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恋しい小説コミュのハッピーオレンジデー ...〆(゜゜)~(゜゜)〜short short story

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4月14日、何の日か知ってますか?

「どうしよどうしよ。どうしよー」
面白い出来事とは、急に始まるものである。

「何が?」
「だから、もも貰っちゃったのー」
「モモ?今頃?」
わかっていつつ恍けてみる。
だって、こんな「面白いこと」滅多にないでしょ?
フツウの毎日も素敵なことだけど、やっぱり面白いがイイ。
だったら、ノってあげなきゃ可哀想でしょ?

「桃?違うー。おっ…お返し」
「違うのぉ?残念だわ…で、何の?」
「ちょっチョコレートの」
わざと脱線したのにテンション変わらず、テレて語尾が消えそうな声。
キャワワー。

「誰に?」
「…それは」
「ぅーん、いいわ。で、どうしたの?」
「えっ?あっ…うん。うん、どうしよー」
あららぁ、元に戻れのサイがコロリ。
コレはコレで「楽しい」んだけど、埒が明かない。
気も長くないし…もっと踏み込もうかしら。

「はぁっ。チャットしてんじゃないんだから、主語述語で喋ってよね」
「ゴメンなさい…」
「遅れて渡したチョコレートにお返しをくれたんでしょ?」
「うん」
「それだけじゃぁないでしょ?」
「うん」
「ちゃんと応えたの?」
「…それが」
「なんで応えないの!」
「想像してなかったし。それに…」
「義理みたいなチョコレート、だったから?」
「えっ?」
「お返しは手作り」
「えっえー?」
「マシュマロ入ってたでしょー。クッキーサンド」
「うん」
「そっかそっか、そっかー。じゃぁ、いいこと教えてあげるわ。もうひとつの『14日の奇跡』」
「『14日の奇跡』」
「返事を言う日じゃぁないけど…まぁ、いいでしょ」
「…それより。なんで知ってるの?」
「それは言えないわ。フフ」


「…失敗したかなぁ」
ここにも、悩み多き者がいた。
なかなか楽しい。
恋は自信をなくすのかしら。

「それはないわ」
「…ぅわっ。びっびくりさせるなよ」
「悩んでるようだったから、アドヴァイスよ」
「それはどーも」
「あら。女性には真摯に対応すべきよ。甘くないんだから」
「えっ?」
「たとえばぁ。マシュマロのクッキーサンド、とか」

「お砂糖でも入れ忘れたのかしら」
!!
ズバリ!言い当てられた時の顔ってどうして面白いんでしょう。
矢継ぎ早にもっと続けたかったけど、言い尽くすのは粋じゃぁないわ。

「そんな顔しないの。イイ男が台無しよ」
「…」
「ぅーん。前の日がよくなかったのかもぉ」
「そういうものなのか!」
「ヒトによっては」
「はぁぁぁ…」
「わかりやすい落ち込み方もいいけど、待ってみたら?『待てば甘露の日和あり』っていうわよ」
「…それより。なんで知ってる?」
「それは言えないわ。フフ」

3月14日。
一足先に迎えたふたりは『絶好の鴨』、だった。


それから約1週間後の春分の日。
痺れを切らした彼女が来た。
「『14日の奇跡』って何?」
あら…そう言えば言ってなかったわ。
『上手の手から水が漏れる』って言うしね。
「『オレンジデー』のことよ」
「『オレンジデー』?」
「そう、『オレンジデー』。というわけだから、頑張ってね。私はこれからおデイトなの」
ラヴリーなお姉様と!
…そこのキミ!勘違いしないでよ。
今は、女性同士も気楽にデートをする時代なのよ。
ラヴじゃぁなくて、ラヴリーなのよ。
わかる?
「じゃぁね〜」
多くを語らない私に、子犬が困ったような顔をする彼女。
ぅーん。カワイイ!
でも…ゴメンね〜。
面白いより、ラヴリーすき。
許せ、友よ。


その後の3月。
面白いほどに、ふたりの距離は一定間隔。
付かず離れず。
今日日の高校生がすることかしら。
このまま見てるのも一挙だけど、時間が足りなくなるわね。
そろそろアクション開始?


4月1日。エープリルフール。
流石に『この日』はマズいと思って、明日にした。
優しい私。

「ヤキモキしてるわね」
「イジワル…」
あら、やだ!もうっ、カワイすぎー。
そろそろ教えてあげようかしら。

「2月の『バレンタインデー』は、愛を告白する日」
「うんうん」
「3月の『ホワイトデー』は、その返礼をした後で…」
「後で?」
「ふたりの愛情を確かなものとする日」
「えっ?」
「逃げる日じゃぁないのよ」
「…」
「そして最後に…ん?ちょっと違うわ。ズレてるわ、あなたたち」
「ズレてる?」
「そう。『2月の愛の告白』はしてないし、『3月』なんて問題外。はぁぁぁっ。諦めなさい」
ガーーーン。
そんな音が聞こえそうなほどに彼女は落胆。
品行方正なコって、こういう時ホント面白い。
いじめがいがある。
もちろんいい意味でよ。
「ウソよ。ズレてるなら、そのまま利用すればいいだけ。4月は『オレンジデー』って言って、「オレンジ」に関するモノをを持って相手を訪問する日…なんだけど、『2月に渡し』、『3月にお返しと告白』なら、残るは『ふたりの愛情を確かなものとする』と…」
「えぇえぇえぇーーー」
春休みのとあるカフェ。
すごい声がこだまする。
『恋は盲目』、リアルは勘弁…。

「…落ち着いたかしら?」
彼女にって言うより、私への一言。
まだキンキンしてる。
「ゴメンなさい。…どうしたらいいんでしょうか」
「どうしたらいいんでしょう」
「?」
頭が傾き、ホント可愛いんだけど…。
ヒトってどうして「考えない」のかしら?
「どうしたいの?」
「だからそれを…」
「すきなのは私じゃぁなくてあなた、よ」
「…ちゃんと、応えたい」
「『マドレーヌ』作れたでしょ?」
「えっ?」
「レモンじゃなくてオレンジにしたらどう?」
「あっ…」
「オランジェリー・マドレーヌ、私にも頂戴ね」
「オランジェリー?」
「オレンジを使った、って意味よ。じゃぁね〜」
恋するオンナのコは可愛い。
でも、一生懸命なほどもっと可愛い。
「あっありがとうー」
「お礼は、マドレーヌ」
後ろ手に振り、カフェを後にした。


4月14日。
結果はご想像にお任せするわ。

マドレーヌ?
美味しかったわよ。
あら、だって。
美味しいから勧めたのよ。

そういえば…
あのふたりは知ってるのかしら?
「ジューンブライドシーズンに旬を迎えるオレンジは、幸福を招き入れるフルーツとして長く愛されていて、「結婚」を象徴するフルーツとして親しまれている」って。


ハッピーオレンジデー。
14日、最後の奇跡。


そうそう。
ブラックデー、なんてものもあるのよ。
まぁ、このふたりには縁のないものね。
あなたは…どうかしら?
フフ。

               Fin.



 ≫Un afterword

こんばんは。ユイセイカです。
ビフォーホワイトデーの<その後>です。
ひとまず、完。

花粉症の所為でしょうか。
なんだかダラーンとしており、ペースもダウンダウン。
花粉症ってアレルギーで病気なんだなぁと改めて思ったり。
ツラいです…。

彼女篇・彼篇・クラスメート篇と続けてみて、
それぞれの篇で書き方もちょっと違ってみたり…だんだん長くし台詞もちょろちょろ。
一番時間がかかってしまったこの篇ですが、楽しかったです。


皆様にも、ふたりのようなシアワセが訪れますように.:♪*

                              卯月一四日 セイカ拝

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