マドリード王立図書館に現存する「トルヒーヨ写本(El codice Trujillo del Peru)」は、1700年代後半にペルー北部最大の都市トルヒーヨに赴任したスペインの司教バルタザール・マルティン・コンパニョンによって収集されたこの地域の動植物、文化、生活、風習などを書き留めた博物誌的写本です。なかでもそこに残された楽譜は、ラテンアメリカ音楽の起源と進化を知る上できわめて貴重です。今回招聘するアドリアン・ファン・デル・スプール氏はアルゼンチン生まれの音楽家で、長年にわたりこのトルヒーヨ写本の研究を続けてきました。今回アントネッロとの共演で、トルヒーヨ写本に残された20曲全曲を‘生きた’音楽として再現します。