ＳＯＮＧＳコミュの第241回　イル・ディーヴォ

校正のちほどです。


　　　語り：守本アナウンサー＞2004年にデビューしたイル・ディーヴォ。
　　　クラシカルな歌唱法でスタンダードなポップス歌う新感覚のボーカルグループです。
　　　アルバムセールスは全世界で2,600万枚以上。ワールドツアーも４回。世界は今まさ
　　　に彼らの歌声に熱狂しています。
　　　しかし、4人のこれまでの道のりは平坦なものではありませんでした。プロになった
　　　ももの生活は苦しく何度も諦めめかけました。30歳を過ぎ歌手人生の岐路に立たさ
　　　れてた４人を待っていた奇跡の出会いそれがイル・ディーヴォでした。
　　　破格の成功を収め今年は南アフリカを皮切りに５大陸、134公演のワールドツアーを
　　　成功させました。
　　　そんなイル・ディーヴォの4人は日本に特別な思いを寄せています。今回来日した４
　　　人は富士山を望む箱根を訪れました。
　　　「SONGS」今夜は秋の風景の中のこだまする歌声と挫折を乗り越えて夢を掴んだ彼
　　　らの素顔に迫ります。
日本の皆さん今晩は。今夜は僕たちの歌とハートをお届けします。

　　　イル・ディーヴォのサウンドの魅力・・それはポッスのメロディーをドラマチックな
　　　オーケストラに乗せて高らかに歌いあげる声の力です。
　　　そんな彼らの代表曲・・　
Time To Say Goodbye

　　　2004年にイギリスでデビュー。今や世界的なアーティストとなったイル・ディーヴォ。
　　　しかしそれ以前の歌手人生は決して順風満帆ではありませんでした。

　　　アメリカ生まれのデイビットは音楽大学を卒業後ミュージカルやオペラに出演してい
　　　ました。しかしイタリアで地元のオペラに出演中、主役をアメリカ人が演じることに
　　　地元の人たちが反発。降板させられると言う事件が起きます。
降板だと言われ、胸がはり裂けそうになって混乱してわけがわからなくってしまって。やっと
パリの劇場でつなぎの仕事を見つけたけど、恋人と二人根無し草のような貧しい生活だった。

　　　ウルスはスイス生まれ。音楽教師の免許取る一方でオランダでテノール歌手として活
　　　躍していました。しかしフリーの歌詞に安定した仕事はなくオーディションに明け暮
　　　れる日々が続いていました。
歌をやめたらスーパーのレジ係になるしかなかった。フリーの歌手は目先の仕事はあるんだ
けど、キャリアを積み重ねる仕事やずっと安定した収入を得られる仕事は無かった。

　　　カルロスはスペインの音楽学校卒業後ミュージカルやオペラに出演していました。
　　　しかし仲間の足の引っ張り合い悪口を言い合う世界うんざりしていたのです。自分が
　　　やりたい事は本当にこれなのか迷い始めていました。
祖母が言っていた「信じるものがあるなら目を閉じて考えなさい。そうすれば必ずやりたい
事に到達できる」

　　　セバスチャンはフランス生まれ。ポップス歌手としてパリでデビューしていました。
　　　ソロアルバムも発表しますが成功に程遠くレンタルビデオショップ経営の二重生活で
　　　した。ミュージカルにも出演しましたか歌手として食べていくのは大変でした。
お金がなくて母のところにかけこんだこともあった。音楽をやめてペンキ塗りになろうと思
ったことも。実際お金がなくてペンキ塗りの仕事もした。

　　　30歳を過ぎこの先歌手として本当にやっていけるのだろうか。 4人は追い詰められて
　　　いました。そんな時あるオーディションの話を耳にしたのです。
　　　４人の前に現れたのは世界的プロデューサー、サイモン・コーウェル。彼はポップス
　　　をオペラのように歌い上げるグループを作りたいと世界各地でオーディションを開催。
　　　２年の歳月をかけ数千人の中から4人を選びました。サイモンは4人に言いました。
　　「君たちは立派な歌手だ。本来の才能に恥じない君たちの音楽を作って欲しい。

生まれも育ちも違う４人がいきなりスタジオで会った。「これから先ずっと友達でいてくれ。
一緒に歌ってくれ。」最初はお互いを理解するのに苦労した。
４人の声をいかす歌い方を研究したんだ。個性を消さずにブレンドするこだと。

　　　2004年、デビューアルバム「イル・ディーヴォ」をリリース。６ケ月をかけて制作さ
　　　れました。発表されるといきなり全英１位を獲得します。
　　　テノールが3人、バリトンが1人。これまでにないボーカルグループでした。デビュー
　　　前は「ただの寄せ集めに過ぎない。きっと失敗する」と批判されましたが、翌年には
　　　アメリカでもチャート入り。２作目のアルバムでは全米１位を獲得するという快挙を
　　　なし遂げます。
♪マイウェイ
　　　その後18カ国を回るワールドツアーを行い半年で50万人を動員。どん底の生活から這
　　　い上がって、「神のような歌声」と言う意味を持ついるイル・ディーヴォの名にふさ
　　　わしい存在になったのです。
僕らの誰もがまさがここまでになと思っていなかった。大成功している今でさえまだ信じら
れない。

　　　4人が出会って今年で10年。最初は言葉の違いや経験の違いから大喧嘩することも、
　　　度々でした。でもその違いがイル・ディーヴォの魅力なのです。それぞれが歩んでき
　　　た人生が重なり合って1つの歌声になる。すると聞く人の心を揺さぶる何かが生まれる
　　　のです。そんな彼らが歌う極めつけのラブソングです。
　　　映画「タイタニック」の主題歌として世界的に大ヒットした・・
My Heart Will Go On

　　　今年3月イル・ディーヴォの４人が歌った「故郷」。東日本大震災の追悼と鎮魂をこめ
　　　て歌いました。それは4人にとって忘れられない体験になりました。
黙祷をしたら会場の皆さんの痛みが伝わってきた。突然の事に涙が止まらなくなって、最後
まで「故郷」を歌えなかった。

武道館を包んだ悲しみは信じられないほど強烈だった。うまく表現できないけど、あの瞬間
すべての思いがひとつになったんだ。

　　　今年3月の公演以来再び日本を訪れた４人。箱根にある小学校にやってきました。
　　　日本の子供たちと「故郷」を歌うためです。
　　　箱根の森小学校の生徒は166人。朝から全校生徒がが出迎えてくれました。
こんにちは。
こんにちは。
　　　今回イル・ディーヴォと一緒に歌うことになったのは小学5年生と6年生。みんなこん
　　　な経験は初めてです。
　　　子供たちが歌うのは「箱根八里」。
　　　箱根の険しい山並みを歌ったこの歌でイル・ディーヴォの4人を歓迎しました。
♪箱根八里
ブラボー！すごいね。すごい。
僕にも子供が３人いるんだけどみんなと一緒に歌えたら良かったなあ。
素敵な歌をありがとう。
僕らは小さ頃から歌が大好きで、みんなと同じ年ごろから歌ってたよ。

　　　４人も歌手を夢みた日々、応援してくれた人のことを思い出しました。
　　　カルロスは6歳の時、1500人の前で歌う忘られない経験をし、それ以来両親が歌手の
　　　夢を後押ししてくれたといいます。
　　　デイビットは高校生の時の合唱団の先生から勧められて歌手を志しました。
　　　ウルスはロック歌手を目指しますが、たまたまボーカルレッスン受けた先生からクラ
　　　シック歌手の道を勧められました。
　　　セバスチャンは5歳で両親が離婚。幼い頃から歌が大好きでしたが音楽を習うお金があ
　　　りませんでした。祖母の部屋にあったぼろぼろのピアノで歌う日々 。
　　　自分の夢を信じて歌手になったイル・ディーヴォ。そんな４人だからこそ子供たちに
　　　伝えたいことがあります。

うまくいかないこともあるけど、自分を信じてやり通すこと。自分の心に素直になって
好きなものを見つけることだよ。

　　　富士山を望む箱根の芦ノ湖。夢を追いかける大変さそして素晴らしさ。
　　　美しい風景と夢がいっぱい詰まったこの歌を子供たちと歌います。

故郷（ふるさと）

音楽は言葉の壁をこえる力がある。すべての情熱を感情をこめて歌えば、音楽はどんな人の
心にも届く。

　　　最後にお送りするのはドラマチックな愛を歌った名曲です。

Don’t Cry For Me Argentina（アルゼンチンよ、泣かないで）