台の暗がりの中で、引っ掛け用の鈎をさがそうと試みるが、まずいことには、それがすごく小さいのだ。私は金塊をひとつひとつ調べて判断していく。信用にたる探索器具をなんとかして調達しなくてはならないところだ。見境なく重なりあっている黄金の層はなかなかはけない。金塊は番号順にしかぴったり重ね合わせてはめこむことができないのだ。私たちは、まるで金の延べ棒競技世界チャンピオンのように、金塊を交換しまくり、『宝は尽きた』と歌うところまで混乱を隠しとおす。黄金の半分は辺り一面にばらまかれたまま、まだ相当散らかっている。私は自分の台詞を後ろに向かって、もごもごと言う。『宝は尽きた』と。なんとも心苦しい気分。私たちの黄金は尽きていないのだから」(ペーター・ホフマン)

コメント(4)

音楽の流れに完全に支配されるところが、オペラが演劇よりむずかしい重大な要素でしょうねぇ.....
「私、ゲスト出演なので黄金の積み方よく分かりませんので教えていただけますか?」

「だいじ(注・栃木弁で大丈夫という意味)。フロー役の人が教えてくれっから」

で、舞台。

「フローてつだってくれ!Hilf mir, Froh」

お互い顔を見合わせる。

これどうやるか知ってるか?

クメント!お前さんこの積み方知っているんじゃないのか?

ええっ?ホフマンお前も知らんのか?

えええええええええっ?( ̄□ ̄;)

やヴぁいよ、これ結構複雑だぜ・・・・

あの助手の野郎終わったらコロス。

うおおおおおおお(;゚д゚) (゚д゚;)時間がネェ!!!!

「Der Hort ging auf 宝物が尽きた・・・」
いや全然尽きてないし ・・・・

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