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キョンシー・ホラーコミュの【コラム】Party is Over…〜ブーム後の「霊幻道士」、そして「幽幻道士」

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去る8月26日は、"キョンシー・ホラー"の元祖「霊幻道士」シリーズ第4作『霊幻道士・完結篇 最後の霊戦』(88年、画像左)が日本で公開されてから30年目の日でした。作品自体については「霊幻道士」シリーズ関連の他コミュニティでも語られていますので、ここではあえて言及致しません。

リアルタイムで鑑賞された入会者の方であればご記憶と思うのですが、この作品が日本公開された頃、既に"キョンシー・ホラー"のブームは終息していました。前年の秋にテレビ放送で人気を博した"美少女道士テンテンちゃん"をメインとする「幽幻道士」シリーズの第4作がTBS系のスペシャル枠でOAされた時点で"キョンシー・ホラー"ブームは一旦のピリオドが打たれたのです。テンテンちゃんことシャドウ・リュウの「幽幻道士」シリーズからの"卒業"は、1年半余りに及んだブーム終焉の象徴でもありました。そして元祖「霊幻道士」シリーズ第4作だった『最後の霊戦』にも、シリーズの顔であったラム・チェンイン(林正英)の姿はなかったのです。
しかしながら、「霊幻道士」シリーズの第4作の邦題がなぜ"霊幻道士・完結篇"だったのでしょうか。今更ながら紐解いてみたいと思います。

皆様もご存知の通り、「霊幻道士」シリーズ、というか主演のラム・チェンイン自身は、『最後の霊戦』以降も"道士様"の役を演じ続け、日本でソフト化された作品は「霊幻道士」のタイトルが付けられ、ファンに親しまれてきました。では、完結篇と銘打たれた『最後の霊戦』までと、以降の作品の違いって何でしょうか?それは、メインスタッフ+制作会社の布陣です。
製作総指揮レナード・ホウ(何冠昌)、製作サモ・ハン(洪金寶)、監督リッキー・リュウ(劉觀偉)、制作会社ゴールデン・ハーベスト(画像中がロゴ。実際の製作は傘下にあるサモのプロダクション、ボーホー・フィルム)、第1作『霊幻道士』から第4作『最後の霊戦』までは、全てこの陣容で作り続けられ、そして日本公開の際は全て東宝東和が配給しました。この体制だからこその「霊幻道士」シリーズだった訳であり、その体制での最後の作品=完結篇が『最後の霊戦』なのです。
この体制が崩れたのには様々な理由がありますが、大きな要因として現場サイドの責任者であったサモ・ハンのゴールデン・ハーベストでの求心力の低下が挙げられます。
香港で『霊幻道士2』がヒットし、『霊幻道士3』が完成するまでの間、サモは莫大な製作費を投入し長期間のフィリピン・ロケを敢行した戦争アクション『イースタン・コンドル』(87年、画像右)を監督します。この作品は当時世界的にヒットしていた『プラトーン』(86年)や『ランボー2 怒りの脱出』(86年)といったベトナムを舞台にしたミリタリー・アクションのブームに便乗した1作ではあるのですが、70年代初めの設立時から活動していたサモ・ハンのゴールデン・ハーベストでの集大成を目指してもいました。盟友のラム・チェンインは勿論.弟弟子ユン・ピョウ(元彪)やユン・ワー(元華)や『最後の霊戦』でも大役だったチン・カーロウ(錢嘉樂)など、サモに縁のあるキャストを総動員させ、自身も頭髪を短く刈込み大幅なダイエットで身体を絞ってコミカルなキャラを一切封印。ハードでシリアスな作風で挑みましたが、大ヒットには至らず大赤字となり、ゴールデン・ハーベストにダメージを与える結果となったのです。同社のボスであったレイモンド・チョウ(鄒文懷)からの信頼も損ねてしまい、その後はアジア全域で安定した人気を誇っていたジャッキー・チェン(成龍)との再共演作を撮るなど香港返還前後までゴールデン・ハーベストとの関係は続きますが、サモも徐々に同社とは距離を置くようになり、"キョンシー・ホラー"の製作からも手を引く形となっていきました。
ちなみに『最後の霊戦』の翌年ラム・チェンインが監督デビューを果たしたパート5は製作総指揮レナード・ホウの下ゴールデン・ハーベストが配給しましたが、制作会社はボーホー・フィルムではなく別会社で、サモ・ハンはかかわっていません。一方翌90年に撮られた『鬼喰う鬼』は、リッキー・リュウ監督でサモとラム・チェンインが共演していますが、これは"サモ・ハン・ホラー3部作"の流れを汲んだ作品で、ゴールデン・ハーベストではなくサモが主宰する独立プロの制作です。第1作のキャストが再結集したリッキー・リュウ監督のパート7も、やはりサモやゴールデン・ハーベストはからんでおりません。
さらに言えば、「幽幻道士」シリーズのパート4は、"完結篇"とは謳われてないですよね。作品トピでもふれていますが、元々パート4制作の時点で、当時のTV雑誌や映画雑誌には、このパート4のメンバーを中心にした新シリーズが作られるらしいという下りがあるんです。なので『幽幻道士4』は、その新シリーズのお披露目的1作というか、パート0的な位置にあったと言えます。

こうして、ブームが終わりを告げた後も、「霊幻道士」と「幽幻道士」という2大シリーズを中心に、レンタル・ビデオなどで未公開作品がリリーズされて参ります。
そこで今回の作品トピですが…、『霊幻道士・5 ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ!』『コイサンマン、キョンシーアフリカへ行く』『霊幻道士6 史上最強のキョンシー登場!!』『霊幻道士7 ラスト・アクション・キョンシー』に加え、『新・幽幻道士 立体奇兵』も紹介して参りたいと存じます。

※作品トピックについては鋭意準備中です。画像、資料など揃い次第順次アップしていく予定です。しばらくお待ち下さいませ。

コメント(1)

本日、『霊幻道士・完結篇 最後の霊戦』(88年)が香港で公開されてから35周年を迎えました。

オリジナル予告編動画↓

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