ロミオ × ジュリエットコミュの第五幕　「旋風(かぜ)」

ひとりたった一人の男の背中
その背に纏いし衣は
民の涙預かりし深紅の祈り
我が誇りと正義まっとうせんとするは
日出時信ずるが故ー。

第五幕　「旋風(かぜ)」Si alza il vento
～燃ゆる覚悟～

名場面１
後半全てが見せ場なので部分を取り上げるのは非常に難しい。

神父が民を欺いていたこと、虐げられた民衆が騙し合う現実。
「責めなくてはならないのは･･･」
キャピレットの血を引く継承者がやはり生きていたこと、
その御子が側近に大事に守られていたこと、
その御子は自分を助けてくれた正義の紅い旋風だったこと。
今、紅い旋風の命が、民からの信頼が消えかけようとしていること。
お医者様は決心した―。ネオ･ベローナの未来をアイリスの花に託すと。
「紅い旋風にお伝えください。くれぐれもお体を大事にと。」

名場面２
屈託のない顔でスヤスヤ寝息を立てている子供たち。
いったいどんな心境で見つめているんだろう･･･
どんな気持ちで妻の手を取ったのだろう･･･
本当に自分の決断は正しいのか？
残された家族はどうなる？
しかしお医者様の意志は決まっていたようだ。
「お前ももうおやすみ、いつまでもこんな世の中じゃない」

名場面３
広場の罪無き民衆を助けに行こうとするがキュリオに叱咤されるジュリエット。
多勢に無勢、勝ち目はない。
広場から離れていても民衆の嘆きが聞こえてくる。
私の身代わりのために見殺しなんかできない！
適う相手じゃない、それでも助けなきゃと走り出すが
今度はランスロット先生に押し留められる。

「あなたは私が信じてきた通りの方だった、
あなたが命を賭ける場所はここではない！
ネオ・ベローナに未来を―。」
キャピレット復興と正しい世の中になることを信じて
先生は紅い旋風になった。