再ドラ！気になります♪コミュの離婚弁護士

　資格試験の最難関とされる司法試験。昨年度の司法試験受験者数は４万1459人。このうち、最終合格者数は1183人。合格率はわずか2．5％に過ぎない。合格者の平均年齢27．57歳。合格者の平均受験年数5．49年――。
狭き門を突破した者たちは、１年半の司法修習期間を経て法曹界へと旅立っていく。このうち、７割以上の人たちが志望する職業が「弁護士」である。

　一般の人々からは羨望の眼差しで見られるこの弁護士という職業だが、その中にも確実にヒエラルキーが存在する。多くの弁護士が望むのは、大企業専門の顧問弁護士の座である。海外の企業等も相手にする渉外弁護士は、多額の顧問料とステイタスが得られる弁護士界のエリートである。大手弁護士事務所は、優秀な人材を求めて企業顔負けの青田買い、ヘッドハンティングを繰り広げているという。

　一方、映画やドラマの中で颯爽と描かれる刑事事件専門の弁護士や相続・不倫など人間関係のトラブルを扱う弁護士など、一般的になじみが深いこうした分野は、
意外にも弁護士たちからは敬遠されがちである。

　経済社会、国際社会のひのき舞台で活躍するエリート弁護士たちが高額の収入を得るのに比べ、個人の訴訟や刑事事件の弁護で得られる手数料はほんのわずかに過ぎない。その中でも、最も割りに合わないとされているのが「離婚訴訟」である。感情的なクライアントも多く、財産や親権、性の問題など、法的に割り切りにくいナーバスな問題故に、要する時間と手間は想像を絶する。深夜に泣きながら訴えてくるクライアント、難航を極める交渉…。振り回され続けた結果、夫婦がよりを戻して訴訟の成功報酬を取れないケースもあるし、また、裁判に勝っても支払われる報酬は数万円から50万円程度でしかない。

　法律的手法や交渉能力とは別物の忍耐勝負を強いられる「離婚訴訟」だが、皮肉なことに、カップルの３組に１組が離婚するという現場の中でニーズは日に日に高まっているのも事実である。最も固い絆であるはずの「家族」が解散せざるを得ない状況に至るには、単なる夫婦ゲンカのレベルを超えた複雑な事情が存在することも多い。「家族」という一番小さな単位だからこそ見えてくる現代社会の歪み…。幼児虐待や少年犯罪など、弱いものたちが直面する厳しい現実がそこにある。離婚訴訟を扱う弁護士たちは、人々の葛藤する姿を目の当たりにして、法律では決して割り切れない“人間”というものの存在を日々感じているに違いない。

　このドラマは、大手法律事務所から自信満々で独立した渉外弁護士が主人公である。所属していた大手法律事務所からの妨害で仕事を奪われ、スタッフといえば、法律については素人同然の大学生、人材派遣会社で経理専門の仕事に従事しており、玉の輿を狙って応募してきた受付嬢、契約条件だけに惹かれてきたビジネスライクな弁護士、弁護士事務所在籍歴は長いが、司法試験には受かっていないパラリーガル…。この急造弁護士事務所で心ならずも「離婚訴訟」を始めとする生身の人間を相手にする事件を担当せざるを得なくなった主人公が、スタッフやクライアントと衝突し、もがき苦しみながら成長する姿を通して愛情や人間関係を法で裁くことの難しさや、「正義」とは、そして「家族」とは何かを問いかける人間ドラマある。

☆キャスト☆
間宮貴子 ………天海祐希

本多大介 ………玉山鉄二

柳田俊文 ………佐々木蔵之介

北原ゆかり ………井上和香

村井奈津子 ………久我陽子

矢吹遥 ………飯島直子

貴島雄樹 ………押尾学

夏木佑介 ………佐藤隆太

安藤博隆 ………渡辺いっけい

黒木和也 ………大杉漣

井上紀三郎 ………津川雅彦