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瑞浪ラプソディーコミュのチタン製品 〜フェロシルト問題と放射性廃棄物について

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堅くて軽く錆びないチタンは白色顔料として冷蔵庫や車の塗料、メガネのフレームやゴルフクラブとして使われていますが、最近は光触媒としても脚光を浴びています。
ここでまず、チタンとは何か振り返ってみます。


◆チタンとは?

チタンとは金属元素の一つで、名前はギリシャ神話のタイタンに由来します。
1791年にメナカン海岸で採取された砂からその存在が発見され、メナカナイトと呼ばれていました。
その数年後に新元素として原始記号「Ti」、原子番号22の「チタ二ウム」として知られることになります。
1910年にようやく金属の形で取り出す精製法が考案されました。
その特性から航空機、ミサイルの軍用好適素材として注目され、冷戦下のアメリカとソ連で世界のチタン市場の争奪紛争を巻き起こすほどでした。
民間では1950年にアメリカのデュポン社が初めて製品とし生産利用したことからチタン製品ブームを巻き起こすことになりました。

軽くて丈夫なチタンは鋼とほぼ同じ強度を持つ一方、比重が鋼やステンレスの約60%、銅の約50%と非常に軽いのが特長。
その上、表面には強固な酸化皮膜が形成されているため、海水や酸性雨などに対しても優れた耐食性を誇り、半永久的にサビません。

 1.非常に軽い。 重さはステンレスの約半分で扱いやすい。
 2.熱効率に優れる。
 3.抜群の耐食性。 塩分にも強く、錆びない。
 4.優秀な耐久性 。頑丈で、高温にも耐える。
 5.カラダに優しい。 肌に触れても金属アレルギーを起こさない。

チタンの上記のような特長から、従来はジェット機、ロケット、人工衛星などの先端科学素材として特殊用途に用いられてきました。
最近ではスポーツ・アウトドア用品から調理器具、装飾品、建築・建材、医療用品など、私たちの生活に身近なあらゆる分野でチタンの特性を生かした製品が次々に登場。
6500メートルの海底から宇宙空間にいたるまで、環境に優しい金属として脚光を浴びています。


と、ここまではいいこと尽くめで非の打ち所がないんじゃないかと思いますよね。
私はそう信じていました、ある疑問が起きる最近までは...

こんなに便利なものには何か裏があるんじゃないか?
そんな疑問です。

まず、素材の発見から実用化にいたるまで100年かかったことからも分かるように、チタンの抽出方法には時間とコストがとてもかかります。
鉄鋼とはまったく異なり、化学精錬であり、複数の工程を必要とします。
さらに融点が1650度と高く、炭化物や窒化物を作りやすいので、とにかくコスト高となります。

しかし、もっとも重大な問題はその製造過程で出る廃棄物にありました。
チタン鉱石はウランやトリウムなど放射性物質を含むため、チタンの廃棄物は放射性廃棄物でもあります。
また、チタン鉱石には鉄分が多く含まれており、酸化チタンから出た汚泥のようなゴミをアイアンクレー(鉄の粘土)といい、通常は産廃処分場に廃棄されます。


◆フェロシルトとは?

フェロは鉄、シルトは粘土。
つまり、アイアンクレーとフェロシルトは同じ物です。

チタン製品に対する廃棄物(アイアンクレー)の量は約2倍から2.5倍となります。
このため処分場が逼迫し、処分場費用も高額でした。
しかも放射能が高いという問題が付きまといます。

そこで当時の「石原産業」は、まず酸化チタン汚泥(アイアンクレー)の放射線量率データを改ざんしました。
そして見た目には赤い土のアイアンクレーを、主成分が酸化鉄と石こうの埋戻し材として製造・販売しました。
本来は産廃処分すべきアイアンクレーを表面的に偽装し、商品名に「フェロシルト」と名前をつけて販売したのです。
当初は中部国際空港の埋立に使ってもらう予定でしたが、粒子が細かすぎて断られました。
しかたなく運搬費用や買ってもらうよりも高い費用を払って、この危険な産廃の不法投棄がはじまりました。

そこで岐阜県では、微量の放射性物質を含むこと、流出して河川を赤濁させることなどから、当時フェロシルトの搬入が確認されていた4ヶ所の土壌・水質・放射線調査を、平成17年3月及び5月に実施しました。
その結果、調査箇所の3ヶ所で土壌環境基準を超過する六価クロム及びフッ素が検出されたことから、県はフェロシルト製造業者である石原産業に対して自主回収を要請。
平成17年6月8日に石原産業から県内分のフェロシルト全量について自主撤去するとの申し出がありました。

現在はフェロシルトの製造・販売ともに中止されています。
しかし、現在でもまだ石原産業の撤去作業は終わっていません。

岐阜県内のフェロシルト問題の経過、現在の撤去状況等(岐阜県のHP)↓
http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11263/fs/


私たちはこのまま、便利で安全といわれるチタンを使い続けて良いのでしょうか。
チタンの原料は、マレーシア、オーストラリア、カナダ等の海岸に堆積している砂鉄状の鉱物です。
鉱石を外国の産地で精錬し、放射性物質の高い部分をそこに捨てている可能性もあります。


※れんげ通信:

「フェロシルト」とは(2005年5月4日)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/f4.htm

フェロシルト資料集(2006年3月)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/fshiryo.htm

市民ネット・岐阜の取り組み(2004年12月〜2006年3月)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/f3.htm

市民ネット・岐阜の取り組み(2006年4月〜2007年5月)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/f6.htm

市民ネット・岐阜の取り組み(2008年最新情報)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/f7.htm

れんげ通信ブログ版
http://rengetushin.at.webry.info/



ちなみに、私はチタンを問題にしているわけではありません。
チタン製品自体は放射性物質を含んでおらず、今お使いのものもこれまで通り安心して使えます。
それにチタンもウランも自然界では安定した状態でそこに存在し悪さをしません。
問題なのはそれを掘り返す人間の側。
消費者が利便性を求め続けた結果そこには見えない廃棄物が生まれ、利潤優先の企業と行政は危険であっても安全としか強調してきませんでした。
原発や六ヶ所村などで起こっている構造と同じで、現代社会が生み出したあらゆる問題と根っこが同じだと感じています。

今回はフェロシルトがチタンの放射性廃棄物であることを早急にまとめました。
もしここまで読んで何か感じた方は、さらにお調べになりもっとわかりやすくまとめてみてください。
そして、これからどうしたらいいのかみんなで考えながら、もっと大切なものを伝えていけたらと思います。

最後に、関連する問題としてアルミを精錬した後に出る「アルミ残灰」の不法投棄も行われているようなので紹介だけしておきます。


※アルミ残灰の参考ページ:

REALと環境問題|株式会社リアル
http://www.real-corp.co.jp/solution/recycle/solution03.html

非鉄関連NEWS
http://www.japanmetal.com/back_number/h1998/h19980319.html





関連トピック:

▼蛍光灯の気になる有害物質 〜水銀の廃棄処理について
 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=31948267&comm_id=2255620


...

コメント(9)

うわ、ぜんぜん知りませんでした。情報ありがとうございますm(__)m
> さかなちゃん☆さん

実はかなり前からチタンが放射性物質と関係しているらしいことに気づきましたが、どう危険なのか詳しいことがわからずに時間だけが過ぎました。
そして、この問題をわかりやすく説明してくれる人にもなかなか出会いませんでした。

そんな中、岐阜県の悪名高き石原産業のフェロシルト問題が最近の国会でも取り上げられました。
その流れで、フェロシルト問題を追求し続けているれんげ通信より知らせを受け、単なる産廃不法投棄の業者としてまったく違う話題と思っていたフェロシルトが、放射性物質を含むチタン廃棄物だと知りました。
今まで点と点だった疑問から、ようやく問題となっている大きな流れがつかめましたので私なりにまとめてみました。

さかなちゃんにもお願いです。
もっとわかりやすく、みんなでさらに伝えていきましょう!
わーー。
私もチタンと放射性物質なんて、全く関係ないと思ってました。。。
知らないって怖い!改めて。
> こまみみさん

マスコミなど世間一般に対して問題になりにくいのは、放射能の数値が低いから安全だと国がいっているからのようです。
当然、産廃処理場へ持ち込める低レベル放射性廃棄物の数値基準があるようですが、その数値内なら人体にも環境にも安全とする国の姿勢、何かの問題と非常に似てると思いませんか?
本文に追記しましたが、関連する問題としてアルミを精錬した後に出る「アルミ残灰」の不法投棄も行われているようなので紹介だけしておきます。

REALと環境問題|株式会社リアル
http://www.real-corp.co.jp/solution/recycle/solution03.html

非鉄関連NEWS
http://www.japanmetal.com/back_number/h1998/h19980319.html
県民ネット寺町ブロさんのブログより

てらまち・ねっと
http://blog.goo.ne.jp/teramachi-t/e/93385f2e4d1bedfcbd2925262b4cc607


◆緊急に国に申入/石原産業・放射線量データ改ざんし処分のフェロシルト(アイアンクレー)問題
 フェロシルトの不法投棄や石原産業 / 2008-05-17

 石原産業の信じられない所業。四日市の人たちは抗議し、工場の見学も求めているという。見学の狙いは、「われわれ市民が関心を持っていることを工場側に知らせ、緊張関係を生み出したい」

 岐阜の私たちは、空間放射線量のデータを改ざんして処分されたフェロシルト(アイアンクレー)の問題で国に申し入れた。 
 検査データを改ざんし、四日市市の処分場に埋め立てていた。1時間あたりの空間放射線量率が基準(0・14マイクロ・グレイ)以下でなければ埋め立て処理できないが、排出された33万トンのうち約3分の1について、最大で基準の3倍だったにもかかわらず、国や県に報告する測定結果を偽って(5.15 読売新聞)

 兼松さんの れんげ通信ブログ版<http://rengetushin.at.webry.info/> の 
 5月15日 フェロシルト(アイアンクレー)処分場からの撤去と管理の義務づけを!<http://rengetushin.at.webry.info/200805/article_3.html> に詳しく解説されている。

 ともかく、兼松さんがまとめてくれた申し入れ書を緊急に昨日、文部科学大臣、経済産業大臣、環境大臣、厚生労働大臣宛てに提出した。

 どうも、三重県や石原産業は、ただジーーッと文科省の出方を待っている雰囲気。

 なお、経済産業省が化学兵器禁止法の疑いで三重県警への刑事告発を検討しているという。ま、しなければ、市民サイドがするしかないのだろう。



※画像は国に提出した申し入れ書

この後、申し入れ書の全文もリンク先に出ています。
兼松さんのれんげ通信ブログより

れんげ通信ブログ版
http://rengetushin.at.webry.info/200805/article_3.html


フェロシルト(アイアンクレー)  国は石原産業(株)による処分場からの撤去と管理の義務づけを!
作成日時 : 2008/05/15 18:02


 2005年2月、石原産業(株)のフェロシルト搬入を、放射能を含んだ産業廃棄物の不法と捉えて、撤去に取り組んでから3年経ちました。岐阜県内のフェロシルトの大部分が撤去されました。
 
 しかし私たちが問題としたフェロシルトに含まれるチタン鉱石由来のウラン、トリウムの問題は置き去りにされたままでした。ウラン、トリウムが問題にされない理由は、科技庁、厚生省、通産省、労働省が1991年6月6日に出した「チタン鉱石問題に関する対応方針」にあります。対応方針では、
 
 「? 工場外に持ち出す廃棄物は、廃棄物に起因する空間放射線量率の目安が、以下であるものに限ること。このため、持ち出す前に空間放射線量率の測定を行い、これを確認し、記録すること。」とあります。
 フェロシルトの上1mで測定し、0.14μGy/h以下であることを基準としました。

 私たちのフェロシルト撤去に関わる資料や運動はこちらにあります。
  ・2005年から2006年の活動  http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/f3.htm
  ・フェロシルト資料集  http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/fshiryo.htm

 フェロシルトを搬入した場所の外れや、フェロシルトの1m上から測定すれば、たいていの場合0.14μSv/hを超えることはありません。そのため問題ないとして放射線の問題放置されました。

 ところがフェロシルトの裁判の終わった今、職員への記名調査で様々な違法行為があったと、記者会見した中に国の基準を超えた酸化チタンの廃棄物・アイアンクレー(フェロシルトと同じ)が産廃処分場に搬入されていたと発表しました。 
 石原産業(株)の発表 http://www.iskweb.co.jp/cgi-pdf/news/1210741844.pdf
 放射線については14ページに載っています。

 フェロシルトは三重県がリサイクル製品として認定した商品でした。しかしウランやトリウムが含まれているため、リサイクル製品に認定され後も、放射線測定をして三重県に報告していました。情報公開で得た「リサイクル製品認定基準適合状況報告書」(2004年12月27日 石原産業(株)から三重県に報告した文書)でも、0.12μSv/hや0.13μSv/hが頻繁に測定されていました。


 この報告書を見たとき、基準の0.14μSv/hを超えていると書かないために、ギリギリの0.13や0.12を書き込んでいると思っていました。しかし基準を超えていることを実証する方法は立ち入り権がないため不可能でした。

 石原産業(株)の報告書や讀賣新聞の記事を読んで、私たちの心配が的はずれでなかったことを思いました。
 勿論この基準が適切だとは思っていません。本来放射線を出す物は捨ててはならないと考えています。ウランやトリウムの寿命(半減期)は人間にとって永遠と同じことですから。

 ところが石原産業(株)は測定したが処分場の周辺では?搬出先の処分場周辺については毎年放射線量率の検査を行っており問題ない旨確認しているが、行政当局及び処分場と相談の上、処分場における放射線量率の測定を実施した。といっています。
 つまり、基準を超えたアイアンクレーを処分場に入れた。しかし処分場の周辺で放射線を測定したが、問題なかったのでそのままにしておくということです。行政当局とは三重県でしょうか。

 国は基準を超えたアイアンクレーの処分場投棄を認めてはなりません。認めたら、国が定めた基準など無視して良い、もっと高い値の放射能を投棄を勧めることにほかなりません。つまり規制を作った国が基準なんかあってもなくても良い、飾りだ、破って良いといっていることなのです。

 しかし国はチタン鉱石の廃棄物の放射線ほ測定し、報告を義務付けています。基準は撤回されてはいません。生きています。
 
 国が今すべきことは、石原産業(株)がアイアンクレーを処分場から早期撤去し、石原産業(株)による管理の義務づけることです。

 讀賣新聞が記事「石原産業 猛毒ガス無届け製造 四日市工場」で、アイアンクレーの放射線量について触れています。
 http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/080515_1.htm



※画像は「リサイクル製品認定基準適合状況報告書」
◆讀賣新聞 2008.5.15  中部1面
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/080515_1.htm

また、04年までの6年間、酸化チタンの製造過程で出る産廃「アイアンクレー」
について、空間放射線量率が国の基準を超過していたにもかかわらず、基準に
適合しているよう検査データを改ざんし、四日市市の処分場に埋め立てていた。
1時間あたりの空間放射線量率が基準(0・14マイクロ・グレイ)以下でなければ
埋め立て処理できないが、排出された33万トンのうち約3分の1について、最大
で基準の3倍だったにもかかわらず、国や県に報告する測定結果を偽っていた。
処分場周辺の放射線量率に問題はなかったという。


◆朝日新聞 2008.5.16 三重県内版
http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000000805160001

また、酸化チタンを製造する過程で発生する汚泥「アイアンクレイ」に含ま
れる放射線量率の数値を虚偽報告していた問題では、県は4月上旬、
廃棄されていた四日市市内の産廃処理場の放射線量率を測定。同社の
報告では、基準の3倍弱の放射線量率があったとされるが、処理場内の
測定値は基準値以下だったという。放射性物質は、チタン鉱石に元来含
まれている。文部科学省防災環境対策室によると、仮に基準の3倍弱で
も健康被害はほぼないという。


◆毎日新聞 2008.5.15 三重県 伊賀版
http://mainichi.jp/area/mie/archive/news/2008/05/15/20080515ddlk24040431000c.html

アイアンクレーは同社の主力製品である酸化チタンの製造過程で生じる
汚泥。フェロシルトの生産期間とほぼ同時期の98年から04年にかけての
測定で、恒常的に放射線量率が基準値の3倍近い値になっていた。その
間に約33万トンのアイアンクレーを搬出したが、うち3分の1は基準値を超
えていたという。県は「処分場の敷地境界では基準値を超えておらず、健康
被害の心配はないが、許されない行為だ」としている。


****************************************************************

◆ 石原産業(株)の発表「『コンプライアンス総点検』結果等のご報告について」
http://www.iskweb.co.jp/cgi-pdf/news/1210741844.pdf

※アイアンクレーの放射線量については14ページに載っています。


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