原題：孩子王(King of The Children/King of Children)
台湾 キンコウ･フィルム･カンパニー作品 88年 90分 カラー 日本劇場未公開(ＴＶ→VHS→DVD→特集上映)
製作：ヤン･タンクェイ 監督：チャイ･ヤン･ミン／チェン･チュン･リャン 脚本：ヤオ･チン･カン 撮影：リャオ･チンソン 武術指導：ホァン･ヂョンユィ
出演：(３点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオのキャスト)
リン･シャオ･ロウ(林小樓)=大人テンテン…水谷優子
キン･トー(金塗)=金おじいさん…宮内幸平
シャドウ･リュウ(劉致��)=テンテン…高田由美
チェン･ツー･チャン(陳子強)=チビクロ…坂本千夏
チェン･トンズン(鄭同村)=トンボ…羽村京子
アン･アン(安安)=安安(アンアン)…真柴摩利
ホン･イー･ユエン(洪竟原)=ベビーキョンシー…あきやまるな
リー･イージェン(李宜娟)=チェンチェン…折笠愛
ツァイ･ミージェ(蔡宓潔)=ミイミイ…神代知恵
ホァン･ヂョンユィ(黄仲裕)=兄貴…納谷六朗
パン･サン(胖三)=ポンタ…内海賢二
ジュー･ガーリャン(豬哥亮)=ダメ親方…原田伸郎(あのねのね)
ジァン･ルンション(江龍昇)=悪魔…笹岡繁蔵
グー･クワンツォン(顧冠忠)=成龍…石丸博也
ユー･ティエン(余天)=ジョー隊長…大山高男
パン･シャオラン(彭曉蘭)=リンリン…鷹森淑乃
ファン･シャーティエン(黄西田)…堀内賢雄
エミリー･チュウ(朱寶意)=メイ…鷹森淑乃
チェン･ソンヨン(陳松勇)=番頭
ツァイ･トウ(蔡頭)
―解説―
台湾製キョンシー映画｢幽幻道士｣シリーズ完結編。美しく成長したテンテンが行方を絶った父を捜して祖父と旅に出る。おなじみテンテンことシャドウ･リュウ(劉致��)に加え､大人になったテンテン役で『新桃太郎』(87年)のリン･シャオ･ロウ(林小樓)が出演。ほかにリー･イーチェン(李宜娟)､ツァイ･ミージェ(蔡宓潔)など新加入の子役たち､そして『新･少林寺伝説』(95年､テレビ放送)のジュー･ガーリャン(豬哥亮)､『ファースト･ミッション』(85年)などのエミリー･チュウ(朱寶意)など。監督はチャイ･ヤン･ミン(蔡揚名)とチェン･チュン･リャン(陳俊良)の共同。88年作。
―物語―
超人的な法力をもって生まれ､美しく成長したテンテン(林小樓)は､行方を絶った父を捜すため､祖父･金おじいさん(金塗)と旅に出る。道中出逢った親方にはぐれた孤児たちとたどり着いた街では､おじいさんの持物だったフルメタルキョンシーが人々を襲い､金品を強奪する事件が続発。テンテンの法力で乗込んだホテルには､孤児たちを置去りにしたダメ親方(豬哥亮)とキョンシーを盗んだ悪党ふたり､そしてテンテンの父･成龍がいた。悪魔から身を賭して金おじいさんを助けた成龍は､失った記憶を取戻しテンテンの顔を見届け事切れる。大量の死人を復活させた悪魔とテンテンたちの最終決戦が始まった!
台湾 キンコウ･フィルム･カンパニー作品 88年 90分 カラー 日本劇場未公開(ＴＶ→VHS→DVD→特集上映)
製作：ヤン･タンクェイ 監督：チャイ･ヤン･ミン／チェン･チュン･リャン 脚本：ヤオ･チン･カン 撮影：リャオ･チンソン 武術指導：ホァン･ヂョンユィ
出演：(３点リーダー以降の人名は日本語吹替版ビデオのキャスト)
リン･シャオ･ロウ(林小樓)=大人テンテン…水谷優子
キン･トー(金塗)=金おじいさん…宮内幸平
シャドウ･リュウ(劉致��)=テンテン…高田由美
チェン･ツー･チャン(陳子強)=チビクロ…坂本千夏
チェン･トンズン(鄭同村)=トンボ…羽村京子
アン･アン(安安)=安安(アンアン)…真柴摩利
ホン･イー･ユエン(洪竟原)=ベビーキョンシー…あきやまるな
リー･イージェン(李宜娟)=チェンチェン…折笠愛
ツァイ･ミージェ(蔡宓潔)=ミイミイ…神代知恵
ホァン･ヂョンユィ(黄仲裕)=兄貴…納谷六朗
パン･サン(胖三)=ポンタ…内海賢二
ジュー･ガーリャン(豬哥亮)=ダメ親方…原田伸郎(あのねのね)
ジァン･ルンション(江龍昇)=悪魔…笹岡繁蔵
グー･クワンツォン(顧冠忠)=成龍…石丸博也
ユー･ティエン(余天)=ジョー隊長…大山高男
パン･シャオラン(彭曉蘭)=リンリン…鷹森淑乃
ファン･シャーティエン(黄西田)…堀内賢雄
エミリー･チュウ(朱寶意)=メイ…鷹森淑乃
チェン･ソンヨン(陳松勇)=番頭
ツァイ･トウ(蔡頭)
―解説―
台湾製キョンシー映画｢幽幻道士｣シリーズ完結編。美しく成長したテンテンが行方を絶った父を捜して祖父と旅に出る。おなじみテンテンことシャドウ･リュウ(劉致��)に加え､大人になったテンテン役で『新桃太郎』(87年)のリン･シャオ･ロウ(林小樓)が出演。ほかにリー･イーチェン(李宜娟)､ツァイ･ミージェ(蔡宓潔)など新加入の子役たち､そして『新･少林寺伝説』(95年､テレビ放送)のジュー･ガーリャン(豬哥亮)､『ファースト･ミッション』(85年)などのエミリー･チュウ(朱寶意)など。監督はチャイ･ヤン･ミン(蔡揚名)とチェン･チュン･リャン(陳俊良)の共同。88年作。
―物語―
超人的な法力をもって生まれ､美しく成長したテンテン(林小樓)は､行方を絶った父を捜すため､祖父･金おじいさん(金塗)と旅に出る。道中出逢った親方にはぐれた孤児たちとたどり着いた街では､おじいさんの持物だったフルメタルキョンシーが人々を襲い､金品を強奪する事件が続発。テンテンの法力で乗込んだホテルには､孤児たちを置去りにしたダメ親方(豬哥亮)とキョンシーを盗んだ悪党ふたり､そしてテンテンの父･成龍がいた。悪魔から身を賭して金おじいさんを助けた成龍は､失った記憶を取戻しテンテンの顔を見届け事切れる。大量の死人を復活させた悪魔とテンテンたちの最終決戦が始まった!
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コメント(14)
さて! 入会者の皆様､永らくお待たせいたしました。
"キョンシー･ホラー"ブームを牽引してきた台湾製キョンシー･ホラー｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズの事実上の"完結編"､満を持しての登場です。
以前から申し上げて参りましたように､当コミュニティでは劇場公開された｢霊幻道士｣４部作と"美少女道士テンテンちゃん"をメインとする｢幽幻道士(キョンシーズ)｣の両シリーズは､これまで作品トピックで取り上げて参りませんでした。
理由は明快です。それらの作品については､当コミュティを立ち上げる前から､シリーズに特化したコミュニティが存在しており､わざわざ重複してまで取り上げる必要がなかったからです。
ただし､｢霊幻道士｣パート５以降(『霊幻道士８』は既に作品トピとして取上げ済)､そして
本作『幽幻道士４』と『新･幽幻道士 立体奇兵』の後期｢幽幻道士｣シリーズとなると､事情が異なってきます。特に後者の後期｢幽幻道士｣シリーズは､シリーズの象徴ともいえるキャラクター･美少女道士テンテンちゃんが主役ではなくなったことで､ファンの間で顧みられることが非常に少なく､作品として過小評価や誤解されてる面も少なくありません。
テンテンちゃんが出てないからつまらない。本当にそうなのでしょうか？ そうしたことも含め､あらためて『幽幻道士４』を"キョンシー･ホラー"作品の１本としてご紹介してみたいと思います。
…とはいえ､ですね。『幽幻道士４』でのテンテンちゃんはなぜ前半10数分しか出なかったのか､その理由を充分には理解していないファンも未だ少なくない､という話も聞きます。確かにまずはそこから紐解いていかないと､この作品自体のお話を進められないのも､また真実です。
これに関しては､2005年に出版された書籍｢テンテン美少女メモリアル｣(英知出版刊･現在絶版)のなかで､テンテンちゃんを演じたシャドウ･リュウ(劉致��)自身が語っております。今回は原文ママで､該当の部分のみ抜粋してご紹介します↓
(以下抜粋)"『幽幻道士４』の頃になると､私と他の子役たちとの間には､出演条件や待遇面でかなりの差が出来ていた。みんな同じように頑張ってるし､親御さんたちからの訴えもあって､私のお父さんが代表して､他の子役たちの出演料をアップしてもらえるように映画会社に頼んだの。
｢みんな同じ待遇にしなければ､テンテンは出さない｣とも言ったみたい。でも結局折り合いがつかずに､私たち(お兄ちゃんも)が降りることとなった。それでも義理はあるから､私だけは特別出演という形で少しだけ出演したの。"
…いかがでしょうか？ かなり生々しいエピソードで､正直聴きたくなかった､という方もいるかと思います。ただ､今大人になってこのトピックをご覧になってる皆様なら､充分合点のいく内容でもあります。
ちなみに､抜粋中にある｢私のお父さん｣というのは､当時彼女のマネジャー代わりでもあった実父で台湾の人気俳優でもある劉尚謙氏(別トピ参照)､｢お兄ちゃん｣は皆様ご存知の通りスイカ頭ことジョニー･リュウ(リュー･ツーハン=劉至翰)のことです。
そういえばこの映画､確かにスイカ頭も出てなかったですよね…。
"キョンシー･ホラー"ブームを牽引してきた台湾製キョンシー･ホラー｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズの事実上の"完結編"､満を持しての登場です。
以前から申し上げて参りましたように､当コミュニティでは劇場公開された｢霊幻道士｣４部作と"美少女道士テンテンちゃん"をメインとする｢幽幻道士(キョンシーズ)｣の両シリーズは､これまで作品トピックで取り上げて参りませんでした。
理由は明快です。それらの作品については､当コミュティを立ち上げる前から､シリーズに特化したコミュニティが存在しており､わざわざ重複してまで取り上げる必要がなかったからです。
ただし､｢霊幻道士｣パート５以降(『霊幻道士８』は既に作品トピとして取上げ済)､そして
本作『幽幻道士４』と『新･幽幻道士 立体奇兵』の後期｢幽幻道士｣シリーズとなると､事情が異なってきます。特に後者の後期｢幽幻道士｣シリーズは､シリーズの象徴ともいえるキャラクター･美少女道士テンテンちゃんが主役ではなくなったことで､ファンの間で顧みられることが非常に少なく､作品として過小評価や誤解されてる面も少なくありません。
テンテンちゃんが出てないからつまらない。本当にそうなのでしょうか？ そうしたことも含め､あらためて『幽幻道士４』を"キョンシー･ホラー"作品の１本としてご紹介してみたいと思います。
…とはいえ､ですね。『幽幻道士４』でのテンテンちゃんはなぜ前半10数分しか出なかったのか､その理由を充分には理解していないファンも未だ少なくない､という話も聞きます。確かにまずはそこから紐解いていかないと､この作品自体のお話を進められないのも､また真実です。
これに関しては､2005年に出版された書籍｢テンテン美少女メモリアル｣(英知出版刊･現在絶版)のなかで､テンテンちゃんを演じたシャドウ･リュウ(劉致��)自身が語っております。今回は原文ママで､該当の部分のみ抜粋してご紹介します↓
(以下抜粋)"『幽幻道士４』の頃になると､私と他の子役たちとの間には､出演条件や待遇面でかなりの差が出来ていた。みんな同じように頑張ってるし､親御さんたちからの訴えもあって､私のお父さんが代表して､他の子役たちの出演料をアップしてもらえるように映画会社に頼んだの。
｢みんな同じ待遇にしなければ､テンテンは出さない｣とも言ったみたい。でも結局折り合いがつかずに､私たち(お兄ちゃんも)が降りることとなった。それでも義理はあるから､私だけは特別出演という形で少しだけ出演したの。"
…いかがでしょうか？ かなり生々しいエピソードで､正直聴きたくなかった､という方もいるかと思います。ただ､今大人になってこのトピックをご覧になってる皆様なら､充分合点のいく内容でもあります。
ちなみに､抜粋中にある｢私のお父さん｣というのは､当時彼女のマネジャー代わりでもあった実父で台湾の人気俳優でもある劉尚謙氏(別トピ参照)､｢お兄ちゃん｣は皆様ご存知の通りスイカ頭ことジョニー･リュウ(リュー･ツーハン=劉至翰)のことです。
そういえばこの映画､確かにスイカ頭も出てなかったですよね…。
そして登場してくるのが…､ご存知リン･シャオ･ロウ(林小樓)扮する大人テンテンです。出世作となった『新桃太郎』以降､ボーイッシュな役が続いていたリン･シャオ･ロウにとって､実質初となるガーリーなキャラクターでした。
左端の画像を見ると､確かに愛らしい笑顔の美少女ぶりですが…､シャドウ･リュウとは全くタイプの違うルックスというかキャラクターなのは一目瞭然ですよね。このあたりファンがイチバン戸惑ったポイントではないでしょうか。
テンテンは｢幽幻道士｣シリーズのなかでファンから"絶対的ヒロイン"と称されました。それは演者であるシャドウ･リュウの少女らしからぬ色香をもたたえた美貌にありました。実は本作の大人テンテンにも"絶対的ヒロイン"の面を備えていたのです。ただそれは､シャドウ･リュウの"圧倒的な美少女ぶり"ではなく､"無双と言える強さ"の部分でした。
大人テンテンの使う"法力"は､過去３作でシャドウ･リュウのテンテンが修業や訓練の末やっと使える類ではありません。法力は生まれながらの超能力として描かれ､圧倒的な強さを誇る超人的なヒロインとして活躍します。
それを強調するためか､最初のうちは女の子ぽかった大人テンテンも､最終決戦ではほとんど"桃太郎"と変わりないキャラになっていたのは､ちょっと惜しまれるところですね。
左端の画像を見ると､確かに愛らしい笑顔の美少女ぶりですが…､シャドウ･リュウとは全くタイプの違うルックスというかキャラクターなのは一目瞭然ですよね。このあたりファンがイチバン戸惑ったポイントではないでしょうか。
テンテンは｢幽幻道士｣シリーズのなかでファンから"絶対的ヒロイン"と称されました。それは演者であるシャドウ･リュウの少女らしからぬ色香をもたたえた美貌にありました。実は本作の大人テンテンにも"絶対的ヒロイン"の面を備えていたのです。ただそれは､シャドウ･リュウの"圧倒的な美少女ぶり"ではなく､"無双と言える強さ"の部分でした。
大人テンテンの使う"法力"は､過去３作でシャドウ･リュウのテンテンが修業や訓練の末やっと使える類ではありません。法力は生まれながらの超能力として描かれ､圧倒的な強さを誇る超人的なヒロインとして活躍します。
それを強調するためか､最初のうちは女の子ぽかった大人テンテンも､最終決戦ではほとんど"桃太郎"と変わりないキャラになっていたのは､ちょっと惜しまれるところですね。
>>[6]
コメントありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ございません。
『幽幻道士４』は､テンテンちゃんや大人テンテン以外にも取上げる話題がとても多くて､トピックを立てたのはいいのですが､何から手を付けていいか考えあぐねていたんです。その先に流れてきたのが､ジュー･ガーリャン(豬哥亮)さんの訃報でした。
時間も経ちましたし､やはりジュー･ガーリャンさんにまつわる話から再開しようと思います。
まず､コレを見ている皆様にお伝えしたいのは､『幽幻道士４』という映画は､"シャドウ･リュウ(劉致��)が最初の10数分だけでいなくなる"だけの作品では決してないということです。実は台湾の芸能界で活躍する人気者たちを集めた"オールスター映画"という重要な一面を備えた作品なのです。そのオールスターズの筆頭的存在が､ダメ親方ことジュー･ガーリャンさん(画像右)でした。
ジュー･ガーリャンさんの芸能人生については､下記にリンクを貼った記事にて詳しく紹介しておりますので､ご覧ください↓
http://www.taiwannohannou.com/archives/70000763.html
上記のリンクにもあるように､ジュー･ガーリャンさんは日本ではほぼ無名の存在でしたが､台湾では誰もがその顔と名前を知っている文字通りビッグネームのコメディアンでした。日本でいえば､志村けん､ビートたけし､明石家さんま､そしてタモリの4人を足した位の人気､と言っても過言ではありません。
記事にもあるように､波乱の芸能生活を送りながら､幅広い活躍を見せたジュー･ガーリャンさんはTVだけではなく､映画にも出演。出演作は15作ほどですが､そのなかには今や国際的なスターとなったジェット･リー(李連杰)や香港映画界の重鎮として活躍するエリック･ツァン(曾志偉)との共演作もあります。特に2度目の失踪から復活した2010年以降の活躍は眼を見張るばかりで､これまで以上に映画出演にも力を入れており､ヒット作を連発。映画界では"俳優で客を呼べる唯一の存在"と称され､亡くなる直前まで主演作の撮影を行っていました。そのなかで2014年に主演した映画は､『ピース! 時空を越える想い』(画像中)の邦題で､日本でも2015年に台湾映画を特集した企画で上映されました。
ジュー･ガーリャンさん自身にとっても､『幽幻道士４』は思い入れのある作品だった様で､生前司会を担当していたバラエティ番組に大人テンテン役のリン･シャオ･ロウをゲストに呼んで､想い出話に花を咲かせています↓
またご存知のように､ジュー･ガーリャンさんが演じたダメ親方の声は､フォークデュオ｢あのねのね｣の原田伸郎さん(画像右)が担当していました。元々歌手を皮切りに現在に至るまで関西メインでマルチタレントとして活躍する原田さんが､外国映画の日本語吹替に参加したのは､とても珍しいことです(ナレーションの仕事は多くこなされています)。そういう意味では､最近もよくあるプロの声優さんではない芸能人による"タレント吹替"だったワケですが､まぁハマり役でしたよね。
日本語吹替の演出を担当した飯田譲治監督によると､プロデューサー側で｢名のある役者を呼ぼう｣とのことでキャスティングされたそうですが､アドリブや即興を交えた楽しい収録だったようです。本作をリアルタイムで見ていた入会者の皆様には今一つピンと来ないかもしれませんが､飯田監督や管理人位までの世代にとっては､メジャーな存在だった忘れられない人気タレントのお一人です。
HP｢のぶりんチャンネルTV｣：http://noburin-channel.com/
最後にまたジュー･ガーリャンさん自身の話に戻りますけども､上記の記事にある実娘のジェニファー･シェー/シェ･チンイェン(謝金燕)さんは､お父様同様台湾でカリスマ的な人気を誇るトップシンガーとして現在も大活躍を続けています。
実は彼女もデビュー直後､｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズのキャストやスタッフによるある映画に参加しているのですが､こちらはまた後刻別項にてご紹介したいと思います。
コメントありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ございません。
『幽幻道士４』は､テンテンちゃんや大人テンテン以外にも取上げる話題がとても多くて､トピックを立てたのはいいのですが､何から手を付けていいか考えあぐねていたんです。その先に流れてきたのが､ジュー･ガーリャン(豬哥亮)さんの訃報でした。
時間も経ちましたし､やはりジュー･ガーリャンさんにまつわる話から再開しようと思います。
まず､コレを見ている皆様にお伝えしたいのは､『幽幻道士４』という映画は､"シャドウ･リュウ(劉致��)が最初の10数分だけでいなくなる"だけの作品では決してないということです。実は台湾の芸能界で活躍する人気者たちを集めた"オールスター映画"という重要な一面を備えた作品なのです。そのオールスターズの筆頭的存在が､ダメ親方ことジュー･ガーリャンさん(画像右)でした。
ジュー･ガーリャンさんの芸能人生については､下記にリンクを貼った記事にて詳しく紹介しておりますので､ご覧ください↓
http://www.taiwannohannou.com/archives/70000763.html
上記のリンクにもあるように､ジュー･ガーリャンさんは日本ではほぼ無名の存在でしたが､台湾では誰もがその顔と名前を知っている文字通りビッグネームのコメディアンでした。日本でいえば､志村けん､ビートたけし､明石家さんま､そしてタモリの4人を足した位の人気､と言っても過言ではありません。
記事にもあるように､波乱の芸能生活を送りながら､幅広い活躍を見せたジュー･ガーリャンさんはTVだけではなく､映画にも出演。出演作は15作ほどですが､そのなかには今や国際的なスターとなったジェット･リー(李連杰)や香港映画界の重鎮として活躍するエリック･ツァン(曾志偉)との共演作もあります。特に2度目の失踪から復活した2010年以降の活躍は眼を見張るばかりで､これまで以上に映画出演にも力を入れており､ヒット作を連発。映画界では"俳優で客を呼べる唯一の存在"と称され､亡くなる直前まで主演作の撮影を行っていました。そのなかで2014年に主演した映画は､『ピース! 時空を越える想い』(画像中)の邦題で､日本でも2015年に台湾映画を特集した企画で上映されました。
ジュー･ガーリャンさん自身にとっても､『幽幻道士４』は思い入れのある作品だった様で､生前司会を担当していたバラエティ番組に大人テンテン役のリン･シャオ･ロウをゲストに呼んで､想い出話に花を咲かせています↓
またご存知のように､ジュー･ガーリャンさんが演じたダメ親方の声は､フォークデュオ｢あのねのね｣の原田伸郎さん(画像右)が担当していました。元々歌手を皮切りに現在に至るまで関西メインでマルチタレントとして活躍する原田さんが､外国映画の日本語吹替に参加したのは､とても珍しいことです(ナレーションの仕事は多くこなされています)。そういう意味では､最近もよくあるプロの声優さんではない芸能人による"タレント吹替"だったワケですが､まぁハマり役でしたよね。
日本語吹替の演出を担当した飯田譲治監督によると､プロデューサー側で｢名のある役者を呼ぼう｣とのことでキャスティングされたそうですが､アドリブや即興を交えた楽しい収録だったようです。本作をリアルタイムで見ていた入会者の皆様には今一つピンと来ないかもしれませんが､飯田監督や管理人位までの世代にとっては､メジャーな存在だった忘れられない人気タレントのお一人です。
HP｢のぶりんチャンネルTV｣：http://noburin-channel.com/
最後にまたジュー･ガーリャンさん自身の話に戻りますけども､上記の記事にある実娘のジェニファー･シェー/シェ･チンイェン(謝金燕)さんは､お父様同様台湾でカリスマ的な人気を誇るトップシンガーとして現在も大活躍を続けています。
実は彼女もデビュー直後､｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズのキャストやスタッフによるある映画に参加しているのですが､こちらはまた後刻別項にてご紹介したいと思います。
では､リン･シャオ･ロウ(林小樓)やジュー･ガーリャン(豬哥亮)さんに続く台湾のオールスターズって､どなたなんでしょうか？
まずは旅館の女将メイ役で顔を出していたエミリー･チュウ(朱寶意)。当時の香港映画界でも大活躍を見せていた文句無しのスター女優でした(詳しくは彼女の映画デビュー作でもある『中華道士』の作品トピをご参照ください)。
では､それ以外と言うと…､劇中新キャラとして登場したいささか強面な新任のジョー隊長と何だかよくわからないキャラだった旅館の女将メイの義兄。実は! このふたりもまた台湾では知らない人はいない超の付く有名タレントさんなのです。
ジョー隊長を演じているのは､ユー･ティエン(余天､画像左の右側･画像中)という台湾で国民的な人気を誇る流行歌(日本での演歌や歌謡曲)歌手です。1960年代なかばから歌手として活動していましたが､長い下積みの末77年に千昌夫さんの｢北国の春｣のカヴァーが大ヒットとなり､豊かな声量と堂々かつ朗々とした歌いっぷりで台湾流行歌の第一人者として確固たる地位を築きました。21世紀に入ってからは政治活動が活発になててゃいますが､台湾芸能界では大御所中の大御所といっても過言ではない存在です。ジュー･ガーリャンさんとは同年代で対立や和解を繰り返しつつ無名時代から共に芸能界で過ごしてきた同胞というべき間柄で､彼が亡くなった際には涙ながらに取材に応えていたのが印象的でした。
そして､メイの義兄役のファン･シャーティエン(黃西田､画像左の左側･画像右)もまた､前項のジュー･ガーリャンさん同様台湾語を駆使した芸風で主に流行歌歌手や司会者として活躍する人気者です。やはりジュー･ガーリャンさんやユー･ティエンさんとは同世代で､そのつながりで本作への出演と至ったようですね。ちなみに､｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズに大きな影響を与えた｢カンフーキッド｣シリーズの原点的作品『カンフーキッド･大暴れ!!悪ガキ６人衆』(85年)にもファン･シャーティエンは出演しており､本作同様吃音(ドモリ)を交えたコミカルな小芝居を見せています。
まずは旅館の女将メイ役で顔を出していたエミリー･チュウ(朱寶意)。当時の香港映画界でも大活躍を見せていた文句無しのスター女優でした(詳しくは彼女の映画デビュー作でもある『中華道士』の作品トピをご参照ください)。
では､それ以外と言うと…､劇中新キャラとして登場したいささか強面な新任のジョー隊長と何だかよくわからないキャラだった旅館の女将メイの義兄。実は! このふたりもまた台湾では知らない人はいない超の付く有名タレントさんなのです。
ジョー隊長を演じているのは､ユー･ティエン(余天､画像左の右側･画像中)という台湾で国民的な人気を誇る流行歌(日本での演歌や歌謡曲)歌手です。1960年代なかばから歌手として活動していましたが､長い下積みの末77年に千昌夫さんの｢北国の春｣のカヴァーが大ヒットとなり､豊かな声量と堂々かつ朗々とした歌いっぷりで台湾流行歌の第一人者として確固たる地位を築きました。21世紀に入ってからは政治活動が活発になててゃいますが､台湾芸能界では大御所中の大御所といっても過言ではない存在です。ジュー･ガーリャンさんとは同年代で対立や和解を繰り返しつつ無名時代から共に芸能界で過ごしてきた同胞というべき間柄で､彼が亡くなった際には涙ながらに取材に応えていたのが印象的でした。
そして､メイの義兄役のファン･シャーティエン(黃西田､画像左の左側･画像右)もまた､前項のジュー･ガーリャンさん同様台湾語を駆使した芸風で主に流行歌歌手や司会者として活躍する人気者です。やはりジュー･ガーリャンさんやユー･ティエンさんとは同世代で､そのつながりで本作への出演と至ったようですね。ちなみに､｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズに大きな影響を与えた｢カンフーキッド｣シリーズの原点的作品『カンフーキッド･大暴れ!!悪ガキ６人衆』(85年)にもファン･シャーティエンは出演しており､本作同様吃音(ドモリ)を交えたコミカルな小芝居を見せています。
前述したように､本作はリン･シャオ･ロウやジュー･ガーリャンさんを始めとする"台湾オールスター映画"の体を取っていた為､本来なら日本ではおなじみのメンバーが脇へ追いやられた感があるのも､ファンにとっては不満が残るところだったかもしれません。実際第1作からデブ隊長を演じ続けたパン･サン(胖三)が､今回初めて当り役を外れ親方キョンシーを演じていたホァン･ヂョンユィ(黄仲裕)と共に小悪党役に甘んじてましたし(画像左･コレはコレで好演でした)､何より子役たちが個々のキャラを封じられ"十把ひとからげ"のように見えたのも確かです(画像中)。ただそのなかでも画期的だったのは､初代と２代目のチビクロ(陳子強＆安安)がシリーズ中同じ立場で初めて本格共演を果たしてるんですね。それで何が起こったかというと､アン･アン(安安)が別キャラクターで再レギュラー入りすることで､チェン･ツー･チャン(陳子強)が正式にチビクロ役として固定されたんです。ファンの方々は今でこそ当り前のように陳子強をチビクロと呼んでますけど､パート２＆３では安安が演じてたのは周知の事実ですよね。
そして…､もし子役たちが本作のように"十把ひとからげ"状態のまま､テンテンがシャドウ･リュウ(劉致��)でずっと描写されていたらどうだったでしょう。前項で彼女は"『幽幻道士４』の頃になると､私と他の子役たちとの間には､出演条件や待遇面でかなりの差が出来ていた"と言及していました。その"格差"をモロに画面で見せ付けられるワケです。演じる側もツラいですけど､視てる側も相当キツい画になってたのではないでしょうか。それを回避する為に､残された最後のカードがテンテンちゃんとスイカ頭兄妹の降板であり､その大きな穴を埋めるための台湾オールスターズの起用。そんな図式が浮かび上がってくるのです。そして､この大きな交代劇によって､このシリーズ､そして"キョンシー･ホラー"ブームが大きな転換点を迎えたのは確かなところです。
ほかにも､厳密には台湾系ではないですが今回のオールスターズに加えても遜色ない､浩雲道士あらためテンテンの父･成龍を熱演していたグー･クワンツォン(顧冠忠)は勿論､本作の翌年大ブレイクを果たすことになる､入会者の皆様には『新桃太郎』(87年)の"北海の兄貴"ことチェン･ソンヨン(陳松勇)など､脇の配役も抜かりはありません。また､凄まじい迫力とインパクトを見せたラスボスの悪魔にはジァン･ルンション(江龍昇)､『幽幻道士３』で八卦将軍の一角となる美女レイレイ役から､同じ扮装で本作ではテンテンの母親役で顔を出したパン･シャオラン(彭曉蘭･画像右の右側)など､若手の新進俳優たちも参加しています。
そして…､もし子役たちが本作のように"十把ひとからげ"状態のまま､テンテンがシャドウ･リュウ(劉致��)でずっと描写されていたらどうだったでしょう。前項で彼女は"『幽幻道士４』の頃になると､私と他の子役たちとの間には､出演条件や待遇面でかなりの差が出来ていた"と言及していました。その"格差"をモロに画面で見せ付けられるワケです。演じる側もツラいですけど､視てる側も相当キツい画になってたのではないでしょうか。それを回避する為に､残された最後のカードがテンテンちゃんとスイカ頭兄妹の降板であり､その大きな穴を埋めるための台湾オールスターズの起用。そんな図式が浮かび上がってくるのです。そして､この大きな交代劇によって､このシリーズ､そして"キョンシー･ホラー"ブームが大きな転換点を迎えたのは確かなところです。
ほかにも､厳密には台湾系ではないですが今回のオールスターズに加えても遜色ない､浩雲道士あらためテンテンの父･成龍を熱演していたグー･クワンツォン(顧冠忠)は勿論､本作の翌年大ブレイクを果たすことになる､入会者の皆様には『新桃太郎』(87年)の"北海の兄貴"ことチェン･ソンヨン(陳松勇)など､脇の配役も抜かりはありません。また､凄まじい迫力とインパクトを見せたラスボスの悪魔にはジァン･ルンション(江龍昇)､『幽幻道士３』で八卦将軍の一角となる美女レイレイ役から､同じ扮装で本作ではテンテンの母親役で顔を出したパン･シャオラン(彭曉蘭･画像右の右側)など､若手の新進俳優たちも参加しています。
>>[9]
当時、小学生ながらにキャスティングがコロコロ変わるのにはモヤモヤしていましたが、おっしゃる通り本作「4」で遂にチビクロ、アンアンが固定されてスッキリした事をよく覚えております。
キャスティングでモヤモヤしてると言うと話は少し変わりますが「来来キョンシーズ」での「蛸壺フィフィー」の役を前述の安安と、幽幻道士3にてシシ丸を演じた褚修身の2人で回して演じてるのが気持ち悪かったです（笑）
あと続編「新・幽幻道士 立体奇兵」の日本語吹き替え版にて。本作4でチェンチェンを演じた李宜娟がテンテンとして紹介されてるのも何だかなあって感じです。まあ立体奇兵ではそれ以外にもメチャクチャな設定満載なのでどうでも良いっちゃ良いんですけどね（笑）
当時、小学生ながらにキャスティングがコロコロ変わるのにはモヤモヤしていましたが、おっしゃる通り本作「4」で遂にチビクロ、アンアンが固定されてスッキリした事をよく覚えております。
キャスティングでモヤモヤしてると言うと話は少し変わりますが「来来キョンシーズ」での「蛸壺フィフィー」の役を前述の安安と、幽幻道士3にてシシ丸を演じた褚修身の2人で回して演じてるのが気持ち悪かったです（笑）
あと続編「新・幽幻道士 立体奇兵」の日本語吹き替え版にて。本作4でチェンチェンを演じた李宜娟がテンテンとして紹介されてるのも何だかなあって感じです。まあ立体奇兵ではそれ以外にもメチャクチャな設定満載なのでどうでも良いっちゃ良いんですけどね（笑）
>>[10]
毎度お返事が遅くなり恐縮です。
＞「来来キョンシーズ」での「蛸壺フィフィー」の役を前述の安安と、幽幻道士3にてシシ丸を演じた褚修身の2人で回して演じてるのが気持ち悪かったです（笑）
…コレは台湾側の事情でしょうね。実は安安君って当時台湾でかなり売れっ子の子役だったんです。なのでおそらくスケジュールの問題で『幽幻道士３』にも参加していた褚修身君とふたりで回すことになったのだと思われます。白塗りの脇役なので､日本側にも伝えていなかったでしょうし､当の日本側もまさかそんなことになってるとは思ってないでしょうから､スルーされた可能性が大きいですね。
＞続編「新・幽幻道士 立体奇兵」の日本語吹き替え版にて。本作4でチェンチェンを演じた李宜娟がテンテンとして紹介されてるのも何だかなあって感じです。
…こちらは逆に日本側の事情でしょう。｢幽幻道士(キョンシーズ)｣が大ヒットしたことで､"美少女道士テンテンちゃん"というキャラクターはその象徴というか､ある種ブランド化したんですよね。勿論オリジナルで李宜娟の役名は違いますけども､当時の日本側からすれば､オリジナル通りの役名にする意味はなかったと思うんです。重要なのは『立体奇兵』が｢幽幻道士｣シリーズであるのをアピールすることと､その作品世界にテンテンちゃんが存在することだったでしょうから､李宜娟の役名テンテンチャンに変えて､高田由美さんに吹替させたのだと思われます。
『幽幻道士４』の話題から外れてしまっているので､取りあえずこの辺で。
毎度お返事が遅くなり恐縮です。
＞「来来キョンシーズ」での「蛸壺フィフィー」の役を前述の安安と、幽幻道士3にてシシ丸を演じた褚修身の2人で回して演じてるのが気持ち悪かったです（笑）
…コレは台湾側の事情でしょうね。実は安安君って当時台湾でかなり売れっ子の子役だったんです。なのでおそらくスケジュールの問題で『幽幻道士３』にも参加していた褚修身君とふたりで回すことになったのだと思われます。白塗りの脇役なので､日本側にも伝えていなかったでしょうし､当の日本側もまさかそんなことになってるとは思ってないでしょうから､スルーされた可能性が大きいですね。
＞続編「新・幽幻道士 立体奇兵」の日本語吹き替え版にて。本作4でチェンチェンを演じた李宜娟がテンテンとして紹介されてるのも何だかなあって感じです。
…こちらは逆に日本側の事情でしょう。｢幽幻道士(キョンシーズ)｣が大ヒットしたことで､"美少女道士テンテンちゃん"というキャラクターはその象徴というか､ある種ブランド化したんですよね。勿論オリジナルで李宜娟の役名は違いますけども､当時の日本側からすれば､オリジナル通りの役名にする意味はなかったと思うんです。重要なのは『立体奇兵』が｢幽幻道士｣シリーズであるのをアピールすることと､その作品世界にテンテンちゃんが存在することだったでしょうから､李宜娟の役名テンテンチャンに変えて､高田由美さんに吹替させたのだと思われます。
『幽幻道士４』の話題から外れてしまっているので､取りあえずこの辺で。
『幽幻道士４』は､前作と異なり台湾でも劇場公開されています。現地公開のオリジナル版は日本でＴＶ放送されたヴァージョンよりも15分前後長いのですが､テンテンが産まれるシーンが多少長いほか､主にダメ親方がらみのシーンに尺を取っており､基本的な流れは変わっていません。ただ､OPに出る会社やスタッフのクレジットを見ると､日本版では見えなかった事実が見えてきます。
まず左の画像を見ると､"嘉禾電影"の文字が確認できます。"嘉禾電影"はご存知｢霊幻道士｣シリーズの制作元であるゴールデン･ハーベストの中国語表記です。つまり『幽幻道士４』は台湾では香港の｢霊幻道士｣シリーズ同様ゴールデン･ハーベストの配給で公開されたことになるワケです。｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズは､台湾の独立プロ制作とはいえ､どちらかというとショウ･ブラザース寄りの布陣で作られてきました(加藤直三さんが『幽幻道士(キョンシーズ)』１を紹介されたのもショウ･ブラザースの東京支社でした)。それが本体の映画制作停止を受け､傘下の公開網も縮小されるなか､｢霊幻道士｣シリーズと同じ映画会社で配給されたというのも､時の流れを感じます。
真ん中の画像では､テンテンちゃんことシャドウ･リュウが稲妻パワーを注入している場面をバックに"原著：倪匡"とのクレジットが大きく出ます。原著というのは｢原作･原案｣の意味です。え､『幽幻道士４』に"原作"なんてあったの!? と思われる方もいるかと存じますが､そもそも現地ではシリーズ物として上映されてないですし､皆様ご存知の通り前3作とは異なる世界観のお話なので､本作のみ"原作"があっても不思議ではないのです。
さて､その原作者となる倪匡なる人物ですが…､香港映画界随一の名脚本家にして小説家としても知られるニィ･クワンのことです。｢幽幻道士(キョンシーズ)１｣の原型のひとつにもなった『霊幻少林拳』(79年)と前作にあたる『マジッククンフー神打拳』(75年)の脚本を担当したほか､過去当コミュニティでご紹介した"キョンシー･ホラー"以外の香港カンフー映画…『武道大連合/復讐のドラゴン』『嵐を呼ぶドラゴン』『少林寺列伝』『五毒拳』『少林寺三十六房』等も手掛けています。また大衆向けSF小説家としても多作で､代表作である｢ウエスリー(衛斯理)｣シリーズは､過去何度も映画やTVドラマ化されており､『霊幻道士』(85年)のチン･シュウホウ(錢小豪)が主演し､人気スターのチョウ･ユンファ(周潤發)も顔を見せた『セブンス･カース』(86年､画像右)といった映画が日本でも数作公開されています。『セブンス･カース』もまた､元々はショウ･ブラザースで撮影後､前述の映画制作停止により､ゴールデン･ハーベストの配給で香港公開された作品です。
まず左の画像を見ると､"嘉禾電影"の文字が確認できます。"嘉禾電影"はご存知｢霊幻道士｣シリーズの制作元であるゴールデン･ハーベストの中国語表記です。つまり『幽幻道士４』は台湾では香港の｢霊幻道士｣シリーズ同様ゴールデン･ハーベストの配給で公開されたことになるワケです。｢幽幻道士(キョンシーズ)｣シリーズは､台湾の独立プロ制作とはいえ､どちらかというとショウ･ブラザース寄りの布陣で作られてきました(加藤直三さんが『幽幻道士(キョンシーズ)』１を紹介されたのもショウ･ブラザースの東京支社でした)。それが本体の映画制作停止を受け､傘下の公開網も縮小されるなか､｢霊幻道士｣シリーズと同じ映画会社で配給されたというのも､時の流れを感じます。
真ん中の画像では､テンテンちゃんことシャドウ･リュウが稲妻パワーを注入している場面をバックに"原著：倪匡"とのクレジットが大きく出ます。原著というのは｢原作･原案｣の意味です。え､『幽幻道士４』に"原作"なんてあったの!? と思われる方もいるかと存じますが､そもそも現地ではシリーズ物として上映されてないですし､皆様ご存知の通り前3作とは異なる世界観のお話なので､本作のみ"原作"があっても不思議ではないのです。
さて､その原作者となる倪匡なる人物ですが…､香港映画界随一の名脚本家にして小説家としても知られるニィ･クワンのことです。｢幽幻道士(キョンシーズ)１｣の原型のひとつにもなった『霊幻少林拳』(79年)と前作にあたる『マジッククンフー神打拳』(75年)の脚本を担当したほか､過去当コミュニティでご紹介した"キョンシー･ホラー"以外の香港カンフー映画…『武道大連合/復讐のドラゴン』『嵐を呼ぶドラゴン』『少林寺列伝』『五毒拳』『少林寺三十六房』等も手掛けています。また大衆向けSF小説家としても多作で､代表作である｢ウエスリー(衛斯理)｣シリーズは､過去何度も映画やTVドラマ化されており､『霊幻道士』(85年)のチン･シュウホウ(錢小豪)が主演し､人気スターのチョウ･ユンファ(周潤發)も顔を見せた『セブンス･カース』(86年､画像右)といった映画が日本でも数作公開されています。『セブンス･カース』もまた､元々はショウ･ブラザースで撮影後､前述の映画制作停止により､ゴールデン･ハーベストの配給で香港公開された作品です。
9コメント目で触れた悪魔役(画像左)のジァン･ルンション(江龍昇)。当時管理人は彼を”若手”と思い込んでいましたが…実は結構なキャリアをもつアクション俳優であることが今更ながら判明しました。
別項でもご紹介している若きジャッキー･チェン(成龍)の主演作『カンニング･モンキー天中拳』(80年)にて､江龍昇は鉄腕呂(ルウ)という大役を演じていたのです(画像中)。
江龍昇(旧芸名･江志平)が出演する『カンニング･モンキー天中拳』のクライマックス動画↓
『天中拳』に出ていた時の芸名はジァン･チーピン(江志平)。彼は77年に｢少林寺への道｣シリーズで知られるカーター･ワン(黃家達)が主演する台湾製カンフー映画でデビューしたようです。この映画にはジャッキー主演のカンフー映画ではおなじみの脇役であったジェームス･ティエン(田俊)やクム･コン(金剛)が顔を出していました。更には後年『幽幻道士(キョンシーズ)１』(86年)に顔を出すチン･ロン(金龍)や香港のショウ･ブラザーズで主演作を取った後『幽幻道士２』(88年)の武術指導を担当するチェン･ティエンティー(程天賜)も端役で出演していました。
その後もう１本カーター･ワン主演作に参加後､『飛龍神拳』(78年､映画祭上映)でジャッキー主演作に初出演。盗賊の幹部役でブルース･リャン(梁小龍)とアクションを見せます。以降『拳精』(78年)､『天中拳』､そしてジャッキーの監督デビュー作『笑拳』(79年)と､ジャッキーが台湾を去るまでのカンフー作品に顔を出しています。この4本に共通しているのは､いずれもジェームス･ティエンが出演していることです。ですから元々ジャッキーというよりはジェームス･ティエンと縁の深い俳優さんだったのかもしれません。であれば､コレだけアクションをこなし役付きでジャッキーの映画に続けて出演しながら､彼のアクションチームには属していなかったのも合点がいきます。しかしそんな日々もジャッキーがゴールデン･ハーベストへ移籍のため香港へ戻ったことで幕が下ろされます。江志平と縁が深かったであろうジェームス･ティエンも81年にサモ･ハン(洪金寶)から『ドラ息子カンフー』(81年､ソフトのみ)への出演を依頼され､以降は香港のゴールデン･ハーベストで再度キャリアを重ねていきます。
ひとり台湾に残された格好となった江志平は､80年代に入り散発的にアクション映画に出演していましたが(TVドラマで活躍した可能性も有)､84年に芸名を”江龍昇”に変えプロデューサーのひとりとなって､ファミリー向のファンタジー映画に出演します。この映画は日本未公開なのでタイトルは掲げませんが､結果からいうとその後の彼のキャリアへのターニングポイントになった気が致します。
そして87年､日本の超人気コミックを実写化した｢北斗之拳/Super Peitou Fist｣｢北斗神拳｣の２作に主演します(画像右)。しかし､この２作は日本の版元に許可を取らず撮影したため問題作として取上げられ､内容も原作中の必殺技を安手な効果で再現した超低予算作だったため､黙殺されていきました。日本でも好事家がサブカル系雑誌で紹介し､一部のマニアの間で注目されました。この２部作に主演した翌年出演したのが『幽幻道士４』でした。しかし､江龍昇と｢幽幻道士(キョンシーズ)｣チームの縁はこの１本で途切れたワケではなく…そこから後のお話は機会をあらためてお伝えしたいと存じます。
別項でもご紹介している若きジャッキー･チェン(成龍)の主演作『カンニング･モンキー天中拳』(80年)にて､江龍昇は鉄腕呂(ルウ)という大役を演じていたのです(画像中)。
江龍昇(旧芸名･江志平)が出演する『カンニング･モンキー天中拳』のクライマックス動画↓
『天中拳』に出ていた時の芸名はジァン･チーピン(江志平)。彼は77年に｢少林寺への道｣シリーズで知られるカーター･ワン(黃家達)が主演する台湾製カンフー映画でデビューしたようです。この映画にはジャッキー主演のカンフー映画ではおなじみの脇役であったジェームス･ティエン(田俊)やクム･コン(金剛)が顔を出していました。更には後年『幽幻道士(キョンシーズ)１』(86年)に顔を出すチン･ロン(金龍)や香港のショウ･ブラザーズで主演作を取った後『幽幻道士２』(88年)の武術指導を担当するチェン･ティエンティー(程天賜)も端役で出演していました。
その後もう１本カーター･ワン主演作に参加後､『飛龍神拳』(78年､映画祭上映)でジャッキー主演作に初出演。盗賊の幹部役でブルース･リャン(梁小龍)とアクションを見せます。以降『拳精』(78年)､『天中拳』､そしてジャッキーの監督デビュー作『笑拳』(79年)と､ジャッキーが台湾を去るまでのカンフー作品に顔を出しています。この4本に共通しているのは､いずれもジェームス･ティエンが出演していることです。ですから元々ジャッキーというよりはジェームス･ティエンと縁の深い俳優さんだったのかもしれません。であれば､コレだけアクションをこなし役付きでジャッキーの映画に続けて出演しながら､彼のアクションチームには属していなかったのも合点がいきます。しかしそんな日々もジャッキーがゴールデン･ハーベストへ移籍のため香港へ戻ったことで幕が下ろされます。江志平と縁が深かったであろうジェームス･ティエンも81年にサモ･ハン(洪金寶)から『ドラ息子カンフー』(81年､ソフトのみ)への出演を依頼され､以降は香港のゴールデン･ハーベストで再度キャリアを重ねていきます。
ひとり台湾に残された格好となった江志平は､80年代に入り散発的にアクション映画に出演していましたが(TVドラマで活躍した可能性も有)､84年に芸名を”江龍昇”に変えプロデューサーのひとりとなって､ファミリー向のファンタジー映画に出演します。この映画は日本未公開なのでタイトルは掲げませんが､結果からいうとその後の彼のキャリアへのターニングポイントになった気が致します。
そして87年､日本の超人気コミックを実写化した｢北斗之拳/Super Peitou Fist｣｢北斗神拳｣の２作に主演します(画像右)。しかし､この２作は日本の版元に許可を取らず撮影したため問題作として取上げられ､内容も原作中の必殺技を安手な効果で再現した超低予算作だったため､黙殺されていきました。日本でも好事家がサブカル系雑誌で紹介し､一部のマニアの間で注目されました。この２部作に主演した翌年出演したのが『幽幻道士４』でした。しかし､江龍昇と｢幽幻道士(キョンシーズ)｣チームの縁はこの１本で途切れたワケではなく…そこから後のお話は機会をあらためてお伝えしたいと存じます。
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