ＳＯＮＧＳコミュの第214回　ホイットニー・ヒューストン

インタビュー部分など後ほど追加、校正します。
感想は、ご自由にどうぞ

語り:守本アナウンサー＞今年2月偉大な歌姫がなくなりました。
ホイットニー・ヒューストン。
その美しい歌声は「アメリカの宝」と言われました。
総売り上げは1億7,000万枚。全世界で愛され日本でも大ヒットしました。

ホイットニーは晩年さまざまな人生の試練に襲われます。
心も体もボロボロになるどん底まで落ちながらも最後まで歌を届けようとしました。
48年の短い生涯を駆け抜けたホイットニー・ヒューストン。その思いに迫ります。

ホイットニーは1963年に生まれました。
母のシシーは歌手、父のジョンはそのマネージャーでした。
いとこにはグラミー歌手のディオンヌ・ワーイックがいました。

ホイットニーは母のシシーによって敬虔なクリスチャンとして育てられます。
この世で最も大切なのは「愛」であると教えられたのです。

また、ホイットニーが夢を手に入れたきっかけも母でした。
母はスタジオやライブなど仕事場によく連れて行ってくれました。ホイットニーは
自然と歌手になる夢を抱きます。母のライブに飛び入り参加するようになりました。
そのホイットニーの夢は19歳のときに走り出します。
ヒットメーカーとして名高いアリスタレコード社長クライヴ・デイビスに見出され
たのです。

クライヴとの契約直後ホイットニーがテレビに初出演した映像が残されていました。
当時19歳デビュー前の貴重な歌声です。
♪ホーム

2年後の85年2月。ホイットニーはついにアルバム「ホイットニーヒューストン」
でデビューしました。
そして最初にシングルカットした「そよ風の贈り物」が徐々に話題となります。

ホイットニーの歌声には心を動かす力がありました。それが人々に伝わりじわじわと
人気が広がっていったのです。
そしてこの曲でホイットニーの人気に火がつきました。

♪すべてをあなたに

初の全米1位とグラミー賞を獲得。ホイットニーの夢は本人も戸惑うほどの勢いで
突き進み始めました。

曲を出す度にホイットニーの人気は跳ね上がりました。
人々が夢中になったのがホイットニーが愛らしいルックスとスタイル、クリスチャ
ンの清潔なイメージ。そして、なんといっても伸びのある美しい声でした。

4枚目のシングルは最高の愛をテーマにした曲でした。
歌詞になるまでの自分の半生を描いたミュージックビデオには、母のシシーも出演し
ました。

母に育てられ一人の少女からトップスターに駆け上がったホイットニーは母から教え
られた愛の大切さを歌で伝えるようになりました。

トップスターとなったホイットニーはヒットを出し続けないと転落してしまうと言う
重圧がかかるようになります。しかし、ホイットニーはプレッシャーと闘いながら思
いを込めて2枚目のアルバムを制作。ホイットニーが歌う愛の力は人々に届き見事に
大ヒットしました。

ホイットニーはシングル7作連続全米1位という史上ただ一人の偉業を達成。
さらにグラミー賞を始め400を超える音楽賞を受賞しました。
ホイットニーが歌に込めた純粋な思いは世界中の人々に伝わっていきました。

92年、大きな転機が訪れます。R&Bアーティスト、ボビーブラウンと三年間の交際の
末の結婚。翌年には一人娘を出産しました。大切にしてきた愛を女性としても手に入れ
たのです。
パートナーの愛に支えられたホイットニーが新たな境地に挑み飛躍します。
映画「ボディーガード」の主演です。
華やかなトップスターとボディーガードの切ない恋愛をケヴィン・コスナーとともに演
じました。たとえ実らなくても命をかけて相手を守る愛。人々の心を打ち、全世界で大
ヒットしました。映画のサウンドトラックも驚異的な売り上げを記録。そしてその中か
ら人類に衝撃を与えた一曲が誕生しました。
♪ Always love you

カントリー歌手ドリー・バートンの曲をホイットニーがカバー。
14週連続一位を記録するメガヒットとなりました。
ホイットニー人生の絶頂期。圧巻のパフォーマンスをご覧ください。

女性としての幸せを手にし、歌手としても頂点を極めたホイットニー。
しかし、その人生に影が差し始めます。
「世界一のディーヴァ」それは巨大な重圧が伴いました。ヒットを出し続けないとすぐに
「ホイットニーは終わった」と言われてしまう。そんな音楽業界の中で96年以降チャー
ト1位から遠ざかってしまいます。その上ホイットニーを人生の試練が次々と襲います。
辛い時に守るはずの夫ボビー・ブラウンの浮気が発覚。家庭内暴力事件も起こったのです。
愛する人の裏切り。常に愛を支えにしてきたホイットニーにとって人生最大のショックで
した。それでもホイットニーはクリスチャンの教えを守り結婚続けようとします。
スターとしての重圧と結婚生活の苦しさでホイットニーは自分を見失っていきます。
そして苦しみから逃れようと薬物に依存してしまったのです。ホイットニーのイメージは
スキャンダルで汚れました。何より薬物の影響で美しい声が損なわれてしまいました。
そしてホイットニーは表舞台から姿を消して行きました。

しかし、ホイットニーはまだ終わっていませんでした。
2007年に正式に夫と離婚。リハビリ施設に入るなど薬物を断ち切ろうとします。もう
一度愛を歌うため自分の弱さと勇気をもって向き合おうとしたのです。ホイットニーに
再び力を与えたのは両親や大切な娘そして周囲の人々からの愛でした。

そして2009年、ホイットニーはついに6年ぶりのアルバムをリリースしました。
ファンは復活を待っていました。ホイットニーは13年ぶりにチャート一位に返り咲き
ました。

全盛期の伸びのある歌声でありませんでした。しかし人生の苦難を経たホイットニーが
誇りを持って歌う姿は人々の心を打ちました。

ホイットニー・ヒューストンは自分の弱さと必死に闘いながら最後まで歌を届けようと
しました。しかし、今年2月、帰らぬ人となりました。
ホイットニーが人生を通じて最も大切にした特別な一曲があります。
母が教えてくれた愛を力強く歌うその曲を最後にお届けします。

♪Greatest love of all